Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2022/3/14週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
先々週になりますが、3/9(水)の夜に、「AWS Expert Online for JAWS-UG #20 大阪リージョンオープン1周年祭り」と題して、大阪リージョンのフルリージョンとしての公開一周年を記念してAWSのSAとエバンジェリストによるオンライン座談会を実施しました。私も少し登壇させていただいたのですが、その時の録画が以下で公開されています。大阪リージョンの活用方法について色々な話題が聞けますし、過去の AWS Expert Online シリーズも含んだプレイリストになっていますので、ご興味がある方はぜひご覧ください。
– AWS Expert Online for JAWS-UG シリーズ
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2022年3月14日週の主要なアップデート
- 3/14(月)
- Amazon Route 53 Resolver DNS ファイアウォールはサービスコストを大幅に削減します
Amazon Route 53 Resolver DNS Firewall は既知の悪意のあるドメインに対して行われた DNS クエリをブロックする機能を提供します。今回、コストを下げるための改善が行われました。まずクエリあたりの料金が3月より、月10憶回を超えた場合の単価が引き下げられました。また内部の最適化により課金される DNS クエリの数を減らすことで、利用費用が下がるよう改善されています。これによる機能面への影響はありません。 - Amazon ECS が Windows OS でのオンプレミスワークロードオーケストレーションのサポートを開始
Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) で、Amazon ECS Anywhere を使用して Windows オペレーティングシステムで実行されているオンプレミスワークロードの管理がサポートされるようになりました。Amazon ECS Anywhere はオンプレミス、仮想マシン等で稼働するコンテナベースのアプリケーションをより管理することを可能にするECSの機能です。詳細はこちらのブログをご覧ください。
- Amazon Route 53 Resolver DNS ファイアウォールはサービスコストを大幅に削減します
- 3/15(火)
- Amazon Lookout for Vision を使用してエッジでの製品欠陥の目視検査を自動化 – 一般提供を開始
Amazon Lookout for Vision のエッジデバイス(AWS IoT Greengrass 等)での異常検知が一般提供開始(GA)になりました。東京リージョンでもご利用いただけます。Lookout for Vision はコンピュータービジョン (CV) を使用して視覚表現(画像)上で欠陥や異常を発見するサービスです。製品に不足しているコンポーネント、車両や構造物の損傷等の問題を特定する事を可能にします。今回GAしたのはその検知用モデルをエッジデバイス側にデプロイして利用可能にするものです。 - Amazon RDS for PostgreSQL now supports mysql_fdw extension for Amazon Aurora, MySQL and MariaDB Databases
Amazon RDS for PostgreSQL で mysql_fdw が利用可能になりました。 mysql_fdw を経由して外部のMySQLやMariaDB上のデータを操作することが可能になります。 - AWS AppConfig 機能フラグ (Feature Flags) の一般提供開始を発表
AWS AppConfig Feature Flags が一般提供開始(GA)になりました。これは AWS Systems Manager の機能として提供されます。Feature Flag (機能フラグ)を使用することで、アプリケーション内の機能をオン、オフするといった事を容易に制御できるようになります。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Amazon Chime SDK が電話のノイズ削減機能 Amazon Voice Focus のサポートを開始
Amazon Chime SDK は、ユーザー独自のオンライン会議等、コミュニケーションサービスの開発を容易にするためのサービスです。今回、電話回線(PSTN)経由で会話に参加している音声に対して Amazon Voice Focus という機械学習ベースのノイズ削減機能を追加することが可能になりました(これまではインターネット経由の音声のみVoice Focusが利用可能でした)。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Amazon ECS 向けの Amazon CloudWatch Container Insights が AWS アジアパシフィック (大阪) とアジアパシフィック (ジャカルタ) リージョンで利用可能に
Amazon CloudWatch Container Insights for Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) の利用可能リージョンが拡大され、大阪リージョンとジャカルタリージョンでもご利用いただけるようになりました。CloudWatch Container Insights はコンテナワークロードのメトリクスを監視・分析するためのサービスです。 - 最大 2 倍高速のトランザクションコミットレイテンシーを備えた新しい Amazon RDS マルチ AZ オプションが米国東部 (オハイオ)とアジアパシフィック (東京) で利用可能に
