当社は Stelligent に常々、当社と当社のビジネスモデルにとって合理的かつ他に類を見ない方法で一定の要件にアプローチするよう求めていました。Stelligent はそれに対して信じられないほど弾力的に動き、柔軟性を持って、当社が抱えていた種々の要件に対応することができました。
Patrick Cullen 氏 プリンシパルアーキテクト、ワシントンポスト

アークパブリッシングは、賞を獲得した最先端のデジタルプラットフォームで、現代のパブリッシャーのニーズを満たすために設計されたツールから成るスイートです。ワシントンポストの技術者と設計者によって構築されたアークのテクノロジーは、動画、ウェブ、アプリ、サブスクリプション、広告収益化にわたる複雑な出版と視聴者のニーズに対応し、高度な機械学習と AI を基盤とする一連のツールによって強化された競争力を備えています。アークは、世界中の大小両方のクライアントが、デジタル的な変革を遂げる基盤となってきました。アークはその中核において、読者、ニュース編集室、広告主、開発者にとってのスピードとイノベーションを担っています。

1877 年創業のワシントンポストは、アメリカ国内のみならず世界的にも有名なニュースパブリッシャーです。世界各国の 18 支社に 24 人の特派員を置き、政治ジャーナリズムと国際報道への注力によって知られるワシントンポストの使命は、読者がニュース速報や調査報道に目を向ける最初の場所となることです。経営陣からニュース編集室、技術者までを含むワシントンポストの全社的チームは、重要な記事を効率的に提供するために、読者が求める形で会社が進化する必要があることを理解しています。ワシントンポストにとって極めて重要なステップは、ジャーナリスティックな卓越性を高め、読者の体験全体を強化するために、デジタルテクノロジーを取り込むことでした。

ワシントンポストのプリンシパルアーキテクト Patrick Cullen 氏は、「当社の変革の中で興味深かった点の 1 つは、読者の要求を満たすには、ジャーナリズムにおける卓越性と、テクノロジーにおける卓越性に等しく力を注ぐ必要があると分ったことです」と述べています。「実際のところどちらか一方だけを手に入れることは不可能で、その信念が長年にわたって当社の DNA の一部になっています。私たちはテクノロジーを、伝える必要がある記事を伝え、世界一流のジャーナリズムを革新的な方法で読者に送り届ける手段として利用しています」

ワシントンポストの現場では、ソフトウェア開発に対して、一元管理を減らしつつ組織全体にわたるチームが製品の構築、実験、導入を行えるようになる自律型のアプローチを採用し、ニュース編集室とテクノロジーのチームが強固な協力関係を築くことで、出版業界におけるテクノロジーのイノベーターとして自社の差別化を図っています。組織全体で俊敏性を高め、イノベーションを推進することを目指し、ワシントンポストは社内のアークプラットフォームをアマゾン ウェブ サービス (AWS) 上に構築し、アークのアーキテクチャをモノリシックなコンテンツ管理システム (CMS) 設計から、マイクロサービスベースの設計へと大幅に変更することを選択しました。

「AWS に移行する大きな動機の 1 つは、カスタムソフトウェアを構築し、それに対する作業を非常に短時間のうちに繰り返す人員にとっての俊敏性でした。また、導入を決めたマイクロサービスのアプローチは、俊敏性とイノベーションを重視する当社にとって、自然に行き着くものでした。そうしたことが、当社のチームにとってうまく働いたのです」と Cullen 氏は述べています。AWS のマイクロサービスアーキテクチャへの移行は、ワシントンポストの技術者たちにとって、リードタイムを削減し、製品を改善し続けるためのフィードバックループを強化するため、製品に対する作業を迅速に繰り返す後押しとなりました。

迅速な繰り返しと継続的なイノベーションの重視は、同社が厳しい市場で成功する助けとなりました。同社のソフトウェアエンジニアリングチームは、アークプラットフォーム開発で得た教訓を十分に理解したため、ゼロからテクノロジーを構築するためにワシントンポストが行った投資は、Software as a Service (SaaS) ソリューションとして、世界中のデジタル出版社に多数のメリットをもたらすことができました。

