Amazon Web Services ブログ

Oracle Database@AWS のバックアップとリカバリオプションを理解する

本記事は 2026 年 4 月 6 日 に公開された「Navigating backup and recovery options for Oracle Database@AWS」を翻訳したものです。

Oracle Database@AWS (ODB@AWS) は、Oracle Cloud Infrastructure (OCI) が管理する Oracle Exadata インフラストラクチャを Amazon Web Services (AWS) データセンター内で直接提供します。Exadata の高性能、スケーラビリティ、高度な機能を活かしながら Oracle データベースを AWS に移行できます。エンタープライズワークロードの運用では、堅牢なデータ保護の維持が重要な課題です。本記事では、ODB@AWS の 2 つのサービス、Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure (ExaDB-D) と Oracle Autonomous AI Database on Dedicated Exadata Infrastructure (ADB-D) で利用できるバックアップとリカバリのオプションを解説します。

バックアップカテゴリの理解

サービスごとの設定を見る前に、ODB@AWS で利用できる 4 つの主要なバックアップカテゴリを理解しましょう。

  • 自動バックアップ: 設定に基づいて Oracle が完全に管理するバックアップです。一度設定すれば、指定したバックアップ先にデータベースバックアップが自動的に取得されます。
  • 手動 (スタンドアロン) バックアップ: OCI の自動化を使ってユーザーが開始するオンデマンドバックアップです。Exadata Cloud (ExaDB-D) では、保存先が Object Storage または Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) の場合、手動バックアップは常に特定時点のフルバックアップになります。保存先が Autonomous Recovery Service の場合は増分バックアップです。Autonomous Database Dedicated (ADB-D) では、手動バックアップがフルバックアップになることはありません。Object Storage または Amazon S3 を使用する場合は常に累積増分バックアップ、Autonomous Recovery Service が保存先の場合は増分バックアップになります。
  • ユーザー管理バックアップ: dbaascli ユーティリティ、RMAN、またはサードパーティツールを使ってユーザーが開始するオンデマンドバックアップです。ただし、これらのバックアップはコントロールプレーンと同期されず、OCI API とも統合されません。
  • 長期バックアップ: 設定に基づいて Oracle が完全に管理するバックアップで、最小 90 日から最大 10 年までの長期保持に使用されます。

バックアップ先の選択

ODB@AWS は自動バックアップ用に 3 つの保存先をサポートしており、それぞれに独自の利点があります。

  • Amazon S3: AWS リージョン内にバックアップを保持できるオプションです。S3 は年間 99.999999999% の耐久性と 99.99% の可用性を実現するよう設計されており、サービスレベルアグリーメントに裏付けられています。
  • OCI Object Storage: Oracle Object Storage は高い耐久性を持つよう設計されており、年間 99.999999999% (イレブンナイン) の耐久性を提供します。99.9% の可用性を実現するよう設計されています。このオプションでは、バックアップは OCI の親リージョンに保存されます。
  • Autonomous Recovery Service: バックアップの保存先として AWS または OCI リージョンを選択できます。Autonomous Recovery Service は Oracle Cloud Service Descriptions で定義されている月間 99.9% の稼働率コミットメントを提供します。リアルタイムデータ保護により、1 秒未満の RPO を実現し、データ損失の可能性を最小化できます。

次の表は、前述の各 Oracle データベースサービスでサポートされるバックアップオプションをまとめたものです。

Oracle データベースサービス 自動バックアップ 手動バックアップ ユーザー管理バックアップ 長期バックアップ
Oracle Autonomous AI Database on Dedicated Exadata Infrastructure 対応 対応 非対応 対応
Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure 対応 対応 対応 非対応

アーキテクチャ: Oracle Database@AWS の基本コンポーネントはアーキテクチャを、ネットワーク設計は Network Design with Oracle Database@AWS を参照してください。

次のアーキテクチャ図は、バックアップオプションを含む Oracle Database@AWS のトポロジーを示しています。

次の表は、Oracle Database@AWS の両データベースサービスにおけるバックアップオプション、サポートされるバックアップ先、保持期間をまとめたものです。

 

