Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2020/10/12週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
今回紹介するアップデートにはAWS Graviton2 (Armベース)プロセッサ関連のアップデートが2つあるのですが、そのGraviton2の解説や事例を紹介するオンラインセミナーが10/22(木)に開催されます。オンライン開催でどこからでもご参加いただけますので、Graviton2にご興味がある方はぜひご参加ください。申し込みはこちらです。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2020年10月12日週の主要なアップデート
- 10/12(月)
- Amazon Rekognition のコンテンツモデレーションに新しく 6 つのカテゴリを追加
Amazon Rekognition は深層学習に基づいて画像を認識するサービスです。Rekognitionのモデレーション機能で新しく「Drug (ドラッグ)」、「Tobacco (タバコ)」、「Alcohol (酒)」、「Gambling (ギャンブル)」、「Rude Gestures (無礼なジェスチャー)」、「Hate Symbols (ヘイトシンボル)」を検出できるようになりました。また既存カテゴリの検出率も改善されています。
- Amazon Rekognition のコンテンツモデレーションに新しく 6 つのカテゴリを追加
- 10/13(火)
- Amazon EKS で Kubernetes バージョン 1.18 のサポートを開始
Amazon EKSでKubernetes バージョン1.18がサポート(GA)されました。EKSは直近の4つのリリースをサポートしますので、サポート範囲はKubernetes 1.15、1.16、1.17、1.18になります。1.14も現在のところサポートされていますが2020年12月8日にサポートが終了になることが発表されています。サポートが終了すると1.14を実行しているすべてのEKSクラスターは1.15 の最新プラットフォームに更新されますので、できるだけ早いうちにアップグレードすることをお勧めします。
- Amazon EKS で Kubernetes バージョン 1.18 のサポートを開始
- 10/14(水)
- Fluent Bit がコンテナログをルーティングする送信先として Amazon S3 をサポート
Fluent Bit経由でコンテナのログをAmazon S3に送信できるようになりました。Fluent bitのリリースノートはこちらにあります。またECS FireLensでのサンプル設定がこちらで公開されています。
- Fluent Bit がコンテナログをルーティングする送信先として Amazon S3 をサポート
- 10/15(木)
- Amazon CloudWatch Synthetics launches Recorder to generate user flow scripts for canaries
CloudWatch Synthetics Recorderが公開されました。Chromeブラウザ用のプラグインとしてこちらで公開されています。このプラグインを利用すると、ユーザのWebアプリへの操作を記録し、その記録をそのままCloudWatch Syntheticsに投入して、定期的にその操作を実行し、結果をモニタすることが可能になります。 - Achieve up to 52% better price/performance with Amazon RDS using new Graviton2 instances
Amazon RDSで、AWS Graviton2 (Armベース)インスタンスが一般提供開始(GA)になりました。RDS for MySQL(8.17以降), PostgreSQL(12.3以降), MariaDB(10.4.1以降)でご利用いただけます。Graviton2は高いコストパフォーマンスを実現するプロセッサです。リリース文には”Support for Amazon Aurora is coming soon”とも書かれていますので楽しみですね。詳細はこちらのBlogをご覧ください。 - Amazon Aurora enables dynamic resizing for database storage space
Amazon Auroraで、確保されたストレージサイズの縮小が可能になりました。データが削除されるなどで利用量が減った場合、ストレージの縮小が自動的に行われます(表を削除したらすぐ縮小が起こるという事ではありません)。この機能は現在ロールアウト中ですので、まだ利用出来ないかたもいらっしゃると思われます。11月末までに全リージョン、全クラスターに本機能が適用される予定です。利用可能なバージョンはAurora MySQL versions 1.23と2.09、Aurora PostgreSQL versions 10.13と11.8です。詳細はこちらのドキュメントをご確認ください。 - AWS Glue crawlers now support Amazon DocumentDB (with MongoDB compatibility) and MongoDB collections
AWS Glueのクローラー(データソースをクロールし、メタデータを集めてGlue Data Catalogに記録する機能)がAmazon DocumentDB (with MongoDB compatibility)やMongoDBのデータのクロールに対応しました。詳細はこちらのドキュメントを参照してください。 - Announcing AWS Budgets Actions
AWSでの予算を管理するサービスAWS BudgetsにBudgets Actionという機能が追加されました。これまでも指定した予算を超える際にアラートを出す事ができましたが、それに加えてアクションを自動実行させる事ができるようになりました。例えば、予算を超えた場合IAMポリシーを適用し、追加のEC2やRDSを起動する事を禁止することが可能になります。詳細はこちらのBlogを参照してください。これと同時にAWS Budgets自体の値下げも発表されています。
- Amazon CloudWatch Synthetics launches Recorder to generate user flow scripts for canaries
- 10/16(金)
- Amazon QuickSight adds support for on-sheet filter controls
BIサービスのAmazon QuickSightで”フィルタコントロール”が作成可能になりました。操作GUI付きのフィルタを簡単に作成できる機能です。これまではパラメータ(変数)作成=>パラメータに紐づくコントロール作成=>フィルタを作成してパラメータを関連付ける、という作業が必要でしたが、今回の機能でフィルタ作成=>ワンクリックでフィルタコントロール作成、とシンプルになりました。またフィルタコントロールは画面上部だけでなく、Visualと同様に任意の位置・サイズで配置が可能になっています。詳細はこちらのBlogをご覧ください。 - Amazon EMR now provides up to 35% lower cost and up to 15% improved performance for Spark workloads on Graviton2-based instances
Amazon EMRでEC2 M6gインスタンス(Armベース)が利用可能になりました。EMR 6.1.0以降、もしくは5.3.10以降でご利用いただけます。 - Amazon Rekognition now detects Personal Protective Equipment (PPE) such as face covers, head covers, and hand covers on persons in images
画像認識サービスのAmazon RekognitionにPersonal Protective Equipment (PPE)を検出する機能が追加されました。PPEとはヘルメット、グローブ、マスク等体を守るために装着するものの総称です。今回の新機能により、これらPPEを画像の中の人が装着しているかどうかを判断できるようになりました。
- Amazon QuickSight adds support for on-sheet filter controls
今回の個人的なイチオシは、RDSでAWS Graviton2プロセッサ搭載のインスタンスが本番利用可能になった事です。Graviton2はEC2での評価では高いコストパフォーマンスが出ることが数々のテストで示されていますが、Armベースであるためx86/x64用に作成されたプログラムを動かす際には動作検証や場合によっては移植作業が必要でした。RDSの場合でも、もちろん移行検証は必要ですがユーザプログラムから見るとSQLが同様に処理されるのであれば内部のプロセッサが何であっても関係ないため、EC2よりも移行の障壁は低いと思います。ぜひパフォーマンスを含めて評価いただき、良いパフォーマンスが実現できそうであれば移行をご検討ください。
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)