Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2026/10/05週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの大久保です。今週から週刊AWS を皆様にお届けする新たなメンバーとして活動させていただきます。どうぞよろしくお願いします!
では今週も 週刊AWS をお届けします。
11 月 5 日 (木) に、オンラインのワークショップ「開発ライフサイクルで学ぶ Amazon ECS コンテナセキュリティ実践ワークショップ」を開催します。コンテナのビルドからデプロイ、ランタイムまで、各段階でセキュリティをどう担保するかを座学で整理したうえで、AWS Fargate 上の Amazon ECS を題材に、Amazon Inspector による脆弱性の検知や Amazon GuardDuty Runtime Monitoring による不審な通信の検知をハンズオンで体験できます。今回ご紹介するアップデートにも GuardDuty や AWS Security Hub のものがありますので、コンテナのセキュリティ対策を見直したい方はぜひご参加ください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2026年10月5日週の主要なアップデート
- 10/5(月)
- 音声エージェント向けに推論能力を改善した Amazon Nova 2.5 Sonic を発表
AWS は、リアルタイム音声エージェント向け speech-to-speech モデルの最新版である Amazon Nova 2.5 Sonic の一般提供を発表しました。Nova 2 Sonic と比較して推論、指示追従、ツール呼び出し精度が改善され、レイテンシも低減しています。音声エージェントが会話の文脈を保持したまま、注文照会や返品処理といった複数ステップのタスクをツール連携で完了できます。同時に GA となった Strands Bidi Agents と組み合わせることで、少ないコード量で本番向け音声エージェントを構築できます。バージニア北部、オレゴン、ストックホルム、東京の 4 リージョンで利用でき、料金は Nova 2 Sonic と同額です。 - AWS Client VPN がデバイスポスチャ評価をサポート
AWS Client VPN が、接続元デバイスのセキュリティ状態を検証するデバイスポスチャ評価に対応しました。CrowdStrike、Jamf、JumpCloud をデバイストラストプロバイダーとして設定し、コンプライアンススコア、ディスク暗号化状態、リスクレベルなどのシグナルを Cedar ポリシーで評価して、要件を満たすデバイスだけに接続を許可できます。評価は接続時だけでなくセッション中も 5 分ごとに行われ、非準拠になったデバイスは自動的に切断されます。接続を切断せずログのみ記録するシャドウモード (モニタリングモード) も用意されており、Client VPN が利用できるすべてのリージョンで追加料金なしで利用できます。 - Amazon EC2、Amazon Machine Image の共有タグを導入
Amazon EC2 は AMI のタグを共有先アカウントから参照できるようにする AMI タグ共有機能を提供開始しました。タグキーに ec2:SharedTag/ プレフィックスを付けるだけで、個別アカウント共有、AWS Organizations の組織・OU 共有、パブリック共有のいずれでも、共有先の全アカウントがそのタグを参照できます。従来必要だった SNS + Lambda などによるタグ複製ワークフローが不要になります。共有タグは共有先では読み取り専用で、オーナー側の 1 リソースあたり 50 タグのクォータのみを消費します。全リージョンで追加費用なしで利用できます。 - AWS Continuum for Penetration Testing が CI/CD パイプラインに統合された継続的ペネトレーションテストに対応
AWS Continuum for Penetration Testing (旧 AWS Security Agent) が、CI/CD パイプラインへの直接統合をパブリックプレビューとして提供開始しました。GitHub Actions、GitLab CI/CD、Bitbucket Pipelines、Azure DevOps Pipelines の 4 つのプラットフォームに対応し、デプロイ後のゲートとしてペネトレーションテストを実行できます。テストは前回クリアしたコミットからの差分に自動的にスコープされ、攻撃対象領域に影響しない変更は遅延なくパイプラインを通過します。設定済みの重大度しきい値 (デフォルトは HIGH) 以上の検出事項があると本番への昇格をブロックし、修正後のプッシュで自動的に再テストが実行されます。 - AWS IAM Identity Center が Identity Store のネットワークアクセス制御をサポート