サービス バックアップタイプ バックアップ先 保持期間
Oracle Autonomous AI Database on Dedicated Exadata Infrastructure 自動 Amazon S3 (デフォルト) (保持ロックとクロスリージョンリストアをサポート) 7〜95 日
OCI Object Storage (クロスリージョンバックアップコピー、クロスリージョンリストア、保持ロックをサポート) 7〜95 日
Autonomous Recovery Service (保持ロックをサポート)、AWS 内で利用可能 7〜95 日
手動 Autonomous Container Database の作成ステップで選択した自動バックアップ先と同じバックアップ先。 Autonomous Container Database のバックアップ保持設定から継承。
長期バックアップ 自動バックアップが S3 または Autonomous Recovery Service で設定されている場合、長期バックアップはデータベースから Amazon S3 に直接送信されます。自動バックアップ先が Object Storage の場合、長期バックアップは Object Storage に保存されます。 90 日〜10 年
Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure 自動 Amazon S3 (デフォルト) (クロスリージョンリストアをサポート) 7〜60 日
OCI Object Storage 7〜60 日
Autonomous Recovery Service (保持ロックをサポート)、AWS と OCI の両方で利用可能 保護ポリシー
Bronze: 14 日
Silver: 35 日 (デフォルト)
Gold: 65 日
Platinum: 95 日
ユーザー定義: 14 日〜95 日
手動 Exadata データベースの作成ステップで選択した自動バックアップ先と同じバックアップ先に保存。 スタンドアロンバックアップは自動バックアップの保持ポリシーの対象外です。削除するまで選択したバックアップ先に保持されます。
ユーザー管理バックアップ Amazon S3、Amazon FSxAmazon EFS、Rubrik、Data Domain、Commvault、NetBackup など ユーザー管理
長期バックアップ 現在非サポート 該当なし

それでは、各オプションを詳しく見て、前述の両 Oracle データベースサービスでの設定方法を確認しましょう。

Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure

Exadata Database Service には、Oracle データベースのバックアップとリカバリ操作に以下のオプションがあります。これらのオプションは排他的です。

オプション 1: 自動バックアップ

自動バックアップは、Amazon S3、OCI Object Storage、Autonomous Recovery Service と統合された Oracle 管理のバックアップで、OCI によって完全に管理されます。自動バックアップはデフォルトで有効ですが、不要な場合はデータベースのプロビジョニング時またはその後いつでも無効化できます。AWS と Oracle は、データベースに Oracle 管理の自動バックアップの使用を推奨しています。

Oracle Database@AWS では、OCI コンソールから Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure の自動バックアップを設定する際、以下の 3 つのバックアップ先を選択できます。これらのオプションは排他的です。

  1. Amazon S3
  2. OCI Object Storage
  3. Autonomous Recovery Service

Exadata データベース作成時に、前述の各保存先に対する自動バックアップの設定方法を見ていきましょう。

Amazon S3

ODB ネットワークを作成すると、Oracle Database@AWS は Amazon S3 への Oracle 管理バックアップ用のネットワークアクセスを自動的に設定します。OCI が必要な DNS エントリとセキュリティリストを設定し、OCI Virtual Cloud Network (VCN) と Amazon S3 間のトラフィックを可能にします。

OCI コンソールから Amazon S3 への自動バックアップを有効にする方法は Backup Exadata Database を参照してください。

Object Storage

OCI コンソールから Object Storage への自動バックアップを有効にする方法は Backup Exadata Database を参照してください。

Autonomous Recovery Service

Autonomous Recovery Service はリアルタイムデータ保護を提供し、保護対象データベースから REDO を継続的にサービスへストリーミングすることで 1 秒未満の RPO を実現し、データ損失のリスクを最小化します。リアルタイムデータ保護はオプションの追加コスト機能です。さらに、自動バックアップオーケストレーション、継続的なバックアップ検証、最適化されたリカバリワークフロー、ポリシーベースのライフサイクル管理を提供します。これらの機能により運用負荷が軽減され、信頼性の高い一貫したデータベース保護を実現します。

Autonomous Recovery Service は Oracle Database@AWS をサポートし、データベースが存在するのと同じクラウドプロバイダーのロケーションにバックアップを保存する柔軟性を提供します。Autonomous Recovery Service はデフォルトで保護対象データベースと関連バックアップを OCI に作成しますが、Oracle Database@AWS ではこのデフォルト動作をオーバーライドできます。

