Amazon Web Services ブログ

Category: Healthcare

ページングドクタークラウド! Amazon HealthLake が一般公開されました

AWS re: Invent 2020 ではAmazon HealthLake をプレビューしました。これは、フルマネージドの HIPAA 対応サービスです。さまざまなサイロやフォーマットで存在するヘルスケア及びライフサイエンスのお客様の健康情報を、構造化され一元化された AWS データレイクに集約します。分析と機械学習 (ML) を使用してそのデータからインサイト抽出を行います。今日、Amazon HealthLake が、 AWS のすべてのお客様にご利用いただけるようになったことをお知らせすることができて大変嬉しく思います。 医療データを迅速かつあらゆるスケールで保存、変換、分析する機能は、健康に関する質の高い意思決定に不可欠です。医師は日々の診療で、最善の対応を特定するために、患者の完全に時系列に沿った病歴を必要とします。緊急時には、医療チームに適切なタイミングで適切な情報を提供することで、患者の転帰を大幅に改善できます。同様に、集団の健康傾向や薬物治験対象者を特定するため、ヘルスケアやライフサイエンスの研究者にはモデルを分析・構築できる、質の高い標準化されたデータが必要です。 従来、ほとんどの医療データは、臨床メモなどの構造化されていないテキストに限定され、IT サイロに保存されてきました。異種混在のアプリケーション、インフラストラクチャおよびデータのフォーマットのせいで、医師が患者のデータにアクセスしインサイトを抽出することが困難な状態でした。その問題を解決するために Amazon HealthLake を構築しました。 今すぐ使ってみたい場合は、Amazon HealthLake の AWS コンソールに今すぐジャンプできます。さらに詳しく知りたい方は、このままお付き合いください。

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Amazon NeptuneとAWS Amplifyを利用したグラフアプリケーション開発

グラフデータベースの活用が様々な領域で進んでいます。例えば、公共領域では法人情報検索ツール、ヘルスケア領域では薬物間相互作用のチェック、マーケティング領域ではカスタマーインサイト分析などで利用されています。 リレーションシップと大量に接続されたデータセットと連携するアプリケーション開発において、リレーショナルデータベースで実装するのは困難です。しかし、フルマネージドなグラフデータベースであるAmazon Neptuneはリレーションシップの格納とナビゲートを目的として構築されたデータベースで、ナレッジグラフ、IDグラフや不正検出といった代表的なグラフアプリケーションを構築することができます。最近では、ナレッジグラフを利用したチャットボットアプリケーションのサンプルをAWS CloudFormation templateとしてリリースしました。 AWS Amplifyはウェブアプリケーション開発するデベロッパー向けのサービスで、グラフアプリケーションの機能をウェブアプリケーションに容易に組み込むことができます。 AWS AppSync はGraphQL APIを簡単に実装することが可能で、例えば、データへのアクセスレイヤーを提供し、AWS Lambdaを利用してNeptuneに接続するフレキシブルなバックエンド実装が可能です。 本ブログでは、AWS Amplifyで作成したアプリケーションからNeptuneの接続する方法をご紹介します。

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【開催報告】AWSヘルスケアクラウドセミナー~クラウドの基礎から最新サービスまで~

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 インダストリー事業開発部 片岡です。 ヘルスケア領域でクラウド活用を検討頂いている医療機関、医療系サービス提供事業者及びパートナーの皆様を対象として、2021年2月18日に「AWSヘルスケアクラウドセミナー」をウェビナーで開催しました。 医療機関でのクラウド利用が本格化し始めています。本ウェビナーにおいて、AWSセッションでは、クラウドの基礎から最新サービスまで幅広くご説明し、お客様セッションでは、国産初の手術支援ロボット「hinotori™」を開発されたメディカロイド様、そして、日本で初めて保険適用を受けた「治療アプリ🄬」を開発されたCureApp様にご登壇頂きました。本記事では、セッションでご紹介しましたAWS最新事例や最新サービス、お客様登壇を含む当日の資料・動画を皆様にご紹介します。

