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新機能 – Amazon EFS Intelligent-Tiering がアクセスパターンの変化に応じてワークロードのコストを最適化

Amazon Elastic File System (Amazon EFS) では、Amazon EFS 標準および Amazon EFS 標準 – Infrequent Access (EFS 標準 – IA) の 2 つの標準ストレージクラスと、Amazon EFS 1 ゾーン および Amazon EFS 1 ゾーン – Infrequent Access (EFS 1 ゾーン – IA) の 2 つのワンゾーンストレージクラスといった 4 つのストレージクラスを提供しています。標準ストレージクラスは、複数のアベイラビリティーゾーン (AZ) 内および複数のアベイラビリティーゾーンにまたがってデータを保存します。1 ゾーンストレージクラスは、マルチ AZ の回復力を必要としないワークロードのために、標準ストレージクラスを使用するファイルシステムと比較して 47% 低い料金で、単一の AZ 内にデータを冗長的に保存します。

EFS 標準および EFS 1 ゾーンストレージクラスは、低レイテンシーを実現するためにパフォーマンスが最適化されています。Infrequent Access (IA) ストレージクラスは、毎日アクセスされないファイル用にコストが最適化されています。EFS ライフサイクル管理を使用すると、ライフサイクルポリシー期間 (7 日間、14 日間、30 日間、60 日間、または 90 日間) 中にアクセスされていないファイルを IA ストレージクラスに移動できます。これにより、EFS 標準および EFS 1 ゾーンストレージクラスと比較して、それぞれストレージのコストが最大 92% 削減されます。

IA ストレージクラスによって提供されるコストの削減はお客様の間で好評を博していますが、お客様からは、アクセスパターンが変化し、IA に移行したファイルが頻繁にアクセスされるようになった場合に、予期しないデータアクセス料金が発生しないようにしたいとのお声もいただいています。IA ストレージクラスとの間におけるデータの読み取りまたは書き込みには、アクセスごとにデータアクセス料金が発生します。

2021 年 9 月 2 日、Amazon EFS Intelligent-Tiering を発表します。これは、運用上のオーバーヘッドなしで、データアクセスパターンが変化したときに共有ファイルストレージのコストを自動的に最適化する新しい EFS ライフサイクル管理機能です。

EFS Intelligent-Tiering を使用すると、ライフサイクル管理はファイルシステムのアクセスパターンをモニタリングし、ファイルシステムが使用するのが EFS 標準か、EFS 1 ゾーンストレージクラスかに応じて、EFS 標準または EFS 1 ゾーンから EFS 標準 – IA または EFS 1 ゾーン – IA に、ライフサイクルポリシーの期間中アクセスされていないファイルを移動します。ファイルに再度アクセスすると、そのファイルは EFS 標準または EFS 1 ゾーンストレージクラスに戻されます。

EFS Intelligent-Tiering は、ワークロードファイルのデータアクセスパターンが変化した場合でも、コストを最適化します。お支払いいただくのはストレージクラス間の移行のためのデータアクセス料金のみであるため、無制限のデータアクセス料金について心配する必要はありません。

EFS Intelligent-Tiering の開始方法
EFS Intelligent-Tiering の使用を開始するには、AWS マネジメントコンソールを使用してファイルシステムを作成し、ライフサイクル管理を有効にし、2 つのライフサイクルポリシーを設定します。

[Transition into IA] (IA に移行) オプションを選択して、アクセス頻度の低いファイルを IA ストレージクラスに移動します。ドロップダウンリストから、7 日間、14 日間、30 日間、60 日間、または 90 日間のライフサイクルポリシーを選択できます。さらに、[Transition out of IA] (IA から移行) オプションを選択し、[On first access] (最初のアクセス時) を選択して、アクセス時にファイルを EFS スタンダードまたは EFS 1 ゾーンストレージクラスに戻します。

既存のファイルシステムの場合は、ファイルシステムの [Edit] (編集) ボタンをクリックして、ライフサイクル管理と EFS Intelligent-Tiering を有効化または変更できます。

また、PutLifecycleConfiguration API アクションまたは put-lifecycle-configuration コマンドを使用して、ライフサイクル管理を有効にしているファイルシステムのファイルシステム ID と EFS Intelligent-Tiering の 2 つのポリシーを指定できます。

$ aws efs put-lifecycle-configuration \
   --file-system-id File-System-ID \
   --lifecycle-policies "[{"TransitionToIA":"AFTER_30_DAYS"},
     {"TransitionToPrimaryStorageClass":"AFTER_1_ACCESS"}]"
   --region us-west-2 \
   --profile adminuser

次のレスポンスを受け取ります。

{
  "LifecyclePolicies": [
    {
        "TransitionToIA": "AFTER_30_DAYS"
    },
    {
        "TransitionToPrimaryStorageClass": "AFTER_1_ACCESS"
    }
  ]
}

EFS Intelligent-Tiering を無効にするには、[Transition into IA] (IA に移行) および [Transition out of IA] (IA から移行) オプションの両方を [None] (なし) に設定します。これにより、ライフサイクル管理が無効になり、ファイルは存在しているストレージクラスに残ります。

EFS Intelligent-Tiering を無効にした時点でストレージクラス間で既に移動を開始しているファイルは、新しいストレージクラスへの移動を完了します。移行ポリシーは、互いに独立して無効にできます。

詳細については、Amazon EFS ユーザーガイドの Amazon EFS lifecycle management を参照してください。

今すぐご利用いただけます
Amazon EFS Intelligent-Tiering は、Amazon EFS が利用可能なすべての AWS リージョンで利用できます。詳細については、毎年開催されており、今年で 3 回目となる参加料無料の AWS Storage Day 2021 に今すぐ参加して、AWS Twitch チャネルでのライブストリームをご視聴ください。

Amazon EFS の AWS フォーラム、または通常の AWS Support 担当者を通じてフィードバックをお寄せください。

Channy

原文はこちらです。