保護ポリシーで「Store backups in the same cloud provider as the database」オプションを有効にすると、ポリシーに紐づく保護対象データベースとバックアップは、Oracle データベースがプロビジョニングされているのと同じクラウドプロバイダーのロケーションに保存されます。たとえば Oracle Database@AWS では、保護ポリシーでこのオプションを選択している場合、Autonomous Recovery Service は関連する保護対象データベースのバックアップを AWS 内に保存します。Autonomous Recovery Service を使った自動データベースバックアップで Backup Exadata Database に進む前に、前提条件セクションで必要なポリシーの作成とその他の要件を確認してください。これらの前提条件は、Oracle Database@AWS での Autonomous Recovery Service の一般提供 (GA) 開始日である 2025 年 10 月 7 日より前に作成された Oracle Database@AWS デプロイメントにのみ適用されます。GA 後に作成されたデプロイメント (ODB ネットワーク) では、これらの前提条件はデプロイ時に自動的に設定されます。

保護ポリシーで「Store backups in the same cloud provider as the database」オプションを選択しない場合、ポリシーに紐づく保護対象データベースとバックアップは OCI に保存されます。

OCI コンソールから Autonomous Recovery Service への自動バックアップを有効にする方法は Backup Exadata Database を参照してください。

オプション 2: 手動バックアップ

スタンドアロンバックアップは、Exadata データベースの作成ステップで選択した自動バックアップ先と同じバックアップ先に保存される Oracle データベースバックアップです。Object Storage または Amazon S3 に保存されるスタンドアロンバックアップは、自動バックアップの保持ポリシーの対象外で、削除するまで選択したバックアップ先に残ります。Autonomous Recovery Service を保存先とする場合、スタンドアロンバックアップは保護ポリシーで定義された保持期間に従います。

OCI コンソールから手動バックアップを作成する方法は Backup Exadata Database を参照してください。

オプション 3: Oracle Database@AWS での Amazon S3 へのユーザー管理バックアップ

Oracle Database@AWS では、データベースのユーザー管理バックアップ (オンデマンドバックアップ) を作成できます。dbaascli または RMAN を使ってデータをバックアップし、Amazon S3 バケット、Amazon FSx、Amazon Elastic File System (Amazon EFS)、Object Storage、ローカルファイルシステム、その他の NFS マウントに保存できます。Oracle Database@AWS のマネージドサービスの利点を維持しながら、バックアップスケジュール、保持ポリシー、ストレージコストを完全にコントロールできます。

バックアップは、システムの設定に応じて、ローカルファイルシステム、OCI Object Storage、NFS マウントなどさまざまな保存先に送信できます。ユーザー管理バックアップは、Oracle Database@AWS が提供する AWS マネージドバックアップソリューションを補完します。コンプライアンス要件、クロスリージョン災害復旧、既存のバックアップ管理ワークフローとの統合に手動バックアップを活用できます。ユーザー管理バックアップを有効にする方法は Backing up in Oracle Database@AWS を参照してください。

例:

dbaascli database backup \
--dbname <DB_NAME> \
--start \
--level0

Oracle Database@AWS では、NetApp、CommVault、Rubrik などのサードパーティツールを使い、RMAN 経由で Exadata Database Service 上のデータベースをバックアップすることもできます。

データベースのリストアオプション

このセクションでは、前述のバックアップからのさまざまなデータベースリストアオプションを見ていきます。Exadata Database on Dedicated Infrastructure には以下のリストアオプションがあります。

  1. コンテナデータベース (CDB) のポイントインタイムリストア
  2. プラガブルデータベース (PDB) のポイントインタイムリストア
  3. 自動またはスタンドアロンバックアップからのリストア

リストア先は以下から選択できます。

  • 最新へのリストア: 可能な限りデータ損失を抑えて、データベースを既知の正常な最新状態にリストアします。
  • タイムスタンプへのリストア: 指定したタイムスタンプにデータベースをリストアします。
  • SCN へのリストア: 指定した SCN を使ってデータベースをリストアします。SCN は有効である必要があります。
  • クロスリージョンリストア: Exadata データベースのクロスリージョンリストアでは、Amazon S3 ベースの自動バックアップを使って AWS リージョンをまたいだデータベースリストアを実行できます。

