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[資料公開 & 開催報告] Amazon Q Developer Meetup #3 を開催しました
2025 年 9 月 30 日に AWS Startup Loft Tokyo (目黒) で開催された「Amazon Q Developer Meetup #3 生成AIの利用を中心としたソフトウェア開発の新しいアプローチであるAI-DLCおよびその活用実績のご紹介」のイベントの様子をレポートします。
このイベントは、生成 AI を中心としたソフトウェア開発に対する新たなアプローチである、AI 駆動開発ライフサイクル (AI-DLC) をテーマに実施しました。まず Developer Specialist SA の金森から AI-DLC が必要とされる背景と、AI-DLC の概要、進め方をご紹介しました。続いて、すでに AI-DLC を体験していただいた LINE ヤフー株式会社様、株式会社サイバーエージェント様、東京海上日動システムズ株式会社様に、実際の進め方や学び、今後の展望などについて発表していただきました。
現地参加・オンライン参加合わせて 200 名以上の方にご登録いただきました。参加者の方からは「実際に AI-DLC を実施した結果としての良い点、課題点が聞けたことが良かったです。」とのご感想をいただきました。AI-DLC を始めて知った方、これから AI-DLC の実施を検討されている方、すでに AI-DLC を体験されて改善に取り組まれている方、それぞれの皆様にご参考いただける情報をお届けしました。
現地参加の方のみ、ケータリングをご用意し、ネットワーキングのための懇親会を実施しました。
登壇者の方への質問や、参加者同士の意見交換、AWS メンバーへの相談が活発におこなわれていました。
イベント概要
- 開催日時: 2025年9月30日
- 会場: AWS Startup Loft Tokyo (目黒)、オンライン配信
- スピーカー
- LINE ヤフー株式会社様「AI-DLC を活用した、 負荷試験環境の構築」
- 株式会社サイバーエージェント様「CA 流、現場と伴走する AI 駆動開発 (AI-DLC)」
- 東京海上日動システムズ株式会社様「AI-DLC 体験記」
- Developer Specialist SA 金森政雄, Amazon Web Services Japan G.K. 「AI 駆動開発ライフサイクル (AI-DLC) ソフトウェアエンジニアリングの再構築」
- 登壇資料: こちらからダウンロード (zip)
AI 駆動開発ライフサイクル(AI-DLC)ソフトウェアエンジニアリングの再構築
スピーカー: Developer Specialist SA 金森政雄, Amazon Web Services Japan G.K.
はじめに、Developer スペシャリストソリューションアーキテクトの金森より、AI-DLC をご紹介しました。
まず、ソフトウェア開発における生成 AI 利用に対する既存のアプローチの課題を挙げ、AI-DLC が必要とされる背景について述べました。続いて、開発プロセスを生成 AI が制御し、開発者が最終的な責任を保持するという AI-DLC のコンセプトを示し、AI-DLC を構成する各ステップの詳細についてご説明しました。そして AI-DLC を実践するためのアプローチであり、ご登壇いただいた各社様にご体験いただいた、AI-DLC Unicorn Gym についてケーススタディに基づいて仕組みや期待される成果についてご説明しました。
AI-DLC についてさらに詳しく知りたい方は、添付資料と併せてブログ「AI 駆動開発ライフサイクル:ソフトウェアエンジニアリングの再構築」をご覧ください。
LINEヤフー株式会社 様「AI-DLC を活用した、 負荷試験環境の構築」
LINE ヤフー株式会社様からは「AI-DLC を活用した、 負荷試験環境の構築」と題して、負荷試験環境の構築に AI-DLC を実践した事例についてご紹介いただきました。負荷試験ツールである Locust の設定や API、DB 初期化スクリプト等を AI-DLC を応用して作成した際の留意事項や実際の手順、工夫や今後の展望についてご説明いただきました。
