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新たに SaaS Journey Framework ホワイトペーパーを公開しました

AWS で SaaS Business Lead を務める Oded Rosenmann による記事です。

SaaS(Software as a Service)提供モデルは、多くの企業にとってますます魅力的になっています。

新規および既存のアプリケーション・プロバイダが、この提供モデルで成功を収めたいと望んでいる一方で、SaaS への移行はビジネスに大きな影響を与える可能性もあります。

多くの企業にとって、SaaS への移行は大きな変化をもたらす出来事であり、企業は自社のビジネスをあらゆる側面から検討する必要があります。サービスとしてのビジネスを定義、構築および運用するためには、製品の販売、マーケティング、開発、サポート、収益化の方法など、評価しなければいけない検討事項がたくさんあります。

私は AWS SaaS Factory の SaaS Business Lead として、AWS での SaaS ソリューションの構築、成長、最適化に役立つガイダンスとベストプラクティスを探している組織と協力してきました。これらの、世界中の数千の AWS パートナーから得られたフィードバックと経験に基づいて、新たに SaaS Journey Framework ホワイトペーパー(英語)を作成しました。

この新しいホワイトペーパーでは、AWS での SaaS の旅をガイドする規範的なフレームワークを紹介します。また、パートナーの SaaS ビジネスをサポートしてきたこれまでの取り組みの中で観察されたパターンや戦略にフォーカスしたガイダンスも提供します。

この記事では、ホワイトペーパーで取り上げられている中心的なコンセプトの概要を紹介します。もし皆様が、ビジネス、テクノロジー問わず、新しい SaaS 製品の構築や、従来のソフトウェアおよびテクノロジー提供モデルから SaaS ビジネスモデルへの移行、または既存の SaaS ソリューションの最適化に携わる関係者であれば、この ホワイトペーパー を読むことをお勧めします。

SaaS on AWS へのビジネスの旅

SaaS モデルへの移行においては、多くの場合、戦略と運用の考え方を根本的に転換する必要があります。企業は、役割と責任を再考し、文化的な変化を定義し、SaaS 企業のベストプラクティスに沿った新しいプロセスの導入を迫られます。

このような大きな転換は、容易ではありません。組織を準備し、製品ビジョンをサービスモデルまで拡張しなければ、小さな成果で終わり、SaaS の完全なバリュー・プロポジションを達成することはできません。

SaaS Journey Framework ホワイトペーパー を作成したのは、優れたカスタマーエクスペリエンスを生み出すビジネスモデルに重点を置くことで、企業がテクノロジー戦略を超えてビジョンを拡張できるようにするためです。

AWS アドバンストテクノロジパートナーである BMC は、このホワイトペーパーを作成するにあたり、チームに影響を与えた組織の一つです。BMC Helix-Control-M(アプリケーションワークフローオーケストレーションのための SaaS ソリューション)に携わる BMC チームと協力する中で、私たちは SaaS のベストプラクティスを抽出して他社が適用可能なモデルに成型するきっかけを得ました。

一連のビジネスおよびテクニカルワークショップを実施し、一年以上を BMC と共に過ごしましたが、彼らが変革の旅を計画および管理し、BMC Helix-Control-M を立ち上げていく中で、私たちは多くのことを学びました。

AWS アドバンストテクノロジーパートナーである Cohesity は、エンタープライズおよび中規模のお客様にハイパーコンバージド型セカンダリストレージソリューションを提供する、ソフトウェア定義データ管理のスタートアップ企業です。

同社は、DMaaS(Data Management as a Service)ソリューションを AWS 上で立ち上げ、ポートフォリオを拡大しました。この新しい SaaS の開発とローンチを通じて、Cohesity は SaaS Journey Framework で描かれているベストプラクティスを活用し、SaaS の立ち上げ前後でやるべきことを実践していきました。

これらとその他の取り組みから学んだ教訓を、構造化されたフレームワークとして共有し、どの組織でも AWS での SaaS への旅を独自に歩んでいけるようにサポートできればと思っています。

SaaS Journey Framework は、SaaS への道のりを4つの異なるフェーズに分解していますが、それぞれが SaaS への移行の重要な段階を表しています。

  • ビジネスプランニング
  • 製品戦略とロードマップ開発
  • 実用最小限なサービス(MVS)
  • 販売と市場開拓(go-to-market)