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Amazon Chime SDK for Messaging

Amazon Chime SDK for Messagingを使ってアプリケーションにチャット機能を組み込む方法

概要 2019年の発表以来、Amazon Chime SDKのお客様からアプリケーションにメッセージング機能が必要であるという要望が多く寄せられてきました。テレヘルス(遠隔医療)のお客様は、ケアプロバイダーと患者間のリアルタイムおよび非同期のコミュニケーションを可能にしたいと考えています。ライブイベントの主催者は参加者がビデオストリームを見ながらメッセージングでリアルタイムにコンテンツについて議論したいと考えています。バーチャルな展示会を開催するサービスでは、メッセージングを使って会議の参加者とバーチャルなブースにいる専門家を結びつけたいと考えています。 そこで、私たちはAmazon Chime SDKにメッセージング機能を組み込みました。Amazon Chime SDKのメッセージングは、単なる基本的なチャット以上のものになるように設計されています。チャットのユースケースをお持ちのお客様は、チャネルを通じてユーザーのコミュニティをつなぐ体験を作ることができます。お客様は1人から数人のメンバーを含むシナリオ用のチャネルを作成したり、最大10万人のメンバーを含むチャネルを作成したりすることができます。また、Amazon Chime SDK for Messagingを使用して、複数のユーザーが同時にアプリケーションを表示・更新できるリアルタイムコラボレーション機能を構築し、各ユーザーの表示間で一貫した状態を維持することができます。現在、モバイルワーカー支援サービスを提供するPlayerLync社のようなお客様が職場での学習やコラボレーションを可能にするためにメッセージングを利用しています。

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【開催報告】2020年 AWS re:Invent Recap ヘルスケア・ライフサイエンス

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 インダストリー事業開発部 片岡です。 ヘルスケア・ライフサイエンス領域でクラウド活用を検討頂いているお客様を幅広く対象として、2021年1月28日に「2020年 AWS re:Invent Recapインダストリー編 ヘルスケア・ライフサイエンス」をウェビナーで開催しました。 本記事では、セッションの中でお伝えしました、最新事例や最新サービスを含む当日の資料・動画を皆様にご紹介します。

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AWS公共部門サミット 各国事例を紹介。本年 4/16(金) 開催分の「登録」受付も始まりました。

2021年4月16日(金)に、AWS公共部門サミット・オンラインが開催されます(【登録はこちら】)。午前10時からの無料配信となりますので、ぜひご登録ください。米 国防総省の関連機関であるアメリカ国防兵站局など海外政府機関の事例を中心に40以上のセッションが予定されており、日本からも京都大学より事例登壇をいただく予定です(過去の登壇動画は、下部のRead Moreをご覧ください)。 今年の「AWS公共部門サミット・オンライン」の登録開始に併せまして、AWSジャパン・パブリックセクターより、今回のブログでは、2020年の10月に開催された「AWS Public Sector Summit Online 2020(以下、”昨秋の公共部門サミット”)」のキーポイントを振り返ります。

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AWSが支えるCOVID-19との闘い④──宮田裕章教授が語る「データ駆動型社会」という未来 ―「誰一人取りこぼさない」を実現するためのAWSの役割とは?