「多くの出版社は進化するために新しい方法でテクノロジーを利用することに価値を見いだしていますが、そうした初期投資を行い、掛け値なく新しいテクノロジーソリューションをゼロから構築することを正当化する方法については、確信を持てないのです」と Cullen 氏は説明しています。「ワシントンポストがアークパブリッシングに投じた投資は、社内的に、また、製品の観点からは、非常に大きなものでした。ですから、他社にとって、それと同レベルの投資を行うことは難しい可能性があります。アークパブリッシングを SaaS ソリューションとして市場に投入する大きな理由として、多くのパブリッシャーが直面するコスト面の障壁を低くするということがありました。私たちは、そうした企業がゼロからテクノロジーを構築せずとも、世界一流のテクノロジーを利用してニュース編集室を運営し、優れたジャーナリズムを提供できるよう努力しています」

仕事の性質上、ワシントンポストでのデータセキュリティ、プライバシー、可用性の要件は非常に重要であり、同社は、アークパブリッシングのクライアント企業も同じ要件と関心を共有していることを認識しています。ワシントンポストのエンジニアリングチームは、イノベーションと俊敏性を重視することに加えて、アークパブリッシングのアーキテクチャ設計の根底をなすものとして、セキュリティ、プライバシー、可用性に取り組みました。

アークパブリッシングの製品ポートフォリオが拡大し、プラットフォームを利用する顧客が増加するにつれて、チームは、AWS 環境におけるガバナンスのレベルを上げるのと同時に、AWS でどのように稼働させれば俊敏性とイノベーションの維持が可能であるかを検討しました。 

この課題に取り組むため、AWS パートナーネットワーク (APN) プレミアコンサルティングパートナーであり、AWS DevOps コンピテンシーパートナーでもある Stelligent に協力を求めました。

Stelligent のチームが、あらゆる業界にわたる顧客に 2 語でアドバイスするとしたら、次のようになるでしょう。

Automate everything (すべてを自動化)。

Stelligent のディレクターで商用部門のセールスを担当する Brian Jakovich 氏は、「当社の差別化要因は、オペレーションとソフトウェアデリバリーの両方を深く理解している点です」と説明します。「当社エンジニアの大多数は、両分野の深い知識を持っており、開発者やオペレーションチームの現実の状況を本当に理解しています。この専門知識と、AWS でのライフサイクル全体に関する理解により、各クライアントのニーズと要件に合わせてカスタマイズした、継続的インテグレーション、継続的デリバリー、DevSecOps パイプラインを構築する特別な能力を備えています」

Stelligent のチームは、ワシントンポストのエンジニアリングチームと、ランチミーティングの対話セッションを実施しました。その後間もなく、Stelligent は、AWS を基盤としたワシントンポストのアーキテクチャ再設計を支援する作業にすばやく着手しました。

ワシントンポストのエンジニアリングチームは、Stelligent のような AWS DevOps コンピテンシーパートナーを使うことに非常に大きなメリットを見いだしました。「私たちは自社チームで、かなり深い AWS の専門知識を持っていました。しかし、最初のランチミーティングで、Stelligent が持っている技術的な深さを見て、DevOps のオートメーションにおける彼らの専門知識は、私たちよりはるかに深いことがわかりました」と Cullen 氏は述べています。「Stelligent cfn_nag や Stelligent mu のように、構築したテクノロジーの一部をオープンソース化し、オートメーションによって可能なことに関するエンベロープ化を推進するなど、AWS で Stelligent のチームが何か革新的な作業を行っていることは明らかでした。そんな Stelligent と一緒に仕事をすることにわくわくしました。

