Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2023/5/15週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
6月8日に久しぶりに AWSome Day を開催します。AWS クラウドに関する基礎知識を 3 時間で学ぶ無償のオンラインイベントで、今回は 10:00 AM – 1:00 PM と 2:00 PM – 5:00 PM の2回、同じ内容で実施すします。これからAWSをはじめることを検討している人向けのイベントですので、ご興味あるかたはぜひご参加ください。
また、少し先ですが AWS 主催の国内イベントで最大の開発者向けテクニカルカンファレンスである AWS DevDay 2023 の参加申し込みも開始になっています。こちらは2日間、ベルサール渋谷ガーデンでの開催です。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2023年5月15日週の主要なアップデート
- 5/15(月)
- AWS Systems Manager Patch Manager now supports Ubuntu 22.04
AWS Systems Manager Patch Manager が Ubuntu 22.04 をサポートしました。また、16日(火)にはAlma Linux 8.3-8.7, 9.0-9.1 のサポートも発表されています。その他にサポートされるOS一覧はこちらで確認できます。 - Amazon Omics announces support for Graphical Processing Units for workflows
ヘルスケアおよびライフサイエンスの分野でゲノム分析を支援するサービス、 Amazon Omics のワークフローで NVIDIA T4 および a10 が利用可能になり、GPUのパフォーマンスを活かした分析が処理が実施可能になりました。この他にもOmics関連の新機能が複数発表されていますので、詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Amazon Timestream now supports unloading data to Amazon S3
時系列データベースサービス Amazon Timestream にUNLOADコマンドが追加され、データをAmazon S3上に出力することが可能になりました。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。 - Amazon QuickSight launches Common Sub-expression Elimination for SPICE performance optimization
Amazon QuickSight で Common Sub-expression Elimination (CSE)が実装されました。クエリ内で複数回実行される表現(Expression)を中間表にプッシュダウンすることでより高速にクエリを実施する最適化の一種であり、ユーザー側での設定は不要です。CSEは現在SPICEのみのサポートです。
- AWS Systems Manager Patch Manager now supports Ubuntu 22.04
- 5/16(火)
- Amazon Kendra releases Gmail Connector to enable messaging search
エンタープライズ検索エンジンの Amazon Kendra に Gmail Connector が追加されました。Gmailに蓄積したメッセージを検索対象にすることが可能になります。 Kendraがサポートしているコネクターについてはこちらに一覧があります。 - AWS WAF enhances rate-based rules to support request headers and composite keys
AWS WAF においてルール定義の機能が追加され、Cookie等HTTP headerを条件に入れることが可能になりました。また複合条件(composite key)の設定も可能になり、以前より柔軟にルールが作成できるようになりました。 - Amazon RDS now supports M6i and R6i database instances in 16 new regions
Amazon RDS で M6i, R6i インスタンスが利用可能になりました。発表時点で US East (N. Virginia, Ohio), US West (Oregon, N. California), Europe (Ireland, London, Paris, Stockholm, Milan, Frankfurt), Asia Pacific (Mumbai, Seoul, Hong Kong, Singapore, Tokyo, Sydney), Canada (Central), South America (São Paulo), Africa (Cape Town), Middle East (Bahrain)の16リージョンで利用可能になっています。M6i/R6iは旧世代(M5/R5)と比較して約27%価格性能比が向上したインスタンスです。利用可能なデータベースエンジンは、PostgreSQLおよびMySQLです。対応バージョン等詳細はWhat’s newを参照してください。 - Amazon Braket supports new trapped-ion quantum computer named Aria from IonQ
量子コンピューティングサービスである Amazon Braket で、新たに IonQ Aria が利用可能になりました。ビルトインでerror mitigation(エラーの緩和)をサポートしているのが特徴で、こちらの解説ブログの図からは、Quantum Circuit Born Machine (QCBM) で生成した正規分布の忠実度を 1.3% 改善していることがうかがえます。詳細はブログ記事を参照してください。
- Amazon Kendra releases Gmail Connector to enable messaging search
- 5/17(水)
- Amazon CloudFront now supports stale-while-revalidate and stale-if-error cache control directives
Amazon CloudFront で新たに2つのcache control directiveである stale-while-revalidate および stale-if-error をサポートしました。stale-while-revalidateは、キャッシュの有効期限が切れたあとも一時的にキャッシュを有効にする機能で、クライアントにはキャッシュで高速に応答を返しつつ、バックエンドではオリジンに問い合わせをしてキャッシュの更新をするといった挙動を可能にします。 stale-if-errorは名前の通り、オリジンでエラー(50x)が発生した場合に、期限が切れたキャッシュを返すことを可能にするディレクティブです。 - Amazon Rekognition launches eye gaze direction detection in Face APIs
Amazon Rekognition の Face API (顔認識のAPI) で eye gaze direction (視線の検出)ができるようになりました。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。
- Amazon CloudFront now supports stale-while-revalidate and stale-if-error cache control directives
- 5/18(木)
- AWS DataSync can now copy data to and from Amazon S3 compatible storage on Snow
データ転送・同期サービスの AWS DataSync の対象にSnowball edge等に搭載されたAmazon S3互換機能が追加されました。Snowファミリー上から他サービス(S3,EFS,FSx等)へもしくは、他サービスからSnowファミリーへのデータ転送を実現可能です。 - Amazon Detective now supports investigations for additional AWS services
セキュリティ調査の可視化・分析を支援する Amazon Detective が新たに8つのサービスの調査に対応し、より広い範囲で原因分析が可能になりました(AWS Config, AWS Firewall Manager, AWS Health, AWS IAM Access Analyzer, Amazon Inspector, AWS IoT Device Defender, Amazon Macie, AWS Systems Manager Patch Manager.)。
- AWS DataSync can now copy data to and from Amazon S3 compatible storage on Snow
- 5/19(金)
- Amazon SageMaker now supports geospatial ML (Generally Available)
Amazon SageMaker でこれまでプレビュー提供されていた Geospatial ML (地理情報ML)機能が一般提供開始(GA)になりました。地理空間データを用いて機械学習モデルを構築、トレーニング、デプロイするための機能です。本機能は現在オレゴンリージョンで利用可能です。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - AWS announces improved end-to-end latencies for Amazon EventBridge Event Buses
Amazon EventBridge Event Buses でエンドツーエンドのレイテンシが改善されました。最初のinvocation発生時で、最大80%の性能改善を実現しています。この改善はEventBridgeが利用可能な全リージョンでデフォルトで有効になっています。 - AWS Control Tower launches 28 new proactive controls
AWS Control Tower で新たに28のプロアクティブコントロールが追加されました。プロアクティブコントロールは、AWS CloudFormation フックから呼び出すことで、企業のポリシーに即していないリソースの作成を未然に防ぐための機能です。
- Amazon SageMaker now supports geospatial ML (Generally Available)
今回一部しか紹介できていませんが、この週は Amazon Omics と Amazon Kendra ついてのアップデートがたくさんリリースされています。ご興味がある方はぜひAWS What’s Newのページ(英語に切り替えてください)もご確認ください。
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)