Amazon Web Services ブログ
AWS Weekly Roundup: Project Rainier オンライン、Amazon Nova、Amazon Bedrock など (2025 年 11 月 3 日)
10 月 27 日週、私は AWS Shenzhen Community Day で Jeff Barr に会いました。Jeff は、世界中のビルダーが生成 AI でどのように実験しているかについて語り、これからもアイデアを実際のプロトタイプに落とし込んでいくように現地の開発者を励ましました。セッション終了後も多くの参加者がその場に残り、モデルのグラウンディングと評価、生成 AI を実際のアプリケーションに組み込む方法について話し合いました。
コミュニティビルダーたちは、Kiro をテーマにしたクリエイティブなデモ、AI 駆動の IoT プロジェクト、学生主導の実験を紹介しました。生成 AI イノベーションに対する共通の好奇心と意気込みを通じてつながる新しい開発者、学生、そして年来の Amazon Web Services (AWS) コミュニティリーダーを見ることができ、とても良い刺激になりました。
世界で最も強力なオペレーショナル AI スーパーコンピュータの 1 つである Project Rainier がオンラインになりました。Anthropic との密接なコラボレーションを通じて AWS が構築した Project Rainier は、高帯域幅、低レイテンシーのモデルトレーニングを極めて大規模に実現するために設計された新しい Amazon Elastic Compute (Amazon EC2) UltraServer と EC2 UltraCluster のアーキテクチャを使用して、AWS がカスタム設計した Trainium2 チップ約 50 万個をサービスに導入します。
Anthropic は Project Rainier で Claude のトレーニングと推論を既に行っており、2025 年末までに直接使用と Amazon Bedrock の全体で 100 万個を超える Trainium2 チップにスケールする予定です。アーキテクチャの詳細、デプロイに関するインサイト、UltraServer オンライン化の舞台裏動画については、「AWS activates Project Rainier」で発表の全文をお読みください。
11 月 3 日週のリリース
私が 10 月 27 日週注目したリリースをご紹介します。
- Amazon Nova – 引用ベースのウェブ検索をリアルタイムで行うための新しい組み込みツールとして Web Grounding が追加されました。また、統合されたクロスモーダルベクトルを生成することで検索拡張生成 (RAG) とセマンティック検索の精度を向上させる最新鋭のモデル、Multimodal Embeddings も導入されました。どちらの機能も Amazon Bedrock でご利用いただけます。
- Amazon Bedrock – TwelveLabs の Marengo Embed 3.0 が、動画、画像、音声、テキストの全体でロングフォームの動画ネイティブなマルチモーダル埋め込みに利用できるようになり、ドメイン精度も向上しました。Stabability AI Image Services に、高解像度アップスケーリング、アウトペインティング、制御されたバリエーションのための Outpaint、Fast Upscale、Conservative Upscale、Creative Upscale の 4 つの新しいツールが追加されました。
- Model Context Protocol (MCP) Proxy for AWS – SigV4 認証を使用して MCP クライアントを AWS がホストするリモート MCP サーバーに接続するクライアント側プロキシとしての一般提供が開始されました。Amazon Q Developer CLI、Kiro、Cursor、Strands Agents といったツールと連動し、読み取り専用モード、再試行ロジック、ロギングなどの安全制御を提供します。MCP Proxy for AWS はオープンソースです。AWS GitHub リポジトリにアクセスしてインストールや設定のオプションを確認し、リモート AWS MCP サーバーへの接続を開始できます。
- Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) – 組み込みのリニアデプロイ戦略とカナリアデプロイ戦略のサポートが開始されました。これらは、段階的なトラフィックシフト、小規模な本番環境スライスを使用したカナリアテスト、安全なロールバックのためのデプロイベイク時間、Amazon CloudWatch アラームベースの自動ロールバックといった機能を提供します。
- Amazon DocumentDB – Amazon DocumentDB 5.0 に新たなクエリプランナーが追加されました。このプランナーは、より的確なインデックスプランと、