これまで本連載では、ビッグデータを活用した感染防止プロジェクトの目的や、主に慶應義塾大学の研究室において、どのような課題を解決しながらデータ分析をしてきたかなど、実際の担当者の方々にお聞かせいただきました。シリーズ最後の第4回では、今一度プロジェクトを発案された宮田裕章教授にご登場いただき、プロジェクト全体の成果、そして教授が描く今後のデータ駆動型社会のビジョンについてお話いただきます。今回も前回に引き続き、当社執行役員の宇佐見 潮がお話を伺いました。 ビッグデータ活用が新型コロナ第二波の抑制に貢献 神奈川県が開設する「新型コロナ対策パーソナルサポート(行政)」は、県民が自らの体調や症状に応じ感染症に関わる情報を入手するサービスとして、現在も広く活用されています。その上で、同県では得られた情報分析の結果を、県内の感染状況の把握や対策の立案に活かしました。そもそも「EBPM(証拠に基づく政策立案)」を目指してスタートしたプロジェクトです。当然、宮田教授は集めたデータがどれだけ判断の基となることができたかにこだわりました。 「実際、PCR検査で陽性判定を受けた人の情報と、パーソナルサポートにより得られた情報の分析結果を突き合わせてみると、データの精度は一定のレベルに達しており、感染者の現状を推計できることが確認できました」と宮田教授は一定の評価を下しています。

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クラウドにヘルスデータを格納し、変換と分析を行う Amazon HealthLake

医療機関が日々必要とする患者情報には、臨床的な所見や家族の病歴から、診断内容と処方箋にいたるまで、膨大な量が含まれます。これらすべてのデータは、患者に関する医療情報の全体像を把握し、より優れた医療サービスを提供できるようにするために使用されます。現在のところ、こういったデータは、さまざまなシステム (電子カルテ、検査システム、医療画像リポジトリなど) の間で、数十種類の互換性のないフォーマットで保存されています。 FHIR (高速医療情報相互運用リソース) などの新しい規格は、このような課題に対処しようとしたものです。この規格では、それらの医療システム間で構造化データを記述および変換に適応した形式が提供されます。しかし、このデータの多くは非構造化情報であり、医療記録 (臨床記録) 、文書 (PDF 形式の検査結果) 、書式用紙 (保険請求) 、画像 (X線、MRI) 、音声 (会話記録) 、時系列データ (心電図) などの形で保存されているため、それらの形式から情報を抽出することは 1 つの課題となります。 医療機関が、これらのデータをすべて収集し、変換 (タグ付けやインデックス作成) 、構造化、分析などのための準備を完了するには、数週間、場合によっては数か月を要することがあります。さらに、そのすべての作業を行うためのコストと運用上の複雑さは、ほとんどの医療機関で許容しきれないものとなります。 この度、当社では、Amazon HealthLake を発表できる運びとなりました。これは、HIPAA 適合の完全マネージド型サービス (現在はプレビュー版) であり、医療関係およびライフサイエンスのお客様は、さまざまな形式でサイロ化された医療情報を、一元化された AWS データレイクに集約するためにご利用いただけます。HealthLake では、機械学習 (ML) モデルにより医療データの正規化が行われます。医療データ内の意味のある情報が自動的に理解され抽出されるので、すべての情報が簡単に検索できるようになります。その後、お客様はデータに対しクエリと分析を行い、関連性の把握や傾向を割り出したりしながら、それらを予測に利用することができます。 仕組み Amazon HealthLake を使用することで、オンプレミスのデータを AWS クラウドにコピーします。クラウドに保存された構造化データ (検査結果など) と非構造化データ (カルテなど) には、HealthLake により、FHIR に対応したタグ付けや構造化が行われます。すべてのデータは、標準的な医療用語を使用して完全にインデックス化されるため、患者の医療情報の照会や検索、分析、および更新が、すばやく簡単に実行できます。 HealthLake を使用する医療機関は、患者の医療情報の収集と変換を数分の内に完了し、その治療履歴を包括的に表示できるようになります。この情報は、業界標準の FHIR 形式で構造化されるので、検索とクエリのための強力な機能を利用できます。 AWS マネジメントコンソールから HealthLake API […]

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AWSが支えるCOVID-19との闘い 番外編──AWSとLINEが推進する3つのDX支援~企業のDX、自治体のスマートシティ、医療ICTの社会実装~

