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Amazon EFS 低頻度アクセスの料金値下げで、ストレージ費用を最適化



本日、Amazon Elastic File System低頻度アクセス (IA) のライフサイクル管理を使用した AWS クラウド史上最大の値下げが発表されました。今回の値下げにより、コストをこれまで以上に最適化し、ユーザーのアクセスパターンの変化に応じてファイルストレージコストを最大で 92% まで自動的に削減できるようになります。この値下げにより、月額 GB あたり 0.08 USD の料金で、ファイルをファイルシステムにネイティブに保存し、アクセスできるようになります。詳細は本記事の後半で紹介します。

Amazon Elastic File System (EFS) は、Linux ベースのワークロード用向けの低コストで使いやすいクラウドネイティブなフルマネージド型 NFS ファイルシステムで、AWS のサービスやオンプレミスのリソースでも使用できます。EFS は、ファイルを作成または削除するたびにペタバイト規模まで自動的に拡大または縮小する伸縮自在なストレージを提供します。中断は発生しません。アプリケーションは、必要とするストレージをいつでもすぐに使用できます。さらに EFS には、追加設定の不要なマルチ AZ アベイラビリティーと耐久性が (無償で) 含まれ、ファイルシステムの堅牢な整合性とともに利用できます。

ライフサイクル管理を使ってコストを簡単に最適化
特定のアプリケーションでは、ストレージが増加すると、すべてのファイルに常時アクセスする必要がなくなり、アクセスパターンも時間を経て変わっていきます。 IDC のような業界の専門家の分析や、使用パターンに関する当社独自の分析から、データの約 80% はアクセス頻度が低いことが確認されています。アクティブに使用されているのは残りの 20% です。アプリケーションをクラウドへ移行する際の一般的な 2 つの要因として、運用効率の最大化と総所有コストの削減が挙げられます。このことはストレージのコストにも同じことが言えます。すべてのデータを手元で実行速度が最速のストレージに保存するよりも、アクセス頻度の低いデータは異なるクラス/ティアのストレージに移行させて、関連コストを低減して利用するほうが合理的です。 こうしたデータを手動で探すのは面倒な作業です。したがって、アクセスを経時的にモニタリングし、ストレージティア間のデータ移動を自動的に実行するシステムがあればなお理想的です。繰り返しになりますが、実行中のアプリケーションで中断が発生することはありません。

EFS 低頻度アクセス (IA) のライフサイクル管理は、定期アクセスの不要なファイル向けに、使いやすい、コスト最適化された料金/パフォーマンスティアを提供します。本日発表された新たな値下げにより、ビルダーはファイルストレージのコストを EFS 標準ストレージクラスと比べて最大 92% まで削減できるようになります。 EFS ライフサイクル管理は、簡単に有効化でき、バックグラウンドで自動的に実行します。ファイルシステムで有効化すると、選択したライフサイクルポリシーに従わないファイルは、コスト最適化された EFS IA ストレージクラスに自動的に移動します。この移動は、アプリケーションに対して透過的に行われます。

アクセス頻度の低いデータは異なるストレージクラス/ティアに保存されますが、これまでと変わらずすぐに使用できます。これが、EFS IA の利点の 1 つです。コスト削減の恩恵を得る引き換えに EFS の利点がなくなることがありません。ファイルはこれまでどおりすぐに使用でき、すべて同じファイルシステムの同じ名前空間に保存されます。唯一のトレードオフは、IA ストレージクラス/ティアのファイルはオペレーションごとのレイテンシーが若干高いことです (2 桁ミリ秒 vs. 1 桁ミリ秒。磁気と SSD の差を想像してください)。

EFS IA が可能にするコスト最適化の例として、100 テラバイト (100 TB) のデータのストレージコストをみてみましょう。EFS 標準ストレージクラスの料金は現在、月額 GB あたり 0.30 USD です。EFS IA ストレージクラスは 7 月に提供開始時には、月額料金は GB あたり 0.045 USD でした。それが今回、月額 GB あたり 0.025 USD まで値下げされました。 先ほど触れましたが、AWS 史上最大の値下げとなります。

上記の EFS IA の 20 対 80 のアクセス統計を使用したケースでご説明します。

  • 100 TB の 20% = 月額 GB あたり 0.30 USD で 20 TB = 0.30 USD x 20 x 1,000 = 6,000 USD
  • 100 TB の 80% = 月額 GB あたり 0.025 USD で 80 TB = 0.025 USD x 80 x 1,000 = 2,000 USD
  • 100 TB の場合の合計 = 月額 GB あたり 8,000 USD、または月額 GB あたり 0.08 USDこの料金には、マルチ AZ、完全な伸縮性、ファイルシステムの堅牢な整合性が (無償で) 含まれています

EFS 標準ストレージクラスのみを使用した場合と比べると、すべてのデータ (100%) をこのストレージクラスに保存した場合の料金は 0.30 USD x 100 x 1,000 = 30,000 USD。月額 22,000 USD はかなりのコスト削減です。しかもとても簡単に有効化できます。ライフサイクルポリシーを管理して、データが IA ストレージティアに移動する頻度を自分で指定できることも忘れないでください。

低頻度アクセス (IA) ライフサイクル管理の開始方法
EFS コンソール で、Amazon Virtual Private Cloud と、インスタンスの接続先となるマウントターゲットを公開する場所となる Virtual Private Cloud のサブネットを選択すると、ファイルシステムの作成をすぐに開始できます。

次のステップで、新しいボリュームのオプションを設定します。ここでは、EFS IA ストレージクラスの使用を有効化するために適用するライフサイクルポリシーを選択します。14 日間アクセスのないファイルを有効化し、IA ティアに自動的に移動させます。

最後のステップは、設定を確認したら、[Create File System] をクリックしてファイルシステムを作成するだけです。簡単ですね。

ライフサイクル管理ポリシーは、既存のボリュームでも有効化または変更できます。EFS コンソールでこのボリュームに進むと、適用されたポリシー (あれば) を確認できます。以下では、ポリシーがアタッチされていないため、EFS IA の利点を活用していない既存のファイルシステムを選択しています。

フィールドの右側にある鉛筆のアイコンをクリックすると、ダイアログボックスが開き、新しいボリュームを作成したときと同じように適切なライフサイクルポリシーを選択できます。

Amazon Elastic File System IA ライフサイクル管理は本日より、Elastic File System が提供されているすべてのリージョンで利用できます。

— Steve