AWS JAPAN APN ブログ

AWS 上の OpenText Documentum が企業情報の価値を最大化する理由

本記事は、OpenText で Product Marketing Director, Documentum を務める George Harot とアマゾン ウェブ サービス  (AWS) で Global Technology Lead, Business Applications を務める Alex Dubovik が 2021 年 3 月 1 日に公開した「How OpenText Documentum on AWS Maximizes the Value of Enterprise Information」を翻訳したものです。

OpenText-AWS-Partners-2023
OpenText
Connect with Open-Text-1.1

大企業は、情報の量と種類の増加に直面しています。構造化データと非構造化コンテンツのライフサイクルを管理し、同時にそれらへの効率的なアクセスを提供することは、かつてないほど難しくなっています。

規制の強化、コンテンツの進化、そして新しい働き方によって、このタスクは圧倒的に難しくなっています。請求書や雇用契約書など会社の公式記録から、顧客との関わりや製品イノベーションを促進するためのアドホックなコラボレーションコンテンツまで、情報は業種を問わずほぼすべてのビジネスプロセスを後押しします。

情報は全ての組織において最も重要な資産の一つです。しかし、情報が様々なサイロに散在し、複雑なフォルダ構造になっている場合、特定のタスクのために正確なコンテンツを見つけるのは、手間と時間がかかるものです。

この課題に対する解決策は、企業が企業内の情報の価値を最大限に高めることを支援する新世代のコンテンツサービステクノロジーにあります。最先端のコンテンツサービスプラットフォームとアプリケーションはクラウドベースであり、リモートワーカーが情報や機能にアクセスできるようにするとともに、導入やアップグレードを簡素化することができます。

コンテナ型アーキテクチャは、多様なクラウドやオンプレミス環境と統合するために必要な俊敏性とデプロイの選択肢を提供します。また、カスタマイズも容易で、コネクターとオープン API により、あらゆる組織のユニークなニーズに対応することができます。

この記事では、Documentum と AWS の組み合わせが、情報管理ワークロードをクラウドで展開しようとする組織に対して、より安全で信頼性が高く、コンプライアンスに配慮したソリューションをどのように提供するかについてご紹介します。

OpenText Documentum の紹介

OpenText は、AWS パートナーであり、グローバルな情報管理のリーダーとして、企業がビジネスコンテンツを管理し、その価値を高めることを支援しています。

OpenText の Documentum は、20 年前に製薬、エネルギー、エンジニアリングなど規制の厳しい分野で発生する情報のガバナンスとライフサイクル管理を提供する業界トップクラスのコンテンツサービスプラットフォームとして開始しました。

このモデルは、金融サービス、製造業、公共部門など、高度に構造化された他の業界にもコンテンツ管理ソリューションを提供するまでに成長しました。

コンテンツ管理ソリューションの OpenText の製品群に加わってから数年、Documentum は革新的な取り組みを続けています。コンテンツサービス技術の開発と統合により、企業内のあらゆる種類のコンテンツを管理し、その価値を引き出すための幅広い機能を提供しています。

Documentum プラットフォームにより、企業は重要な情報の管理を確立し、タスクやワークフローに必要な最新の承認済みコンテンツへのアクセスを簡素化することができます。

Documentum ケース管理は、生産性向上と自動化を支援する機能を備え、効率化、一貫した品質、サイクルタイムの短縮を実現することでミッションクリティカルなビジネスプロセスを合理化します。これにより、Documentum におけるコンテンツライフサイクルの専門性を担保します。

コンテンツの安全性と検索性を保つことで、ユーザーは情報要求や規制に関する問い合わせに迅速に対応することができ、また、従業員が承認されていない情報や古い情報にアクセスすることがないようにできます。

Documentum の深層に迫る

Documentum プラットフォームは、あらゆる情報コンテンツを管理・制御するための堅牢で適応性の高いクラウド対応アーキテクチャを提供し、グローバル環境に対応した多言語対応とローカライズを実現しています。

Documentum は、地域を選ばず、最も厳しいガバナンスの要件にも対応できるよう拡張性を備えています。また、一般的なオフィス文書からリッチメディアまで、幅広い種類のコンテンツのライフサイクルを通じてコラボレーションをサポートします。

Documentum は、高度にパーソナライズされたロールベースのユーザー体験とタスクベースのケースビューを組織に提供することで、生産性を向上させ、オンボーディングを最適化します。また、アクションやタスクを調整するために従来のビジネスプロセス管理にコンテンツの要素を導入し、関連情報を文脈に合わせて提示することで、一貫性のある質の高い意思決定を行うことができます。