Stelligent のチームは、ワシントンポストのエンジニアリングチームを数カ月間チームに入れて日常的な課題への取り組みを支援し、複数のアカウントにわたってカバナンスを管理しながらアークパブリッシングの大規模なスケーリングが可能になるようなアーキテクチャを構築しました。「Stelligent には解決が困難な問題に取り組んでもらったのですが、Stelligent はそのすべてを我々のために解決することができました」と Cullen 氏は述べています。「また、私たちが求めた要求には、Stelligent にとって未経験の方法でイノベーションを実現する必要があるものもありました。当社は Stelligent に常々、当社と当社のビジネスモデルにとって合理的かつ他に類を見ない方法で一定の要件にアプローチするよう求めていました。Stelligent はそれに対して信じられないほど弾力的に動き、柔軟性を持って、当社が抱えていた種々の要件に対応することができました。  

アークパブリッシングは、従来のコンテンツ管理システム (CMS) に似たエンドユーザーエクスペリエンスを備えていますが、AWS 上のアークプラットフォームのアーキテクチャは、従来の CMS アーキテクチャは大きく異なるように構築されています。

「CMS には、一般に、写真、動画、記事など、多くの種類のメディアオブジェクトと、そうしたオブジェクトをウェブ、モバイル、ニュースレターなどに配信するための多様なチャネルがあります」と Cullen 氏は述べています。「顧客の視点からは、アークの動作は従来の CMS と非常によく似ています。顧客がアクセスできるようにすべてのものが 1 つの場所にあるのです。しかし、その基盤となるテクノロジーは個々のマイクロサービスです。例えば、写真のシステムと動画のシステムには別個のデータベースが存在します。それによってエンジニアリングチームは、解決しようとしている問題に最もうまく対処できるプログラミング言語とデータベーステクノロジーを個別に使用できます。

アークパブリッシングプラットフォームでは、固有のマイクロサービス 100 種類にわたる、1 時間に 50 を超えるデプロイがサポートされています。アークはそのインフラストラクチャにおいて、数百の Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) インスタンスと何千もの Docker コンテナを使用しています。 

AWS でのアークパブリッシングアーキテクチャ

Stelligent は、以下の機能を実現するために、AWS でのアークインフラストラクチャの再設計に関する共同作業を行いました。

AWS アカウントの自動作成

「初期に必要であったコンポーネントの 1 つは、新規アカウントを迅速に作成する機能でした」と Cullen 氏は述べています。「そうしたアカウントは標準化し、作成時だけでなく時間が経過しても同じベストプラクティスが実施されるようにしたかったのです。例えば、使用する方がよいアカウント設定を見つけた場合に、その変更を全アカウントに反映させる手段が欲しかったのです。Stelligent は私たちのために、AWS Bootstrap というツールを構築しました。このツールは、AWS Organizations などの AWS API を使用して、AWS アカウントの作成を効果的に自動化します。そうしたアカウントでは、鍵インフラストラクチャコンポーネントの作成も自動化され、チームがアーキテクチャの構築を開始するのに便利になっていました」

インフラストラクチャパイプライン

「アカウントを準備したら、チームは次に、特定のアプリケーションに向けてインフラストラクチャの構築を開始する必要があります。私たちは、コードとしてのインフラストラクチャというアプローチを採用し、そのバージョン管理を行おうとしていたため、AWS CloudFormationAWS CodePipelineAWS CodeBuild を使用することを決めました」と Cullen 氏は述べています。「当初のパイプラインの構築で Stelligent の支援を受けたため、広くセルフサービス方式で構築する方法を学べました。その時点で、チームが開始点として利用し、AWS 上に特定のアーキテクチャを増築するために使用できるテンプレート例があるわけです。また、新しい AWS CloudFormation コンポーネントを、固有のニーズに対応するテンプレートに提供できます」

