Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2026/3/23週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの戸塚です。今週も 週刊AWS をお届けします。
だんだんと春めいてきて、花粉症に悩まされている方も多いのではないでしょうか。私はというと、今年はなぜか症状がほとんど出ず、久しぶりに快適に仕事ができています。
NRF 2026 で注目されたリテール AI の最新動向を扱う流通・小売・消費財むけイベントを 4月20日 に開催します。「リテールの現場では「AIエージェントが“主”、人間が“従”」に AWSジャパン・五十嵐氏に聞く小売業界におけるマルチエージェントの台頭」 こちらの記事をご参照いただき、AWS メンバーへ気軽にお声がけください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2026年3月23日週の主要なアップデート
- 3/25(水)
- Amazon Bedrock AgentCore Runtime が永続的なエージェントファイルシステム状態のためのマネージドセッションストレージをサポート開始 (プレビュー)
Amazon Bedrock AgentCore Runtime で、エージェントのファイルシステム状態を永続化できる機能がプレビュー開始されました。これまで AI エージェントがコードを書いたりパッケージをインストールしても、セッション終了時に全て失われていました。新機能により、エージェントが作成したファイルやインストールしたパッケージが自動的に保存され、次回のセッションでも継続して作業できるようになります。最大 1GB まで、14 日間データを保持します。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon SageMaker HyperPod が Slurm オーケストレーションクラスターの継続プロビジョニングをサポート
Amazon SageMaker HyperPod の Slurm 環境で連続プロビジョニング機能が利用可能になりました。従来は一部のインスタンスグループでプロビジョニングが失敗すると、クラスター全体の作成や拡張が失敗してロールバックされていました。今回のアップデートにより、利用可能なインスタンスで即座に AI/ML トレーニングを開始でき、バックグラウンドで残りの容量を自動的にプロビジョニングします。失敗したノードは非同期で再試行され、複数のインスタンスグループでの同時スケーリングも可能です。CreateCluster API で NodeProvisioningMode を Continuous に設定することで有効化できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - P6-B300 と Slurm 25.11 をサポートした AWS ParallelCluster 3.15
AWS ParallelCluster 3.15 が一般提供開始となり、最新の NVIDIA Blackwell GPU を搭載した P6-B300 インスタンスと Slurm 25.11 をサポートしました。これにより AI/ML や高性能コンピューティング (HPC) ワークロードをより高性能な環境で実行できるようになります。EFA ネットワーク設定の改善や大規模クラスターでの密結合ワークロードの性能向上も実現し、科学技術計算がより効率的に処理できます。詳細はこちらのリリースノートをご参照ください。 - AWS Transfer Family Applicability Statement 2 (AS2) が MDN の非同期受信をサポート
AWS Transfer Family の AS2 で、非同期での MDN (Message Disposition Notifications) 受信がサポートされました。従来は同期のみでしたが、取引先の処理時間やネットワーク遅延に関係なく AS2 ワークフローを移行できます。ヘルスケアや製造業などでパートナーとの安全なデータ交換が可能になります。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon SageMaker AI が 12 の追加モデルに対してサーバーレス強化学習ファインチューニングをサポート
Amazon SageMaker AI で 12 の新しいモデルに対してサーバーレス強化学習ファインチューニングが利用可能になりました。これまではインフラの準備や管理が必要でしたが、今回のアップデートにより Qwen や DeepSeek シリーズなどの最新モデルを手軽にカスタマイズできます。特にコード生成や数学的推論など、従来の教師あり学習では難しかった複雑なタスクに対応可能で、従量課金制のため小規模な実験からでも始められます。バージニア北部、オレゴン、東京、アイルランドリージョンで提供中です。 - Amazon Aurora PostgreSQL が数秒でのデータベース作成と接続をサポート
Amazon Aurora PostgreSQL で Express Configuration という新機能が登場し、サーバーレスデータベースを数秒で作成・接続できるようになりました。従来は VPC やネットワーク設定に時間がかかっていましたが、事前設定済みの構成により初期セットアップが大幅に高速化されています。インターネットアクセスゲートウェイが自動で設定され、 VPN や AWS Direct Connect なしで開発ツールから直接接続可能です。また IAM 認証がデフォルトで有効化されるため、パスワード不要でセキュアにアクセスできます。 AWS Free Tier でも利用可能なので、 PostgreSQL を手軽に試したい開発者には最適です。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - Amazon Aurora PostgreSQL が AWS 無料利用枠で利用可能になりました
Amazon Aurora PostgreSQL が AWS 無料枠で利用可能になりました。新規ユーザーはサインアップ時に 100 ドルのクレジットを取得でき、追加で 100 ドルのクレジットも獲得できます。従来は有料プランでしか利用できなかった高性能な PostgreSQL データベースを、無料で試すことができるようになったのが大きなメリットです。express configuration を使えば数秒でデータベースを作成・クエリ実行が可能で、学習コストを大幅に削減できます。詳細はこちらをご参照ください。 - Amazon Route 53 Profiles がリソースと VPC 関連付けに対する詳細な IAM 権限をサポート
