S&P Global Market Intelligence が AWS Well-Architected Tool と AWS Trusted Advisor を利用してプライマリ発行プラットフォームの俊敏性と回復力を改善

S&P Global Market Intelligence は、世界有数の多くの組織の債券を引き受ける 200 を超える銀行をまとめる IssueBook アプリケーションを提供しています。このアプリケーションは、2020 年に総額 4.3 兆 USD を超える米国の投資適格債の発行の大部分を処理しています。以前、同社は、オンプレミスの独自のサーバーで各クライアント (一般的に Fortune 500 企業) に起債していました。このセットアップでは、システムに小規模な変更を加えることが非常に複雑な作業となっていました。「当社のモチベーションは、より俊敏で回復力のある企業になることでした」と Shrivastava 氏は述べています。「また、新しい機能とデプロイによって市場投入までの時間を短縮したいと考えていました」。

同社は、IssueBook アプリケーションの各インスタンスが単一のクライアントにサービスを提供するシングルテナントシステムを AWS で構築することに着手しました。同社は、AWS Well-Architected Tool を使用して、アーキテクチャの包括的な概要を手に入れました。「当社は、このツールを使用して、本番でミッションクリティカルなワークロードを実行するすべての側面に焦点を当てた実用的なプロセスをレイアウトしました」と Shrivastava 氏は述べています。

S&P Global Market Intelligence はクライアントに重要なサービスを提供しているため、AWS への移行を段階的に行うことでリスクを軽減しました。同社は、問題が発生した場合に他のクライアントに影響する可能性を低く抑えるために、移行する複数のグローバルリージョンを都度慎重に選択しました。「当社のクライアントは、当社がプラットフォームをモダナイズし、以前よりも迅速にニーズに対応していると感じています」と Shrivastava 氏は述べています。

新しいアーキテクチャでは、S&P Global Market Intelligence は、フルマネージドコンテナオーケストレーションサービスである Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) を利用してアプリケーションをデプロイします。その後、サーバーレスで従量制料金のコンピューティングエンジンである AWS Fargate を利用して、サーバー管理の運用オーバーヘッドを排除します。「AWS Fargate により、クラスターとハードウェアを自ら管理しなくてもコンテナ化されたワークロードを実行できるようになり、大きな成果が得られました」と S&P Global Market Intelligence の Director 兼 Solutions Architect の Jeremy Leisy 氏は述べています。

アーキテクチャを簡素化することで、S&P Global Market Intelligence はデプロイのタイムラインを短縮し、インフラストラクチャをコードとして使用することで配信を加速して、新規クライアントのオンボーディング時間を短縮しました。「AWS を利用して実現できたことはたくさんあります」と Leisy 氏は述べています。「マネージドサービスを利用することで、さらなるモダナイゼーションを進める上で大きな成果が得られました」。

S&P Global Market Intelligence は、マネージドサービスを利用して Oracle データベース管理を効率化しました。クラウドでの Oracle デプロイのセットアップとスケールをシンプルにする商用データベースである Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) for Oracle を利用することで、同社は俊敏性を大幅に高めることができました。今では、週末のリリースで新しい Oracle データベースインスタンスを使用して環境をスケールできます。さらに、Amazon RDS for Oracle を利用することで、年間数十万 USD のコスト削減を実現することができました。「クライアントのボリュームが増えた場合、当社は新しい Amazon RDS for Oracle インスタンスを迅速に起動し、別のインスタンスに転用して、すぐに稼働させることができます」と S&P Global Market Intelligence の Executive Director である Abhishek Singhal 氏は述べています。

新しいインフラストラクチャが導入された後、S&P Global Market Intelligence はシステムの最適化を開始しました。コスト削減の機会を特定するために、同社は AWS のベストプラクティスに沿ったレコメンデーションを提供する AWS Trusted Advisor を利用しました。S&P Global Market Intelligence はこれらのレコメンデーションに従って行動し、データベースインスタンスを 1 年または 3 年の期間で予約すると大幅な割引を提供する Amazon RDS リザーブドインスタンスを利用することでコスト効率を高めました。

アーキテクチャを変革し、より小規模で独立したユニットを使用することで、S&P Global Market Intelligence はインフラストラクチャの回復力を高めました。「この俊敏性により、主要なクライアント成果物の迅速な提供が可能になりました。また、複数のアベイラビリティーゾーンがあるため、ダウンタイムの問題は発生しないだろうと考えています」と Singhal 氏は述べています。