Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2024/4/15週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの根本です。
今週も週刊AWSをお届けします。
この1,2週、寒暖差のせいか周りに体調を崩す人が増えているように思います。みなさんもお気をつけください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2024年4月15日週の主要なアップデート
- 4/15(月)
- AWS PrivateLink now supports Amazon QuickSight
AWS PrivateLinkがAmazon QuickSightをサポートしました。これにより多くのトラフィックをパブリックインターネットに公開することなくアクセスすることや、VPCエンドポイントポリシーを使用して承認されていないQuickSightアカウントへのアクセスを制限することができます。注意点として、静的コンテンツの取得には引き続きcloudfrontへのアクセスは必要になります。この新機能は、Amazon QuickSightとAWS PrivateLinkが利用できるすべてのAWSリージョンで利用いただけます。
- Amazon QuickSight now supports account instances of IAM Identity Center
Amazon QuickSightがIAM Identity Centerのアカウントインスタンスをサポートしました。これまではIAM Identity Centerの組織インスタンスが必要でしたが、今回のアップデートによりスタンドアロンのAWSアカウントや組織のメンバーアカウントでもIAM Identity Center経由の管理が可能になります。すでにアカウントインスタンスを利用の場合、Redshift、Lake Formation、Athena、EMR、CodeCatalystなどその他の対応アプリケーションと管理を合わせることができます。この新機能は、Amazon QuickSightとIAM アイデンティティセンターが利用できるすべてのAWSリージョンで利用可能です。
- Amazon RDS for Oracle extends support for x2iedn in additional AWS regions
大阪リージョンを含む8のリージョンで新たにAmazon RDS for OracleのX2iednインスタンスをご利用いただけるようになりました。Amazon RDS for Oracle X2iedn は、高い計算能力 (最大128vCPU)、大容量メモリ (最大4TB)、およびストレージスループット要件 (最大256,000IOPS)を備え、 大量のデータセットをメモリで処理するワークロードに高速なパフォーマンスを提供するように設計されています。
Amazon RDS Custom for Oracle now supports Oracle Database Standard Edition 2
Amazon RDS Custom for OracleがOracle Database Standard Edition 2 (SE2)をサポートしました。Amazon RDS Custom for Oracle は、Oracle データベースエンタープライズエディション (EE) に加え、今回SE2をサポートしましたが、EE、SE2ともBring Your Own Media (BYOM)モデルでのみ使用できます。詳細についてはAmazon RDS Custom for Oracle ユーザーガイドをご確認ください。
- AWS PrivateLink now supports Amazon QuickSight
- 4/16(火)
- Anthropic’s Claude 3 Opus model now available on Amazon Bedrock
Anthropic社の最も先進的で高性能なモデルであるClaude 3 OpusがAmazon Bedrockで利用可能になりました。これによりAnthropic社の最先端モデルのClaude 3 ファミリー(Claude 3 Opus, Claude 3 Sonnet, and Claude 3 Haiku)が全てAmazon Bedrock経由でご利用いただけます。Claude 3 Opusは米国西部 (オレゴン) リージョンでご利用可能です。詳細についてはドキュメントの他、ブログもご確認ください。
- Monitor internet outage using the weather map in CloudWatch Internet Monitor
Amazon CloudWatch Internet Monitorでインターネットウェザーマップを無料でご利用いただけるようになりました。インターネットウェザーマップでは、インターネットのレイテンシーと可用性の停止に関する 24時間のグローバルスナップショットを共有しています。このマップでは、特定の都市やサービスプロバイダーを含む、世界中の最近のインターネット問題を一目で確認できます。詳細についてはドキュメントと、こちらのブログもご確認ください。
- Amazon MWAA adds larger environment sizes
Amazon Managed Workflows for Apache Airflow (MWAA)でより大きな環境サイズが提供されました。これまではsmall, medium, largeの中から選択可能でした。これらに加えてlargeの2倍のXL, 及びlargeの4倍の2XLが新たに追加されました。新規の作成もしくはアップグレードで選択可能です。このアップデートはすべてのAmazon MWAA提供リージョンで利用可能です。詳細についてはこちらのブログをご確認ください。