Documentum は、ビジネスプロセスの中心にあるアプリケーションと統合することで、ソリューション開発者が標準技術を活用してバラバラのリポジトリを統合し、情報のサイロをなくすことを可能にします。

OpenText-Documentum-1

図 1 – Documentum のコンポーネント

Documentum プラットフォームは、提供するコンテンツサービステクノロジーのリポジトリであり、基盤です。

プラットフォームには何十億ものドキュメントやコンテンツオブジェクトを格納することができ、お客様は Documentum のユーザーインターフェースを、設定可能な選択肢からお客様独自の要件に合わせて選択したり、REST API を使用してクラウドサービスや他のアプリケーションと統合したり、独自のインターフェースを構築することも可能です。

Documentum はモダンなアーキテクチャで構築されているため、事実上どこでもコンテナをデプロイして実行できます。オンプレミスおよびクラウドの両方のデプロイメントをサポートします。

お客様の要件に最適な UI を選ぶ

Documentum D2 は、情報の検索、作成、アクセス、修正内容の確認と承認、コンテンツの提出、基本的なワークフローを行うための高度に設定可能なユーザーインターフェース (UI) を提供します。

Documentum D2 には、モバイルデバイスでコンテンツを安全に利用できるようにする iOS および Android アプリも付属しています。コンテンツはモバイルデバイス上で転送中および静止状態で暗号化され、管理者がリモートで管理し、必要に応じてワイプ (訳注: デバイス上の情報を削除) することができます。

OpenText-Documentum-2

図 2 – Documentum D2 スマートビュー

Documentum xCP は、ローン申請や保険請求など、よりタスクに特化したソリューションのために Documentum 上に直接構築された動的なケース管理 UI です。

Documentum xCP では、お客様は画面構成を自由にカスタマイズでき、同時にリポジトリのタスクに特化した表示を提供することができます。

フォルダでコンテンツを扱う代わりに、情報はタスクの観点から表示されます。例えば、顧客のローン申請を評価する場合、そのケースに関連する情報がコンテキストに沿って表示されます。

OpenText-Documentum-3

図 3 – Documentum xCP のケース管理

OpenText Extended ECM Documentum for SAP Solutions は、 SAP アプリケーションのコンテキストで Documentum のコンテンツを表示します。

SAP ユーザーは Fiori UI で作業を続けながら、Documentum は適切なタイミングで適切な文書を表示し、バックグラウンドで透過的にガバナンスとコントロールを適用します。

OpenText-Documentum-4

図 4 – SAP Fiori における Documentum

Content Connect and Documentum Connector for Microsoft SharePoint により、Documentum のコンテンツを Microsoft Office アプリケーションで表示することができます。

OpenText-Documentum-5

図 5 – Microsoft における Documentum

AWS 上の Documentum

Documentum により、お客様は新しく AWS への導入を実現しながら、レガシー環境やハイブリッド環境のサポートを継続することができます。データ管理と企業のワークロードの未来はクラウドにあり、OpenText はお客様にオンプレミスのソリューションよりもクラウドを検討するよう推奨しています。

Documentum プラットフォームとクライアント UI コンポーネントは、Kubernetes に簡単にデプロイできるように Helm チャートとして提供されます。クラウドネイティブテクノロジーにより、継続的なアップデートが可能で、デプロイの迅速化、アップグレードリスクの軽減、新機能へのアクセスが可能です。

お客様は、Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) 上に Documentum を展開することができ、AWS またはオンプレミスで Kubernetes アプリケーションを開始、実行、拡張できる柔軟性を提供します。Amazon EKS は、高可用性で安全なクラスタを提供し、パッチ適用、ノードのプロビジョニング、アップデートなどの主要タスクを自動化するのに役立ちます。

AWS の利点は Documentum の導入だけにとどまりません。Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) や Amazon Elastic File System (Amazon EFS) などのクラウドストレージサービスは、Documentum リポジトリ用の完全に保護されたコンテンツストアロケーションとして簡単に構成でき、すべての Documentum ソリューションにシームレスに利用可能です。

Amazon S3 は、業界をリードするスケーラビリティ、データの可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。あらゆる規模や業種のお客様が、あらゆる量のデータの保存と保護に利用することができます。

Amazon EFS は、シンプルでスケーラブル、かつ完全に管理された伸縮性のあるネットワークファイルシステム (NFS) です。お客様はアプリケーションを中断することなくペタバイトまでオンデマンドで拡張できるメリットがあり、成長を見越した容量の確保や管理の必要がなくなります。