Oracle データベースサービス 方式 最新へのリストア タイムスタンプへのリストア SCN へのリストア インプレース/アウトオブプレースリストア
Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure コンテナデータベース (CDB) のポイントインタイムリストア 対応 対応 対応 インプレース
プラガブルデータベース (PDB) のポイントインタイムリストア 対応 対応 非対応 インプレース
自動またはスタンドアロンバックアップからのリストア (すべてまたは選択した PDB) 該当なし 該当なし 該当なし アウトオブプレース
S3 ベースの自動バックアップからのクロスリージョンリストア 対応 該当なし 該当なし アウトオブプレース

アウトオブプレースリストアでは、同一テナンシー内であれば、同じまたは異なるコンパートメント、Exadata インフラストラクチャ、VM クラスターを選択できます。

Autonomous AI Database on Dedicated Infrastructure

Autonomous AI Database on Dedicated Exadata Infrastructure は、データベースを自動的にバックアップします。自動バックアップの保持期間は、Autonomous Container Database (ACD) で選択したバックアップ保持ポリシーに基づき最大 95 日です。この保持期間内の任意の時点にデータベースをリストア・リカバリできます。

Autonomous AI Database は自動バックアップと手動バックアップの両方をサポートします。ACD レベルで定義されたバックアップ保持ポリシーを超えて保持される長期バックアップも作成できます。バックアップ中もデータベースは完全に機能しますが、ライフサイクル管理操作は許可されません。たとえば、バックアップ中のデータベース停止はできません。Autonomous Database を終了しても、Object Storage、Amazon S3、Autonomous Recovery Service に保存されたバックアップは削除されません。自動バックアップは最低 72 時間、または選択した保持期間の全期間にわたって保持されます。長期バックアップは、明示的に削除されるか期限切れになるまで、また ACD の保持ロックが有効な場合は期限切れ後にのみ削除されます。

オプション 1: 自動バックアップ

自動バックアップはデフォルトで有効ですが、Oracle Cloud Infrastructure (OCI) コンソールから ACD のプロビジョニング時に無効化できます。自動バックアップを有効にしてプロビジョニングを完了した後は、ACD の自動バックアップを無効化できません。

AWS と Oracle は、データベースに Oracle 管理の自動バックアップの使用を推奨しています。

Oracle Database@AWS では、OCI コンソールで Autonomous Database on Dedicated Infrastructure のバックアップ先として以下の 3 つを選択できます。

  1. Amazon S3 (デフォルト)
  2. OCI Object Storage
  3. Autonomous Recovery Service

Amazon S3

OCI コンソールから Amazon S3 への自動バックアップを有効にする方法は Backup Autonomous AI Database を参照してください。

Object Storage

OCI コンソールから Object Storage への自動バックアップを有効にする方法は Backup Autonomous AI Database を参照してください。

オプション 2: 手動バックアップ

Autonomous Database が自動的に作成するバックアップに加えて、Oracle Cloud Infrastructure (OCI) コンソールからオンデマンドの手動バックアップも作成できます。たとえば、大きな変更の前にバックアップを取得しておくと、リストアとリカバリを高速化できます。これらのバックアップは、ACD で選択したバックアップ保持ポリシー (期間) に応じて最大 95 日保持されます。手動バックアップは、最後のフルバックアップ以降のすべての増分バックアップを含む累積増分バックアップです。手動バックアップは一般に、必要時のリストア・リカバリの高速化やデータベースクローン (開発/テスト) のため、本番稼働開始などの大きな節目の前に取得します。

オプション 3: 長期バックアップ

通常のオンデマンドバックアップとは別に、OCI コンソールの Autonomous Database の詳細ページから長期バックアップも作成できます。長期バックアップは、ACD のバックアップが S3 または Autonomous Recovery Service で設定されている場合はデータベースから Amazon S3 に直接、ACD のバックアップが Object Storage を使用する場合は Object Storage に直接送信される Oracle データベースバックアップです。長期バックアップは、ACD レベルで定義されたバックアップ保持ポリシー (期間) を超えて保持されます。長期バックアップの作成時に、90 日から 10 年の範囲で保持期間を指定できます。

