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デジタルマーケットプレイス 実証カタログサイト DMP(α 版)ワークショップ・交流会【開催報告】

情報システムの公平かつ迅速な調達のために、SaaS のカタログサイト「デジタルマーケットプレイス(以下、DMP)」がデジタル庁によって構築・提供されています。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下、AWS)は DMP へのご登録に関心のある事業者や DMP・公共調達に関わる事業者同士の交流を希望される方に向けて、2023 年 12 月 20 日に「デジタルマーケットプレイス 実証カタログサイト DMP(α 版)ワークショップ・交流会」を AWS Startup Loft Tokyo にて開催しました。

本イベントは DMP の意義や利点について参加者の方々にご理解いただき、DMPに関心のある事業者や販売会社の方々がネットワークを形成する場としてご活用いただくことを目指しました。ここではそのレポートをお届けします。

デジタルマーケットプレイス概要

AWS パブリックセクター 官公庁事業本部 DX Advocate 七尾 健太郎

はじめに、AWS パブリックセクター 官公庁事業本部 DX Advocate の七尾 健太郎より、DMP の概要について解説しました。

現在、行政機関が情報システムを導入する際には、行政機関の調達仕様に対して複数社が価格と提案を示し、これらを総合評価した上で最も適した事業者を落札するという流れになっています。この仕組みでは、調達にかかるまでの期間が長く、手続きが官民の双方にとって負担になります。また、営業組織が大きくはない企業にとっては、どこで公募が行われているのかを探すことや、探すことができても応札する作業が大変で、参入障壁が高いと感じるかもしれません。

一方の DMP では、デジタル庁と基本契約を締結した事業者がソフトウェア(SaaS)を登録できる、カタログサイトを設けます。そのカタログサイトを通じて各行政機関が最適なサービスを選択し、個別契約を行う流れになっています。これにより、調達にかかるまでの期間が短くなり、調達のプロセスそのものも簡潔になります。さらに、調達情報が可視化され、透明性が担保されることで、多くの事業者が参入することも期待できます。

2023年11月に実施されたデジタル庁説明会より引用

ここから七尾は、2024 年度以降に DMP を活用した情報システム調達がどのような流れになるのかを解説していきました。

最初のステップでは、デジタル庁がソフトウェア開発会社や販売会社といった事業者とそのサービスを募集します。その次に、デジタル庁と事業者間で調達の基本的な諸条件について契約を締結(基本契約)。さらに、事業者がWeb 上に仕様・約款・価格表を含むサービス情報を登録し掲載されるため、行政機関がそれらの情報を検索・閲覧します。最後に、各行政機関がサービスを選定し、事業者との個別契約を締結します。この際に、DMPで検索・比較した結果がエビデンスとされることで、調達の透明性や公平性を担保されます。

DMP を導入することで、多くのソフトウェア(SaaS)製品の可視化と比較を可能にし、行政機関に迅速で公平な調達を促します。こうした公共調達を通じて中小企業やスタートアップといったソフトウェア産業の振興を実現する効果が期待されています。

DMP で検索を行う際には「政策タグ」と「機能タグ」というカテゴリーを検索条件として使用します。「政策タグ」には、たとえば「防災」や「マイナンバーカード対応」といった要素が含まれており、「機能タグ」には、たとえば「チャット」や「会計ソフト」といった要素が含まれています。それぞれの検索条件を組み合わせることで適切なソフトウェアを見つけることが可能になります。

七尾はセッション終盤に、DMP と Amazon のビジネスモデルとの類似点について解説しました。Amazon はそこに訪れるお客様体験の向上を重視しています。それによりアクセス頂くお客様が増えることで、出品者と品揃えが増え、それによってまた顧客体験が向上します。こうして取引量が増えると、より効率的なマッチング構造が実現でき、より適正な価格で商品を購入頂けるようになり、またさらに顧客満足度が向上するという、好循環を生み出しています。DMP でもそうした好循環が起きることへの期待を述べたうえで、「今後も AWS パブリックセクターは DMP の普及の支援をしていきます」とセッションを結びました。

DMP のソフトウェア、サービスの登録操作について

AWS プロフェッショナルサービス パブリックセクター シニアアドバイザリーコンサルタント 上土井 裕人

ここからは、AWS プロフェッショナルサービス パブリックセクター シニアアドバイザリーコンサルタントの上土井 裕人が、DMP へソフトウェアやサービスを登録する具体的な手順*について解説しました。DMP(α 版)への登録作業は、大きく 5 つのステップに分かれています。

ステップ1. 事前準備

ステップ2. 事業者情報の登録

ステップ3. ソフトウェア情報の登録

ステップ4. ソフトウェア価格情報の登録

ステップ5. 付帯するサービスの登録

2023年11月に実施されたデジタル庁説明会より引用

セッション内ではこれら一連の手順の説明に加えて、DMP 上に掲載されている「よくある質問」とその回答についても上土井は解説しました。

「よくある質問」の詳細はこちら

※詳しい操作方法につきましては、DMP(α版)サイトの、事業者向けご利用ガイドをご参照ください。

セッション終盤では、実際に DMP の画面を操作しながら、一連の情報登録プロセスをデモンストレーションしました。

その後の質疑応答では、会場・オンラインの参加者から多くの質問や、DMPに関する要望が寄せられました。AWS社員からは、DMP(α版)は初期段階であり、今後は参加者の皆でDMPを良くしていこうというコミュニティ作りが大事だというお話をしました。いただいた質問は、後日デジタル庁に問い合わせ、正式な回答を参加者にお送りしています。

セッション後の交流会では、公共調達に関心のある事業者同士の情報交換やネットワーキングが活発に行われました。また、この交流会には DMP の開発に携わる株式会社 dotD の方々も参加。DMPの機能や在り方について、意見交換が実施されました。

おわりに

イベント最終盤では、AWS パブリックセクター シニア事業開発マネージャーの岩瀬 霞がご挨拶をしました。

「AWS パブリックセクターでは今後も、公共分野でビジネスに取り組まれている方々や、これから参入される方々に向けてご支援とコミュニティ形成を行っていきます。今回のイベントのテーマであった DMP に関しても、利用にあたっての解説やコミュニティ形成を 2024 年も継続して行う予定です。

ご参加いただいている皆様と一緒にDMP をより良くしていきたい。それによって、公共分野の課題解決につながると信じて、私たちは活動しております。

今回は DMP α版の事業者向けの登録機能のみリリースされた段階でのワークショップでしたが、今後さらに機能が追加され、行政職員の方々が登録されたサービスを検索できるようになる予定です。その際には、もう一度このような形でワークショップや交流会を行うことを想定しています。ぜひ、その際にはご参加いただければ幸いです。」

DMPの概要に関しては、こちらのブログでも解説しております。AWSの公共分野でのご支援や活動にご関心をお持ちの方は、ぜひこちらよりお問い合わせください。お読みいただきありがとうございました。

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