Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2019/10/21週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
コーディングのエディタ/IDEは人それぞれ好みがありますが、最近はVisual Studio Codeを利用している方が増えた気がしています。そのVisual Studio Code上でAWSの開発効率を上げることができるプラグインが用意されている事をご存知でしょうか?Python, Node.js, .NET coreでのAWS開発に対応していて、導入も簡単です。詳しくはこちら(AWS Toolkit for Visual Studio Code)をご覧ください。また、こちらには.NET core+AWSでの利用ガイドもあります。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2019年10月21日週の主要なアップデート
- 10/21(月)
- (この日は大きなアップデートはありませんでした)
- 10/22(火)
- Amazon API Gateway が、ワイルドカードカスタムドメイン名をサポートするようになりました
Amazon API GatewayでAWS Certificate Manager (ACM) で作成された証明書を用いたカスタムドメインにおいてワイルドカードが利用可能になりました。これまではカスタムドメインの各URLごとに証明書の設定が必要でしたが、この改善により以前より容易に柔軟なAPI URLの運用が可能になります。 - AWS Glue が、Spark ETL ジョブのジョブブックマークを巻き戻す機能を提供するようになりました
GlueのSpark ETLにはブックマークという「前回のジョブでどこまでデータソースを読んだか」を記録する機能があるのですが、これにリワインド機能が追加され、任意の前ジョブ実行時点まで巻き戻す事が可能になりました(以前はブックマークの操作はリセットのみ可能でした)。これによりジョブのリトライ時等で、より柔軟な操作が可能になります。 - AWS OpsWorks for Chef Automate がカスタムドメインのサポートを開始
AWS OpsWorks for Chef Automate でカスタムドメインが利用可能になりました。独自のドメインでChef Automateダッシュボードが表示可能になり、またこのドメインをAPIエンドポイントとしても利用可能になります。
- Amazon API Gateway が、ワイルドカードカスタムドメイン名をサポートするようになりました
- 10/23(水)
- Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) に変更ストリームのサポートを追加
DocumentDBで変更ストリーム(Change Stream)機能が利用可能になりました。クラスター内で発生する更新情報を時系列のシーケンスデータとして提供するというものです。これを活用することで別リージョンへのレプリケーションや、別システムへのデータ連携、変更通知等が可能になります。
- Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) に変更ストリームのサポートを追加
- 10/24(木)
- AWS Batch Introduces New Allocation Strategies
AWS Batchでインスタンスアロケーションの戦略が選択可能になりました。Spot Capacity Optimized, Best Fit Progressiveの2つが追加され、これまでの戦略(Best Fit)と合わせて3種類から選択可能になっています。特に注目はSpot Capacity Optimizedでしょう。中断の可能性が低いインスタンスタイプを自動的に選択するというもので、AWS Batchでのスポットインスタンスがより使いやすくなります。詳しくはこちらのBlogをご覧ください。 - Amazon Connect launches additional APIs to list contact center resources
コールセンターをクラウド上で実現するAmazon Connectに新しいAPIが追加されました。Amazon Connect内で定義されたリソース(電話番号、キュー等)をリストすることができるようになっています。 - Amazon CloudFront expands to 200 locations with new Edge locations in Colombia, Chile, and Argentina and reduces prices in South America by 56%
AWSのCDNサービスであるCloudFrontには毎月のようにエッジロケーションが追加されていますが、今回南米に複数のロケーションが追加され、合計200ロケーションに到達しました。全世界の77都市、37カ国におよぶグローバルネットワークを提供しています。同時に南米地域において11/1付での値下げが予告されています。詳しくはこちらのBlogをご覧ください。
- AWS Batch Introduces New Allocation Strategies
- 10/25(金)
- Increase AWS Single Sign-On security with multi-factor authentication using authenticator apps
AWS Single Sign-on (AWS SSO) でTOTPベースの多要素認証(MFA)をサポートしました。Authy やGoogle Authenticatorといった仮想MFAアプリをつかった多要素認証でのログインを容易に実現でき、ID&パスワードのみの認証よりもセキュリティレベルを向上させる事が可能です。 - Amazon Elastic Inference introduces new Accelerators with higher GPU memory
Amazon Elastic InferenceはEC2、SageMaker 、 Amazon ECSに対応したGPUサービスです。GPUアクセラレーターをアタッチする事で深層学習の推論を高速化するもので、TensorFlow,、Apache MXNet、ONNXをサポートします。このElastic Inferenceに最大8GBのGPUメモリをサポートする新しい世代のアクセラレーター(EIA2)が追加され、より大きいデータサイズの推論に対応しやすくなりました。また、料金ページで確認できるように新しいEIA2はEIA1と比較して同じ性能がより安価に提供されています。現在Virginia、Oregon、Ohio、Seoul、Irelandリージョンで利用可能ですが、他リージョンについても”coming soon”と記載されています。 - Amazon Elastic Container Service patterns are Generally Available in the AWS Cloud Development Kit
AWS Cloud Development Kit (CDK) はプログラミングコードでAWSのインフラを定義するための開発キットです。CloudFormationのような純粋な定義ではなく、プログラミング言語の中で利用できるので、より柔軟にコードによるインフラ構築を可能にするものです。CDKを使って作成されたコードはCloudFormationのテンプレートを出力します。このCDKでECSパターンが一般利用開始(GA)になりました。ECSパターンではよく利用されるパターンを容易に構築できるよう高レベルの操作を提供します。例えばコンテナ環境にALBを追加するといった操作を数行で表現可能です。くわしくはこちらのドキュメントを参照してください。
- Increase AWS Single Sign-On security with multi-factor authentication using authenticator apps
最後に紹介したCDKは、CloudFormationテンプレートの生成だけでなく、プログラミングコードの雛形生成や、差分抽出等便利な機能を多数備えています。こちらでCDKのハンズオン資料(日本語版)がダウンロード可能ですので、ぜひ試してみてください。(英語版はこちら)
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (@simosako)