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AWS Sustainability コンソールの提供開始 – プログラムによるアクセス、カスタム CSV レポート、スコープ 1-3 の排出量レポートを一か所で
本記事は 2026 年 3 月 31 日 に公開された「Announcing the AWS Sustainability console: Programmatic access, configurable CSV reports, and Scope 1–3 reporting in one place」を翻訳したものです。
多くの皆さんと同じように、私も一人の親です。子どもたちにのためにどんな世界を築いているか、いつも考えています。だからこそ、今日の発表は多くの方にとって意味があると思います。本日、AWS のサステナビリティに関するレポートとリソースを一か所に集約したスタンドアロンサービス、AWS Sustainability コンソールの提供開始をお知らせします。
Amazon は 2019 年に The Climate Pledge を通じて、2040 年までに事業全体でネットゼロカーボンを達成する目標を掲げました。この取り組みは、AWS のデータセンターやサービスの構築方針にも反映されています。さらに AWS は、お客様自身のワークロードに対する環境フットプリントの測定と削減も支援しています。AWS Sustainability コンソールは、こうした取り組みの最新のステップです。
AWS Sustainability コンソールは、AWS Billing コンソール内のカスタマーカーボンフットプリントツール (CCFT) を基盤として、お客様からのご要望に応じた新機能を導入しています。
これまで、カーボンフットプリントデータにアクセスするには、請求レベルの権限が必要でした。しかし、サステナビリティ担当者やレポートチームは、コストや請求データへのアクセス権を持っていない(また、持つべきでもない)ことが一般的です。そのため、必要な担当者にデータアクセスを提供するには、サステナビリティのワークフローを考慮していない既存の権限構造に対応する必要がありました。AWS Sustainability コンソールは Billing コンソールとは独立した権限モデルを備えており、サステナビリティ担当者は請求権限なしで排出量データに直接アクセスできるようになりました。
このコンソールには、AWS の利用に起因するスコープ 1, 2, 3 の排出量が含まれ、AWS リージョンや Amazon CloudFront、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) といったサービスごとの内訳を確認できます。基となるデータと算定方法は今回のローンチでは変更されておらず、 CCFT と同じです。変わったのは、データへのアクセスと活用方法です。
サステナビリティレポートの要件が複雑化する中、排出量データへのより柔軟なアクセスが求められています。コンソールにはレポートページが追加され、マーケットベース方式 (MBM) とロケーションベース方式 (LBM) の両方のデータを含む月次およびの年次の二酸化炭素排出量レポートをダウンロードできます。また、含めるフィールド、時間粒度、その他のフィルターを選択してカスタム CSV レポートを作成することもできます。
組織の会計年度が暦年と一致しない場合、コンソールをレポート期間に合わせて設定できるようになりました。設定すると、すべてのデータビューとエクスポートに会計年度と四半期が反映されるため、財務チームとサステナビリティチームが並行して作業する際の摩擦が解消されます。
また、新しい API や AWS SDK を用いて、排出量データを独自のレポートパイプライン、ダッシュボード、コンプライアンスワークフローに統合することもできます。これは、データエクスポートを設定せずに多数のアカウントにまたがる特定月のデータをを取得したい場合や、既存の AWS Organizations 構造と一致しないカスタムアカウントグループを作成する必要がある場合に効果的です。
リリースされた最新の機能や算定方法の更新については、詳細はこちら タブのリリースノートページで確認できます。
実際に見てみましょう
Sustainability コンソールを紹介するため、AWS マネジメントコンソールを開き、画面上部の検索バーで “Sustainability” と検索しました。
二酸化炭素排出量 セクションでは、二酸化炭素換算トン (MTCO2e) で表された二酸化炭素排出量の推定値を確認できます。MBM と LBM の両方でスコープ別の排出量が表示されます。画面右側では、日付範囲の調整やサービス、リージョンなどによるフィルタリングが可能です。
補足すると、スコープ 1 は自社が所有または管理する排出源からの直接排出 (例えば、データセンターの燃料使用によるもの) を指します。スコープ 2 は購入したエネルギーの生産に伴う間接排出で、マーケットベース方式 (MBM) では再生可能エネルギー証書などのエネルギー属性証書を考慮し、ロケーションベース方式 (LBM) では地域の平均グリッド排出量を使用します。スコープ 3 はサーバー製造やデータセンター建設など、バリューチェーン全体のその他の間接排出を含みます。これらの算定方法の詳細については、第三者機関である Apex による独立した検証を受けたドキュメントをご覧ください。
API や AWS Command Line Interface (AWS CLI) を使って、排出量データをプログラムで取得することもできます。
aws sustainability get-estimated-carbon-emissions \
--time-period='{"Start":"2025-03-01T00:00:00Z","End":"2026-03-01T23:59:59.999Z"}'
{
"Results": [
{
"TimePeriod": {
"Start": "2025-03-01T00:00:00+00:00",
"End": "2025-04-01T00:00:00+00:00"
},
"DimensionsValues": {},
"ModelVersion": "v3.0.0",
"EmissionsValues": {
"TOTAL_LBM_CARBON_EMISSIONS": {
"Value": 0.7,
"Unit": "MTCO2e"
},
"TOTAL_MBM_CARBON_EMISSIONS": {
"Value": 0.1,
"Unit": "MTCO2e"
}
}
},
...
ビジュアルコンソールと新しい API により、引き続き利用可能なデータエクスポートに加えて、データの活用手段が 2 つ増えました。コンソールでホットスポットを特定し、ステークホルダー向けレポートの作成を自動化できます。
Sustainability コンソールは今後も機能を拡充していきます。お客様とともにコンソールの機能を拡充しながら、新しい機能を引き続きリリースしていきます。
今すぐ始めましょう
AWS Sustainability コンソールは、追加費用なしで本日からご利用いただけます。AWS マネジメントコンソールからアクセスできます。2022 年 1 月までさかのぼる過去のデータも利用可能なため、排出量の傾向をすぐに確認し始めることができます。
今すぐコンソールをお試しください。AWS のサステナビリティへの取り組みについて詳しくは、AWS Sustainability ページをご覧ください。
著者について
翻訳は Technical Account Manager の 石渡 が担当しました。