シリーズでご紹介してきた「新型コロナ対策パーソナルサポート(行政)」プロジェクトは、そもそもビッグデータを集める上でもLINE社の尽力がなければ成り立たない取り組みでした。AWSでは、今回のプロジェクト以外にも同社との協業プロジェクトを複数実施しております。今回のブログでは番外編としてその内3つのプロジェクトをご紹介いたします。 ユーザー接点拡大とセキュアなデータ活用を実現 「LINE DX Program with AWS」 最初に紹介する「LINE DX Program with AWS」は、高いセキュリティ環境でスピーディーなシステム構築を実現できるAWS、そして月間利用者数8,600万人(2020年9月現在)のユーザー基盤と優れたUXをあわせ持つLINEを活用することで、企業のDXを支援するためのプログラムです。デジタル活用の岐路に立っている多くの企業は、DXの取り組みの中でまったく新しいビジネスモデルやサービスを生み出し、これまでとは異なるユーザー層や市場へアプローチすることが必要になります。例えば、オフラインを前提としたビジネスを、非接触を意識したオンラインとオフライン併用のビジネスに変えることが考えられます。その際に、オンラインとオフラインの融合や新たな体験価値の創出、市場認知を高めるための幅広いチャネルやマーケティング活動を基本とした顧客中心のサービスデザインをすることが不可欠です。 「LINE DX Program with AWS」プログラムは、オンラインとオフラインの両面でタッチポイントを持つLINE上でサービスを公開することで、APIによる技術提供の範囲を超えて、企業のDX実現における課題解決と新しい顧客体験の創造をサポートします。LINE社 マーケティングソリューションカンパニーの佐藤将輝氏は、本プログラムの意義を次のように説明しています。 「本プログラムの参画企業は、システム面においては『AWSによってクラウドシフトされた高いセキュリティレベルと柔軟性』、サービス面においては『多くの人がオンライン・オフラインで日常的に利用するLINEをベースとした自然なユーザー体験』を満たすソリューションを提供できます。DXは小さなチャレンジの積み重ねの上に成り立ちますが、AWSとLINEを使うことでハードルを低くしてDXにチャレンジできます」 本プログラムをはじめ、AWSでは技術とビジネスの両面で支援メニューを充実させて、AWSパートナーネットワークの拡大やAWSパートナー同士のつながりを促進しています。例えば、LINE社主催による、クライアント・パートナーとともに最新のCX(顧客体験)を考えるオンラインイベント「LINE CX DAY 」でも、AWSのパートナーであるACCESS社、アイレット社、サーバーワークス社が参画を発表。その後、アクセンチュア社、ゆめみ社など参画企業が増加しています。AWSの岡﨑貴紀も、次のようにサービスの抱負を語ります。 「AWSはパートナーと共に企業のDXを支える基盤として幅広く支援をしています。本プログラムによって、AWSパートナーが両社のプラットフォームの橋渡しをすることで、DXの取組みが浸透し、社会がより良いものに変わっていくことを期待しています」  福岡市モデルを地方自治体向けに汎用化&ソースコードを無償提供 続いて紹介する「LINE SMART CITY GovTechプログラム」は、自治体が汎用的に活用できるLINE公式アカウントの機能を開発し、ソースコードを無償提供するというものです。LINE Fukuoka社が主導しており、バックエンドシステムの標準クラウド環境としてAWSが選定されています。きっかけとなったのは、2018年からLINE Fukuoka社とLINE社が福岡市とともに進めてきた市のスマートシティ化に向けた取り組みです。その中核となる「福岡市LINE公式アカウント」において、市民と行政のコミュニケーションをサポートする機能を開発・提供してきました。例えば、自分が欲しい情報だけを受け取ったり、市民が道路や公園などの損傷を報告したり、粗大ゴミの収集依頼を申請・決済したりできる機能などです。その利便性が評価され、福岡市LINE公式アカウントの友だち数は170万人を超えています。 この福岡市の事例に対し、他の自治体からも同様の取り組みをしたいとの要望が多数寄せられました。そこで、他の自治体が汎用的に利用できるように機能を再開発し、開発したソースコードを誰でも利用できるように無償提供したものが「LINE SMART CITY GovTechプログラム」です。LINE Fukuoka社 GovTech推進チームの乾友輔氏は、本プログラムの企画背景を次のように説明しています。 「自治体向けのLINE公式アカウント活用については、LINE社が『地方公共団体プラン』を提供していますが、福岡市のように機能を十分に活用できている例は多くありません。そこで、より活用を促進させるために今回のプログラムを企画しました。開発にあたっては、セキュリティ水準の担保、コストの最適化、柔軟性・可用性向上の観点からクラウドサービスの利用を前提としました。