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トヨタ自動車株式会社が AWS を活用してエンジニアのオンボーディングを促進 | 導入事例

トヨタ自動車株式会社がソフトウェアブートキャンプを効率化するために、Research and Engineering Studio (RES) を活用した事例を紹介します。

概要

トヨタ自動車株式会社 (TMC) は、数百人のソフトウェアエンジニアを効率的に育成できる研修環境を構築する必要がありました。従来は、各エンジニアが学習開始前に個々の PC へツールをインストールするのに丸 1 日を要し、数百人が同じ環境セットアップ作業を行うことで貴重な研修時間が浪費されていました。この課題を解決するため、TMC は AWS を活用し、参加者が即座に利用可能な、標準化されたクラウドベースの統合開発環境を構築しました。このソリューションによりセットアップ作業が不要となり、研修時間を本来の学習や開発に集中できるようになったと共に、環境準備やトラブル対応に伴うインストラクターの負担も軽減されました。さらに、研修から本番開発業務まで継続して利用可能な VDI 基盤を整備し、エンジニアのオンボーディングと開発生産性の向上を同時に実現しました。

トヨタ自動車株式会社について

トヨタ自動車株式会社は、日本を本拠地とするグローバルな自動車メーカーです。年間約 1,000 万台の車両を生産し、世界 170 カ国以上の国・地域に提供しています。近年は、自動車の高機能化・高度化に伴い、制御ソフトウェア開発やそれを担うエンジニア人材の育成に取り組んでいます。

見出し 1: 機会 | AWS を活用した TMC ソフトウェアブートキャンプの革新

TMC のパワートレーン電子開発部は、車両制御ソフトウェアの開発を担う各部門や、ソフトウェアエンジニアの育成を担当する研修部門と連携し、ソフトウェア開発基盤の整備を推進しています。同部門では、AWS 上で次世代のモデルベース開発環境のモダナイズを進める中で、ソフトウェアブートキャンプ向けの開発環境整備を技術面から支援することになりました。ソフトウェアブートキャンプの規模拡大に伴い、運用負荷を大幅に削減しながら、安定して提供できるトレーニング環境の整備が急務となっていました。

従来、参加者は研修初日に、各自に割り当てられたオンプレミスの PC へ 20 種類以上のツールをインストールする必要があり、環境構築だけで丸 1 日を要していました。研修には数百人規模の参加者がおり、数百台に及ぶ PC は機種や性能、導入時期がそれぞれ異なっていたため、同じ手順でセットアップしても想定どおりに動作しないケースが見られました。その結果、インストラクターは、セットアップに起因する個別の確認や調整対応に時間を割く必要があり、カリキュラム運営以外の業務負荷が増大していました。さらに、研修に必要な性能を満たす PC の確保や管理も、研修運営上の大きな負担となっていました。TMC は、受講者全員が同一の開発環境から学習を開始でき、環境準備や調整に時間を取られることなく研修を運営できる仕組みを目指しました。そこで AWS に協力を求め、大規模な受講者を対象としたソフトウェアトレーニングに適した、統合的で一貫性があり、すぐに利用可能なクラウドベースの開発環境を構築しました。

見出し 2: ソリューション | AWS 上にクラウドベースのトレーニング環境を構築

AWS チームとの初期協議およびディスカバリーワークショップを通じて、TMC はクラウドベースの Desktop-as-a-Service(DaaS)の活用可能性を検討しました。その過程で複数の概念実証(PoC)を実施した結果、 Research and Engineering Studio (RES) on AWS の採用を決定しました。RES は、管理者が安全なクラウドベースの研究・開発環境を作成、提供、管理できるオープンソースのウェブポータルです。

TMC は RES on AWS を自社で実装・運用する方針を選択し、まずは基盤となる AWS サービスの理解から着手しました。具体的には、AWS のサービスやリソースへのアクセスを安全に管理するAWS Identity and Access Management (AWS IAM) や、実質的に容量制限なくデータを保存できるオブジェクトストレージサービスの Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) などを段階的に学習しました。このアプローチにより、TMC は本格的な環境構築に入る前に、クラウドコンピューティングの基礎を確実に身につけることができました。AWS チームは、プロジェクト全体を通じて技術的なアドバイスと伴走型の支援を提供しました。

「当社が AWS を選んだ理由は、サービスの機能や品質だけではありません。AWS チームの高い技術力や人柄、そして TMC と共に課題解決に取り組む協働姿勢も大きな決め手でした」と、TMC のパワートレーン電子開発部でグループマネージャーを務める佐藤匡将氏は語ります。「AWS チームは、単に技術的な質問に答えるだけでなく、当社の立場に立って課題を一緒に考え、環境を自ら構築・運用するという決断を力強く後押ししてくれました。高い技術力に加え、伴走するような支援を受けられたことで、当社は AWS サービスを自信を持って使いこなせるようになりました」。

基盤知識習得後、TMC チームは環境の実装フェーズへと進みました。Infrastructure as Code(IaC)を用いてクラウド環境の構築を自動化する AWS CloudFormation や、Amazon マシンイメージ(AMI)の作成・管理を効率化する Amazon EC2 Image Builder を活用し、仮想デスクトップ環境の標準化を進めました。EC2 Image Builder により、開発ツールの組み合わせやバージョンを一元管理できるようになり、受講者は必要なツールが事前にインストールされた AMI を選択するだけで、仮想デスクトップを起動し、すぐに開発作業を開始できます。

見出し 3: 成果 | RES によるエンジニア育成の加速

TMC は AWS のグローバルインフラストラクチャを活用することで、高いセキュリティを確保しながら、柔軟性と管理性を備えたスケーラブルなトレーニング環境を構築しました。「RES on AWS を導入したことで、参加者は統一された開発環境に直接アクセスでき、研修初日からスムーズに学習を始められるようになりました」と佐藤氏は語ります。

RES on AWS の活用により、200 名を超えるエンジニアが環境構築やツール設定に時間を取られることなく、トレーニングに集中できるようになりました。従来は高性能 PC の調達に約 6 ヶ月を要していましたが、現在は PC 調達が不要となり、受講者は仮想デスクトップ環境を起動するだけで、約 10 分で開発環境を利用開始できます。また、研修初日に丸 1 日を費やしていたツールのインストールや環境設定作業も不要となり、代わりに RES の基本的な使い方を習得する約 2 時間のオリエンテーションのみで研修を開始できるようになりました。これにより、研修準備にかかるリードタイムが大幅に短縮され、研修運営の柔軟性も向上しました。さらに、インストラクターは環境起因の個別対応や調整業務から解放され、研修運営や受講者支援により注力できるようになりました。

現在 TMC は、クラウド上に次世代のモデルベース開発環境を構築し、パワートレーン部門やコアエンジニアリング部門の製品開発へ RES on AWS を展開する準備を進めています。トレーニングと実開発で同一のツール、開発環境、インフラストラクチャを利用することで、エンジニアは研修から実際の開発業務へとスムーズに移行できるようになります。この一貫した開発基盤により、TMC は人材育成と製品開発の両面で、クラウド活用の効果を最大化しています。

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RES on AWSを導入したことで、参加者は統一された開発環境に直接アクセスでき、スムーズに学習を始められるようになりました

佐藤匡将氏

トヨタ自動車株式会社、パワートレーンカンパニー、パワートレーン電子開発部、グループマネージャー

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