LoiLo

LoiLo : 児童・生徒が利用する授業支援プラットフォームを AWS を活用して開発・運用。協働的な学習環境を教育現場に提供

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サービス提供基盤のリソースを柔軟に拡張できる AWS がなければ『ロイロノート・スクール』は存在していません。今では、1 日あたりのアクティブユーザーが 227 万を超えるサービスを、安定して提供できています"

杉山 浩二 氏
株式会社LoiLo
代表取締役

株式会社LoiLo
動画編集ソフトウェアなど、次世代ソフトウェアの企画・開発を手がける 株式会社LoiLo(ロイロ)。同社は学校向けに提供する授業支援クラウド『ロイロノート・スクール』の新規開発において、プラットフォームにアマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用しました。2014 年のリリース以来、国内外 1 万 2,000 校以上で、毎日 227 万人以上(2023 年 2 月現在) が利用するまでに成長を遂げた『ロイロノート・スクール』は、AWS 上で安定稼働を続けながら、今も進化を続けています。

IT活用の不得手な先生でも使いやすい
授業支援ツールを目指して開発

“シンプルで、触っていて楽しいソフトウェアにより、人間の可能性を創造する”をポリシーに、2007 年に設立した LoiLo。『ロイロノート・スクール』は、同社のポリシーを体現する象徴的なサービスです。開発のきっかけになったのは、同社が 2010 年にリリースした教育機関向けの動画編集ソフトでした。教育現場で議論を深める中、IT活用の不得手な先生でも簡単に利用ができ、児童・生徒と双方向でコミュニケーションを取ることができる学習アプリの開発を検討。まずは、iPad 用アプリ『ロイロノート』を 2013 年 3 月にリリースし、翌 2014 年 4 月に学校版『ロイロノート・スクール』をリリースしました。
 
『ロイロノート・スクール』は、画面上で手軽にデータ編集やプレゼンができるアプリです。動画、テキスト、写真などさまざまなデータを画面上で編集し、やりとりすることができ 、児童・生徒は、考えることや創造することを通して思考力・判断力・表現力を養うことができます。先生にとっても、授業中に児童・生徒とのインタラクション(相互作用)が増えて充実した授業ができるようになり、提出物の回収・添削・返却なども可能になります。代表取締役の杉山浩二氏は次のように語ります。
 
「先生はこれまで思考力・判断力・表現力の育成に向けて、模造紙や付箋紙などを駆使して苦労しながら授業をしてきました。『ロイロノート・スクール』であれば、アプリを導入するだけで、協働学習を実施できます。結果として教材作成や印刷にかけていた時間も短縮され、ペーパーレスにもつながります」

コロナ禍の緊急事態宣言を受けて
利用者数急増も AWS で乗り切る

『ロイロノート・スクール』は、2014 年のリリース当初から AWS をプラットフォームに採用しています。同社が初めて AWS を採用したのは 2008 年のことで、動画編集ソフト用の EC サイトが始まりです。

「動画編集ソフトがテレビで紹介されてアクセスが急増した際、既存の VPS(仮想サーバー)が落ちて数日間サービスが停止したことから AWS に移行しました。サーバーの調達・管理が不要な点や、容易にスケールできる点を評価して採用しました」(杉山氏)

『ロイロノート・スクール』は当初よりアプリ版として提供してきましたが、Web 技術が進化したことから 2020 年 4 月に Web 版をリリース。そのタイミングでコロナ禍により、『ロイロノート・スクール』がオンライン授業で活用されるようになり、採用数が一気に増加しました。

その後、全国の児童・生徒 1 人に対して 1 台のコンピューター・タブレット端末と高速ネットワークを整備することを定めた  GIGA スクール構想が、コロナ禍の緊急事態宣言を受けて 2021 年 4 月からの実施に前倒しされると、さらに採用数が増えて 1 日あたりのアクティブユーザー(以下、DAU)は 100 万人を突破。GIGA スクールの定着によって採用数は増え続け、2022 年 1 2月末時点で利用校数は国内外で約 1 万 2,000 校、DAU は 227 万以上に達しています。「2020 年 5 月の臨時休校でオンライン授業に移行した際には、トラフィック量が一気に 20 倍に増えました。想定以上のアクセス増に対して、柔軟にスケールできる AWS でなければ、この危機的状況を乗り切ることはできませんでした。DAU が 227 万を超え、毎秒 5 万リクエストに達するサービスを、安定して提供できているのは AWS のおかげです」(杉山氏)

使いやすさを最優先して
これからもサービスを進化

『ロイロノート・スクール』は内製で開発・運用し、インフラ領域はサーバーサイドのエンジニアが兼務する形で DevOps を実現しています。アプリケーションサーバーは AWS Fargate、データベースは Amazon AuroraAmazon Relational Database Service (Amazon RDS)、データダウンロードはAmazon CloudFrontAmazon Simple Storage Service (Amazon S3)によるシンプルなアーキテクチャで構成。アジャイル開発により、アップデートは週 1 回のサイクルでリリースしています。

「サーバーサイドは、Web 版で 1 週間、アプリ版で 2 ~ 3 週間単位でリリースしています。セールスポイントであるシンプルさを損なわないように、細心の注意を払いながら開発を続けています」(杉山氏)

今後 LoiLoでは、『ロイロノート・スクール』を海外にも積極的に展開していく予定です。すでに台湾や香港での利用は増えており、より多くの国での利用を拡大していくための準備を進めていくとしています。国内向けに関しては、学校を卒業した児童・生徒からの、在学中に作成したコンテンツを継続して利活用したいという要望に応えるべく、一般向け『ロイロノート』の開発も検討しています。

「LoiLoは、今後も使いやすさを追求し、サービスを提供してまいります。AWS には、引き続き最新技術の提供を期待しています」(杉山氏)

株式会社LoiLo

そこにも AWS のイノベーションが