このフレームワークは、必ずしも線形ではない動的な作業プロセスです。例えば、製品戦略に取り組んでいるときに、ビジネスケースを再確認して更新する必要があるかもしれません。また、いくつかの作業が同時に行われる場合もあります。

ホワイトペーパー では、フレームワークの4つのフェーズについてガイドし、戦略と実行計画の構築を支援します。SaaS への旅に沿って検討すべき重要な作業と質問の概要が示されているので、これらの全体または一部を検証ポイントとして使用することで、独自の計画を開発することができます。

企業プロファイル

AWS SaaS Factory プログラムで世界中の多くの企業と仕事をする中で分かったのは、SaaS への道のりは企業によって様々だということです。

どこから始めているのか、事業ドメインはどこか、どのような競合のプレッシャーに直面しているのか。これらの質問に対する答えは、SaaS への道のりに影響を及ぼすため、私たちは SaaS 提供モデルを採用した企業の一般的なプロファイルをいくつかに分類しました。

これらのプロファイルを使用して、企業のタイプごとにフェーズが進むにつれて道のりがどのように変化するかを観察することができます。

SaaS Journey Framework ホワイトペーパー では、SaaS に移行する企業の典型的な出発点を次の4つの仮想プロファイルで表し、これらの企業タイプごとにジャーニーがどのように変化するかを概説しています。

  • ToeDipper Software — このプロファイルは、レガシーな製品を扱っている大規模かつ保守的な企業を表しています。古い技術やプロセスが成長を妨げているという課題はあるものの、収益性の高い魅力的な市場を持っています。
  • SurvivorTech — このプロファイルは、すでに製品を保有しているが、価格、俊敏性、コスト効率を駆使してマインドシェアを獲得した競合他社によって市場が侵食されている企業を表しています。
  • UnicornExpress.com — このプロファイルは、既存のレガシー環境がなく、ソリューションをゼロから構築して SaaS への道を歩む新興 SaaS 企業を表しています。
  • New Horizons Software — このプロファイルは、既存のソリューションでは対応していない新しい市場セグメントの特定と開拓という観点で、SaaS への移行を重要視する企業を表しています。

SaaS への道のりの4つのフェーズにおける主要な作業へのアプローチは、企業によって異なります。以下の図は、市場投入までの時間とビジネス目標の基準に基づいて、各企業プロファイルの立ち位置を可視化したものです。

ホワイトペーパーを探検する

この記事では、新しい SaaS Journey Framework ホワイトペーパー で取り上げている基本的なトピックの一部について、概要を説明しました。レポートでは、4つのフェーズにおける主要な作業についてより深く網羅されています。皆さんは、ガイドに従って質問に答えていこくとによって、これらの取り組みの重要な側面を補完することができます。

重要な点は、SaaS への移行の4つのフェーズすべてを通じて、組織のプロファイルに関係なく、共通のテーマのようなものが存在することです。

その筆頭に挙げられるのが、組織的および文化的な変化です。このプロセスの各ステップでは、SaaS 提供モデルへの移行の一環として、チーム編成、チーム間の連携方法、新しい文化をどのように採用するかなどの変化が必要な意思決定を下すことが必要になります。

多くの組織にとって、SaaS への移行は、ビジネスの考え方やオペレーションを変えることを意味します。このガイダンスは、彼らが製品企業ではなく、サービス企業として考えることができるようにするためのものです。

今回は、お客様の SaaS 化の旅を流れに沿って順に紹介していますが、重要なのは、今も将来も、皆様のユーザーを最終的な道標にしていただくということです。一部でも構いません。必要なものだけピックアップして、このフレームワークを活用してください。そして、私たちが皆さんをどのように支援できるかお聞かせください。

さらに詳しく知りたい方は、新しい SaaS Journey Framework ホワイトペーパー をご覧ください。

AWS SaaS Factory について詳しく知るには

AWS テクノロジーパートナーは、AWS パートナーネットワーク (APN) の担当者に、AWS SaaS Factory チームとの連携についてお問い合わせいただくことをお勧めします。AWS SaaS Factory では、追加の技術およびビジネスのベストプラクティスにアクセスできます。

 

翻訳は Partner SA 櫻谷が担当しました。原文は こちら です。