Oracle Database@AWS は、Autonomous Database on Dedicated Infrastructure のユーザー管理バックアップをサポートしていません。OCI コンソールから長期バックアップを有効にする方法は Backup Autonomous AI Database を参照してください。

バックアップの種類

バックアップの種類は、データベースサービスと保存先によって異なります。フル、増分、累積増分の各バックアップの違いを理解すると、ユースケースに最適なオプションを選択しやすくなります。

フルバックアップ: バックアップ時点のデータベース内のすべてのデータブロックを取得するバックアップ。
増分バックアップ: 直近のバックアップ (フルまたは増分) 以降に変更されたブロックのみを取得するバックアップ。
累積増分バックアップ: 間に何回増分バックアップが取得されたかにかかわらず、最後のフルバックアップ以降に変更されたすべてのブロックを取得するバックアップ。

プラットフォーム バックアップ操作 バックアップ先 バックアップタイプ RPO
ADB-D 自動 Object Storage 週次フル、日次増分、アーカイブログは 15 分ごと 15 分
Amazon S3 週次フル、日次増分、アーカイブログは 15 分ごと 15 分
Autonomous Recovery Service 初回フル、以降は増分のみ、アーカイブログは 15 分ごと。 15 分
手動 Object Storage 累積増分 該当なし
Amazon S3 累積増分 該当なし
Autonomous Recovery Service 増分 該当なし
長期バックアップ Object Storage フル 該当なし
Amazon S3 フル 該当なし
ExaDB-D 自動 Object Storage 週次フル、日次増分、アーカイブログはデフォルトで 30 分ごと (15 分に短縮可能)。 30 分
Amazon S3 週次フル、日次増分、アーカイブログはデフォルトで 30 分ごと (15 分に短縮可能)。 30 分
Autonomous Recovery Service 初回フル、以降は増分のみ、アーカイブログは 30 分ごと。リアルタイムデータ保護を有効にすると REDO ログがリアルタイムでストリーミングされ、1 秒未満の RPO を実現 リアルタイムデータ保護ありの場合、RPO は 1 秒未満。なしの場合は 30 分。
手動 Object Storage フル 該当なし
Amazon S3 フル 該当なし
Autonomous Recovery Service 増分 該当なし
長期バックアップ 非サポート 該当なし 該当なし

ADB-D でのデータベースクローン:

Autonomous Database は柔軟なクローン機能を提供しており、ソース環境に影響を与えることなく、開発、テスト、分析、データ移動のシナリオ向けに新しいデータベースインスタンスを迅速に作成できます。クローンは、既存データベースの状態に基づきつつ論理的に独立した新しい Autonomous Database を作成します。

フルクローン: すべてのデータ、メタデータ、設定を含むソースデータベースの完全なコピーを作成し、オリジナルとまったく同じように動作する完全なレプリカを作成します。

メタデータクローン: 一方、メタデータクローンは、オブジェクトに保存されているデータを含めず、データベースのメタデータ (スキーマ、テーブル、ユーザー、ロール、その他の構造定義) のみをコピーします。メタデータクローンは、ストレージ消費とクローン作成時間を最小限に抑えつつ、開発やテスト用のスキーマのみの一貫した環境を迅速に作成するのに最適です。

Oracle データベースサービス 方式 データベースインスタンス バックアップのポイントインタイム リストからのバックアップ 最新バックアップのタイムスタンプ
Oracle Autonomous AI Database on Dedicated Exadata Infrastructure ADB フルクローン 対応 対応 対応 対応
ADB メタデータクローン 対応 非対応 非対応 非対応
ACD フルクローン ACD 内のすべての ADB 非対応 非対応 対応

データベースのリストアオプション

このセクションでは、前述のバックアップからのさまざまなデータベースリストアオプションを見ていきます。Autonomous Database on Dedicated Infrastructure には以下のリストアオプションがあります。

