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インターシステムズ Amazon HealthLakeとFHIR Works on AWS向けHL7変換サービスを発表
この記事は、“Announcing the InterSystems HealthShare Message Transformation Service for Amazon HealthLake” を翻訳したものです。
Amazon HealthLake は、ヘルスデータを大規模に格納、変換、クエリ、分析するために設計された、新しい HIPAA 対応サービスです。Amazon HealthLake は、患者情報の整理、インデックス作成、構造化の困難さを排除し、個々の患者および患者集団全体の健康状態を安全かつコンプライアンスに準拠し、監査可能な方法で完全に把握できます。Amazon HealthLake API を使用すると、組織は既に保持している業界標準のFast Healthcare Interoperability Resources(HL7 FHIR) による医療データを、クラウド内の安全なデータレイクに簡単に保存できます。
FHIR 形式でデータを保持していない組織のために、Amazon は医療の相互運用性における業界リーダーと提携し、データ変換を支援するコネクタを開発しています。この記事では、それらの一つであるインターシステムズとHealthShare Message Transformation Serviceと呼ばれる Amazon HealthLake で検証されたソリューションについて説明します。
インターシステムズについて
1978 年に設立されたインターシステムズは、医療、金融、ロジスティクスなどの分野で重要な情報ニーズを持つ組織に革新的なデータソリューションを提供します。クラウドファーストのデータプラットフォームは、世界中の組織の相互運用性、スピード、スケーラビリティの問題を解決します。インターシステムズは、2020年と2021年の相互運用性プラットフォーム部門でKLASカテゴリーリーダーを受賞し、Gartnerのクラウド・データベース管理システム(DBMS)の最初のマジック・クアドラントにおいて、ビジョナリーに選ばれました。
HealthShare Message Transformation Service
HealthShare Message Transformation Serviceは、ヘルスケアメッセージを HL7 FHIR に変換するための完全に自動化された単一のインターフェイス方式を提供するサービスとしてのソフトウェア (SaaS) ベースのクラウドサービスです。このサービスでは、Amazon HealthLake で使用するために、HL7v2 をはじめとする既存のデータ標準を FHIR に自動的に変換できます。
その仕組み
InterSystems HealthShare Message Transformation Serviceを使用すると、HL7v2 またはインターシステムズ定義の CSV 形式のファイルを、選択したAmazon Simple Storage Service (Amazon S3) バケットにアップロードできます。このサービスは、S3 バケットと Amazon HealthLake データストア(AWS アカウント内)への安全なアクセスを設定します。設定後、HL7v2 メッセージまたは CSV ファイルを S3 バケットに書き込むことができ、インターシステムズはファイルを処理し、FHIR R4 に変換し、Amazon HealthLake に数秒以内に登録します。
これをわかりやすく説明するために、拡張子.txt の S3 バケットに入れられた臨床メモに関する HL7v2 MDM メッセージの例を見てみましょう。
InterSystems HealthShare Message Transformation Serviceは、メッセージを適切なフォーマットの FHIR R4 DocumentReference に変換し、Amazon HealthLake に書き込みます。Amazon HealthLake では、自然言語処理が自動的に臨床ノートに適用されます。前述のHL7メッセージでは、Amazon HealthLakeは、M79.674(右趾痛)のICD-10コード、痛みの状態、および「親指」の部位、およびジェネリック抗生物質の使用を示唆しています。
次の図は、HealthShare Message Transformation Serviceの全体的なアーキテクチャを示しています。
CureMatchがAmazon HealthLakeとHealthShare Message Transformation Serviceを使用
CureMatch™, Inc. は、腫瘍学における個別化医療と併用療法に焦点を当てたサンディエゴを拠点とするデジタルヘルス企業です。CureMatchの意思決定支援システムは、腫瘍専門医の分子腫瘍プロファイルに基づいて個々の患者向けにカスタマイズされたがん医薬品の選択をガイドします。これにより、進行がん治療の選択肢に対する実用的な知性が提供されます。
CureMatch は、これら 2 つのソリューションを使用して、データ変換を自動化し、Amazon HealthLake 内の機能を使用して、さらにAIで強化されたパーソナライズされたアプローチに移行することで、効率を向上させ、より迅速に拡張する予定です。
「インターシステムズによる HealthShare Message Transformation Serviceと Amazon HealthLakeを使用することで、EHRから分子プロファイルデータにアクセスしてFHIRに変換し、高度な分析とアルゴリズムを実行し、最終的に患者の予後を改善するための臨床的意思決定サポートと治療に関するガイダンスを提供できるようになります。」と、CureMatch のプロフェッショナルサービス担当バイスプレジデントであるフィリップ・フォーリーは言います。
まとめ
Amazon HealthLake は、自然言語処理などの特殊な機械学習モデルを使用して非構造化データを変換し、データから有意義な医療情報を自動的に抽出し、強力なクエリおよび検索機能を提供します。インターシステムズは、HL7v2 メッセージをすばやく取り込み、FHIR に変換し、Amazon HealthLake に取り込む機能で、医療データの可能性を最大限に引き出すための迅速かつ簡単な方法を提供します。
InterSystems HealthShare Message Transformation Serviceと Amazon HealthLake は、組織全体の生データ、異なるデータ、非構造化データから有意義な情報を抽出するのに役立ちます。詳細については、インターシステムズアマゾンマーケットプレイスのリストまたはインターシステムズの製品ページをご覧ください。
著者について
トッド・シルベスターはインターシステムズのクラウド戦略担当ディレクターです。
翻訳は Solutions Architect 窪田と今井が担当しました。原文はこちらです。