Amazon Web Services ブログ

Security Hub Extended が 10 番目のカテゴリとしてサプライチェーンセキュリティを追加

本ブログは 2026 年 8 月 18 日に公開された AWS Blog “Security Hub Extended adds Supply Chain Security as its tenth category” を翻訳したものです。

今年 2 月以降、AWS は AWS Security Hub Extended を、9 カテゴリにわたる厳選された 14 パートナーから、10 カテゴリ 23 パートナーへと拡大してきました。今月の Black Hat では、そのうち 14 パートナーが Amazon Web Services (AWS) ブースでライブデモを実施しました。4 パートナーがシアタートークを行い、10 パートナーが SecurityLive のストリーミング配信で紹介されました。また、AWS のリーダーシップとパートナー企業の経営陣が一堂に会し、今後の計画を話し合うパートナーレセプションも開催しました。これらの企業は、AWS とともに、そして次第にパートナー同士でも、エンジニアリングと市場開拓 (GTM) に本格的に投資しています。このモデルが、パートナーが日々接しているお客様から支持されているからです。ブースで最も多く寄せられた質問は、サプライチェーンセキュリティはいつ提供されるのか、というものでした。

その提供が始まりました。サプライチェーンセキュリティはカテゴリとして最も多くのお問い合わせをいただいているため、今回はこの話題を中心にお伝えします。

サプライチェーンセキュリティ: お客様が求め続けてきたカテゴリ

ソフトウェアサプライチェーンのリスクは、セキュリティチームの懸念事項から、取締役会レベルの議題へと変わりました。SolarWinds の事例は、ビルドシステムが侵害されると何が起きるかを明らかにしました。Log4j の事例は、たった 1 つの推移的依存関係の脆弱性が世界規模で何を引き起こすかを示しました。xz utils のバックドアの事例は、メンテナーを侵害する攻撃が何年もかけて実行される執拗さを浮き彫りにしました。それぞれが同じ問題の異なる側面を示しており、そのペースは加速しています。攻撃者は、企業が知らず知らずのうちに信頼しているオープンソースパッケージこそが、企業への近道であることを知っています。

Black Hat で話をしたすべてのお客様が、この問題をリスク登録簿に載せていました。しかし、その多くはまだ解決策を運用に落とし込めていませんでした。運用化には、個別のデプロイ、新しい契約、新しいコンソール、そしてセキュリティチームが優先順位を上げられない統合作業が必要だったからです。AWS が取り除こうとしているのは、まさにこうした導入の手間です。

Security Hub Extended では、厳選されたパートナーとして Chainguard と Socket によるサプライチェーンセキュリティの提供を開始しました。サプライチェーンセキュリティは、Extended の他のすべてと同じモデルを採用しています。すべてのオファリングが従量制料金で、請求は 1 つにまとまり、長期契約は必須ではありません。これまでどおりの調達プロセスを継続したい企業向けには、Security Hub Extended のプライベートオファーも利用できます。プライベートオファーは、一定期間の利用をコミットする契約で、より大きな割引が適用され、複数パートナーへの支出を単一の AWS 請求に集約でき、契約期間を通じて月払いと年払いのどちらの支払いオプションも選択できます。お客様の購買プロセスに合った方法を選択できます。

Chainguard の役割

Chainguard は、強化・検証されたビルドプロセスでソースから再ビルドしたオープンソースの依存関係を提供します。これにより、お客様の環境に入ってくるものは、マルウェアに強く、来歴 (プロベナンス) に裏付けられたものになります。同社の調査によると、ソースからの再ビルドを行っていれば、既知の悪意あるパッケージの 98% が本番環境に到達するのを防げたとされています。ソースを検証できないものは、Chainguard のリポジトリに一切登録されません。これが、パブリックレジストリと開発者の間のフィルターとなります。

Socket の役割

Socket は、オープンソースパッケージの実際の挙動を分析し、インストール時点で悪意ある依存関係をブロックします。数日から数週間後に CVE (Common Vulnerabilities and Exposures) が公開されるのを待つのではありません。パッケージがお客様の環境に入り込もうとしたその瞬間に、Socket はデータベースの情報ではなくパッケージの挙動そのものに基づいて検知します。さらに、到達可能性分析によって、どの脆弱性がお客様のコードから悪用可能かがわかるため、チームがノイズに埋もれることがありません。料金は、チェックする個別のパッケージ数に基づき、ビルドの実行回数には依存しません。