  1. 自動バックアップからのリストア
  2. 手動バックアップからのリストア

以下のいずれかのオプションでデータベースをリストアできます。

  • 特定のバックアップを使ったデータベースのリストア
  • OCI コンソールからタイムスタンプを使ったポイントインタイムリカバリ
  • OCI コンソールから特定の System Change Number (SCN) を使ったデータベースのリストア

リストア実行中、データベースは使用不可 (unavailable) 状態になります。この状態のデータベースには接続できません。使用不可状態でサポートされるライフサイクル管理操作は終了 (terminate) のみです。リストア操作が完了すると、データベースはリストア前と同じ状態で開かれます。3 種類のリストア (SCN 指定、タイムスタンプ指定、特定バックアップ指定) のいずれでも、リストア完了時に SCN が返されます。

Oracle データベースサービス 方式 選択したバックアップへのリストア タイムスタンプへのリストア SCN へのリストア インプレース/アウトオブプレースリストア
Oracle Autonomous AI Database on Dedicated Exadata Infrastructure 自動バックアップからのリストア (PITR をサポート) 対応 対応 対応 インプレース
手動バックアップからのリストア 対応 該当なし 該当なし インプレース
長期バックアップからのリストア 対応 該当なし 該当なし アウトオブプレース
Amazon S3 および OCI OSS ベースの自動バックアップからのクロスリージョンリストア 対応 該当なし 該当なし アウトオブプレース

組み込みのセキュリティと暗号化

Transparent Data Encryption (TDE) は、データベースのデータファイルだけでなく、データベースから作成されるすべてのバックアップも保護します。TDE はデフォルトで有効であり、Autonomous Database と Exadata Database では必須です。OCI Object Storage、Amazon S3、Autonomous Recovery Service のいずれに保存されるバックアップも、データベースを保護するのと同じ TDE マスター暗号化キーで自動的に暗号化されます。TDE マスターキーは以下の 2 つの方法のいずれかで管理できます。

  • Oracle 管理キー
  • カスタマー管理キー:
      • OCI Vault
      • AWS Key Management Service (AWS KMS) (ExaDB-D のみサポート)
      • Oracle Key Vault (OKV)

Oracle 管理キー

Oracle 管理キーでは、データベースブロックとバックアップの暗号化に使用される TDE マスターキーを Oracle が自動的に作成、ローテーション、保護します。

バックアップへの影響:

  • Object Storage、S3、Recovery Service に保存されるすべてのバックアップは、デフォルトで完全に暗号化されます。
  • Oracle 管理の TDE マスターキーへのアクセスなしにバックアップデータを復号することはできません。
  • キーのライフサイクル管理の運用負荷をゼロにしたいお客様に最適です。
  • すべてのバックアップ先で機能します。

カスタマー管理キー

(OCI Vault または AWS KMS) OCI Vault、Oracle Key Vault (OKV)、または AWS KMS を使って TDE マスターキーを自分で管理することもできます。

バックアップへの影響:

  • データベースは、お客様が管理する TDE マスターキーですべてのバックアップデータを暗号化します。
  • バックアップへのアクセスには Vault または KMS キーへのアクセスが必要となり、暗号化、ローテーション、無効化、削除を完全にコントロールできます。
  • キーを無効化または削除すると、関連するすべてのバックアップが即座に読み取り不能になります。コンプライアンスには有効ですが、慎重なガバナンスが必要です。
  • 強力な監査性とエンタープライズセキュリティポリシーへの準拠を実現します。

料金

各バックアップ先のバックアップコストの最新の料金情報は、Oracle Database@AWS の料金ページを参照してください。

Amazon S3 をバックアップ先とする場合、VPC Lattice 経由のデータ転送コストが発生します。詳細は Amazon VPC Lattice の料金ページを参照してください。

Recovery Service は消費量の計算に virtualized GB (vGB) を使用します。これは、暦月中に週次フルバックアップ、日次増分バックアップ、アーカイブ REDO ログバックアップが使用するストレージ消費量の合計です。

