Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2025/12/15週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの戸塚です。今週も 週刊AWS をお届けします。
AWS re:Invent 2025 に現地参加し、これが初めての投稿です。会場では Builders Fair エリアにて「Command a Robot with Amazon Bedrock」というブースを出展しました。多くの日本のお客様にお越しいただき、ありがとうございました。ブースでは Bedrock を活用し、ロボットを自然言語で操作するデモを実装しました。ほかにも AI 搭載ロボットの展示が複数あり、フィジカル AI に関する関心が高いと感じました。デモの詳細は今後ブログやアセットとして公開予定です。フィジカル AI に興味のある方は、こちらのブログもご参照ください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2025年12月15日週の主要なアップデート
- 12/15(月)
- AWS Billing and Cost Management でダッシュボードの PDF エクスポートと CSV データダウンロードをサポート開始
AWS Billing and Cost Management のダッシュボードで、PDF エクスポートと CSV データダウンロード機能が利用可能になりました。これまでスクリーンショットで対応していたダッシュボードの共有が、PDF として直接エクスポートできるようになり、会議や戦略企画での資料作成が効率化されます。また、個別のウィジェットデータを CSV でダウンロードできるため、スプレッドシートでの詳細分析も可能です。追加コストは不要で、中国リージョンを除く全ての商用リージョンで利用できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - ユーザー属性を使用したコスト配分の発表
ユーザー属性を使った新しいコスト配分機能を発表しました。これまで部署やプロジェクトごとの AWS 利用コストを把握するのは困難でしたが、今回の機能により Amazon Q Business や Quick Suite などのアプリケーションの利用料金を、コストセンターや部門といったユーザー属性で自動的に分類できるようになります。経理担当者や FinOps チームが Cost Explorer で詳細なコスト分析を行い、どの部署がどの程度 AWS を利用しているかを簡単に把握できる点が大きなメリットです。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Connect が評価フォームで複数選択と日付の質問をサポート
Amazon Connect の評価フォームで複数選択と日付の質問タイプが新たに利用できるようになりました。これまでは単一選択のみでしたが、営業会話で顧客が興味を示した複数の商品を選択できたり、ローン申請日や承認日といった具体的な日付を記録できるようになります。マネージャーは人間と AI エージェントのパフォーマンスをより詳細に分析でき、顧客対応の品質向上に活用できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- AWS Billing and Cost Management でダッシュボードの PDF エクスポートと CSV データダウンロードをサポート開始
- 12/16(火)
- Amazon Quick Suite でチャットエージェントのメモリ機能をサポート開始
Amazon Quick Suite のチャットエージェントにメモリ機能が追加されました。この機能により、過去の会話内容や設定した好みを記憶し、パーソナライズされた応答が可能になります。従来は毎回同じフォーマット設定やダッシュボード設定を繰り返す必要がありましたが、今回のアップデートでその手間が解消されます。ユーザーは記憶された内容を確認・削除でき、プライベートモードでの利用も選択できます。バージニア北部リージョンとオレゴンリージョンで利用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - カーボンフットプリントデータの公開時間を 21 日以内に短縮
AWS のカーボンフットプリントデータの公開が大幅に高速化されました。従来は最大 3 か月かかっていたデータ公開が、21 日以内に短縮されています。毎月 15 日から 21 日の間に前月分のデータが確認できるため、アプリケーションの配置や運用方法をより迅速に見直せます。環境負荷削減とコスト最適化の両方を同時に実現でき、過去 38 か月分のデータで長期トレンドも把握可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - AWS Security Incident Response が Slack との統合を導入
AWS Security Incident Response が Slack との統合に対応しました。これまではセキュリティインシデント対応時に複数のツールを行き来する必要がありましたが、今回の統合により Slack 上で直接ケースの作成や更新が可能になります。各インシデントケースが専用の Slack チャンネルとして作成され、コメントや添付ファイルがリアルタイムで同期されるため、セキュリティチームの迅速な対応と効率的なコラボレーションを実現できます。 - AWS IoT Device Management Commands が動的ペイロードをサポート
AWS IoT Device Management Commands で動的ペイロード機能が利用できるようになりました。これまではデバイスごとに個別のコマンドを作成する必要がありましたが、今回のアップデートによりテンプレート化されたコマンドを作成し、実行時にパラメータを指定できます。例えばスマートサーモスタットの温度設定では、温度値ごとに別々のコマンドを用意する代わりに、温度をプレースホルダーにしたテンプレート 1 つで対応可能です。パラメータ検証機能も追加され、実行前に値の妥当性をチェックします。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon Quick Suite でチャットエージェントのメモリ機能をサポート開始
