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re:Invent 製造業向けの振り返り – もはや開発者だけのイベントではありません!

また一つ re:Invent が閉幕し、参加されたお客様は、期間中、技術セッションで学習し、インタラクティブなデモを巡り、仲間とネットワーキングし、re:Play セレブレーションでの楽しんだりと、忙しい1週間を過ごされたと思います。 新しいサービス、機能、ソリューションに関する素晴らしいアナウンスがあり、これらは製造業の企業がクラウドでのデジタルトランスフォーメーションの旅を加速し、パイロット状態の先にあるスケーラブルなビジネス変革のイニシアチブへの移行に役立ちます。 今回のイベントには製造業の経営層や一般参加者も多く参加され、このイベントが「ただの」開発者に向けたものという概念がなくなったことを示しています。

注目のセッションを視聴する

ライブストリームされた基調講演セッションを見逃された場合は、CEO の Adam Selipsky の基調講演をチェックすることをおすすめします。彼はクラウドトランスフォーメーションについての視点を共有し、データ、インフラストラクチャ、人工知能と機械学習の分野のイノベーションを強調しました。 これらの進歩により、AWS のお客様は目標をより速く達成し、未開拓分野の可能性を掘り下げ、より良い未来を創造することができます。

Adam の基調講演に続いて、製造・自動車担当 Vice President の Wendy Bauer がイノベーショントークを発表しました。 彼女は、自動車、航空宇宙、民生エレクトロニクスなどの業界の企業が、クラウドテクノロジーを使用してビジネスの運用を最適化し、上市までの時間を短縮し、新しいビジネスアプローチによって新しい収益源を生み出す方法について説明しました。 Siemens Digital Industries Software の社長兼 CEO である Tony Hemmelgarn が AWS 上で動作する Xcelerator 産業ソフトウェアポートフォリオを使用してイノベーションを起こす方法について語りました。本田技研工業のコネクテッドソリューション開発本部長の野川忠文氏、アメリカ HONDA のサステナビリティ・ビジネス開発担当 Vice President の Jay Joseph と Wendy が、AWS でのソフトウェア定義 (Software Defined) のモビリティと電動化における本田との取り組みについて語り合いました。

エマージングテックのイノベーショントークでは、AWS のエンジニアリング担当 Vice President の Bill Vass と Siemens Factory Automation の CEO Rainer Brehm が OT における課題、特にデータのアクセシビリティと IT との統合について説明しました。 また、Siemens Industrial Edge Marketplace で利用可能な AWS IoT SiteWise Edge を発表し、生産現場からクラウドへの OT データフローを容易にすることを発表しました。これに関連するブレークアウトセッションで、AWS IoT Industrial Edge のヘッド Nicolas Pouyez と Siemens Factory Automation のエッジエコシステム担当 Vice President の Torben Poertner が、AWS と Siemens の新しい提携について説明しました。産業機器データの AWS クラウドへの送信を簡単にし、取り組みの加速とコスト削減に役立つ AWS と Siemens の提携の詳細については、Accelerate shop floor digitization with edge-to-cloud data integration (IOT215) のセッション録画やブログアナウンスをご確認ください。

月曜日には、Peter DeSantis が AWS サービスを支えるエンジニアリングに深く掘り下げました。 AWS のユニークなアプローチとイノベーション文化が、シリコンからサービスに至る全領域にわたって、パフォーマンスやコストを犠牲にすることなく、最先端のソリューションを作成する方法を詳しく紹介しています。

水曜日には、データと AI 担当の Vice President である Dr. Swami Sivasubramanian が、目の前で繰り広げられている、人間・データ・AI のパワフルな関係について探求しました。 生成系 AI は生産性と創造性を新しい方法で高めていますが、その背後は大量のエンタープライズデータと人間の知性が推進しています。 Swami は、企業が独自の生成系 AI アプリケーションを構築し、組織全体の従業員の生産性を加速するためにどうデータを使用するかについて説明しました。 登壇されたお客様は、生成系 AI ユースケースをサポートし、顧客に新しいエクスペリエンスを提供するためのデータ活用の実例について詳しく説明されました。

木曜日に最高技術責任者の Dr. Werner Vogels は、回復力がありコストを意識したアーキテクチャ設計のベストプラクティスを強調し、人工知能は、システムを開発する際にすべてのビルダーが考慮すべきものであること、そしてそれが世界に及ぼす影響についても説明しました。

