Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2021/9/6週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
前回はStorage Dayというイベントの開催とそれに合わせた新機能・新サービスの発表があり、盛りだくさんの内容でお届けしました。今回は月曜が米国レイバー・デーであることもあり少な目なのでは、と思いきや引き続き多くの発表が行われ、紹介する内容をどれにするのか絞り込むのに苦心しました。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2021年9月6日週の主要なアップデート
- 9/6(月)
- 米国がレイバー・デーのため、この日は発表がありませんでした
- 9/7(火)
- Cloud9 is now available in 2 more regions
クラウド上の開発環境(IDE)であるAWS Cloud9が大阪リージョンとブラジル(ケープタウン)リージョンで利用可能になりました。 - Amazon CodeGuru Reviewer に新しい不整合検出機能が追加
Amazon CodeGuru Reviewer は機械学習により、プログラミングコードの潜在的な欠陥を検出し、改善のための提案を提供するサービスです。今回新しい検出機能として、コードの不整合を識別する機能が追加されました。デベロッパーのコーディングパターンを分析し、標準的なパターンから逸脱しているケースを検出します。例えば、常にNULLチェックをしているレポジトリにおいて、一部のコードでNULLチェックをし忘れた部分を検出するといった事が可能になります。
- Cloud9 is now available in 2 more regions
- 9/8(水)
- Amazon と三菱商事、日本初の再生可能エネルギー購入契約を締結 | AWS
Amazonと三菱商事で日本の22メガワット太陽光発電プロジェクトでの電力購入契約(PPA)を締結したと発表されました。Amazonでは2030年までに全世界の事業を 100%再生可能エネルギーで賄うという取り組みを行っており、これを日本でも加速させるものです。 - Amazon Elastic Kubernetes Service Anywhere is now generally available
Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) Anywhereが一般提供開始(GA)になりました。これはEKSの環境(EKSディストリビューション, EKS Distro)をAWS以外にもデプロイ可能にするものです。例えばローカルPC上やVMware vSpehre上にEKS distroを導入することが可能です。同時にEKS Connectorがパブリックプレビューで公開されました。EKS Connectorは任意のKubernetesクラスターをEKSコンソールに接続することを可能にします。つまりEKS Connectorを利用すると、EKS Anywareで導入したKubernatesクラスターをEKSコンソールから管理することが可能になります。詳細はこちらの日本語ブログをご覧ください。 - Amazon Elasticsearch Service is now Amazon OpenSearch Service; adds support for OpenSearch 1.0
Amazon Elasticsearch Serviceの名前がAmazon OpenSearch Serviceに変更になりました。この変更によりサービス名だけでなく、APIやIAMのアクセスポリシーの書き方等にも影響があります。詳細は変更点をまとめたこちらのドキュメントをご確認ください。同時にOSSのOpenSearch 1.0がサービスの中で利用可能になり、これにより多くの新機能が利用できるようになっています。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - OpenSearch Dashboards Notebooks, a new visual reporting feature, now available on Amazon OpenSearch Service (successor to Amazon Elasticsearch Service)
Amazon OpenSearch ServiceでOpenSearchが利用可能になったことに合わせて複数の新機能が利用可能になっていますが、その1つがOpenSearch Dashboards Notebookです。名前の通りノートブックの機能で、ユーザがブラウザ上でSQLやPPLを実行し、その結果を簡単に確認できる環境を提供します。具体的な機能はこちらをご覧いただくとイメージが沸くと思います。
- Amazon と三菱商事、日本初の再生可能エネルギー購入契約を締結 | AWS
- 9/9(木)
- Amazon EC2 announces increases for instance network bandwidth
