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【開催報告】第 1 回 メタバース x AWS メタバース最前線を走るお客様事例

メタバースに関連する経営戦略やビジネス企画を検討されている方、技術もしくは開発責任者の方を主な対象として、2022 年 8 月 30 日に「 第1回 メタバース x AWS メタバース 最前線を走るお客様事例 」を開催しました。本記事ではご登壇された企業様が発表された内容や動画などを皆様にご紹介します。

本イベントの開催概要

近年メガトレンドとして着目されているメタバースですが、その定義が揺れ動き、戦国時代のようにさまざまなプレイヤーが現れる中、AWS のお客様でもメタバース関連サービスに着手されている方々が出始めて来ました。本イベントでは、実際にメタバースの最前線を走っているお客様から、どのようなビジネスを展開されているのかや業界の動向に関してお話いただきました。今後の皆様のメタバース関連事業を検討する際のヒントや、協業のきっかけとして頂ければと思い、今後継続してイベントを開催していく予定です。

セッション内容紹介 / 資料・収録録画

タイトル : 第 1 回 メタバース x AWS メタバース最前線を走るお客様事例
開催日 : 2022 年 8 月 30 日 (火) 16:00 〜 18:00

メタバースと AWS [資料]

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
ソリューションアーキテクト 西坂 信哉

このセッションでは、聴講者の皆様のメタバースに関するイメージ合わせを目的として、メタバースの起源と変遷から、世間にあふれているメタバースに関する情報を整理しました。また、メタバースの toB と toC におけるトレンドについて、toC ではユーザーに新たな体験や価値を提供する、コミュニティや経済圏を作りユーザーへの価値訴求に注力している一方、toB は 3D や XR、IoT による現実空間の情報利用、既存の業務をより効率的に行うという方向性となっている現状を述べました。最後は、Jon Radoff 氏が提唱したメタバースの 7 つのレイヤーに沿ってメタバースで活用できる AWS サービス・ソリューションの概要をご紹介し、ゲーム業界で活用されているリアルタイムマルチユーザー通信技術はメタバースでも活用できることや、セキュリティ、データ分析、AI/ML といった周辺分野に関する AWS の各種サービスの活用例をご紹介しました。

メタバースにおける VRoid の役割

ピクシブ株式会社
執行役員 VPoP 新規事業部事業部長 清水 智雄 様

このセッションでは、アバターメイカー兼プラットフォームを展開している VRoid の基本から活用事例などをご紹介いただき、今後のメタバースでどのような役割を目指そうとしているのかをお話しいただきました。VRoid Studio のデモを通じて、簡単に 3D アバターを作ることができる体験や VRoid Hub に作成された 3D モデルデータをアップロードしたり、シェアしたりすることができるプラットフォームについて紹介していただきました。クリエイター向けに VRoid SDK を利用し、VRoid Hub に登録された 3D キャラクターのモデルデータをさまざまな VR / AR プラットフォームや 3D コンテンツ上から利用できる機能を提供されています。皆さんもVRoid でアバターを作り、メタバースを肌で感じて楽しみましょう。

バーチャル店舗で実現する新しいショッピング体験 [資料]

株式会社 CyberMetaverse Productions
中野 英祐 様

このセッションでは、CyberMetaverse Productions 様がバーチャル店舗事業の取り組み内容や今後の展望を中心に、メタバース空間における「未来のショッピング」の形として、バーチャル店舗が持つべき機能、それによって実現する購買体験や、ブランド体験についてお話いただきました。メタバース店舗は 3DCG を利用して、マルチデバイスでアクセス可能なバーチャル空間、既存実店舗や EC サイトのショッピングの代わりになるものではなく、表現や販売チャネル、コミュニケーションの拡張となり、販売するリアル商品に加えて、今後 NFT を活用したオリジナルなデジタルアイテムも視野に入れられています。また、プラットフォームを目指しているわけではなく、お客様やブランドごとにオリジナル空間を独自の世界観、優れた購買体験の提供を目指していくと述べられていました。最後はデータ分析や AI を活用し、バーチャル店舗作成、納品するだけではなく、ユーザーの行動によって店舗の進化や改善を継続的に行うことをご紹介いただきました。

cluster で広がるクリエイターエコノミー

クラスター株式会社
取締役 COO 成田 暁彦 様

このセッションでは、クラスター様が考えているメタバースとは、インターネット上の 3D 空間へアバターという身体性を持ち込んだものだと定義され、永続的に存在、リアルタイム性、経済性、自己組織化といった 8 つの観点での解釈を説明いただきました。メタバースプラットフォーム「 cluster 」は、ソーシャル x 3D と UGC(User Generated Contents)を主戦略として、独自のエコシステムがすでに確立され、公開ワールドやゲーム数は 15,000 以上、年間 1,662 件のバーチャルイベントが開催され、日本最大級のメタバース空間プラットフォームを誇ります。また、一番敷居の低いメタバースというコンセプトで、誰もが気軽にアバター作成、コミュニティ形成、ゲームなど様々な機能を楽しめるようなサービスとして提供しながら、クリエイター向けにはアバターやアイテムの販売や投げ銭といった報酬を得ることができるようなクリエイターエコノミーの仕組みの実装についてもご紹介いただきました。

都市連動型メタバースの実現に向けた KDDI の取り組み

KDDI 株式会社
メタバースビジネスチームリーダー 事業創造本部
ビジネス開発部兼Web3事業推進室
川本 大功 様

このセッションでは、実在都市と連動するメタバースである「都市連動型メタバース」の実現に向けて、2020 年にローンチされた「渋谷区公認 バーチャル渋谷」設立の経緯など、これまでの KDDI の取り組みをご紹介していただきした。また、バーチャル渋谷の運営で得られた知見をもとに作成された「バーチャルシティガイドライン」の概要をご解説いただきました。

まとめ

メタバース最前線を走るお客様事例についてお届けいたしました。ご参加いただきました皆様には心より感謝申し上げます。メタバースは大きなトレンドでもありますが、お客様のビジネス課題や社会にどのように活用できるかを見極めることが重要と考えています。今後、皆様がメタバースに関連するサービスを検討される上で、本イベントの内容をお役立ていただけましたら幸いです。AWS では、メタバース領域のお客様に最新のサービスや事例を学んでいただくために、第 2 回 メタバース x AWS も企画しています。日程や詳細など決まり次第、改めて告知させていただきますので、ぜひご参加ください。

本イベントの内容に関して、詳細が知りたい・メタバース案件の相談がしたい、などのご要望がありましたら、担当営業、もしくは公式サイトの お問い合わせ まで、是非お問い合わせください。

このブログはソリューションアーキテクト 馬 賽 が担当いたしました。