一次情報は社員が普段から利用しているツールから MCP Server 経由で取得していることや、AI-DLC のアウトプットを新規担当者のキャッチアップ資料などに活用していること、AI-DLC を軽量にカスタマイズして取り入れていることをご紹介いただきました。AI エージェントとの対話内容の例や実際のアウトプットについてもご共有いただきました。これからの展望として、アウトプットであるドキュメントの更新・メンテナンスの仕組みについても検討されていることをご紹介いただきました。
株式会社サイバーエージェント様 「CA 流、現場と伴走する AI 駆動開発 (AI-DLC)」
株式会社サイバーエージェント様からは「CA 流、現場と伴走する AI 駆動開発」と題して、AI 駆動開発の全社展開を目指す背景とその実践についてお話しいただきました。AI 駆動開発の浸透・普及により AI 活用を強化し、競争力のあるプロダクトを作ることの重要性や、AI を前提とした開発文化の定着には全社への浸透、行動様式や意思決定プロセスの変革も必要である、と言う方針についてご紹介いただきました。既存プロジェクトへの AI-DLC の適用においてはドメイン知識に関するコンテキストの不足や、伝達の難しさについてお話しいただいたのち、Code を Single source of truth とすることや、ドメインごとに独立したコンテキストを与えるという AI へのドメイン知識の伝達方法をご説明いただきました。最後に、AI 活用の普及には継続的に開発チームとコミュニケーションし、二人三脚で進めていくことが重要であるとも述べていただきました。
AI-DLC Unicorn Gym 実施内容の詳細はブログ「既存開発フローに AI-DLCを適用する 」と「AWS 発「AI-DLC」ワークショップレポート!現場に適用するには? 」も併せてご覧ください。
東京海上日動システムズ株式会社様 「AI-DLC 体験記」
東京海上日動システムズ株式会社様からは「AI-DLC 体験記」というタイトルで、AI-DLC ワークショップにご参加いただいた背景や準備、当日の様子や今後の展望についてご紹介いただきました。要件定義から実装フェーズの効率化の検証のため、既存システム改修と新規システム構築を対象とし、さまざまな部門・役割のメンバーが参加されたという背景をお話しいただきました。ワークショップ当日の成果物の例や完成したアプリケーションもご紹介いただきました。最後に各参加者からのフィードバックや、今後の AI-DLC を広く導入するための取り組みについてご説明いただきました。
AI-DLC Unicorn Gym 実施内容の詳細はブログ「東京海上日動システムズ株式会社様の AWS 生成 AI 事例:金融業界初 AI-DLC Unicorn Gym による開発変革への挑戦」も併せてご覧ください。
おわりに
今回の Amazon Q Developer Meetup #3 では、AI 駆動開発ライフサイクル (AI-DLC) をテーマとしてその概要と実際に体験されたお客様からの事例をご紹介いただきました。LINE ヤフー株式会社様、株式会社サイバーエージェント様、東京海上日動システムズ株式会社様にご登壇いただき、実施の背景や体験していただいた内容、学びや今後の展望についてお話しいただきました。今後も、開発者の皆様が生成 AI をより有効に活用していただくための AI-DLC をはじめとしたプラクティスや Amazon Q Developer や Kiro といったツールについて発信・アップデートをお届けします。
次回予告: Amazon Q Developer & Kiro Meetup #4 AWS サポートが語るよくある問い合わせ紹介とKiroのユースケース紹介
次回から Amazon Q Developer & Kiro Meetup にシリーズ名をアップデートします!
Amazon Q Developer & Kiro Meetup #4 では AWS サポートエンジニアから Amazon Q Developer に関するよくあるお問い合わせとその回答を、株式会社アド・ダイセン様から Kiro のユースケースをご紹介いただきます。皆様のご登録をお待ちしています。
- 参加登録: Amazon Q Developer Meetup & Kiro #4 AWS サポートが語るよくある問い合わせ紹介とKiroのユースケース紹介
- 開催日時: 2025年10月31日 (金) 19:00-21:00
- 会場: AWS Startup Loft Tokyo (目黒)、オンライン配信
- お客様登壇
- 株式会社アド・ダイセン ソリューション部 部長 吉田 和弘 様「非エンジニアが生成AIでチームのイノベーション文化を創った実践事例」