オブジェクトストレージとは何ですか?

オブジェクトストレージは、オブジェクトと呼ばれる非構造化形式でデータを格納および管理するテクノロジーです。現代の組織は、写真、動画、E メール、ウェブページ、センサーデータ、音声ファイルなど、大量の非構造化データを作成および分析しています。クラウドオブジェクトストレージシステムは、このデータを複数の物理デバイスに分散しますが、ユーザーが単一の仮想ストレージリポジトリからコンテンツに効率的にアクセスできるようにします。オブジェクトストレージソリューションは、スケーラビリティと柔軟性を必要とするクラウドネイティブアプリケーションを構築するために理想的です。また、既存のデータストアを分析、バックアップ、またはアーカイブ用にインポートするためにも使用できます。

メタデータは、オブジェクトストレージテクノロジーにとって重要です。オブジェクトストレージでは、オブジェクトは単一のバケットに保持され、フォルダ内のファイルではありません。代わりに、オブジェクトストレージは、ファイルを構成する各データをまとめ、ユーザーが作成したすべてのメタデータをそのファイルに追加し、カスタム識別子をアタッチします。これにより、階層型ストレージとは対照的に、フラットな構造が作成されます。これはバケットと呼ばれます。これにより、機能と特性に基づいて、ファイルの種類にかかわらず、バケット内のオブジェクトを取得して分析できます。

オブジェクトストレージは、データレイクに最適なストレージです。これは、大量のデータ用のアーキテクチャを提供し、各データがオブジェクトとして格納され、オブジェクトメタデータが一意の識別子を提供してより簡単にアクセスできるようにするためです。このアーキテクチャは、従来のストレージのスケーリングの制限を取り除くものであり、オブジェクトストレージがクラウドのストレージである理由となっています。

オブジェクトストレージの主なメリットは、スケーラビリティが事実上無制限であることと、データレイク、クラウドネイティブアプリケーション、分析、ログファイル、機械学習 (ML) などのユースケース用に大量のデータを保存するためのコストが低いことです。オブジェクトストレージは、複数のデバイス、複数のシステム、さらには複数のデータセンターや地域にオブジェクトを格納するため、データの耐久性と回復力も向上します。これにより、事実上無制限のスケールが可能になり、データの回復力と可用性も向上します。

オブジェクトストレージが重要なのはなぜですか?

ビジネスが成長するにつれて、いくつものアプリケーションやビジネスプロセス、およびエンドユーザーによって使用され、急速に増加する一方で多くのソースから切り離されたデータプールを管理することになります。現在、このデータの多くは構造化されておらず、最終的には複数の異なる形式やストレージメディアとなり、中心となるリポジトリに簡単に適合しません。これにより、分析、機械学習 (ML)、または新しいクラウドネイティブアプリケーションで使用するためにデータがアクセス可能となっていないため、複雑さが増し、イノベーションが遅くなります。オブジェクトストレージを使用すると、非常にスケーラブルでコスト効率のよいストレージを実現してこれらのサイロを排除し、あらゆるタイプのデータをネイティブ形式のまま保存することができます。オブジェクトストレージは、ギガバイトあたりの低料金で無制限のスケーラビリティを提供するため、従来のストレージシステムを悩ませていた複雑さ、キャパシティの制約、およびコストの障壁を取り除きます。

ユーザーフレンドリーなアプリケーションインターフェイスを使用して、非構造化データを 1 か所で管理できます。ポリシーを使用してデータストレージコストを最適化し、必要に応じてストレージ層を自動的に切り替えることができます。クラウドオブジェクトストレージを使用すると、分析の実行とインサイトの取得が容易になり、より迅速な意思決定が可能になります。

オブジェクトはオンプレミスに保存できますが、オブジェクトストレージはクラウド用に構築されており、事実上無制限のスケーラビリティ、高い耐久性、および費用対効果を提供します。クラウドオブジェクトストレージを使用すると、どこからでもデータに簡単にアクセスできます。

オブジェクトストレージのユースケースにはどのようなものがありますか?

お客様は、さまざまなソリューションにオブジェクトストレージを使用しています。一般的なユースケースを次に示します。

分析

あらゆるタイプの事実上無制限のデータをクラウドオブジェクトストレージに収集および保存し、ビッグデータ分析を実行して、オペレーション、顧客、自社がサービスを提供する市場に関する貴重なインサイトを得ることができます。

データレイク

データレイクは、事実上無制限のスケーラビリティと高い耐久性を備えたクラウドオブジェクトストレージを基盤として使用します。シームレスに中断なく、ギガバイトからペタバイトのコンテンツまでストレージを増やすことができます。お支払いいただくのは使用した分の料金のみです。スケーラブルなパフォーマンス、使いやすい機能、ネイティブ暗号化、およびアクセスコントロール機能を備えています。

