AWS Startup ブログ
【開催報告】AWS Startup Tech Meetup Online #4
(この投稿は AWS Startup Community から寄稿頂いたものです。)
前回に引き続き、AWS Startup Tech Meetup #4 のイベント開催レポートを投稿します。(動画は最下部に掲載しています。)
オープニング
オープニングは、毎度おなじみ AWS の 松田さん (@mats16k) より、コミュニティの紹介からスタートです。
AWS Startup Community では、AWS を利用するスタートアップ同士が、交流や知見の共有を通じて、スタートアップならではの悩みや課題を解消、そしてサポートできるコミュニティを目指しています。
また、コミュニティの中でスタートアップ企業の露出機会を提供することにより、企業名やプロダクトの知名度向上に寄与できれば嬉しいなと思っています。
そう、これは…
スタートアップの、
スタートアップによる、
スタートアップのためのコミュニティです!!!
と、AWS Startup Community をさらっと紹介したところでいつもの連絡事項です。
連絡1. コミュニティロゴが爆誕しました!!
冒頭でお気づきの方もいらっしゃったかと思いますが、コミュニティのロゴがしれっと爆誕しました。モチーフはスタートアップらしさのあるユニコーンです。
※ ただ、デザイナーでもなんでもない一般の情シスが、なんとなく作ったものなので、今後コミュニティの皆さんでアイデアや意見を出し合いながら、より良いアイコンをつくっていけたらいいなと思います。
連絡2. Discord を採用します
これまで Slackと併用で運用しておりましたが、コミュニティスペースとして Discord を正式採用し、今後も活動していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
連絡3. AWS Summit Online への事前登録
AWS Summit Online (5/11〜5/12) の事前登録はお済みですか??
お済みでない方はこちらから登録ししておくことをおすすめします。
明日のユニコーンを目指すスタートアップのAWS活用 – AWS Summit Online 2021
事前アンケートの結果
時間がないため割愛しましたが、Speaker Deck にアップロードしているので、気になる方はこちらからご覧ください。
aws-startup-tech-meetup-online-4
本日のイベントに関するお願い
ハッシュタグ・アンケートのお願いに加えて、今回は Speaker への質問を sli.do を利用して行うことになりました。
というところで、3分押しになりましたがセッションスタートです!!
X-Tech JAWSの紹介/X-Tech JAWS : 吉江 瞬
最初は日本最大のAWSユーザーグループの JAWS-UG より、 X-Tech JAWS の 吉江 瞬さん が登場です。AWS SAMURAI 3年連続受賞、そして AWS Community HERO を受賞された AWS ユーザーコミュニティ界の生きる伝説ですね。
ちなみに、前日は X-Tech JAWS にて松田さんが登場し、AWS Startup Community の紹介をさせていただきました。見逃した方はアーカイブも要チェックです。
※「エクステック」ですよ、「クロステック」ではありませんのでお間違いなく。
X-Tech JAWS とは、FinTech (金融)、InsureTech (保険)、HealthTech (ヘルスケア)、MediTech (医療)、AdTech (広告)、EdTech (教育)、LegalTech (法律)など、あらゆる業界における AWS の利用の加速と、業界間・異業種企業間のハブとなっているコミュニティです。
セッションでは、X-Tech JAWS での取り組みについてのご紹介に加えて、X-Tech JAWS の運営で気をつけているところについてもお話しいただきました。
アンケート実施の工夫や、登壇いただくスピーカーにリスナーが期待していることをオーダーするなど、コミュニティ運営に携わる身としては、大変参考になりました。
コミュニティ運営で一番大事なことは、楽しく参加すること!!