- AWS CloudFormation ChangeSets now offer enhanced change visibility for deployments
AWS CloudFormationの変更セットが強化され、デプロイ時に実行されるアクションの詳細をプレビューできるようになりました。これによりデプロイによって実行中のリソースに意図しない変更が発生するかどうかを評価しやすくなります。今回の強化では!Refや!GetAtt などによる参照やAWS Secrets Manager and Parameter Store、Systems Managerの動的参照もプレビューすることができるようになります。変更セットの強化は、コンソールのほか、AWS CLIまたはSDKからの場合は、DescribeChangeSet APIの呼び出し時に–include-property-valuesパラメータを含めてください。このアップデートはCloudFormationが利用可能なAWSリージョンでご利用いただけます。
- Amazon Athena announces federated query pass-through
Amazon Athenaのfederated query pass-throughが発表されました。Athenaには従来からfederated queryというAmazon Redshift、Amazon DynamoDBなどのデータソースのデータを抽出する機能がありました。今回のリリースではこの機能が強化され、SQLをデータソースにパスし、データソース独自のSQLが実行できるようになりました。federated query pass-throughはAthenaが利用可能なすべてのAWS リージョンで利用できます。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
- Anthropic’s Claude 3 Opus model now available on Amazon Bedrock
- 4/17(水)
- AWS launches Split Cost Allocation Data for Amazon EKS
AWS コストと使用状況レポート (CUR) でAmazon EKSのコストを詳細に把握できるようになりました。Amazon EKS の分割コスト配分データを使用すると、コンピューティングとメモリの使用率に基づいてポッドレベルのコストをきめ細かく把握できるので、これらのコストをクラスタ、名前空間、その他の Kubernetes プリミティブごとに集計して、個々のビジネスユニットやチームにコストを割り当てることができます。加えてお客様は未使用のCPUまたはメモリリソースを特定できるため、クラスター構成を最適化して非効率性を最小限に抑えることができます。これらのコストデータは設定後24時間以内にAWS CURで利用できるようになります。このアップデートは中国を除くすべてのAWS商用リージョンで利用できます。詳細についてはこちらのブログをご確認ください。
- Amazon SageMaker Studio Notebooks supports interactive data exploration and SQL query execution
Amazon SageMaker StudioのJupyterLab ノートブックに拡張機能が組み込まれました。これによりノートブックからSQLとPythonを使用して複数データソースを検索、調査、変換することが可能になります。今回の拡張機能によりAWS Glue 接続を介して Amazon Athena、Amazon Redshift、Snowflake などの一般的なデータサービスにシームレスに接続できるようになりました。機械学習をノートブックの統一されたユーザーインターフェイスに統合することで、分析や機械学習のタスクに取り組む際にツールを切り替える必要性を減らし、時間を大幅に節約し、生産性を向上させることができます。この機能は、SageMaker Studio が利用可能なすべての商用 AWS リージョンで利用できます。詳細については、ブログもご確認ください。
- Announcing Accessibility Conformance Reports (ACRs) in AWS Artifact
Announcing Accessibility Conformance Reports (ACRs)がAWS Artifactで利用できるようになりました。ACRは AWSサービスのアクセシビリティを実証する文書で、ITI自主製品アクセシビリティテンプレート (VPAT®) を利用し、セクション 508 (米国)、EN 301 549 (EU)、ウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン (WCAG) などのさまざまなアクセシビリティ基準を参照しています。
- AWS launches Split Cost Allocation Data for Amazon EKS
- 4/18(木)
- Meta Llama 3 foundation models now available on AWS
Meta社の最新世代のファンデーションモデルであるLlama 3がAmazon SageMaker JumpStartで利用いただけるようになりました。東京を含む5つのリージョンでご利用いただけます。このアップデートの詳細はブログも出ているのでそちらもご確認ください。
- AWS Neuron introduces speculative decoding and vLLM support