クラウドネイティブなアプリケーションデータ

クラウドネイティブアプリケーションは、コンテナ化やサーバーレスなどのテクノロジーを使用して、ペースの速い柔軟な方法でお客様の期待に応えます。このようなアプリケーションは通常、マイクロサービスと呼ばれる疎結合の独立した小さなコンポーネントで作成されており、データや状態を共有して内部で伝達します。クラウドストレージサービスにより、このようなアプリケーションのデータ管理を行い、クラウド環境において現在進行中のデータストレージの課題に対するソリューションを提供します。オブジェクトストレージを使用すると、好きなだけコンテンツを追加し、どこからでもアクセスできるため、より速くアプリケーションをデプロイし、より多くの顧客にリーチできます。

データアーカイブ

クラウドオブジェクトストレージは、長期のデータ保持に優れています。これを使用して、オンプレミスのテープおよびディスクアーカイブインフラストラクチャを、データの耐久性の向上、即時の取得、セキュリティとコンプライアンスの向上、および高度な分析とビジネスインテリジェンスのための優れたデータアクセスを提供するソリューションに置き換えることができます。また、大量のリッチメディアコンテンツを費用対効果の高い方法でアーカイブし、義務の対象となる規制関連データを長期間保持することもできます。

リッチメディア

アプリケーションを高速化し、動画、デジタル画像、音楽などのリッチメディアファイルの保存コストを削減します。オブジェクトストレージを使用し、ストレージクラスとレプリケーション機能を使用することによって、費用対効果の高いグローバルにレプリケートされるアーキテクチャを作成し、分散ユーザーにメディアを配信できます。

バックアップと復旧

コンテンツをレプリケートするようにオブジェクトストレージシステムを設定して、物理デバイスに障害が発生した場合に、重複したオブジェクトストレージデバイスを使用できるようにすることができます。これにより、システムとアプリケーションが中断することなく稼働し続けるようにできます。また、複数のデータセンターや地理的地域にまたがってデータをレプリケートすることもできます。

ML

機械学習 (ML) では、予測や推論を実行することをコンピュータに「教えます」。アルゴリズムを使用してモデルをトレーニングし、そのモデルをアプリケーションに統合して、リアルタイムかつ大規模に推論を生成します。機械学習には、スケールとコスト効率のためにオブジェクトストレージが必要です。本番稼働用モデルは通常、数百万から数十億のサンプルデータ項目を学習し、わずか 20 ミリ秒で推論を生成します。

クラウドオブジェクトストレージは他のタイプのストレージとどのように異なりますか?

クラウドストレージには、オブジェクト、ファイル、ブロックの 3 種類があります。それぞれが特定のユースケースやストレージ要件に最適です。

ファイルストレージ

多くのアプリケーションは共有ファイルアクセスを必要とします。これは従来、ネットワークアタッチドストレージ (NAS) サービスによって提供されてきました。一般的なファイルレベルプロトコルは、Windows サーバーで使用されるサーバーメッセージブロック (SMB) と、Linux インスタンスで使用されるネットワークファイルシステム (NFS) で構成されます。ファイルストレージは、非構造化データ、大規模なコンテンツリポジトリ、メディアストア、ホームディレクトリ、および他のファイルベースのデータに適しています。

オブジェクトストレージとファイルストレージの比較

オブジェクトストレージとファイルストレージの主な違いは、データ構造とスケーラビリティです。ファイルストレージは、ディレクトリとフォルダを含む階層に編成されています。ファイルストレージは、SMB、NFS、Lustre などの厳密なファイルプロトコルにも準拠しています。オブジェクトストレージは、各オブジェクトのメタデータと一意の識別子を含むフラットな構造を使用するため、数十億の可能性がある他のオブジェクトの中から簡単に見つけることができます。

これらの構造の違いにより、ファイルストレージとオブジェクトストレージでは、スケールするキャパシティが異なります。オブジェクトストレージは、ペタバイトおよび数十億のオブジェクトまで、ほぼ無限のスケーリングを提供します。固有の階層とパスにより、ファイルストレージにはスケーリングの制約があります。

ブロックストレージ

データベースシステムや ERP システムのようなエンタープライズアプリケーションは、多くの場合、ホストごとに専用の低レイテンシーなストレージを必要とします。このタイプのストレージは、直接接続ストレージ (DAS) またはストレージエリアネットワーク (SAN) に類似しています。ブロックベースのクラウドストレージソリューションは、仮想サーバーごとにプロビジョンされ、ハイパフォーマンスワークロードに必要な超低レイテンシーで動作します。

オブジェクトストレージとブロックストレージの比較

オブジェクトストレージは、特に耐久性、無制限のストレージ、スケーラビリティ、および複雑なメタデータ管理が全体的なパフォーマンスに関連する要素である場合に、大量の非構造化データのために使用するのが最適です。

ブロックストレージは、さまざまなユースケースにおいて、低レイテンシーを提供し、高いパフォーマンスを発揮していることを示唆する値を示します。その機能は、構造化データベースストレージ、VM ファイルシステムボリューム、および大量の読み取り/書き込み負荷に主に役立ちます。

AWS はクラウドオブジェクトストレージのニーズにどのように対応できるでしょうか?