AWSを利用する場合は、自治体や開発事業者は本プログラムで提供するソースコードを改変する必要がないため、導入工数や導入期間の削減が期待できます」 AWSでは、バックエンドシステムの標準クラウド環境を提供するとともに、各地のAWSのパートナー、開発企業と連携して導入支援も行っていきます。AWS パブリックセクター技術本部 部長の豊原啓治は、次のようにコメントしています。 「システム開発に際し、自治体として地元企業を活用したいという要望も多いことから、AWSとしては全国レベルのAPNパートナー、開発企業への支援、教育を推進していきます。コロナ禍での社会経済活動を支援するため、自治体にもかつてないほどの迅速性が求められています。限られた時間で思考錯誤を繰り返しながら、まずは新しいサービスをローンチし改善を繰り返していくことが必要とされており、本プログラムはその一助になると考えています」  コロナ禍で急進する医療・ヘルスケアICTの社会実装 最後に紹介するのは、2020年9月12、13日に開催された「モバイルヘルスシンポジウム2020」です。「医療・ヘルスケアICTの社会実装に向けた最新動向と課題」をテーマに、先端分野への取組みを加速している医療関係者、それを技術的に支える専門家や有識者が集い、網羅的なディスカッションを行いました。議論の結果を踏まえ、現在、政策提案の作成が進められています。 本記事の執筆を担当したAWS遠山仁啓も実行委員として参加するとともに、「AWSの医療ICT分野における取り組み」と題した講演で国内外の最新トピックスやクラウドのメリット、スタートアップ企業やゲノム領域での活用事例を紹介しました。 本シンポジウムを主催するITヘルスケア学会では、日本における国民の医療・健康の増進に資する効果的なICT利活用のあり方について議論してきました。2019年11月にも、オンライン診療をめぐる国内外の動向をテーマにした「モバイルヘルスシンポジウム2019」を開催。同年12月には政策提案を公表していましたが、正直なところ当時は、日本での医療ICT化の推進が社会に定着していくにはまだまだ時間がかかると見られていました。ところが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって、日本でもオンライン診療の時限緩和が行われるなど大きく状況が変わったのです。 本シンポジウムはそうした事態を受けて、本格的な医療・ヘルスケアICTの社会実装と課題を早急に議論するために急遽開催されました。私とともに実行委員として参加したAWS 公共政策部 シニアマネジャーの矢野敏樹は、次のようにコメントしています。 「コロナ禍で自粛が続く中、AWS公共政策チームでは社会のために何か貢献できないかと議論を重ねていました。そして、LINE社の公共政策室とのつながりから、ITヘルスケア学会の力をお借りして、オンライン診療の時限緩和の恒久化など、テクノロジーを用いた医療サポートを加速させる議論の場を設け、さらに提案書を作って政府に働きかけることになりました。現在、政策提案を取りまとめ中で、出来上がり次第、政策決定に関与される方などを回り、現場からの提案を行いたいと考えています」 また、実行委員としてともにシンポジウムの開催・運営に携わったLINE社からは、コロナ禍に対するスマートフォンを活用したデータ収集・解析という観点での講演やLINEヘルスケア社によるオンライン診療サービス「LINEドクター」の説明などがありました。LINE社 公共政策室の原田光輝氏は次のように話します。 「本シンポジウムは、コロナ禍の影響によりオンライン診療の時限措置が行われるという、ヘルスケア業界において劇的な変化が起こった中での開催でした。LINEヘルスケア社としても、オンライン診療サービス『LINEドクター』を講演の2日前に公表したばかりで、非常にタイムリーなタイミングでもありました。現在、国を挙げてデジタル化を推進しようとする大きな動きがあり、オンライン診療の恒久化を始めとする「医療・ヘルスケアICTの社会実装」の進展に向け、今回のシンポジウムが少なからず貢献できたものと考えています」 なお、シンポジウムには、本シリーズでお話を伺った慶應義塾大学医学部 宮田裕章教授にも登壇いただきました。多忙を極める宮田教授は通常、シンポジウムなどには登壇されませんが、今回は会の趣旨に賛同されての参加でした。「日本では初診のオンライン診療が認められたばかり。今回のコロナ禍の対応として一時的な措置と見る向きもありますが、定着化させるべき」との見解を示されています。そのためには、安定感のあるプレーヤーが成果を出すことが重要であり、LINEユーザーという大きな規模感でオンライン診療を進め、価値を証明することが重要とサービスへの期待も寄せられています。AWSとしても、ぜひ、宮田教授の期待に応えられるようテクノロジーを用いた日本での医療サポートを加速させていきたいと考えております。 多くの企業や団体がサービスをAWS上で提供しています。また、LINE社はモバイルアプリケーションとして、日本における消費者チャネルの基盤を保有しています。LINEとAWSの間をAWSパートナーが橋渡しすることで、今回紹介してきたように企業や自治体、医療など、さまざまな分野でDXが進み、社会をより良いものに変えていくと信じています。 […]