AWS Neuronの2.18がリリースされました。NeuronはAmazon EC2 Inferentia and TrainiumのためのSDKで、PyTorch や TensorFlow などの一般的なMLフレームワークと統合されています。またTrn1 インスタンスと Inf2 インスタンスでのジェネレーティブ AI モデルの高性能トレーニングと推論をサポートするコンパイラ、ランタイム、ツール、およびライブラリが含まれています。Neuron 2.18ではPyTorch 2.1のベータが外れた他、vLLMサポートによる継続的バッチ処理などが追加されています。詳細はリリースノートをご確認ください。
- Amazon WorkSpaces helps simplify Bring Your Own License (BYOL) account management
Amazon WorkSpacesで、同じリージョン内のAWSアカウントをリンクするAPIが提供されました。リンクされたアカウントは同じ専用のインフラストラクチャを使用できるため、Bring Your Own License (BYOL) WorkSpacesの管理が簡素化されます。詳細に関してはAPIのリファレンスをご確認ください。
- AWS IAM Identity Center adds independent 90-days session duration for Amazon CodeWhisperer
AWS IAM Identity CenterでAmazon CodeWhispererのセッション期間を独立して設定できるようになりました。セッション時間は15分から90日の間で設定可能ですが、以前はAWSアクセスや他のアプリケーションと同様の時間が設定されるためにIDE経由で使う際も頻繁な再認証を求められることがありました。一方で、Amazon CodeWhispererに関しては同じ頻度の再認証が必ずしも必要ではないケースもあり、今回のアップデートで個別に設定できることで、開発者体験の柔軟性が増します。
- Meta Llama 3 foundation models now available on AWS
- 4/19(金)
- AWS Elastic Disaster Recovery now supports AWS Outposts Racks
AWS Elastic Disaster Recovery (AWS DRS) がAWS Outposts ラックに対応しました。これまではOutposts ラックのレプリケーションを取る際、またはリカバリ先として利用する際はCloudEndure Disaster Recoverを使う必要がありました。今回のアップデートはAWS DRSが利用可能なすべてのAWSリージョンでご利用いただけます。
- Amazon Personalize now offers automatic solution training
Amazon Personalizeでソリューションのトレーニングを自動で行うスケジュール設定をできるようになりました。より簡単にデータセットの情報をもとにユーザーの行動や好みの変化に合わせたリコメンデーションが可能になります。新しく作成されたソリューションは7日に1回自動的にトレーニングされる設定がされ、頻度の変更や設定の削除が可能です。また、アップデート前に作成された既存のソリューションは影響を受けず、自動で変更されません。詳細はドキュメントをご確認ください。
- Amazon EMR on EKS now supports Apache Livy
Amazon EMR on Amazon EKSでApache Livyがサポートされました。Apache LivyはRESTインターフェイスを介してSparkクラスターと簡単にやり取りできるようにするサービスです。Amazon EMR on Amazon EKSではこれまでもStartJobRun APIおよびインタラクティブエンドポイント経由でRESTでのワークロードの実行ができましたが、より簡単に、アプリケーションの変更なく利用できるようになります。また、Kerberos、Custom AuthなどのサポートされるプロトコルでLivyエンドポイントへのアクセス制御も可能です。Apache Livyを搭載したAmazon EMR on Amazon EKSは現在サービスが利用可能なリージョンのEMR 7.1リリース以降でご利用いただけます。詳細はドキュメントもご確認ください。
- AWS Elastic Disaster Recovery now supports AWS Outposts Racks
GW前後のAWSのイベントのアナウンスが出ています。AI関連が多いですが、よかったらぜひご登録ください。
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◆2024 年 4 月 25 日 (木) 10:00 – 11:15
生成 AI の業務活用に向けて考える “責任ある AI”
◆2024 年 5 月 9 日 (木) 10:00 – 11:10
流通・小売・消費財業界向け:クラウドと生成 AI による顧客接点改革
◆2024 年 5 月 16 日 (木) 10:00 – 12:00
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◆2024 年 5 月 17 日 (木) 10:00 – 12:00
AWS メディアセミナー ~ NAB 2024 の recap と最新事例のご紹介 ~
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週刊AWSの更新ですが、次週はお休みして次回はGW明けになります。
それでは、また次回!
ソリューションアーキテクト 根本 裕規 (twitter – @rr250r_smr)