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週刊生成AI with AWS – 2025/9/29 週
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの野間です。最近すっかり涼しくなり、私の周りには体調を崩される方が多くなってきました。みなさま働きすぎと体調管理にお気を付けください。ちなみに私はいつも元気です。
さて、月替わりしまして10月の builders.flash から生成AI関連の記事が出ていますのでピックアップしてみました。週刊生成AIの情報と併せて是非ご参照くださいませ。
- Amazon Bedrock ガードレールでゲーム内のキャラクターを彩ろう!
- 「それ、AI にやらせてみよう」Claude Code Action 活用テクニック with Amazon Bedrock
- AWS Transform for mainframe と GenU で COBOL プログラム説明書を作ってみよう
- Amazon Novaを使った特許分析システムの処理コスト最適化 ~ パテント・リザルトの生成 AI 実装解説
- 生成 AI x RAG x サーバーレスで実現! AWS AppSync Events と Amazon Bedrock Knowledge Bases で作るライブチャットモデレーション
- Cline with Amazon Bedrock で始める Vibe Coding ~ テックアカデミーにおける活用事例
- AI エージェントで開発効率を加速しよう!Bedrock Engineer を触って学ぶ AI エージェント活用術
- 利用率 100% 達成 ! Amazon Bedrock を活用した生成 AI の開発組織への導入
そして毎回お知らせしておりますが「AWS ジャパン生成 AI 実用化推進プログラム」も非常に引き続き募集中ですのでよろしくお願いします。
では今週も生成 AI with AWS界隈のニュースを見ていきましょう!
さまざまなニュース
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- AWS生成AI国内事例ブログ「株式会社ケアネット様の AWS 生成 AI 事例「医師向け情報サービスにおける大規模 AI ライティングシステムの実装」のご紹介」
このブログでは医師向け情報サービスを提供する株式会社ケアネット様が、Amazon Bedrock を活用して医学文献から記事を自動生成する大規模AIライティングシステムを構築した事例を紹介しています。年間150万件以上発表される医学文献の中から、従来は人力で1日約10件しか提供できなかった記事を、生成AIを活用することで最大5,000件まで飛躍的に増加させ、24万人の医師会員に個別最適化された情報配信を実現しました。Amazon Bedrockのクロスリージョン推論機能により大量のリクエストを並列処理し、セキュアなインフラ内で医療情報という機密性の高いデータを安全に扱いながら、高い継続率60%超という成果を達成しています。Amazon Bedrockを活用する際のアーキテクチャ設計、スケーラビリティの確保、セキュリティ対策の参考になる内容となっています。 - AWS生成AI国内事例ブログ「AWS Summit Japan 2025 AI健康アプリ「HugWay」を支えるAWSアーキテクチャ:テオリア・テクノロジーズの認知症プラットフォーム戦略」
AWS Summit Japan 2025で展示されたテオリア・テクノロジーズのAI健康アプリ「HugWay」は、認知症予防をサポートする新しい健康管理アプリケーションです。このブログでは、AIパートナー「ハグまる」がユーザーに寄り添った会話を実現する仕組みや、会話履歴を分析・要約して長期的なパーソナライゼーションを提供する技術が紹介されています。マイクロサービス設計により機能拡張がしやすく、トラフィックの変動にも柔軟に対応できる実践的なアーキテクチャは、生成AIアプリケーションを開発する方にとって参考になると思います。また、OpenTelemetryを採用したオブザーバビリティ基盤の構築手法も解説されており、生成AIの安全性検証や品質管理のアプローチについてヒントを得ることができます。
- AWS生成AI国内事例ブログ「株式会社ケアネット様の AWS 生成 AI 事例「医師向け情報サービスにおける大規模 AI ライティングシステムの実装」のご紹介」
サービスアップデート
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- Anthropic Claude Sonnet 4.5 が Amazon Bedrock で提供開始