$neq、$nin、ネストされた$elementMatchのサポートによってクエリパフォーマンスを最大 10 倍高速化し、クラスターパラメータグループ経由でダウンタイムなしで有効化できます。 - Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) – CloudWatch の新しいボリューム別メトリクスである VolumeAvgiOps と VolumeAvgThroughput を使用して、AWS Nitro ベースのインスタンスにアタッチされた EBS ボリュームの平均 IOPS とスループットを分単位で把握できるようになりました。これらのメトリクスは、パフォーマンス傾向を監視し、ボトルネックをトラブルシューティングして、プロビジョニングされたキャパシティを最適化するために役立ちます。
- Amazon Kinesis Data Streams – 最大 10 MiB の個別レコードを送信できるようになりました。これは以前の上限の 10 倍で、より大規模な IoT、変更データキャプチャ、AI 生成のペイロードのサポートに役立ちます。
Amazon SageMaker – Unified Studio の検索結果が追加の検索コンテキストを提供するようになりました。このコンテキストは、一致するメタデータフィールドやランク付けの理論的根拠を提供して、データ検出における透明性と関連性を向上させます。
その他のアップデート
その他の興味深いプロジェクト、ブログ記事、ニュースをいくつかご紹介します。
- AWS VAMS と 4D Pipeline を用いた本番環境対応の 3D パイプラインの構築 – AWS Visual Asset Management System (VAMS) と 4D Pipeline を使用してスケーラブルなクラウドベースの 3D アセットパイプラインを作成するためのリファレンスアーキテクチャで、インジェスト、検証、共同レビュー、ゲーム全体での配信、視覚効果 (VFX)、デジタルツインをサポートします。
- Amazon Location Service が新しい API キー制限を導入 – バンドル ID を使用するきめ細かなセキュリティポリシーを作成して、特定のモバイルアプリケーションへの API アクセスを制限できるようになりました。これは、ロケーションベースのワークロード全体でアクセスコントロールを向上させ、アプリケーションレベルのセキュリティを強化します。
- AWS Clean Rooms が高度な SQL 設定をリリース – Spark プロパティとコンピューティングサイズのランタイムカスタム化に加えて、大規模な分析クエリのより迅速でコスト効率性に優れた処理のためのテーブルキャッシュをサポートする、Spark SQL ワークロードのためのパフォーマンス強化です。
- AWS Serverless MCP Server がイベントソースマッピング (ESM) ツールを追加 – AWS Lambda イベントソースマッピングの設定、パフォーマンス調整、トラブルシューティングをサポートするイベント駆動のサーバーレスアプリケーション向けの機能で、AWS サーバーレスアプリケーションモデル (AWS SAM) テンプレートの生成と診断インサイトが含まれます。
- AWS IoT Greengrass が AI エージェントコンテキストパックをリリース – クラウドに接続されたエッジアプリケーションのための開発アクセラレーターです。すぐさま使用できる指示、例、テンプレートを提供することで、チームがより迅速なソフトウェアの作成、テスト、フリート全体でのデプロイのために Amazon Q などの生成 AI ツールを統合できるようにします。エージェントコンテキストパックは、GitHub リポジトリでオープンソースとして利用できます。
- AWS Step Functions が新しいメトリクスダッシュボードを導入 – 単一のコンソール内で、標準ワークフローと express ワークフローの使用状況、請求、パフォーマンスのメトリクスをステートマシンレベルで確認できるようになりました。これは、分散型アプリケーションの可視性を向上させ、トラブルシューティングを容易にします。
今後の AWS イベント
カレンダーを確認して、近日開催予定の AWS イベントにサインアップしましょう。
- AWS Builder Loft – エキスパートセッションから学び、ハンズオンワークショップに参加して、AI や新興テクノロジーを検証するとともに、他のビルダーとのコラボレーションを通じてアイデアを加速させることができる、米国サンフランシスコのコミュニティテクノロジースペースです。開催予定のセッションを閲覧して、関心のあるイベントにぜひご参加ください。
- AWS Community Day – 世界中のエキスパート AWS ユーザーと業界リーダーがリードするテクニカルディスカッション、ワークショップ、ハンズオンラボが盛り込まれたコミュニティ主導のカンファレンスに参加しましょう。日程は、香港 (11 月 2 日)、アブジャ (11 月 8 日)、カメルーン (11 月 8 日)、スペイン (11 月 15 日) です。
- AWS Skills Center Seattle 4 周年記念イベント – 11 月 20 日に開催される、基調講演、専門家パネル、採用担当者によるインサイト、抽選会、仮想参加オプションなどが盛りだくさんの無料公開イベントです。
AWS Builder Center に参加して、AWS コミュニティのビルダーを学び、構築し、交流しましょう。こちらで近日開催予定の対面イベント、開発者に焦点を当てたイベント、スタートアップ向けのイベントをご覧ください。
11 月 3 日週のニュースは以上です。11 月 10 日週にお届けする次回の Weekly Roundup もお楽しみに!
– Betty
原文はこちらです。