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Amazon RDS for OracleとAmazon RDS Custom for Oracle向けのAmazon EC2ベアメタルインスタンスの開始方法

本投稿は、 Sameer Malik とNitin Saxenaによる記事「Getting started with Amazon EC2 bare metal instances for Amazon RDS for Oracle and Amazon RDS Custom for Oracle」を翻訳したものです。

Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) for Oracleは、クラウドでのOracle Databaseのデプロイを簡単にセットアップ、運用、拡張できるフルマネージド型の商用データベースです。Amazon RDS Custom for Oracleを使用すると、データベース管理者はOracle Database環境とオペレーティングシステムにアクセスしてカスタマイズすることができます。

この投稿では、Amazon RDS for OracleとRDS Custom for OracleのAmazon EC2ベアメタルインスタンスでのAWSベアメタルインスタンスのサポートについて説明します。

Amazon EC2のベアメタルインスタンスは、アプリケーションが基盤となるサーバーのプロセッサとメモリに直接アクセスできるように設計されています。Amazon EC2のベアメタルインスタンスは、非共有テナンシーモデル専用の容量を提供し、共有仮想化インスタンスと比較してより高いレベルの分離を提供します。

これらのベアメタルインスタンスは、マイクロソフトやオラクルなどのベンダーのBring Your Own License(BYOL)ライセンスモデルの対象となるソフトウェアライセンスを使用するための追加のライセンス特典も提供する場合があります。Amazon EC2のベアメタルインスタンスを使用する場合のライセンス上の利点の詳細については、AWSのライセンスパートナーであるHouse of Brickの「Oracle Hypervisor on AWS Bare Metal」の投稿を参照してください。

さらに、Amazon RDS for Oracleと RDS Custom for Oracle の Amazon EC2 ベアメタルインスタンスは、同じサイズの仮想化インスタンスよりも 25% 低いコンピューティングコストで提供されるため、RDS ベアメタルインスタンス上の Oracle ワークロードの費用対効果が高くなります。

EC2 ベアメタルインスタンスの一般的なユースケース

EC2 ベアメタルインスタンスの一般的なユースケースは次のとおりです。

  • ライセンス制限のあるワークロードのサポート – 特にOracle Database、SQL Server、SAP、Windows Serverなどの従来のエンタープライズソフトウェアでは、物理コアや専用ハードウェアの方がライセンスの方が有利な場合が多いため、これが主な推進要因となることがよくあります。
  • ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)と科学シミュレーション – これらのワークロードには、最高のパフォーマンス、特殊なハードウェア機能への直接アクセス、または非常に低遅延のノード間通信が必要です。
  • レガシーアプリケーション – これらのアプリケーションは仮想化環境ではサポートされていないか、特定のハードウェアアクセスが必要です。
  • 分離とセキュリティ – ベアメタルインスタンスは、共有の仮想化インスタンスと比較して高い分離レベルを提供するため、非常に機密性の高いワークロードやコンプライアンス要件に役立ちます。また、特定の企業のコンプライアンスや規制要件を満たすために、仮想化されていない環境のシングルテナントインフラストラクチャで特定のアプリケーションを実行したい場合のオプションとしても役立ちます。

Amazon RDS for Oracle, RDS Custom for Oracleで ベアメタルインスタンスを使用するメリット

RDS ベアメタルインスタンスには次の利点があります。

  • ライセンスのメリット – RDSベアメタルインスタンスは、非共有テナントモデルにおいて完全に専用化されたキャパシティを提供するため、ライセンスは、顧客が(オラクルとの契約に応じて)従来のコア・ベースのライセンスとオラクルのプロセッサーコアファクターを適用できるオンプレミスでのデプロイに似たものになる可能性があります。
  • 低いコンピューティングコスト – Amazon RDS for OracleとRDS Custom for Oracle の RDS ベアメタルインスタンスは、同じサイズの仮想インスタンスと比較して 25% 低いコンピューティングコストで価格設定されています。たとえば、m6i.metalベアメタルインスタンスの価格(コンピューティングコスト)は、同等のサイズの仮想化インスタンスm6i.32xlよりも 25% 低くなります。
  • 効果的なデータベース統合 – Amazon RDS for OracleとRDS Custom for Oracleのベアメタルインスタンスのライセンス上の利点とコンピューティングコストの削減により、スキーマ統合やOracleマルチテナントオプションなど、現在サポートされているデータベース統合方法を使用して、データベースワークロードを効果的に統合できます。
  • 特定のワークロードのパフォーマンスの向上 – Oracle Databaseワークロードを仮想環境で実行し、物理サーバー全体の半分以上のコアを使用しているお客様は、追加のライセンスコストなしで、物理サーバー全体のパフォーマンス(CPU、メモリ、IOPS、スループットなど)を利用できるようになります。