Amazon Bedrock でAnthropicの最も高性能なモデルであるClaude Sonnet 4.5が利用可能になりました。このモデルは、SWE-bench Verifiedベンチマークで高い性能を誇り、複雑なエージェント処理、コーディング、長期にわたるタスクに優れた能力を発揮しながら、大量利用時のスピードとコスト効率も最適化されています。マルチチャネルマーケティングキャンペーンの自律的な管理、クロスファンクショナルなエンタープライズワークフローの調整、サイバーセキュリティにおける脆弱性の自動パッチ適用、金融サービスでの高度な予測モデリングなど、複雑なマルチステップタスクを高精度で処理できます。Amazon Bedrock API 経由で、過去のツール呼び出しからの古い情報を自動的にクリアするコンテキスト編集機能と、コンテキストウィンドウ外に情報を保存・参照できる新しいメモリツールが利用可能となり、生成AIエージェントの精度とパフォーマンスが向上します。クロスリージョン推論により複数のロケーションで利用できます。またCross-Region Inference Profile に日本が追加され、日本国内(ap-northeast-1 と ap-northeast-3)でのクロスリージョン推論が可能となりました。 - AWS API MCP Server v1.0.0 がリリース
AWS API Model Context Protocol(MCP)Server のv1.0.0がリリースされました。このサーバーは、自然言語でAWS APIと対話し、文法的に正しいCLIコマンドを生成・実行できる機能を提供します。今回のリリースでは、起動時間の短縮、セキュリティ強化、CloudWatchエージェントによるログ収集対応、HTTP transportのサポート追加などの機能強化が実装されました。オープンソースとしてGitHubで公開され、Amazon ECR Public Galleryからコンテナイメージとしても利用可能です。 - AWS Knowledge MCPサーバーが一般提供開始
AWS Knowledge Model Context Protocol(MCP)Server の一般提供が開始されました。このサーバーは、AWSのドキュメント、ブログ投稿、What’s New、ベストプラクティスなどの情報を、LLM互換フォーマットでAIエージェントやMCPクライアントに提供します。今回のリリースでは、AWS API のリージョンごとの可用性や CloudFormation リソースの情報も含まれており、より実用的な情報のアクセスが可能になりました。AWSアカウント不要で無料利用でき、グローバルに提供されています。 - Open Source Model Context Protocol (MCP) Server now available for Amazon Bedrock AgentCore
Amazon Bedrock AgentCore 向けに、オープンソースのModel Context Protocol(MCP)サーバーが提供開始され、開発者が好みの開発環境で本格的なAIエージェントを分析・変換・デプロイできる標準化されたインターフェースが利用可能になりました。Kiro、Claude Code、Cursor、Amazon Q Developer CLI などの統合IDEやAIコーディングアシスタントとワンクリックインストールで統合でき、自然言語を使ってエージェントロジックを反復開発し、AgentCore SDKに変換して開発アカウントにデプロイすることが可能です。AgentCore MCP Serverについてのドキュメントやインストール方法は、GitHubリポジトリをご覧ください。また、詳しい情報はこちらのブログにも掲載しています。 - Amazon Bedrock Data Automationが文字起こし機能を強化
Amazon Bedrock Data Automation で、音声ファイルの文字起こし出力が強化され、スピーカーダイアライゼーション(話者識別)とチャネル識別がサポートされるようになりました。スピーカーダイアライゼーションは複数人が参加する会議や通話で各話者を自動的に検出・追跡し、チャネル識別では顧客と営業担当者など、各チャネルの音声を個別に処理できます。米国西部(オレゴン)、米国東部(バージニア北部)、GovCloud(米国西部)、欧州(フランクフルト)、欧州(ロンドン)、欧州(アイルランド)、アジアパシフィック(ムンバイ)、アジアパシフィック(シドニー)で利用可能です。 - Cohere Embed v4 マルチモーダル埋め込みモデルが Amazon Bedrock で提供開始
