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【開催報告】製造業の皆様とチャレンジする!Sustainability Event

こんにちは!アマゾンウェブサービスジャパン合同会社ソリューションアーキテクトの松本です。2023 年 11 月 17 日に製造業のお客様を対象にした「Sustainability Event」を開催いたしました。イベントの開催報告として、このブログではイベントの背景や実施内容などをお届けいたします。

はじめに

製造業に限らず、多くのお客様はサステナビリティへの取り組み目標や戦略をサステナビリティレポートや中期経営計画に掲げており、特に環境におけるカーボンニュートラル、低炭素の具体数値目標の達成に向けて高い関心をお持ちです。私たちソリューションアーキテクトはお客様のビジネス変革や IT 変革をリードすることがミッションであり、サステナビリティの観点でもお客様をご支援する方法を常に模索しています。今回のイベントはそのアイデアの一つとして開催する運びとなりました。

イベントの狙い

サステナビリティへの取り組みは、その目標を設定した経営層だけではなく、多くの場合で社員全員が当事者意識を持ち、目標達成に貢献することが求められます。普段私たちが接している技術ロールの皆様も例外ではありませんが、通常業務とサステナビリティへの貢献を関連付けることは、なかなか難しいですよね。もしくは、どのような点で IT やクラウドの活用が貢献できるのか、その手段や特徴を知る機会も限られているかもしれません。一方で、AWS には AWS Well-Architected Framework (W-A Framework) の持続可能性の柱AWS Gravtion プロセッサなど、サステナビリティにおける課題を解決できるソリューションを提供しています。既にこれらのソリューションを活用しているお客様も多くいらっしゃいますが、ご存知ない方がいらっしゃることもまた事実です。

そこで私たちは、お客様にサステナビリティ目標達成に向けた最初の一歩を踏み出していただくため、AWS のソリューションとその特徴を知っていただくこと、そして実際に利用する経験の場を提供することが必要と考え、今回の企画を始動しました。

イベント概要

AWS のソリューションを効果的に学んでいただくためには、実践的な体験をすることが重要だと考えています。ただし、体験する内容に理解が無いまま取り組むこともまた効果的とは言えません。そこで今回のイベントでは、まず AWS を利用することがどういった観点でサステナビリティへ貢献できるのかを理解していただくため、W-A Framework Boot Camp持続可能性の柱版を実施しました。この Boot Camp とは、仮想シナリオとアーキテクチャをもとに、W-A Framework を使ったレビューを体験していただくワークショップです。参加者は 4 ~ 5 名のグループに分かれ、チームごとに割り当てられた項目について As-Is と To-Be を議論・整理・発表していただきます。実際に W-A Framework を使った議論とレビュー、グループ間の情報交換や質疑を重ねることによって、W-A Framework の項目に対する理解を深めることができます。

このワークショップを実施した上で、Sustainability GameDay にチャレンジしていただきました。GameDay とは、AWS ソリューションを利用して現実世界の技術的問題を解決することを目指すゲーム化された学習イベントです。参加チームにはイベント開始と同時にセットアップ済みの AWS アカウントが与えられ、そこで発生する様々なトラブルやクエストをクリアしていきます。(詳しくはこちらをご参照ください。)GameDay には様々なポートフォリオ(シナリオ)があり、今回は「Reuse, Recycle, Reduce, Rearchitect」にチャレンジしていただきました。

当日の様子

当日は AWS の目黒オフィスと Amazon Chime を利用したリモートのハイブリッド形式で開催し、総勢 40 名 14 チームの方にご参加いただきました。
はじめに、エンタープライズ技術本部製造グループ本部長の岡本から開会のご挨拶をさせていただきました。サステナビリティの高いアーキテクチャは、同時にコスト最適化など異なる観点にも寄与することから、実務にも大いに活かせることを解説させていただきました。

次に、イベント全体を通じて登場する AWS Gravtion プロセッサについて、ソリューションアーキテクトの寺部からご紹介させていただきました。詳しい内容にご興味がある方は、ぜひ AWS Black Belt オンラインセミナーをご覧ください。 (動画資料)

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続いて、ソリューションアーキテクトの杉本からは W-A Framework の持続可能性の柱について、ご説明させていただきました。皆様も持続可能性の柱が追加になったことはご存知だと思いますが、その設計原則や質問まではご覧になっていないかもしれません。この機会にぜひ一度チェックしてみてください。

そして午前のメインイベント、W-A Framework Boot Camp です。今回は持続可能性の柱から、4 つの質問をピックアップし、チームごとに割り当てさせていただきました。当日のシナリオは残念ながらこの場でお見せすることはできませんが、以下のようなワークシートをもとに As-Is と To-Be を議論していただきました。

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約 40 分のディスカッションタイムを終え、各参加チームは自チームの検討結果を発表しながら、他チームの発表にも耳を傾けていました。

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お昼休憩のあとは、いよいよ GameDay の開催です。

イントロダクションは今回の舞台となるスタートアップ企業「ユニコーンレンタル」の CEO の挨拶から始まりました。どうやらこの会社はとても自由な社風のようですね。この GameDay には「ひどいジョークに対しても大笑いする義務がある」というレギュレーションがあるのですが、ありがたいことに違反者は一人も出ませんでした。

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GameDay についても、あいにく詳細を明かすことはできませんが、参加者の皆様は困難な状況に立たされてしまったユニコーンレンタルを救うべく、様々な問題に果敢に挑戦していただきました。約 2.5 時間の熾烈な戦いの末、ついに優勝チームが決定し、AWS のささやかな商品贈呈と表彰式とともにイベントの幕を閉じました。

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開催を振り返って

盛況のうちに終了した丸一日のイベントでしたが、ご参加いただいた皆様からはどのようなフィードバックをいただけたのでしょうか。ここでいくつかご紹介させていただくと、「こういうサービスがあるということはわかっていましたが、実際に作業をすることはほとんどないので勉強になりました。」「普段触らないサービスをに触れる機会ができ勉強になりました。」とまさに実践の必要性をご体感いただけていたようです。また、「サステナビリティの達成に活用できるサービスはいっぱいあると思うので、掘り下げて紹介してほしい」のように、今回のテーマであるサステナビリティへの関心を高めて下さった方もいらっしゃり、大変嬉しく感じています。中には「内容はよかったが私の準備が足りておらず太刀打ちできなかった」と悔しさを滲ませるコメントもありましたが、ぜひ今後の学習やイベント参加の糧にしていただきたいと思います。

まとめ

私たちは今回のイベントをお客様がサステナビリティ目標達成に向けて初めの一歩を踏み出す場と位置付けていました。まだお客様がご存知ない、あるいは体験したことが無い AWS のソリューションを経験していただき、サステナビリティに貢献できることに多少なりとも気づいていただけたと実感しています。しかし、まだまだ至らない点があることにも気づかされました。私たちはこの一度の開催に留まらず、さらに貢献できる方法を模索し続けたいと考えています。

もし、このブログを通じて「こういったイベントに参加したい」もしくは「自社で参加者を募って開催したい」などのご要望があれば、ぜひご担当のソリューションアーキテクトか、こちらまでご連絡ください。すぐにユニコーンレンタルの CEO とともに駆けつけたいと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

Shuichi Matsumoto

松本 修一

アマゾンウェブサービスジャパン合同会社のソリューションアーキテクトです。普段は製造業のお客様のご支援を中心に活動しています。趣味はオンラインゲームで、日々インターネットの向こうにいる仲間たちと冒険に出かけています。