- 12/17(水)
- AWS Marketplace で必須の発注書とカスタムメッセージングをサポート開始
AWS Marketplace で購買注文書の必須化とカスタムメッセージ機能が利用開始されました。これまで組織の調達ルールを徹底するのが困難でしたが、管理者が購買時に注文書の提出を必須にしたり、調達ページにポリシーや連絡先などのメッセージを表示できるようになります。Private Marketplace との組み合わせで、承認済み製品のカタログ管理も強化され、コンプライアンス遵守と購買の俊敏性を両立できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - AWS のデータベースが Vercel Marketplace で利用可能になりました
AWS のデータベースサービスが Vercel Marketplace で利用できるようになりました。Amazon Aurora PostgreSQL、Amazon Aurora DSQL、Amazon DynamoDB を Vercel から数秒で直接作成・接続できます。これまで複雑だったデータベース設定が大幅に簡素化され、Web アプリ開発者にとって画期的なアップデートです。新規アカウント作成時には 100 ドルのクレジットが付与され、6 ヶ月間利用可能です。
- AWS Marketplace で必須の発注書とカスタムメッセージングをサポート開始
- 12/18(木)
- AWS Direct Connect が AWS Fault Injection Service による耐障害性テストをサポート
AWS Direct Connect が AWS Fault Injection Service (FIS) での耐障害性テストに対応しました。これまでは本番環境での障害時の動作確認が困難でしたが、今回のアップデートにより BGP セッションの中断を意図的に発生させ、冗長化された Virtual Interface への自動切り替えをテスト可能になりました。ネットワーク接続の継続性が重要なシステムでの事前検証に活用できます。詳細はこちらの製品ページをご参照ください。 - Amazon SES がメール検証機能を発表
Amazon SES でメールアドレスの事前検証機能が追加されました。メール送信前にアドレスの有効性をチェックし、バウンス率を下げて送信者の評判を保護できます。API での個別検証や、コード変更不要の自動検証が可能で、構文チェックや DNS レコードの詳細な検証情報も取得できます。従来はメール送信後にバウンスで判明していた無効なアドレスを事前に特定できるため、メールリストの品質向上や配信成功率の改善が期待できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - AWS IoT Core が HTTP ルールアクションにメッセージバッチング機能を追加
AWS IoT Core の HTTP ルールアクションに、複数の IoT メッセージを 1 つのバッチにまとめて処理する機能が追加されました。従来は各メッセージを個別に HTTP エンドポイントに送信していましたが、今回のアップデートにより複数のメッセージをまとめて送信できるようになり、コストとスループットの負荷を削減できます。例えば、複数のスマートホームデバイスからのデータを 1 つのバッチにまとめて処理できるため、より効率的な IoT システムの構築が可能です。詳細はこちらの開発者ガイドをご参照ください。
- AWS Direct Connect が AWS Fault Injection Service による耐障害性テストをサポート
- 12/19(金)
- Amazon WorkSpaces Applications が Microsoft Windows Server 2025 をサポート開始
Amazon WorkSpaces Applications で Microsoft Windows Server 2025 をサポート開始しました。最新のセキュリティとパフォーマンス向上により、エンドユーザーに Windows 11 デスクトップ体験を提供できます。従来のサーバー OS では実現できなかった最新機能を活用し、ビジネス重要アプリケーションやリモートアクセス環境をより安全で高性能に構築できます。AWS 提供の標準イメージまたは Image Builder でカスタムイメージの作成も可能で、全リージョンで利用開始できます。 - Amazon Bedrock Data Automation がドキュメントブループリント向けの指示最適化機能を開始
Amazon Bedrock Data Automation で blueprint instruction optimization 機能が登場しました。従来はドキュメントからの情報抽出精度を上げるのにモデル訓練が必要でしたが、今回のアップデートで最大 10 個のサンプルドキュメントを用意するだけで自動的に指示文を最適化し、本番レベルの精度を実現できます。請求書の項目抽出や契約条件の分析、医療請求コードの識別など、様々なビジネスシーンで活用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - AWS IoT が可観測性コストの最適化を支援するイベントベースログ機能を提供開始
AWS IoT でイベントベースロギング機能が新たに利用開始となりました。従来は全てのイベントを同じログレベルで記録していましたが、今回のアップデートでイベントの種類や重要度に応じて個別にログレベルを設定できるようになります。例えば、証明書関連のイベントは INFO レベル、接続イベントは ERROR レベルのみといった具合に細かく制御可能です。これにより Amazon CloudWatch のログコストを大幅に削減しつつ、必要な情報の可視性は維持できます。AWS IoT コンソールや CLI、API から設定でき、AWS IoT がサポートされている全てのリージョンで利用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon WorkSpaces Applications が Microsoft Windows Server 2025 をサポート開始
それでは、また来週お会いしましょう!