命を救うための重要なデータを AWS に保存しリアルタイムのアクセスを行う Best Friends Animal Society

Best Friends Animal Society (BFAS) の使命は、ペットが住む場所を失うようなことがない時代をもたらすことです。BFAS は、ペットを迎え入れる体験に変革を起こすことを目指して、30 年以上にわたり包括的なネットワークの構築や、国内のさまざまな地域でのコミュニティベースの救助活動の創成を行いながら、人々がどのようにペットを認識し、つながりを持ち、引き取るのかを変容させるために働いてきました。BFAS に成功をもたらし、革新的な新しいプログラムを推進する力になった重要な要素は、トップダウンでのデータの活用でした。

「幹部レベルがデータに着目したことで、私たちの活動の手法が変化してきたのです」と語るのは、Best Friends Animal Society のシステムエンジニア部門リーダーでクラウドアーキテクトでもある、Brent Bain 氏です。「救命率に関して言えば、以前、私たちが知ることができたのは、国全体のシェルターの 40% 程度の統計情報に留まっていました。データと、その背後のテクノロジーを見直した結果、現在は、86% のシェルターでの救命率に関するデータが得られています。これにより、私たちがサポートイニシアティブや優先順位にアプローチする方法が、大幅に変わりました」。  

BFAS は約 10 年前に、アマゾン ウェブ サービス (AWS) のクラウドで、ウェブサイトのホスティングを開始しました。しかし数年前まで、この組織はミッションクリティカルなアプリケーションとデータベースのほとんどを、オンプレミスで実行していたのです。「私たちには、オンプレミスのフットプリントをアップグレードする計画がありました。ただ、同時にクラウドでの長期的なロードマップも作り上げていました」と Bain 氏。「オンプレミスで直面していたパフォーマンスの問題と、規模拡大の計画を考慮して、ミッションクリティカルなアプリケーションのクラウドへの移行計画を、前倒しすることに決めたのです。Microsoft Azure か AWS を検討した結果、移行先には AWS が選択されました」。 そこでチームは、3 か月間の AWS 移行プロセスを立ち上げます。 

BFAS が初めに AWS に移行する対象としたアプリケーションは、組織内の 100 人を超えるメンバーが日々行う仕事にとって非常に重要なものであり、広告や募金活動にとっては欠くことのできないものであることは明らかでした。ビジネスにとって重要なその性質と、急速に拡大するフットプリントのため、BFAS チームには、アプリケーションとそのデータにとって適切なバックアップソリューションを見つけ出す必要性がありました。そのバックアップソリューションを検討するため、チームは AWS Marketplace にアクセスし、そこですぐに目に付いたのが N2WS だったのです。

N2WS は、APN のアドバンストテクノロジーパートナーであり、バックアップと産業向け復元のソリューションを AWS 向けに提供することに注力している、ソフトウェア企業です。同社の製品は、AWS ネイティブのスナップショットテクノロジーを利用して、エンドツーエンドの全体的なバックアップと、ディザスタリカバリ用のデータ保護ソリューションを提供します。「私は、N2WS のバックアップと復旧ソリューションに関する 30 日間のデモを開始しました。そしてこれは、すぐに上手く機能してくれたのです」と Bain 氏は語ります。「使用を開始してから 30 分で、包括的なバックアップスケジュールの設定が完了し、それ以来、問題なく機能し続けています」。 

図: N2WS が、BFAS の内部および外部ワークロードの AWS への移動を促進した方法

現在、N2WS は、1 回のクリックで行えるクロスアカウントかつクロスリージョンのディザスタリカバリソリューションを、BFAS に対し提供しています。バックアップは、複数の AWS リージョンとアベイラビリティーゾーン (AZ) の間で安全にコピーされています。また、N2WS では、AWS でのデータ管理を向上させコストを削減するためのツールやサポートも、BFAS のような顧客に提供しています。「当社は、お客様がスナップショットをアーカイブし、さらにデータのために異なるストレージを選択できるようにする、新たな方法の模索を続けています」と話すのは、N2WS で製品マーケティングのシニアマネージャーを務める、Katherine Marshall 氏です。「当社は、ユーザーに基本的なバックアップやディザスタリカバリを提供するだけでなく、AWS でデータを管理しコストを最適化する支援も提供する領域に入っています」。 