すべての基調講演とイノベーションセッションの録画をここでチェックしてください。

製造業のお客様は多くのセッションに参加されていますが、以下のリストは、現在製造業のお客様に最も人気のあるトピックをまとめたものです。

サービス、機能、ソリューションのリリース

re:Invent の直前からイベント期間中、AWS のイノベーションはまるで鳴り続けるドラムロールのようでした。まず、製造業や産業企業に適用できる、いくつかのサービスと拡張機能をリリースしました。なぜそれらが重要なのか、読み解いていきましょう。

以前のブログで、生成系 AI には新しい製品デザインを作り出す可能性、これまでにないレベルで製造生産性を高める可能性、サプライチェーン アプリケーションを最適化する可能性があると説明しました。期間中、いくつかの生成系 AI 関連のサービスと機能をリリースしましたが、最も注目すべきは Amazon Q (プレビュー)です。Amazon Q は、企業の情報リポジトリ、コード、エンタープライズ システムにあるデータと専門知識を使用して、急ぎの質問に対して迅速で関連性の高い回答を得て、問題を解決し、コンテンツを生成や、業務上のアクションを実行するのに役立ちます。Amazon Q とチャットすると、業務の効率化、意思決定のスピードアップ、職場での創造性とイノベーションの促進に役立つ、タイムリーな関連情報とアドバイスを提供します。開発者と IT 専門家にとって、Amazon Q は AWS 上でアプリケーションやワークロードを構築、展開、運用する方法を変革します。Amazon Q は AWS Well-Architected フレームワークのパターン、ベストプラクティス、ドキュメント、ソリューションの実装についてのエキスパートであり、製造業の企業が新しいサービスと機能を知り、すぐに使い始め、新しいテクノロジーを学習し、ソリューションを設計し、トラブルシューティングを行い、アプリケーションをアップグレードするのが容易になります。また、機械学習のトレーニング時間とコストを低減し、エネルギー消費量を削減する AWS Graviton4 と AWS Trainium2 もリリースしました。さらに、Amazon SageMaker HyperPod もリリースしました。これは、大規模なトレーニング コンピュートクラスターを管理し最適化する際の大掛かりな作業を減らし、基盤モデル (FM) のトレーニングを加速させるためのものです。SageMaker HyperPod を使えば、週や月にわたる FM のトレーニングでも中断することなく実行できます。

産業用 IoT と機械学習の新たな発表

AWS IoT SiteWise は、産業機器からのデータを大規模に収集、保存、整理、監視することを簡単にするマネージド サービスであり、より良いデータ駆動型の意思決定を支援します。新たに AWS パートナーの Domatica との統合を通じて、10 種類の産業プロトコル (Modbus (TCP & RTU)、Ethernet/IP、Siemens S7、KNX、LoRaWAN、MQTT、Profinet、Profibus、BACnet、Rest インターフェイス) に対するサポート追加の一般利用可能 (GA) を発表しました。これは、ネイティブでサポートしている OPC UA に追加されるものです。そして、機器データの取り込みと保存のコスト削減を目的とした、アセットモデルコンポーネントアセットの一括インポートLookout for Equipment との統合バッファされた取り込みユーザー定義の一意の識別子クエリ API/SQL、新しいウォームストレージ階層などの、新たな拡張機能も発表しました。また、工場のエッジに導入されるオンプレミスソフトウェアの AWS IoT SiteWise Edge を、Siemens Industrial Edge マーケットプレイスから直接展開できるようになったと発表しました。これにより、産業機器のデータを AWS クラウドに送信することを簡単にし、時間を短縮し、コストを削減できます。このブログは、AWS IoT SiteWise でリリースされた全機能のまとめを提供しており、お客様が価値を見出すまでの時間短縮に役立ちます。

また、AWS IoT TwinMaker の拡張機能を発表しました。これにより、顧客はデジタルツインをさらに迅速かつ効率的にモデル化し、展開し、大規模に拡大することできます。メタデータの一括操作(インポート、エクスポート、更新など)、より大きなエンティティ数とコンポーネント数をサポートする AWS IoT TwinMaker サービスクォータの引き上げ、複雑なコンポーネントタイプを構築するための柔軟性と効率性を提供する新しい複合コンポーネントタイプが含まれます。Amazon Monitron も新しい Amazon Monitron Ex 定格センサーで進化を遂げています。これは、危険な環境向けの本質安全 (Intrinsically Safe) な製品です。

