Buildigo は、住宅所有者や賃貸人が、家屋や庭に関する仕事ができる地元の職人と簡単につながる方法を提供しています。スイスのスタートアップであるこのオンラインプラットフォームは、仕事に関するやり取り、見積もりの送付、完了した仕事についての支払いを容易にします。

急成長を遂げている若い企業である同社は、小規模なチームのコストとメンテナンス作業を最小限に抑えながら、顧客の需要の増加に応じて IT システムを迅速にスケールする必要があります。

Buildigo は、コアサービスの開発に集中できるよう、最初から Amazon Web Services (AWS) 上にプラットフォームを構築しました。同社は、そのスケーラビリティとマネージドサービスを高く評価して AWS を選びました。これらにより、チームが新機能の開発に集中できるからです。AWS を利用して、顧客に応答性の高いサービスを提供し、変化するニーズに合わせて機能アップデートを毎週リリースしています。

Buildigo のサービスの差別化要因は、あらゆる職人が利用可能である点にはありません。むしろ、職人は招待されないと、サービスに参加できません。同社は、精査されていない職人の長大なリストを住宅所有者に提供するのではなく、極めて質の高い仕事をする職人と、仕事に最適な人材を提供することを目指しています。

職人を積極的に選択するモデルは、単純なディレクトリサービスやユーザーレビューを提供するだけではなく、実際の推奨に基づいているため、高い評価を得ています。2021 年 2 月に活動を再開して以来、同社は 3,000 件の仕事の依頼と数百人の職人をマッチングしてきました。

Buildigo は、顧客向けのウェブサイト、データベース、データレイク、開発パイプラインを AWS 上で実行しています。ローコードのビジュアルワークフローサービスである AWS Step Functions を利用して、分散アプリケーションを構築し、IT プロセスとビジネスプロセスを自動化し、デベロッパーが複雑なアプリケーションワークフローを常に把握できるようにサポートしています。

AWS を利用することで、Buildigo は顧客の需要の増加に合わせてコンピューティングリソースを即座にスケールできるため、ユーザーは常に応答性の高いサービスを利用できます。新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミック中、Buildigo のサービスに対する需要は大きく変動したため、この機能は同社にとって不可欠でした。当初、職人に対する需要は著しく減少しましたが、人々が自宅で過ごす時間が増えるにつれて急増しました。ロックダウン中のリモート勤務への移行に伴い、Buildigo ではホームオフィス作りに関する多くの依頼が発生しました。

また、成長に合わせてコストを管理することもできます。「若い企業として、コスト効率の良い方法で拡大することが当社の成功には不可欠です」と Buildigo の最高技術責任者である Mathieu Meylan 氏は述べています。「AWS のサーバーレステクノロジーを利用する際に支払う必要があるのは、使用したリソースの料金のみです。これにより、オーバーヘッドを管理し、節約した資金をミッションクリティカルなプロジェクトに充てることができます」。

Buildigo は、設立当初から最先端のクラウドベースのテクノロジーを優先していました。この決定は競争上の優位性の確立につながり、スイスの保険会社である La Mobilière が 2020 年に同社を買収する際の 1 つの要因となりました。「いくつかの企業が類似のサービスを提供していますが、当社は最先端のテクノロジーを利用している企業を求めていました」と、La Mobilière でホームエコシステムの責任者を務めた実績のある Buildigo のマネージングディレクターの Michael Huegli 氏は述べています。「Buildigo は AWS 上にプラットフォームを構築しているため、スケーラブルで信頼性が高く、迅速な開発をサポートできることはわかっていました」

Buildigo のプラットフォームの柔軟性は、買収後に何百人もの新しい職人をオンボーディングする必要があったときに役立ちました。創業 200 年のこの保険会社は、毎年数万件の損害賠償請求を処理しており、数百の地元業者と連絡を取っています。AWS を利用することで、Buildigo はサービスプロバイダーの増加に対処できました。

Buildigo は、顧客のことをより深く理解するに従って、サービスを改善するための新機能を迅速に展開できます。同社の IT チームの開発サイクルは短く、通常は AWS CloudFormation と AWS Cloud Development Kit を利用して少なくとも週に 1 回は新機能をデプロイしています。

最近リリースされた機能の 1 つとして、モバイルデバイスのサポート機能があります。「当社のお客様の多く、特に職人は多忙であるため、携帯電話を使って当社のサービスにアクセスしたいと考えています」と Huegli 氏は述べています。「現在では、あらゆるデバイスやオペレーティングシステムで Buildigo を提供できるようになりました」

迅速な開発をサポートするために、同社は AWS CloudFormation を利用して、インフラストラクチャをコードとして扱うことでリソースをモデル化、プロビジョニング、管理しています。また、コンテンツ配信ネットワークサービスである Amazon CloudFront も利用しています。これは、Buildigo のウェブサイト上のマルチメディア要素を、さまざまな画面サイズやデバイスに合わせて自動的に調整します。

Buildigo はデータが資産であることを認識しています。データは顧客の利用状況を分析し、サービスを改善する方法についてのインサイトを従業員に提供します。このため、同社は AWS Glue を利用しています。AWS Glue はサーバーレスのデータ統合サービスで、分析、機械学習、アプリケーション開発に使用するデータの検出、準備、結合を簡単に行うことができます。また、Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) も利用しています。Amazon RDS はマネージドサービスをまとめたもので、ストレージ用にクラウドでデータベースを簡単に設定、運用、スケールできるようにします。

チームは、夏季には庭師、冬季には電気技師の需要が高まるなど、季節的な傾向を認識しています。また、エネルギー価格の上昇と、ヒートポンプや太陽光発電などの代替暖房システムの設置需要の増加との間に相関関係があることにも気づきました。

これらのインサイトにより、Buildigo は、顧客の需要に適切なタイミングで対応できる適切な職人を確実に割り当てることができます。また、マーケティングメッセージを顧客の関心に合わせて調整するのにも役立つため、仕事の依頼の増加につなげることができます。

Buildigo は次のステップとして、損害賠償請求の処理を自動化し、保険金請求者に修理作業の見積もりを迅速に取得できる方法を提供することなどを計画しています。API を大規模にモニタリングおよび保護するためのフルマネージドサービスである Amazon API Gateway と、サーバーレスのイベントドリブン型コンピューティングサービスである AWS Lambda を利用して、インフラストラクチャについて心配することなく、このオートメーションを実行しています。

その次のステップとして、Buildigo は将来に向けて大きな野心を抱いています。「当社は 5 年以内にこの市場でナンバーワンのプレイヤーになることを目指しています」と Huegli 氏は述べています。「AWS を利用することで、当社はお客様が望むものを提供することに注力しながら、迅速にスケールできます」