AWS コンプライアンス

「これは当社のセキュリティコンポーネントで、セキュリティガードレールと呼んでいます」と Cullen 氏は述べています。「チームが AWS に何をデプロイできるかをブロックする代わりに、高速な検出の仕組みを用意しました。AWS Config のルールを使用して、セキュリティグループや IAM ポリシーなどの重要なオブジェクトを自動的にチェックし、中央のハブに報告を返します。そこでデータを集約して、さまざまな AWS アカウントの状態に関するレポートを作成できます。」

AMI パイプライン

「アークパブリッシングのために、一元化した AMI 生成プロセスを作成しました」と説明するのは、Stelligent で DevOps シニアエンジニアを務める Jeffrey Dugas 氏です。「アークプラットフォーム用にすべての企業 AMI を作成し、使用するアカウント内に発行する、セキュリティとコンプライアンスのアカウントを設けています。これは一元的かつプロアクティブなもので、セキュリティ中心のアプローチに基づいています」

マイクロサービスのアプローチを採用して AWS でアークパブリッシングを開発することで、ワシントンポストは少人数で敏捷なチームを維持し、チームが意思決定を迅速に行えるようにできました。Stelligent は、AWS でのアークプラットフォームの発展においてきわめて重大な役目を果たしました。

「Stelligent は AWS で使用できる最適なツールを使っていて、オートメーションについていかに深く理解しているかを認識していることが助けになりました」と Cullen 氏は述べています。「Stelligent はいつも、私たちが使おうと考えたことがない AWS ツールを見せてくれました。AWS で既に同等のサービスが構築されているなら構築しない、というモットーで、あふれるほどの一連のツールを調べ、自分たちのニーズを満たすツールがあるかどうかを確認するよう後押してくれます。これはプロジェクトにおいて、AWS のネイティブサービスを活用することで、維持管理する必要のあるソフトウェアの数を少なく保つのに有益でした」

ワシントンポストと同社のアーククライアントにとって、通知後短時間で迅速にスケールする機能が備わっていることは非常に重要でした。「迅速にデプロイできる機能は非常に重要です」と Cullen 氏は説明します。「1 つのシステムで迅速に繰り返す必要があるような場合、その機能のメリットは計り知れません。迅速にデプロイできる機能。これこそが、AWS から得られるものなのです。オペレーションの観点からは、AWS のサービスは盤石です。私にとって、AWS がオペレーション面でこれほど卓越しているのと同時に、製品の最適化とイノベーションを続けているのは驚くべきことです」

「私たちが最もわくわくするのは、アークパブリッシングのお客様が、製品についてどれほど喜んでいるかという点です」と Cullen 氏は述べています。「ニュースメディアは、テクノロジーの変化により、大きな経済的圧力にさらされてきました。アークプラットフォームの多くのエンドユーザーは、当社のようなパートナーを本当に持ったことがありません。つまり、同じ業界に属していて、彼らが直面するさまざまな課題を心から理解でき、この領域でツールがどのように機能するかに深い興味を持っているパートナーです。私たちの使命は、アークパブリッシングプラットフォームの最適化を続行し、ユーザーにさらに多くの価値をもたらすことです」 

Stelligent は、AWS の DevOps オートメーションサービスにおいて深い専門知識を持つプロフェッショナルサービスおよびコンサルティング企業であり、セキュリティを重視する企業が、AWS でのオートメーションを活用して、ソフトウェアユーザーの支持を得ることに集中できるようにします。同社の目標は、顧客と緊密に共同作業を進め、基礎から安全なインフラストラクチャオートメーションコード、デプロイパイプライン、フィードバックの仕組みを開発し、より高速で一貫性があるソフトウェアやインフラストラクチャのデプロイを実現することです。AWS パートナーネットワーク (APN) プレミアコンサルティングパートナーかつ AWS 公共部門パートナーで、AWS DevOps コンピテンシーおよび金融サービスコンピテンシーを有する Stelligent は、その専門知識を利用して、顧客が AWS での継続的イノベーションからメリットを引き出すことを支援しています。

詳細については、APN パートナーソリューションファインダーの一覧から、または企業ウェブサイトにて Stelligent にお問い合わせください。   

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