Amazon Bedrock でCohereの最新マルチモーダル埋め込みモデルEmbed v4が利用可能になりました。このモデルは、テキストだけでなく、表やグラフ、図、コードスニペット、手書きメモを含む複雑なビジネスドキュメントをネイティブに処理できる点が大きな特徴です。従来のモデルでは必要だった大規模なデータ前処理パイプラインが不要となり、スペルミスやフォーマットの問題も自動的に処理するため、時間のかかるデータクリーンアップ作業から解放されます。100以上の言語をサポートし、金融、医療、製造などの業界特有の文書に対してもファインチューニングされているため、グローバルな企業が専門的なドキュメントから洞察を引き出す際に優れた性能を発揮します。生成AIアプリケーションにおいては、複雑なビジネス資料を含むRAGシステムの構築や、多言語対応の高度な検索・情報取得機能の実装が、これまで以上に容易かつ高精度に実現できます。米国東部(バージニア北部)、欧州(アイルランド)、アジアパシフィック(東京)で利用可能です。また、特定のAWSリージョンからクロスリージョン推論を通じてアクセスすることができます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Neptune DatabaseがGraphStormと統合し、スケーラブルなグラフ機械学習を実現
Amazon Neptune Database が、エンタープライズ向けのオープンソースグラフ機械学習ライブラリであるGraphStormと統合されました。この統合により、GraphStormでグラフニューラルネットワーク(GNN)モデルをトレーニングし、Neptune上のグラフデータに対してリアルタイムで推論を実行できるようになります。ノード分類やリンク予測などの予測結果を1秒未満で取得できるため、アカウント、デバイス、トランザクション間の複雑な関係性をリアルタイムに分析する不正検知や、ユーザー行動に即座に適応する動的レコメンデーション、継続的に更新されるリスクスコアリングなどのユースケースが実現可能です。Amazon Neptune Database が利用可能な全リージョンで提供されています。 - Amazon OpenSearch Ingestion がバッチAI推論をサポート開始
Amazon OpenSearch Ingestion パイプラインで、バッチAI推論機能が利用できるようになりました。これまで Amazon Bedrock やAmazon SageMaker などとのコネクターを使ったリアルタイム推論は可能でしたが、今回のアップデートにより、大規模データセットをオフラインで効率的に処理できる非同期バッチ推論が追加されました。この機能により、ベクトル埋め込みの生成や取り込みといった大量データの処理が、より高いパフォーマンスとコスト効率で実現できます。Amazon OpenSearch Ingestion 対応の全リージョンおよびバージョン2.17以降のドメインで利用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon SageMaker managed MLflow が AWS GovCloud(米国)リージョンでの提供を開始
Amazon SageMaker managed MLflow が AWS GovCloud(米国西部)および AWS GovCloud(米国東部)の両リージョンで利用可能になりました。政府機関や厳格なセキュリティ要件を持つ組織にとって、GovCloudでの提供により高いセキュリティ基準を満たしながら生成AI開発を推進できる重要な選択肢となります。 - Amazon Bedrock がアジアパシフィック(タイ、マレーシア、台北)リージョンでの提供を開始
Amazon Bedrock が新たにアジアパシフィック(タイ、マレーシア、台北)リージョンで利用可能になりました。これにより、タイ、マレーシア、台北それぞれの現地でデータを保持しながら、多様な基盤モデルと包括的なツール群を活用した生成AIアプリケーションの開発・運用が実現できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Bedrock が中東(UAE)リージョンでの提供を開始
Amazon Bedrock が新たに中東(UAE)リージョンで利用可能になりました。これにより、UAE現地でデータを保持しながら、多様な基盤モデルと包括的なツール群を活用した生成AIアプリケーションの開発・運用が実現できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Bedrock がイスラエル(テルアビブ)リージョンでの提供を開始
Amazon Bedrock が新たにイスラエル(テルアビブ)リージョンで利用可能になりました。これにより、イスラエル現地でデータを保持しながら、多様な基盤モデルと包括的なツール群を活用した生成AIアプリケーションの開発・運用が実現できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Anthropic Claude Sonnet 4.5 が Amazon Bedrock で提供開始
今週は以上です。それでは、また来週お会いしましょう!