AWS で稼働するマネージドサービスとして Documentum を提供することで、お客様はコンテンツ管理の総所有コスト (TCO) を削減し、重要な情報のコントロールを確立し、デジタル経済で勝つために不可欠なコンテンツ中心のプロセスを強化することができます。

OpenText と AWS の組み合わせによるセキュリティ、スケーラビリティ、パフォーマンスにより、ビジネス情報は安全に保護され、社員、パートナー、顧客が必要なときに必要な方法で常に利用できるようになります。

OpenText-Documentum-6

図 6 – AWS 上の Documentum

Documentum は完全にコンテナ化されており、Kubernetes オーケストレーションサポートし、複数コンテナによる高可用性を提供しています。

AWS 上で Documentum コンテナを実行することで、お客様は高コストのオンプレミスへのインストールから、より費用対効果の高いクラウドサービスに移行することができます。Documentum のお客様は、ハイエンドの商用データベースのスピードと可用性、オープンソースデータベースのシンプルさとコスト効率を兼ね備えた Amazon Aurora PostgreSQL データベースを利用することができるようになりました。

Aurora の PostgreSQL 互換版は、同じハードウェア上で動作する標準的な PostgreSQL の最大 3 倍のスループットを実現し、既存の PostgreSQL アプリケーションやツールを修正することなく実行することが可能です。PostgreSQL の互換性と Aurora のエンタープライズデータベース機能の組み合わせは、商用データベースの移行に理想的なターゲットとなります。

AWS が管理するリレーショナルデータベースサービスに移行することで、お客様はパッチ、レプリケーション、バックアップなどのデータベース管理タスクではなく、価値の創造に集中することができます。

マイクロサービスベースのアプローチにより、Documentum のお客様は需要に応じてスケールアップまたはスケールダウンすることができ、アイドルリソースを減らすことができます。クラウドリソースは、ピーク時のワークロードに合わせて構築するのではなく、使用量ごとに課金されるため、10 年以上先の成長に備えて大規模なインフラを前もって購入する必要がなくなります。

クラウドへの移行は、コンピューティング、ネットワーク、ストレージのコストを下げるということだけではありません。インフラやデータベースのコストを下げることにも通じます。より高度な自動化によって大規模に運用コストを下げることで、全体的な運用コストの低下が実現します。これは、IT スタッフの割合として、運用に携わる人を減らし、開発やイノベーションに携わる人を増やすことを意味します。

お客様が価値を感じている重要な分野の1つは、導入プロセスの自動化です。Documentum のインストールでは、何百もの手動手順をわずか数ステップに減らすことができるため、管理者は本番環境を迅速に構築し、Documentum をデプロイしてすぐに使い始めることができます。

Documentum のお客様は、以下のようなメリットを享受することができます。

  • 信頼できる情報: コンテキストに応じた正しい情報を素早く検索してアクセスし、コンプライアンスニーズを満たす情報が準備されているという確信を得ることができます。
  • 生産性の向上: 直感的なユーザーエクスペリエンスと合理化されたビジネスプロセスの恩恵を受け、ビジネスシステムとの統合によりサイクルタイムを短縮することができます。
  • リスクの低減: セキュリティ、記録管理、リテンションサービスにより、将来の法的リスクや規制リスクから組織を保護します。
  • 俊敏性の向上: 特定の役割の要件に合わせて構成された柔軟なユーザーインターフェイスにより、変化するビジネス状況に合わせて迅速に変更または拡張することができます。

まとめ

OpenText Documentum と AWS は、新しい仕事の世界に必要なコンテンツ管理機能を提供します。

Documentum と専門家が管理するサービスの組み合わせは、AWS クラウド環境のスケーラビリティとパフォーマンスとともに、情報管理ワークロードをクラウドで展開しようとする組織に対して、より安全で信頼性が高く、コンプライアンスに配慮したソリューションを提供します。

より詳しい情報:

.
OpenText-APN-Blog-CTA-1
.


OpenText – AWS パートナースポットライト

OpenText は AWS パートナーであり、企業がビジネスコンテンツを管理し、そこから価値を得ることを支援する、エンタープライズ情報管理のグローバルリーダーです。

OpenText の問い合わせ先 | パートナーの概要

翻訳は主にメディアソリューション部 ソリューションアーキテクト 浦野が担当し、公開を ISV パートナー本部 パートナーソリューションアーキテクト 河原が担当しました。原文はこちらです。