株式会社電通は、広告を中心とするマーケティングコミュニケーション事業を展開しています。
広告作業プロセスの一環で、グラフィック広告の素材や動画・画像を含めたプレゼンテーション等のデータを取引先と、また社内部署間で受け渡ししますが、その経路はパッケージメディアによる授受から通信にシフトし、容量も増加の一途をたどっています。
こうしたファイルサイズの大きい送受信ニーズの増大をうけて、株式会社電通国際情報サービス(ISID)が提供するセキュアなSaaS型クラウドサービス 「大容量ファイル交換サービス」を導入しました。ISIDは、電通グループのIT企業として、マーケティングコミュニケーションのIT化に着目した電通の プラットフォームソリューションの開発・提供を担うとともに、金融、製造等業種向けにソフトウェア製品やサービスを提供しています。

「大容量ファイル交換サービス」は、2GBまでの大容量ファイルの送受信を行うものです。データ暗号化、ウイルススキャン、多言語対応、監査ログ、SSO対応など、エンタープライズ業務で必要とされる様々な機能が提供されています。
2012年4月から、電通グループ会社70社あまり、20,000名以上を対象に利用スタートしています。

 

 

セキュアな大容量ファイル交換サービス


本システムでは、AWSの以下のサービスを利用しています。

  • Amazon EC2
  • Amazon S3
  • Amazon Elastic Load Balancing
  • Amazon Route53

それまではオンプレミス型で開発したファイル送受信システムを利用していましたが、近時、送受信ファイルサイズの拡大ニーズが強くなり、更改に迫ら れました。しかし、送受信されるデータ総量は、時期や時刻によって変動するうえ、今後の事業環境や業務の変化に伴うユーザー数やファイルサイズの増大に関 する予測が困難です。そこで、データ総量の変化に柔軟に対応できるクラウドサービスの導入を検討しました。
そして、他社の様々なクラウドサービスと比較検討した結果、次の6点のメリットが決め手となり、AWSを基盤とするISIDのサービスを採択するに至りました。

  • 利用した分だけ支払う
    ユーザー数ではなく、送受信するファイル容量による課金体系であること。

  • シングルサインオンの対応
    社内システムからシングルサインオンで利用でき、また社外からも同等のセキュリティレベルでアクセスできること。認証情報を外部クラウドに持ち出すことなく、電通グループの社内認証基盤と連携して認証できること。

  • スケーラビリティ
    今後の送受信ファイルの大容量化に対して、また利用ユーザー数の拡大に際しても、柔軟に対応できること。

  • グローバルな活用と高いレスポンス
    電通グループのグローバルな活動を支える基盤として、多言語に対応できること。

  • セキュリティ
    電通グループの業務システムに必要とされるセキュリティ要件を満足すること。

  • カスタマイズができること
    電通特有のニーズに応じてカスタマイズ可能なこと。

    これらの多くは、ISIDのクラウド型「大容量ファイル交換サービス」が、AWSを利用して可能になったと捉えています。

ISID「大容量ファイル交換サービス」によって、従来のオンプレミス型に比べて導入初期コ ストを大幅に削減されました。また、ハードの発注~納品~構築 までの期間はほぼゼロで、導入に至る期間も大幅に短縮できました。さらに固定費から変動費化されることで、コストもコントロールしやすくなりました。

 

AWS利用上のメリットの詳細など、以降については、本サービスの開発・提供会社であるISIDからの内容を以下に記載します。

 

 

AWS の利用により、実際に様々なアーキテクチャを検証することや、マシンスペックを変更してコストとパフォーマンスを最適化するなどが出来ます。オンプ レミスでは面倒なことが大変柔軟に進めることが出来るのです。特に、新しいビジネスやシステムを検討する際には、AWSのようなクラウドの利用は必須と考えます。

ISIDが提供する「大容量ファイル交換サービス」は、新たなビジネスを立ち上げにて、AWSを利用することで、初期投資を大きく低減でき、今後の拡張に 関しても柔軟に対応することが可能となりました。サービスを利用する側にとっても、提供する側にとっても、クラウドの利用は大きなメリットとなります。急 激なトラフィックの増減に柔軟な対応が出来ることも、システムを運用するサービス提供者として、大変嬉しい点です。

本サービスの今後の予定として、ワークフローの搭載など、様々な機能追加を予定しています。
本サービスは電通グループで利用されていますが、一般の企業のお客様向けにもISIDからご提供を推進しております。

1ボリューム当り1TBの容量制限があるAmazon EBSについて、将来拡張されることを期待しています。