20210427_Introducing_X-TechJAWS
X-Tech JAWS への参加はこちらのページから。
AWS ソリューションを活用して1ヶ月で動画配信機能をリリースした話 / 株式会社コドモン 田中 知英さん
続いては、保育 Tech の 株式会社コドモン から、SRE の田中さんのセッションです。
CoDMON (コドモン)は、先生の働き方改革と、保育・教育の質向上を支援するツールで、保育園に関わるあらゆる機能を提供しており、保育 ICT として導入実績は国内 No.1 (2021年4月1日現在)とのこと。(実はわたしも子供の通っている保育園で使ってます。)
そんな CoDMON は、この3月に動画配信機能をリリースをしたそうなんですが、その動画配信機能をなんと1ヶ月でリリースするという爆速開発を実現。
社内に動画配信に関するノウハウがない中で、コロナ禍で動画配信の需要が増したこと、さらに卒園式・入園式シーズンに活用したいということで、3月までに機能をリリースをしたいということもあり、1ヶ月という短期間での開発かつ、IaC (Infrastructure as Code) での管理が求められていたという動画配信機能。
それを解決したのが、AWSソリューション でした。
以下公式より引用
AWS ソリューションは AWS プラットフォームを使って、一般的な問題を解決し、より迅速に構築できるよう設計されています。すべての AWS ソリューションは、AWS のアーキテクトによって検証されており、運用効率、信頼性、安全性、および費用対効果が高くなるように設計されています。各ソリューションには、詳細なアーキテクチャ、デプロイガイド、自動デプロイと手動デプロイの両方の手順が付属しています。
AWS で提供されているテンプレートやテストコードを活用して、工数を必要以上に割かずに、ビジネスに集中できるという便利な AWS ソリューション。
セッションでは、動画コンテンツを効率よく配信するために「Video on Demand on AWS」を利用したお話しだけでなく、デフォルトのテンプレートでは対応していない「無音動画のアップロード」や、「動画コンテンツへのアクセス制限」など、プロダクトで利用するにあたっての課題とその解決方法についてお話しいただきました。
学習用途としてはもちろん、開発のスピードが命のスタートアップだからこそ、AWS ソリューションを積極的に活用していきたいですね。
デプロイ頻度を10倍以上にした、ブランチ戦略と GitHub Actions on Amazon ECS / 株式会社エクサウィザーズ 根本 征さん
続いては、AIを用いた社会課題解決を通じて幸せな社会を実現する、株式会社エクサウィザーズ より、根本さんのセッションです。
「CI/CD を導入していますか ? 」という質問からはじまったこのセッション。DevOps の改善による効果はとても高いことをエビデンスをもって熱弁する根本さん。スタートアップこそ DevOps の改善は重要。うーん納得。
複数の事業を持ち、プロダクトを同時並行でスピーディに開発 & 立ち上げを行なっているつエクサウィザーズ社。そんな状況の中で、デプロイ頻度を10倍にした取り組みについてご紹介いただきました。
小さく・自律的にチームがデプロイできるようにすることで、デプロイ頻度を上げたいと考えた根本さんは、Jenkins から GitHub Actions on Amazon ECS に、そして GitFlow から GitLab Flow へ移行するという2つの改善をすることにしたとのこと。
どちらも詳細はこちらのブログでご紹介されているとのことなので参考にしたいと思います。
GitHub Actions の self-hosted runners を AWS ECS で動かして、CI / CD パイプラインを作る
GitLab Flow + GitHub Actions ではじめる、デプロイフローの改善・自動化
この改善の効果として、月4回程のデプロイだったものが、なんと2週間で27回のデプロイ、実質10倍以上のデプロイ頻度に改善されたとのこと。数字として改善が目に見えるのは気持ちいいですね!!