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界をリードするスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。企業の規模にかかわらず、あらゆる業界のお客様は、Amazon S3 を使用して、データレイク、ウェブサイト、モバイルアプリケーション、バックアップおよび復元、アーカイブ、エンタープライズアプリケーション、IoT デバイスやビッグデータ分析などのさまざまなユースケースのデータを保存および保護できます。Amazon S3 は管理機能を提供するため、データへのアクセスを最適化、整理、設定して、特定のビジネス、組織、およびコンプライアンスの要件を満たすことができます。Amazon S3 のメリットの例をいくつか次に示します。

堅牢性、可用性、およびスケーラビリティ

Amazon S3 は、99.999999999% (イレブンナイン) のデータ耐久性を実現するためにゼロから構築されました。Amazon S3 を使用すると、オブジェクトは、Amazon S3 リージョン内の少なくとも 3 つのアベイラビリティゾーン (AZ) において、複数のデバイスで冗長的に保存されます。Amazon S3 は、冗長性の損失を迅速に検出および修復し、チェックサムを使用してデータの整合性を定期的に確認することで、同時に発生するデバイスエラーに対応できるように設計されています。

セキュリティとコンプライアンス

Amazon S3 は、セキュリティ、コンプライアンス、および監査機能により、データを保護します。Amazon S3 はデフォルトで保護されています。作成した時点で、お客様が作成した Amazon S3 バケットには、お客様だけがアクセスでき、誰がお客様のデータにアクセスできるかを完全に制御できます。Amazon S3 はユーザー認証をサポートし、データへのアクセスをコントロールしています。バケットポリシーなどのアクセスコントロールメカニズムを使用して、選択的にユーザーおよびユーザーのグループに許可を付与することができます。さらに、S3 は、規制要件を満たすために、PCI-DSS、HIPAA/HITECH、FedRAMP、SEC Rule 17 a-4、EU データ保護指令、および FISMA などのコンプライアンスプログラムを維持しています。AWS では、Amazon S3 リソースへのアクセスリクエストをモニタリングするための監査機能も多数サポートしています。

柔軟な管理

AWS は、最も柔軟なストレージ管理および管理機能を提供します。ストレージ管理者は、データの使用傾向を分類、報告、可視化して、コストを削減し、サービスレベルを向上させることができます。オブジェクトには独自のカスタマイズ可能なメタデータをタグ付けできるため、ワークロードごとにストレージの使用量、コスト、セキュリティを個別に確認して管理できます。S3 インベントリツールは、メンテナンス、コンプライアンス、分析の運用のために、オブジェクトとそのメタデータに関するスケジュールされたレポートを提供します。Amazon S3 は、階層化、削除、保持を自動化するライフサイクルポリシーを構築するためにオブジェクトのアクセスパターンを分析することもできます。最後に、Amazon S3 は AWS Lambda と連携しているため、追加のインフラストラクチャを管理することなく、アクティビティを記録したり、アラートを定義したり、ワークフローを呼び出すことができます。

コスト効率の高いストレージクラス

Amazon S3 は、ワークロードのデータアクセス、回復力、およびコスト要件に基づいて選択できるさまざまなストレージクラスを提供しています。Amazon S3 ストレージクラスは、さまざまなアクセスパターン用に最低コストのストレージを提供できるように設計されています。お客様が使用した分にのみお支払いいただきます。請求されるレートは、オブジェクトのサイズ、1 か月間にオブジェクトを保存した期間、および選択したストレージクラスによって異なります。ワークロードに最適な Amazon S3 ストレージクラスを見つけてください。

効率的な分析

Amazon S3 は、データを抽出して別の分析データベースに移動することなく、高度な分析を実行できる唯一のクラウドストレージプラットフォームです。SQL の知識のあるお客様は、Amazon Athena を使用して Amazon S3 の膨大な非構造化データをオンデマンドで分析できます。Amazon Redshift Spectrum では、Amazon S3 のエクサバイト規模のデータに対して高度な分析を実行し、Amazon S3 のデータと Amazon Redshift データウェアハウスの両方にまたがるクエリを実行できます。

顧客とパートナーをつなぐ最大のコミュニティ

AWS には、世界中に数百万のアクティブなお客様と数万のパートナーがいます。ほとんどの業界で、スタートアップ、大企業、公共部門の組織が、お客様の規模を問わず考えつく限りの場面で AWS を実行しています。AWS パートナーネットワーク (APN) には、AWS のサービスを専門とする多くのシステムインテグレーターと、AWS で機能するように自社のテクノロジーを適応させた多数の独立系ソフトウェアベンダー (ISV) が参加しています。

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