サプライチェーンのリリース

昨年の re:Invent では、製造業のお客様にとって重要なサプライチェーン領域を支援するために、AWS Supply Chain をリリースしました。今年、AWS Supply Chain は4つの新機能を発表しました: サプライプランニング、N 階層の可視化、サステナビリティ、AWS Supply Chain における Amazon Q (プレビュー)です。これらの新機能は、サプライヤや取引先からの原材料や部品の調達と移動を含む、サプライチェーンの上流部分を最適化します。加えて、EDI ベースのビジネスクリティカルな取引をスケールして自動化する AWS B2B Data Interchange をリリースしました。B2B Data Interchange は、取引先との EDI の構築と管理にかかる時間や、複雑さ、コストを削減し、取引データから洞察を得ることに集中できるようにします。
もう一つの産業機器メーカーに有意義なサービス発表は、AWS Clean Rooms ML (プレビュー)です。これは、産業機器メーカーとそのエンドユーザ製造業者が、生データを共有することなく、プライバシー保護を行いながら ML を適用して予測に基づくインサイトを生成できるようにすることができます。この機能でサポートされる最初のモデルは、企業が類似セグメントのデータ作成を支援するために開発されています。 AWS Clean Rooms ML の類似モデリングを使用すれば、自社のデータを使用してカスタムモデルをトレーニングし、パートナーに少量のレコードサンプルをコラボレーションに持ち込んでもらい、基礎となるデータを保護しながら、類似レコードのセットを拡大生成することができます。

ストレージとハイパフォーマンスコンピューティングのリリース

データへのアクセス速度を S3 Standard クラスに比べ10倍改善し、リクエストコストを50%削減できる Amazon S3 Express One Zone ストレージクラスをリリースしました。これは、一貫して1桁ミリ秒のリクエストレイテンシを必要とするパフォーマンス重視のアプリケーション向けに設計された最速のクラウドオブジェクトストレージです。
Amazon WorkSpaces Thin Client が一般提供開始となりました。これは、幅広いエンドユーザーにコスト効率の良い安全な仮想デスクトップへのアクセスを提供し、エンドユーザーと IT スタッフの生産性を向上させます。エンドユーザーはデバイス上のガイド付きデプロイメントエクスペリエンスを使用してエンドポイントデバイスの設定と仮想デスクトップへの接続を数分で完了でき、IT からの追加の支援を必要としません。 re:Invent の直前には、 Research and Engineering Studio on AWS (RES) もリリースしました。これは管理者がセキュアなクラウドベースの研究・エンジニアリング環境を作成し管理するための、オープンソースの使いやすい Web ベースのポータルです。RES を使用すると、科学者やエンジニアはクラウドの専門知識を必要とせずに、データの可視化やインタラクティブアプリケーションの実行が可能です。 最後に、AWS は3つ種類の新しい Amazon EC2 インスタンスを導入しました: NVIDIA H200 Tensor Core GPU で動作する P5e インスタンスは、大規模かつ最新の生成 AI および HPC ワークロード向けです。NVIDIA L4 GPU とNVIDIA L40S GPU でそれぞれ動作する G6 および G6e インスタンスは、AI ファインチューニング、推論、グラフィックス、映像ワークロードなど、幅広いアプリケーション向けです。

終わりに

今年の re:Invent では、AWS のイノベーションが製造業のデジタルトランスフォーメーションを加速し、ビジネスを最適化するのにどう役立つかが示されました。また、開発者中心のカンファレンスから、製造バリューチェーン全体を対象としたイベントへの移行も印象的でした。本年のイベントに参加できなかったお客様は、次回の re:Invent がネバダ州ラスベガスで 2024年 12 月 2 日から 6 日の日程で開催されることを楽しみにしてください!

Scot Wlodarczak

Scot Wlodarczak

Scot は 2018 年 7 月に AWS に入社し、現在は製造業のマーケティング活動を管理しています。Scot はこれまで、シスコとロックウェル・オートメーションに勤務し、インダストリアル・マーケティング・マネージャーおよびリージョナル・マーケティング・リーダーを務めました。 Scot は、デジタル変革の過程にある産業界の顧客へのマーケティングと、IT と OT のギャップを埋めることに重点を置いてきました。 彼は幅広い業界でオートメーションの経験があります。 Scot は、ニューヨーク州立大学バッファロー校で機械工学の学位を、コロラド大学で経営学の修士号を取得しています。 コロラド在住。

本記事は AWS ブログ re:Invent wrap up for manufacturing – not only for developers anymore!を翻訳したものです。翻訳はソリューションアーキテクトの山本が担当しました。