2 社が連携して機能する理由

Chainguard と Socket を組み合わせることで、重要な 2 つの問いに対応できます。

  • 取り込むものを信頼できるか
  • 悪意あるコンポーネントがアプリケーションに組み込まれる前に阻止できるか

Chainguard はコードが構築される基盤の保護を支援し、Socket はそこに取り込むパッケージを保護します。両者は、クラウドでもオンプレミスでも、デプロイ先を問わずソフトウェアサプライチェーンの保護に役立ちます。Security Hub Extended を通じて両方を有効化すると、その検出結果は OCSF (Open Cybersecurity Schema Framework) 形式で他のすべての情報とともに Security Hub に流れ込みます。これにより、サプライチェーンのリスクは、エンドポイント、アイデンティティ、クラウドの各シグナルと並べて相関付けられ、優先順位付けされます。そこから、すでに統合済みの下流ツールへとルーティングされるため、開発者が現在使っているパイプラインにそのまま適合します。

23 パートナー、10 カテゴリ。お客様の要望に基づいて構築

Security Hub Extended のすべてのパートナーは、お客様がその機能を必要としていると伝えてくれたこと、そしてその特定のソリューションがすでにお客様のもとで機能していたことを理由に参加しています。脅威の状況が進化するためカテゴリを追加し、それらの問題をうまく解決している企業をお客様が教えてくれるためパートナーを追加しています。目標はシンプルです。すでにお持ちの AWS との取引関係を通じて、同業他社がすでに成果を上げているセキュリティソリューションの導入を簡素化することです。

現在の対象領域は、エンドポイント、アイデンティティ、E メール、ネットワーク、データ、ブラウザ、クラウド、AI、セキュリティオペレーション、そして新たにサプライチェーンに及びます。23 の厳選されたパートナーは、7AI、Britive、Chainguard、CrowdStrike、Cyera、Island、LayerX、Native Security、Noma、Okta、Oligo、Opti、Palo Alto Networks、Proofpoint、SailPoint、SentinelOne、Socket、Splunk、Sublime、Upwind、Varonis、Zenity、Zscaler です。

AWS が現在注力しているのは、統合を深化させ、有効化にかかる手間を減らすことで、これらのソリューションが個別にではなく連携して機能するようにすることです。そこにこそ、価値が相乗的に高まっていきます。

今後の取り組み

ここまで説明してきたことはすべて、販売モデルが機能していることの表れです。つまり、お客様が期待どおりの柔軟性のもとで、AWS との単一の取引関係を通じてベストオブブリードのセキュリティを購入しているということです。しかし、より大きなビジョンは、これらのツールを単に購入しやすくするだけでなく、組み合わせて使うことで実際に効果が高まる統合レイヤーです。

最も注力している統合は、クロスパートナーの相関付けです。エンドポイントソリューション、アイデンティティソリューション、クラウドソリューションからのシグナルを、相互に関連付けられていない 3 つのアラートではなく、1 つのエクスポージャーと 1 つの攻撃パスにまとめます。これと並行して、有効化、デプロイ、統合にかかる手間を大幅に減らし、お客様がサブスクライブしてから価値を実感するまでの時間を数週間ではなく数時間にすることに取り組んでいます。この 2 つの取り組みにより、お客様がすでに信頼している厳選されたソリューションは、個別に使うよりも連携させることで、より大きな成果をもたらします。

これが、AWS がパートナーとともに今まさに加速している取り組みです。re:Invent に向けて、さらに詳しい情報をお届けする予定です。

利用できるオファリングを確認する

本番環境でオープンソースソフトウェアを運用していて、まだサプライチェーンの可視性を確保できていない場合は、そこから始めてください。今すぐ Security Hub コンソールから Chainguard と Socket を有効化できます。複数のセキュリティベンダーとの関係を管理していて、Security Hub Extended による統合がどのようなものかを知りたい場合は、AWS アカウントチームにご相談ください。すべてのパートナーの料金は料金ページに公開されており、営業担当への問い合わせは不要です。また、すでにセキュリティ態勢管理と脅威検出に Security Hub を使用している場合、Extended プランは現在お使いのコンソールでそのまま利用できます。

これはまだ始まりにすぎません。


Michael Fuller

Michael は AWS に 16 年間在籍し、11 年にわたって AWS セキュリティサービスのプロダクトを率いてきました。業界歴は 29 年で、IBM、Cisco、Amazon においてプロダクトマネジメント、事業開発、ソフトウェア開発のさまざまな役職を歴任してきました。アリゾナ大学でコンピュータ工学の理学士号を、ワシントン大学で MBA を取得しています。

本ブログは Security Solutions Architect の 中島 章博 が翻訳しました。