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AWSが支えるCOVID-19との闘い③─刻々と変わる可視化ニーズをAWSクラウドでどう実現したか?― IQVIAジャパンに訊くELT処理・BIダッシュボードの実装・運用

全4回に渡ってお届けする連載ブログ「AWSが支えるCOVID-19との闘い」。前回に引き続き、第3回では、システム実装を担当したIQVIAジャパン様に実装の工夫、AWSクラウドによるサーバーレスな実装の詳細についてご説明いただきます。 プロジェクトへの参画と難局打開を志すデータサイエンティストによるチーム結成 「LINEパーソナルサポートに集積された情報を解析して都道府県にフィードバックしたいが、これを手伝ってもらうことは可能か?」と宮田先生から電話いただいたのは土曜の朝でした。新型コロナウィルスという難局の打開に貢献したいと思っていた矢先だったので即決で快諾しました。 すぐに社内のデータサイエンティストや技術者に声をかけたところ、休日だったにも関わらず、皆から参加表明の返信があったのに感動したのを覚えています。 まずは都道府県へのフィードバック内容を決める必要があったので、慶應義塾大学の先生方と打ち合わせを繰り返しながら、フィードバックレポートのイメージ(図1参照)を数日で作り上げました。 図1:実装前の議論に利用したフィードバックレポートの提案資料 当初は週単位でのレポートでのフィードバックを想定していましたが、陽性患者数が急増するという切迫した状況だったため、「日単位での更新」「都道府県のユーザーによる自由解析」が望ましいというのが関係者の総意となりました。 そこで、IQVIAジャパンは医療ビッグデータの解析ツールを多く開発していたので、そのノウハウを活かしたBIツールによるダッシュボード開発を慶應義塾大学に提案し、その方針について快諾いただいたところから開発が始まりました。 各都道府県に迅速に展開できるBIツール/ダッシュボードの選定 開発にあたってまず決断しなければならなかったのは、各都道府県に公開するダッシュボードを何で作るか、ということでした。社内に豊富なナレッジが蓄積されたBIツールを中心に検討していたところ、AWS に造詣の深い部門からAmazon QuickSight (WEB/ブラウザベースのクラウド駆動の高速なビジネスインテリジェンスサービス)の機能および、SPICE (インメモリ計算エンジン) によるパフォーマンス向上について情報共有をしてもらったことをきっかけに、QuickSight に興味を持つようになりました。データ処理基盤と同じプラットフォームのサービスの一つとして運用できる点にも魅力があり、プロトタイピングという位置づけで QuickSight を使ったレポートを作り始めました。 実際に作業を始めてみると、Web ベースでありながら、動作はデスクトップのソフトウェアと同じくらい軽快で、操作結果がリアルタイムにフィードバックされるので、開発効率という観点では嬉しい驚きでした。また、ダッシュボード、チャート、フィルタなどの機能は他の BI ツールと遜色なく、一部の複雑なビジュアルを除いて機能面で困ることはありませんでした。