Amazon RDSコンソールを使用して、RDS for Oracleベアメタルインスタンスを作成

このセクションでは、AWSマネジメントコンソールを使用して、ベアメタルインスタンスタイプのRDS for Oracle DBインスタンスを作成する方法を示します。詳細と前提条件については、Oracle DB インスタンスの作成を参照してください。

  1.  Amazon RDS コンソールにサインインします。
  2.  Amazon RDS コンソールの右上隅で、DB インスタンスを作成したい AWS リージョンを選択します。
  3.  ナビゲーションペインで、「データベース」を選択します。
  4.  「データベースの作成」を選択します。
  5.  標準作成を選択します。
  6.  エンジンのタイプについては、Oracleを選択します。
  7. データベース管理タイプについては、Amazon RDSを選択します。
  8. エディションには、Oracle Enterprise Editionを選択します。

  1.  ライセンスについては、デフォルトのBring Your Own License(BYOL)のままにします。
  2.  エンジンのバージョンについては、ご希望のバージョンを選択します。
  3. テンプレートセクションで、本番稼働用を選択してください。
  4. DB インスタンス識別子には、DB インスタンスの名前を入力します。
  5. 認証情報の設定セクションで、管理者ユーザーのユーザー名を入力し、認証情報管理で「セルフマネージド」を選択して、パスワードを入力します。

  1.  暗号化キーには、任意のキーを使用します。
  2. インスタンス設定セクションの DB インスタンスクラスで、ベアメタルインスタンス(たとえば、db.m6i.metal)を選択します。
  3. インスタンスの残りの作成手順を完了して、「データベースの作成」を選択します。

DB インスタンスを作成したら、Amazon RDS コンソールでステータスを確認できます。

AWS CLIを使用してRDS for Oracleのベアメタル・インスタンスを作成

次のコードに示すように、AWSコマンドラインインターフェイス(AWS CLI)を使用してベアメタルインスタンスを作成することもできます。AWS CLIに必要な認証情報とデフォルトのリージョンが設定されていることを確認してください。

aws rds create-db-instance \
        --db-instance-identifier metaldb \
        --db-instance-class db.m6i.metal \
        --engine oracle-ee \
        --allocated-storage 100 \
        --master-username <username> \
        --master-user-password <YourStrongPassword> \
        --engine-version 19.0.0.0.ru-2025-04.spb-1.r1\
        --license-model license-included \
        --publicly-accessible false \
       --storage-encrypted \
        --vpc-security-group-ids sg-xxxxxxxxxxxxxxxxx \
        --db-subnet-group-name my-db-subnet-group

クリーンアップ

RDSインスタンスの実行コストを抑えるには、上記でプロビジョニングされたRDSインスタンスを削除してください。DB インスタンスは、AWS マネジメントコンソール、AWS CLI、または RDS API を使用して削除できます。RDS インスタンスを削除する方法の詳細については、「DB インスタンスを削除する」を参照してください。

結論

Amazon RDS for OracleとRDS Custom for Oracle用のAmazon EC2ベアメタルインスタンスを使用すると、ライセンスの柔軟性が高まり、低コストのオプションが得られるため、Oracle DatabaseのワークロードをAmazon RDS for OracleおよびRDS Custom for Oracleで効果的に実行できます。このローンチの詳細については、「What’s new」を参照してください。

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翻訳はソリューションアーキテクトの 矢木 覚 が担当しました。原文はこちらです。