デプロイ頻度の向上はスタートアップ含めとても重要。
DevOps の改善で高品質なプロダクトを高速にリリースしていきたいですね。
デプロイ頻度を10倍にした、ブランチ戦略とGitHub Actions on AWS ECS
LayerX インボイス 効率的な開発を目指して / 株式会社LayerX 高江 信次さん
株式会社 LayerX の CTO 室 リードエンジニア 高江さん です。
今年はじめにリリースされた、請求書の受け取りから経理の会計処理・支払処理をまとめて自動化するクラウド型経理 DX 支援システム「LayerX インボイス」の開発の裏側についてお話しいただきました。
効率的に開発し、超短期間でリリースしたというLayerXインボイス。
このプロジェクトタイムラインが表示された瞬間、Twitter のタイムラインがざわつきました。
2020年8月にざっくりとしたコンセプトを掲げてプロジェクトを開始、その2ヶ月後の10月にはクローズド α をリリース、さらに12月にクローズド β のリリースを経て、2021年1月に正式にリリース。爆速すぎませんか。
この短期での開発・本番リリースを支えたのは、シンプルかつベストプラクティスに沿った、最小で最適な構成にしているところ。そして、セキュリティを最初から手を抜かずに設計されているところです。
プロジェクトの開始時点から本番運用できることを念頭において、いつでも本番リリースできるように備えるところもスピード開発のポイントですね。
How to develop LayerX INVOICE efficiently
LayerX さんは、AWS Summit Online にてご登壇されるとのことなので、今回のセッションで高速開発を支える技術に興味を持たれた方は、ぜひこちらも視聴してみてはいかがでしょうか。
障害対応のふりかえりとその後の取り組み / 株式会社dotD 那須 隆さん
最後のセッションは、愛犬のためのアプリ 「onedog」など、BtoC 向け自社事業と共創事業を両輪としたビジネスモデルでビジネスを作り上げるスタートアップ、株式会社dotD より 那須さん です。
自社事業の「onedog」がサービスダウンしてしまった経験を反省し、ログのモニタリングは手を抜かずにやっていこうというお話です。
ある日突然、アクセス数が普段の4倍に!!
お客様からの問い合わせで サービスが落ちていることに気づき、アクセス数を見てみると API に対するアクセス数が突然上昇しています。ドキドキしますね…!!
いろいろと調べる中で、Amazon RDS Proxy をいれてみるも何も変わらず障害は継続。(DB 接続数が突発的に増加した場合はほとんど効果なかったとのこと)
Amazon RDS のスケールアップを実施すると一旦落ち着いたところで、再発防止策として、気にしなくてはならない情報を1画面で確認できるダッシュボードを作成。これにより、障害発生時に状況の確認にかける時間を短縮できる上に、他リソースへの影響も確認できるところがポイント。さらにアラーム設定を見直して、サービスごとにベストな閾値を調整することも必要とのこと。
普段からモニタリングに意識を向けて、どんな状態が正常なのかを把握しておくことはとても大事ですね。
障害対応のふりかえりとその後の取り組み / trouble shooting and future
このセッションの詳しい内容はブログにてまとめられていますので、こちらも併せてご覧ください。
ちなみに、AWS サポートのビジネスプランは、月額利用料の 10% (0~10,000 USDの場合) で、24時間365日のテクニカルサポートが受けられるので、本番ワークロードでは契約を推奨とのこと。(SA 松田さんより)
障害発生時に AWS のプロフェッショナルのトラブルシューティングのサポートを受けられるのはとても心強いと思います。
※ AWS サポートは障害時以外も問い合わせることが可能です。日々の業務から有効活用して頂き効率的な開発に役立てて頂ければと思います。
Ask the Speaker
今回初めて実施の「Ask the Speaker」on Discord。記念にみなさんでスクショで記念撮影を撮ってみました。
Speaker へ「結局障害の原因は何だったのか」といった質問や、セッション中素敵だと感じた部分についてトークをしたり22時頃まで交流が行われていました。
私は家庭の都合があり離脱してしまいましたが、また次回あればぜひ参加したいなと思いました。
まとめ
今回も神回でした。(毎回言っている)
特に今回は「爆速開発」というワードが多かったですね。この辺はさすがスタートアップならではといったところでしょうか。短期間で高品質でリリースをするポイントについて知見を得たところで、早速実践してみようと思います。
今回もご参加いただいたみなさま本当にありがとうございました。
アーカイブはコチラです。
また、次回以降のイベントスピーカーも募集しております!
話してみたいけどどんなネタがいいだろう・・・という場合は、ぜひ松田さんをはじめ、コアメンバーまでお気軽にご相談いただければと思います。
AWS Startup Community スピーカー応募フォーム
では、次回もお楽しみに!!
このブログポストの著者(寄稿者)
sumi
株式会社 オークン / Business IT
スタートアップをこよなく愛する情シスのお姉さん。 好きな AWS サービスは、AWS Organizations, AWS SSO, AWS Cost Explorer
Twitter: @suemin_jp