このため、当初想定していたよりも形になるスピードが速く、また各方面からのフィードバックが良かったこともあって、QuickSight で開発を維持することに決めた、という経緯がありました。 都道府県の担当者の方々からは、公開当初から「直感的で分かりやすい」というフィードバックをいただいていました(図2参照)。アマゾン ウェブ サービス ジャパンのコンサルタントから、QuickSight 自体、ユーザーが直感的・探索的に操作できることを重視してデザインしていると伺いましたが、今回はこのデザインポリシーがうまく機能した好例と言えます。 この分かりやすさを最大化するため、表示する内容にもこだわりました。1つのダッシュボードに掲載する情報を都度十分に吟味し、回答者数・有症率・推定感染率という指標を、デモグラフィック・時系列・地理の3つの観点に分類して表示することで、1つ1つのダッシュボードが明確なメッセージを提供するようになっています。 図2:Quicksightにより各都道府県の担当者へ提供したダッシュボード(サンプル) 一方、各都道府県が他県のデータが見られないようにしたい、というセキュリティ要件もありました。これについては QuicksightのRLS機能(Row-Level Security:行レベルセキュリティ)や QuickSight の動的パラメータ機能を使うことで実現でき、わずか数クリックの設定だけで実装できるため、優位性がある機能だと思います。 ビジュアル面では、プリセットされたテーマの中から「Midnight」を選択し、ダークネイビーをバックにネオン系のアクセントカラーという今風のテーマのおかげで、デザイナーが設計したかのようなモダンなダッシュボードを数クリックで作ることができました。 ダッシュボードの裏側のデータ処理は、データの規模や開発効率、運用のしやすさを考慮して、Amazon Relational Database Service(RDS)(クラウド上で稼働するリレーショナルデータベース) を使用した SQL ベースの ELT処理 (Extract:抽出、 Load:書き出し、Transform:変換 )で実装し始めました。33都道府県向け(11月末時点:自治体や省庁の公式アカウント一覧)のダッシュボードに必要な機能のうち、実に3分の2を、ボランティアの開発者2~3名と少ないメンバーでかつ、開始から2ヶ月というスピードで提供できたのは、QuickSight のWEBベースで開発/共有できる使い勝手の良さとインメモリエンジンSPICEによる動作の軽さ、形にこだわらず結果を出力し、先生方のフィードバックをすぐに反映する事を優先した実装メンバーの方式選択の賜物と言えます。ただ、その裏でバッチ処理のコントロールはすべて手動で行っていました。想定外のデータの混入によるエラーなどで開発者が夜間や土日を使ってサポートしていたこともあり、その負担の軽減が大きな課題でした。 運用負荷低減やユーザニーズへの柔軟な対応の為にサーバーレスアーキテクチャへ移行 開発がひと段落したところ見計らって、AWS の Solution Architect にアドバイスをいただきながら、AWS Step […]

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