Amazon EC2において、インターネットゲートウェイや、Direct Connecを介した帯域、もしくは他AWSリージョンとの通信に利用可能な帯域が広がります。これまでは全EC2インスタンスで最大5Gbpsに設定されていましたが、今回の発表により現行世代のEC2で32以上のvCPUを持つインスタンスでは、そのインスタンスのネットワーク帯域の最大50%までインターネットゲートウェイ、Direct Connect、他リージョンへの通信帯域に利用可能になります(注:同一リージョン内の通信においては以前より十分な帯域が用意されています)。例えばc5n.9xlargeの場合、インスタンスのネットワーク帯域が50Gbpsですので、インターネットゲートウェイ、Direct Connect、他リージョンとの通信帯域は最大25Gbpsになります。 - Amazon EC2 Hibernation adds support for Red Hat Enterprise Linux 8, CentOS 8, and Fedora 34
Amazon EC2にはハイバネーション(Hibernation)機能があり、メモリの状態をストレージに保存して休止し(Pause)し、高速に復帰することが可能です。今回の発表でハイバネーション可能なAMI(OSイメージ)としてRed Hat Enterprise Linux 8、CentOS 8, Fedora 34のサポートが追加されました。ハイバネーションはNitro世代のEC2インスタンスで利用可能です。 - AWS Amplify announces command hooks to execute custom scripts when running Amplify CLI commands
AWS Amplify CLI command hookが発表されました。フックを定義することで、amplifyコマンド実行前後に任意のカスタムスクリプトを実行することが可能になります。 - Ability to customize reverse DNS for Elastic IP addresses now available in additional regions for Virtual Private Cloud customers
Elastic IP アドレス(EIP)へのリバースDNSの設定が利用可能なリージョンが拡張され、東京リージョン、大阪リージョンでも利用可能になりました。リバースDNSはEメールサービスを構築する際に利用される、IPアドレスからドメイン名を返す機能です。 - AWS Gateway Load Balancer achieves PCI DSS Compliance
AWS Gateway Load Balancer (GWLB)がPCI DSS準拠(compliant)のサービスになりました。AWSではこの他多くのサービスがPCI DSS Level 1 compliantになっています。詳細はこちらの情報をご覧ください。
- Amazon EC2 announces increases for instance network bandwidth
- 9/10(金)
- Amazon Aurora now supports AWS Graviton2-based X2g instances
Amazon Aurora MySQL-Compatible Editionお呼びPostgreSQL-Compatible Editionで、新たにX2gインスタンスの選択が可能になりました。AWS Graviton2 (Armアーキテクチャ)ベースのプロセッサで1 vCPUあたりのメモリが多く大規模データベースに向くインスタンスです。同時に、安価なT4gインスタンスも利用可能になったと発表されています。T4gはT3と同様のCPUクレジットモデルを採用したインスタンスであり、本番環境で利用する場合は注意が必要です。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - New: Introducing AWS ParallelCluster 3 | AWS HPC Blog
AWS ParallelClusterは、AWS がサポートするオープンソースのクラスター管理ツールで、AWSでハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) クラスターをデプロイして管理することを容易にするものです。今回メジャーバージョンアップした3.0がリリースされました。多くの新機能が追加されていますので、ぜひ上記リンクでご確認ください。一方でメジャーバージョンアップのため、v2系とは互換性がない部分もあります。v2系の最新であるv2.11は2022年12月31日までサポートされる予定になっていますので、ご利用の方はそれまでに3.0系への移行をご検討ください。
- Amazon Aurora now supports AWS Graviton2-based X2g instances
最後に1つお知らせを。9月30日(木)の午後に、「AWSで実践!Analytics modernization~クイックスタート編~」というオンラインセミナーを開催します。クイックスタートとタイトルにあるように、AWSのアナリティクスサービスの概要からもう一歩踏みこんで、すぐに使い始めていただける方法をご説明する内容になる予定です。ご興味ある方はぜひ以下よりお申し込みください。私はAthenaとQuickSightを組み合わせると、サーバーレスで簡単に分析環境を使い始めることができるという内容の予定です。
– AWSで実践!Analytics modernization ~クイックスタート編~
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)