Amazon RDS の新しいマルチAZオプションが利用可能なリージョンが拡大され、東京リージョンでもご利用いただけるようになりました。これは3 つのアベイラビリティーゾーン (AZ) にまたがって、プライマリ1インスタンスとスタンバイの2インスタンスをデプロイする新しいデプロイメントオプションで、これまでのRDSマルチAZデプロイメントと比較して、スタンバイのインスタンスで読み取りクエリが実行可能になったり、フェイルオーバー時間が通常 35 秒以下に短縮される等のメリットがあります。2つのマルチAZデプロイメントの違いはこちらのホームページ、もしくはこちらのブログをご覧ください。
- Amazon Lookout for Vision を使用してエッジでの製品欠陥の目視検査を自動化 – 一般提供を開始
- 3/16(水)
- AWS KMS and ACM now support the latest hybrid post-quantum TLS ciphers
AWS Key Management Service (KMS) と AWS Certificate Manager (ACM) でラウンド3のハイブリッドポスト量子 TLS 暗号がサポートされるようになりました。これは、少し前にアナウンスしたラウンド 2 の ポスト量子暗号 TLSサポートに続く改善で、より長期的なセキュリティの要件への対応を可能にするものです。東京・大阪両リージョンで利用可能になっています。
- AWS KMS and ACM now support the latest hybrid post-quantum TLS ciphers
- 3/17(木)
- AWS announces AWS Billing Conductor
AWS Billing Conductor (略してABC)が一般提供開始(GA)になりました。これは、Consolidated Billingを使って複数AWSアカウントの費用をまとめて支払っているような環境において、各利用アカウントを複数のグループに分けて管理し、それぞれのグループごとで利用費用等を管理する事を可能にするサービスです。いわゆるITショーバック的な費用管理がやりやすくなりますし、Consolidated Billingを利用しているAWSパートナー(リセラー)の方にも有用なサービスです。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - AWS Backup Audit Manager adds new controls to help prove compliance of maintaining immutable backups across AWS Regions and accounts
AWS Backup Audit Manager における新しいコントロールが3つ追加されました。Cross-Region copyとCross-account copyは、バックアップに対してクロスリージョンもしくはクロスアカウントでコピーを保存している事をチェックするもので、Backup Vault Lockは取得したバックアップの削除保護(管理者でもリカバリポイントを削除できなくする)を実現するものです。 - AWS Chatbot announces support for management of AWS resources from Slack (General Availability)
AWS Chatbotは、Amazon ChimeやSlackと連携してAWSワークロードのモニタリングを行うことを容易にするサービスです。今回モニタリングに加えて、AWS Chatbot経由でAWS CLIとAWS Systems ManagerのRunbookを実行する機能が一般提供開始(GA)になりました。詳細はこちらのブログをご覧ください。
- AWS announces AWS Billing Conductor
- 3/18(金)
- AWS App Mesh Envoy Management Service (EMS) now supports AWS CloudTrail integration
AWS App Mesh において Envoy Management Service (EMS)と AWS CloudTrail との連携がサポートされました。これにより動的な構成(dynamic configuration)を取得するためにEnvoyプロキシがAppMeshに対して行ったすべてのAPI呼び出しの履歴を取得できるようになりました。
先週、3/14にはAmazon S3の一般提供開始から16周年を祝うオンラインイベントが開催されました。3.14=円周率ということで、AWS Pi Dayという名前で去年も開催されたので覚えていらっしゃる方も多いのでと思います。AWSには多くのサービスがありますので、たった1つのサービスだけにフォーカスしたイベントというのは珍しいのですが、その分濃い内容になったようです。録画が以下のAWS Events Youtubeチャンネルにあがっていますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。また、こちらのサイトではスライドがダウンロード可能になっています。
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)
- AWS App Mesh Envoy Management Service (EMS) now supports AWS CloudTrail integration