Amazon Route 53 Profiles で細かい IAM 権限設定が可能になりました。これまでは Profile 全体への権限管理でしたが、今回のアップデートでプライベートホストゾーンや DNS Firewall ルールなど、特定のリソースタイプごとに権限を制御できます。例えば、特定の VPC への関連付け操作のみを許可したり、特定のドメイン名のルールだけ編集権限を与えるといった細かな権限設定が実現できます。組織内で DNS 管理の責任を分散させつつ、セキュリティを保てるため大規模な環境での運用が格段に楽になります。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon Bedrock AgentCore Runtime が永続的なエージェントファイルシステム状態のためのマネージドセッションストレージをサポート開始 (プレビュー)
- 3/26(木)
- AWS Advanced JDBC Wrapper が Valkey による自動クエリキャッシュをサポート
AWS Advanced JDBC Wrapper が Valkey を使った自動クエリキャッシュ機能をサポートしました。従来は JDBC クエリの結果をキャッシュするために、開発者が手動でコードを書く必要がありましたが、今回のアップデートで数ステップの簡単な設定だけで自動化できるようになりました。Aurora や RDS の PostgreSQL、MySQL、MariaDB データベースのクエリ結果を Amazon ElastiCache for Valkey に保存し、頻繁にアクセスするデータの読み取り遅延を削減できます。これによりデータベースへの読み取り回数が減り、パフォーマンス向上とコスト削減を実現できます。Hibernate や Spring Data といった人気フレームワークにも対応しているため、既存のアプリケーションへの導入も簡単です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - AWS AppConfig がフィーチャーフラグロールアウト中の拡張ターゲティングを追加
AWS AppConfig にフィーチャーフラグの段階的ロールアウト中に特定のユーザーやセグメントをターゲットできる新機能が追加されました。従来は段階的デプロイメント中に特定のユーザーグループだけに絞って配信することが難しかったのですが、今回のアップデートにより個別の ユーザー ID やセグメント単位での細かい制御が可能になります。これにより新機能のリリース時のリスクを大幅に削減でき、A/B テストや段階的な機能展開がより安全に実施できるようになります。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Writer の Palmyra Vision 7B が Amazon Bedrock で利用可能に
Amazon Bedrock で Writer の Palmyra Vision 7B モデルが利用開始されました。このモデルは画像を理解してテキストを生成する AI で、文書分析やチャート解釈、手書き文字の抽出などが可能です。これまで画像内容を理解するには別のツールが必要でしたが、Bedrock 上で簡単に画像理解機能を組み込めるようになります。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- AWS Advanced JDBC Wrapper が Valkey による自動クエリキャッシュをサポート
- 3/27(金)
- Amazon GameLift Servers が次世代 EC2 インスタンスファミリーでインスタンスサポートを拡張
Amazon GameLift Servers が EC2 第 5 ~ 8 世代インスタンスに対応しました。これまでより新しい世代の EC2 インスタンスを利用できるようになり、ゲームサーバーのホスティングにおいて価格性能比の向上と効率性が実現されます。汎用 (M シリーズ)、コンピューティング最適化 (C シリーズ)、メモリ最適化 (R シリーズ) の 3 つのインスタンスファミリーから、ゲームの負荷特性に応じて最適な選択が可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - AWS Management Console でサービスとリージョンの表示を制御する設定をサポート開始
AWS Management Console で、表示するサービスとリージョンを制御できる設定が一般提供開始されました。これまで全てのサービスやリージョンが表示されていましたが、必要なもののみを表示することでナビゲーションが簡素化され、チームメンバーが利用可能なリソースを素早く特定できます。アカウント設定の Unified Settings から設定でき、CLI や SDK からのプログラム設定にも対応しています。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - AWS Lambda が Lambda マネージドインスタンスで最大 32 GB のメモリと 16 vCPU をサポート
AWS Lambda Managed Instances で最大 32 GB のメモリと 16 vCPU がサポートされるようになりました。これまでは 10 GB メモリと約 6 vCPU が上限でしたが、大規模なデータ処理やメディア変換などの計算集約的なワークロードも実行可能になります。メモリ対 vCPU の比率 (2:1、4:1、8:1) も選択でき、ワークロードの特性に合わせて最適なリソース配分を設定できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon CloudWatch Logs が Infrequent Access 取り込みクラスでデータ保護、OpenSearch PPL、OpenSearch SQL をサポート開始
Amazon CloudWatch Logs の Infrequent Access (IA) クラスで、データ保護機能と OpenSearch PPL / SQL クエリがサポートされました。従来は Logs Insights のみでしたが、今回のアップデートにより SQL ベースの高度な分析が可能になります。また、ログ内の機密情報を自動検出・マスキングできるため、セキュリティ要件を満たしながらコスト効率的にログを統合できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon GameLift Servers が次世代 EC2 インスタンスファミリーでインスタンスサポートを拡張
今週はアップデートの内容に少し偏りがあり、月・火は落ち着いていた一方で、週の後半に多くの更新が集中しました。
Bedrock まわりのアップデートが引き続き活発に行われる中、Webアプリ構築でよく使う基本サービスにも多くの改良がありました。特に、Amazon Aurora PostgreSQL がついに無料利用枠で使えるようになったのは大きな変化で、今後は Aurora を活用したアプリ開発がさらに進みそうだと感じています。
それでは、また来週お会いしましょう!
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