AWS IAM Identity Center のユーザー・グループを格納する Identity Store に対して、リクエスト元ネットワークに基づくアクセス制御を設定できるようになりました。Identity Store API には VPC エンドポイント経由の強制、送信元 VPC の限定、許可 IP レンジの指定ができ、SCIM API には許可 IP レンジの指定ができます。設定は UpdateIdentityStore API を AWS CLI または SDK から呼び出して行い、デフォルトでは無効です。IAM Identity Center が提供される全リージョンでご利用可能です。SCIM トークン漏洩時の被害範囲限定や、組織のデータ境界 (data perimeter) 戦略の強化に使えます。 - Amazon Redshift が Apache Iceberg マテリアライズドビューの作成とリフレッシュに対応
Amazon Redshift が、結果を Apache Iceberg テーブルとして Amazon S3 または S3 Tables に保存するマテリアライズドビュー (MV) に対応しました。CREATE MATERIALIZED VIEW … USING ICEBERG という SQL で作成でき、結果は AWS Glue Data Catalog に登録されます。Amazon Athena、Apache Spark (Amazon EMR / AWS Glue)、Trino、Snowflake など Iceberg 互換エンジンから追加設定なしで読み取れます。リフレッシュは手動実行で、COUNT / SUM 集計と内部結合については変更分のみを再計算するインクリメンタルリフレッシュが動作します。Redshift Serverless と RG (Graviton) プロビジョンドインスタンスで利用でき、RA3 / DC2 では利用できません。
- 音声エージェント向けに推論能力を改善した Amazon Nova 2.5 Sonic を発表
- 10/6(火)
- AWS Batch が Amazon CloudWatch へのジョブメトリクス発行に対応
AWS Batch がジョブのライフサイクルに関するメトリクスを Amazon CloudWatch の AWS/Batch 名前空間へ自動発行するようになりました。追加料金なしで、ジョブキューごとの状態遷移数 (送信、実行中、成功、失敗など) と、状態間の所要時間 (送信から実行可能まで、実行時間など) を確認できます。これまで EventBridge と Lambda を組み合わせて自前で構築する必要があったジョブ監視を、CloudWatch のダッシュボードとアラームだけで構成できます。AWS Batch が利用可能なすべてのリージョンで提供されます。
- AWS Batch が Amazon CloudWatch へのジョブメトリクス発行に対応
- 10/7(水)
- Claude Haiku 5.5 が AWS で利用可能に
Claude 5.5 ファミリーで最速・最も効率的なモデルである Claude Haiku 5.5 の提供を開始しました。Anthropic によると、ほとんどのタスクで Claude Haiku 4.5 より約 75% 低コストで、トークン単価は入力 $0.10 / 100 万トークン、出力 $0.50 / 100 万トークンからです。Haiku として初めて effort パラメータ (low / medium / high / xhigh / max) に対応し、タスクごとにコストと性能のバランスを調整できます。コンテキストウィンドウは 100 万トークン、最大出力は 128K トークンです。アクセス経路は Amazon Bedrock と Claude Platform on AWS の 2 つで、データレジデンシーや AWS 管理機能を重視する場合は Bedrock、Anthropic ネイティブの最新機能を使いたい場合は Claude Platform on AWS を選択します。 - AWS Config が 77 の新しいリソースタイプをサポート
AWS Config が新たに 77 種類のリソースタイプの記録に対応しました。対象には Amazon Q Business (6 種類)、Amazon S3 Files (4 種類)、AWS PCS (3 種類)、各種メディアサービス、GuardDuty や Inspector などのセキュリティサービスが含まれます。全リソースタイプの記録を有効化している環境では、設定変更なしで新しいリソースタイプの追跡が自動的に始まります。追加されたリソースタイプは Config rules と Config アグリゲーターでも利用できます。記録される Configuration Item (CI) が増えるため、コストへの影響を事前に確認することを推奨します。
- Claude Haiku 5.5 が AWS で利用可能に
- 10/8(木)
- Amazon GuardDuty RDS Protection が Aurora および RDS データベースでのデータ流出とデータ破壊を検出可能に
Amazon GuardDuty の RDS Protection が拡張され、従来のログイン異常検知に加えて、Aurora PostgreSQL と Amazon RDS for PostgreSQL を対象としたデータ流出 (Exfiltration) およびデータ破壊 (Impact) の検出に対応しました。RDS Protection for data activity として提供され、ML による異常検知と脅威インテリジェンスを組み合わせてデータベースのクエリパターンを継続的に監視します。エージェントや追加インフラ、データベース側の設定変更は不要です。既存の RDS Protection (ログインアクティビティ) のアドオンとして有効化でき、アカウント・リージョンごとに 30 日間の無料トライアルが利用できます。 - Amazon RDS for Oracle がマイナーバージョンアップグレードのプリチェックとパッチ適用ダウンタイムを短縮するのに役立つ新しい RDS イベントをサポート