ベストプラクティス

  • Oracle は、運用効率のため、特に本番環境では自動バックアップの設定を推奨しています。
  • ビジネス要件に応じてバックアップ保持期間を設定し、保持期間を定期的に見直して必要に応じて調整してください。
  • ExaDB-D デプロイメントでは、パフォーマンスへの影響を軽減するため、システムのアクティビティが最小限になる業務時間外にバックアップウィンドウをスケジュールしてください。
  • 厳格なバックアップの不変性 (イミュータビリティ) 要件には、保持ロック付きの保護ポリシーを使い、作成から保持期間の終了までバックアップを保護してください。Recovery Service をバックアップ先とする Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure では、特権ユーザーであっても早期削除の可能性を排除できます。
  • Autonomous AI Database では、組み込みのクローン機能 (フルクローンまたはメタデータクローン) を使って非本番環境をリフレッシュしてください。
  • ExaDB-D デプロイメントでは、手動およびユーザー管理バックアップを見直し、不要であれば削除してください。
  • 90 日から 10 年の長期保持が必要なデータには長期バックアップを取得してください。
  • Oracle データベースでほぼゼロの RPO を実現するには、Autonomous Recovery Service のリアルタイムデータ保護機能を使用してください。データベーストランザクションと REDO ログをリアルタイムで Recovery Service に継続的に転送し、潜在的なデータ損失を 1 秒未満に抑え、任意の時点への迅速なリカバリを可能にします。リアルタイムデータ保護は追加コストのオプションです。
  • Autonomous AI Database では、OCI Object Storage を使った低コストの DR (災害復旧) ソリューションとしてクロスリージョンバックアップを有効にしてください。
  • 保持ロックを有効にすると、すべての ACD および Autonomous AI Database のバックアップ (長期バックアップを含む) が保持期間の全期間にわたって保持されます。保持期間が終了するまでこれらのバックアップは削除できません。この設定の無効化には 14 日間の猶予期間があります。
  • Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure で Data Guard を使って Maximum Availability Architecture Gold 以上を構成している場合、ベストプラクティスとしてコスト最適化のためスタンバイインスタンスのバックアップを無効化してください。ストレージコストの重複を回避でき、バックアップはプライマリインスタンスから取得できます。また、プライマリとスタンバイの両インスタンスでバックアップ先を同一にする必要があります。

まとめ

本記事では、Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure と Oracle Autonomous AI Database on Dedicated Exadata Infrastructure の両方で利用できる Oracle Database@AWS (ODB@AWS) のバックアップとリカバリ機能を包括的に解説しました。自動、手動、ユーザー管理、長期の各バックアップオプションと、Amazon S3、OCI Object Storage、Autonomous Recovery Service といったサポートされるバックアップ先について説明しました。

また、保持ポリシー、リストアシナリオ、ポイントインタイムリカバリ (PITR) のオプションも確認しました。これにより、組織の RPO と RTO の目標に合わせた堅牢なデータ保護と災害復旧 (DR) 戦略を設計できます。AWS ネイティブ統合と Oracle 管理の自動化を活用することで、運用のシンプルさとスケーラビリティを維持しながら、データの耐久性、セキュリティ、事業継続性を高められます。

まずはワークロード要件に最適なバックアップオプションを設定し、リストアプロセスを検証し、環境でのリカバリパフォーマンスを評価してみてください。経験、フィードバック、学びをコメント欄でぜひ共有してください。

著者について

Javeed Mohammed

Javeed Mohammed

Javeed は、Amazon Web Services (AWS) のシニアデータベーススペシャリストソリューションアーキテクトです。Amazon RDS チームで Oracle や Db2 などの商用データベースエンジンを担当し、お客様の AWS でのリレーショナルデータベースワークロードの設計、デプロイ、最適化を支援しています。

Nishanth Sodum

Nishanth Sodum

Nishanth は、Oracle のシニアプリンシパルソリューションアーキテクトで、Oracle Cloud Infrastructure プロダクトマネジメント組織に所属しています。マルチクラウドソリューションの推進と Oracle Database @ Hyperscalers の成長に注力しています。

Karthik Gopalakrishnan

Karthik Gopalakrishnan

Karthik は、AWS のシニアテクニカルプロダクトマネージャーとして、エンジニアリング、GTM、セールス・マーケティングの各チームと連携し Oracle Database@AWS の提供を担当しています。お客様のニーズと課題を製品ソリューションに変えることに情熱を注いでいます。


この記事は Solutions Architect の 矢木 覚が翻訳しました。