BFAS が、AWS Marketplace を通じて N2WS の使用を開始した当初から、担当のチームは N2WS とニーズについて緊密に話し合い、このソリューションの使用率は迅速に拡大していきました。

「これまで N2WS は、非営利である私たちの組織に対して、さらにしばしば必要とされるユニークなアプローチに対しても、しっかりと支援してくれています」と Bain 氏。「最近の 1 年半で、私たちと N2WS との関係性は、真のパートナーシップへと進化しました。同社には、気兼ねなく接触して、新しい機能について話し合いことができ、また、知恵を借りることができます」。 

BFAS は、AWS で N2WS を使用することで、本番環境から開発環境に内部ワークロードを同期するためにかかる時間を、数日単位から数時間単位へと短縮しました。IT 部門が作り出した余剰の時間により、動物の生命を救うための付加価値を持つイニシアティブの開発作業に、チームが専念できるようになりました。

「オンプレミスでの同期作業は、退屈な仕事でした。AWS を利用したことで、リソースのスピンアップが瞬時に行えるようになりました。また、N2WS により、すべての同じメタデータを維持しつつ、さらに同じセキュリティグループを使用しながら、サーバーの復旧が簡単に実行できるようになりました」と Bain 氏。「スナップショットは、N2WS が提供するものを使用します。それを開発環境として復元する作業は、約 1 時間ほどで完了します。私たちにとって、これは非常に上手く機能しており、多大な時間の節約ができています」。 N2WS のレポート作成ツールを介して詳細なレポートが生成できることも、非営利である BFAS にとっては非常に重要でした。「AWS で N2WS を使用することで、ワークロードを速やかに復元し、またレポートを作成できます。このレポートは、財務監査員に即座に手渡すことが可能です」とは、Bain 氏の言葉です。「N2WS と AWS は、私たちの要求をすべて満たしており、これにより私自身の仕事も大幅に簡素化されたのです」。 

最近の 6 か月を通じて、BFAS は、AWS アカウントを 3 個から 15 個に増やして、AWS のフットプリントを成長させています。さらに、毎日のように 75～100 個の Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンスを実行しています。BFAS は、内部の Amazon EC2 ワークロードの保護と、内部ワークロードやウェブサイトのサポートをする Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) の保護のために、N2WS を利用しています。同組織では、最近、開発環境での動作のオン/オフを管理するために、NSWS の Resource Control 機能を導入しました。これは、Amazon EC2 にかかる毎月のコストを、直接的に削減することにつながりました。BFAS にとって、戦略パートナーとしての N2WS の存在には終点はありません。「N2WS では、バックアップや復元を超えた新しい機能が継続的にリリースされるので、私たちが AWS の使用を拡大し続ける上でも、常に役割を担ってくれています」と Bain 氏は話します。「同社がイノベーションを継続している様子は、私たちにとっては非常にエキサイティングなものなのです」。

AWS に迅速に移行できること、そして、技術的イノベーションに対する幹部陣からのサポートにも支えられ、現在 BFAS は、AWS テクノロジーの恩恵を活かすための、新たな手法に目を向けています。同組織では、現在サーバーレステクノロジーについて模索しながら、AWS での構築が、部門やチームをまたいだコラボレーションの促進につながることの素晴らしさを実感しています。「クラウドは、私たちの考え方を変革しました。これにはデータに関するものだけでなく、テクノロジーを利用してビジネスの問題に対し広範なアプローチを行う方法も含まれます」。

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)、Amazon Athena、および AWS Glue により AWS でデータレイクを立ち上げるだけで、BFAS のチームは既に、シェルター管理ソフトウェアの中で見つけた新たなデータの恩恵を受けています。国内全体で 2,200 か所を超えるシェルターからリアルタイムでデータを収集し、同時にレポートの生成を行っています。同組織の次のステップは、多数のユースケースに対する機械学習の導入と推論分析の適用です。この目的は、自然災害が襲う前にシェルター移送計画を最適化したり、特定の地域において引き取り手のある動物に明確なパターンが見られるかを特定し、移送計画の作成作業を促進したりすることです。