Amazon RDS for Oracle で、マイナーバージョンアップグレードの事前チェック (プリチェック) をユーザー自身が任意のタイミングで実行できるようになりました。新しいプロシージャ rdsadmin.rdsadmin_precheck_tasks.precheck_minor_upgrade を使うと、ストレージ不足や無効なトリガーなど、アップグレードを中断させる問題をメンテナンスウィンドウ前に検出して修正できます。あわせて、パッチ適用中に DB インスタンスが接続受付を再開した時点で発行される新イベント RDS-EVENT-0596 が追加されました。残りのメンテナンスタスクはオンラインで完了するため、このイベントを契機にアプリケーションを復帰させることで、パッチ適用時のアプリケーションダウンタイムを短縮できます。本機能は RDS for Oracle が利用可能なすべての AWS 商用リージョンと AWS GovCloud (US) リージョンで追加費用なしに利用できます。 - AWS Cost Explorer、Budgets、Dashboards が Amazon Bedrock の product attributes に対応
AWS Cost Explorer、AWS Budgets、AWS Cost Management Dashboards で、Amazon Bedrock のコストを product attributes (製品属性) という新しいディメンションで分析できるようになりました。属性はモデル、モデルプロバイダー、推論タイプ、機能の 4 種類です。Cost Explorer と Dashboards ではこれらの属性によるグループ化とフィルタリング、Budgets では予算のフィルタリングに利用できます。タグの事前設定なしで「どのモデルがいくら使っているか」を標準の請求ツール上で確認できるため、ファイナンスチームやプラットフォームチームの Bedrock コスト管理に役立ちます。追加料金なしで利用できます。
- Amazon GuardDuty RDS Protection が Aurora および RDS データベースでのデータ流出とデータ破壊を検出可能に
- 10/9(金)
- Amazon Quickで、ブランドイメージに沿ったプレゼンテーションやドキュメントを作成するためのブランドテンプレートをサポート
Amazon Quick で、組織の承認済みブランドテンプレートをアップロードし、ビジュアルアイデンティティに沿ったプレゼンテーションやドキュメントを生成できるようになりました。ブランドマネージャーが PowerPoint または Word のテンプレートを一度登録すると、Quick が色、フォント、ロゴ、レイアウト、ブランドルールを抽出し、組織全体に公開できます。利用者はチャットのたびにテンプレートファイルを探して添付する必要がなくなります。本機能は Amazon Quick デスクトップアプリで一般提供を開始しており、Enterprise エディションでのみ利用できます。 - AWS Lambda がセルフマネージド Apache Kafka イベントソースの OAuth 認証をサポート
AWS Lambda のセルフマネージド Apache Kafka イベントソースマッピング (ESM) が、OAuth 2.0 (SASL/OAUTHBEARER) 認証に対応しました。対象は顧客が自前で運用する Kafka クラスターに加え、Confluent Cloud、Aiven、Redpanda などのマネージドサービスです。Amazon Cognito や Okta などのエンタープライズ IdP で Lambda の Kafka コンシューマーを認証できるため、Kafka クラスターと Lambda で同一の ID ガバナンスを適用できます。従来は SASL/PLAIN、SASL/SCRAM、mTLS のみの対応だったため、OAuth 必須の規制産業では ESM を利用できませんでした。セルフマネージド Kafka ESM が利用可能なすべての AWS 商用リージョンで利用できます。 - AWS Security Hub が findings の S3 への CSV / JSON 形式エクスポートに対応
AWS Security Hub が、findings を Amazon S3 バケットへ CSV または JSON (OCSF) 形式でエクスポートする機能を発表しました。コンソールの各 findings ページ (All Findings、Threats、Exposure、Vulnerabilities、Posture Management、Sensitive Data) から、適用中のフィルタを引き継いだままオンデマンドでエクスポートを開始できます。コンプライアンスレポートや監査証跡の作成のために、EventBridge などを使った抽出パイプラインを自前で構築・保守する必要がなくなります。本機能は Security Hub が利用可能なすべてのリージョンで提供されています。
- Amazon Quickで、ブランドイメージに沿ったプレゼンテーションやドキュメントを作成するためのブランドテンプレートをサポート
それでは、また来週お会いしましょう!