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【開催報告】クラウドネイティブ動画配信の実現方法とビジネスへの活用例 2019/8/28(水)
8月28日 AWS目黒オフィスにて、メディアソリューションにご興味ある内製エンジニア および WEBコンテンツ事業に関わる企業様を対象とした、クラウドネイティブサービスを活用した動画配信の事例紹介イベントを開催しました。
株式会社サイバーエージェント様、ブイキューブ様をゲストに、ライブ動画配信サービスをクラウドでどのように構築・運用されているのかなど語っていただきました。当日は 70 名近くのお客様にご参加いただきました。
■クラウドネイティブサービスで実現するライブ動画配信
アマゾン ウェブ サービス ジャパン ソリューションアーキテクト 廣瀬 太郎
当日講演資料はこちらからダウンロードいただけます。
ソリューションアーキテクトの廣瀬から、ライブ動画配信に関連する技術トレンドや課題と、動画ワークロードのためのマネージドサービス AWS Media Services を利用したライブ動画配信基盤の構築、運用方法、各社様事例についてお話しました。 AWS Media Services は現在 MediaConnect, MediaLive, MediaPackage, MediaStore, MediaTailor, MediaConvert の計 6 つのサービスで構成されていますが、必ずしもそれら全てを最初から活用する必要はなく、要件にあわせて組み合わせて使って頂けるように疎結合な作りとなっています。本セッションでは代表的なユースケースと、それらに必要となるサービスやアーキテクチャパターンをご案内しつつ、AWS Media Services が生まれてからこの 2 年弱の間に追加された各サービスの機能アップデートを交えてご紹介しました。 2019 年に追加された MediaLive のスケジュール機能強化や MediaPackage の Just-in-Time Packaging などの最新機能についてもご紹介しました。
■ ゲストスピーカーより導入事例のご紹介
「 WinTicket における競輪ライブ配信ステムの実現 」
株式会社サイバーエージェント CATS エンジニア 江頭 宏亮 様
当日講演資料はこちらからダウンロードいただけます。
サイバーエージェント 江頭様には、2019年4月にリリースされた競輪投票サービス「WinTicket」において、全国の競輪場からのライブ配信をどのように実現しているのかについてお話しいただきました。AWS Media Services によってエンコーダーやパッケージャーといった動画ワークフローの開発工数を抑えるだけでなく、AWS CloudFormation でインフラをコード管理することで、運用工数も削減されています。現在は5名のエンジニアで効率良く、ソフトウェア開発とインフラの管理をされているとのことでした。また スタッフの方がライブ配信のスケジュールを確認したり、チャネルの起動停止等 管理機能を持つ独自の信管理ツールを提供されていて、こちらも API Gateway や AWS Lambda などサーバレスのサービスを活用して実現されているとのことです。アーキテクチャや運用に必要なツールのご紹介など、非常に興味深い内容となっておりました。
「 ライブ配信基盤としての活用 -B2B製品『V-CUBEセミナー』の場合 」
株式会社ブイキューブ 技術本部 チームリーダー 岩上 蘭 様
当日講演資料はこちらからダウンロードいただけます。
ブイキューブ 岩上様には 2019年5月にリリースされた「V-CUBEセミナー」のビデオストリーミング配信機能についてお話いただきました。ライブ配信基盤として活用いただいている AWS Media Services の選定理由として、従来からの課題であった、サービスの根幹となる安定性や今後の拡張性を解決できたことを挙げていただきました。具体的なメリットとしては ライブチャネル起動の速さや失敗がないこと、同時配信数や視聴者数の増加にも十分に対応できること、アプリケーションから API/SDK を使って MediaLive のライブ設定や Amazon CloudFront の配信設定を作成・削除できること、ビットレート・フレームレート・解像度など設定の柔軟さなどを挙げていただきました。また マルチデバイスへの対応、マルチリージョンでの配信基盤の実現など、様々なお客様の要件をAWSのサービスを活用いただきながら対応されているとのことです。こちらも動画配信サービスを検討されているお客様にとって、非常に興味深い内容となっておりました。
■ Amazon CloudFront をライブ動画で活用するメリット
アマゾン ウェブ サービス ジャパン ソリューションアーキテクト 中谷 喜久
当日講演資料はこちらからダウンロードいただけます。
ソリューションアーキテクトの中谷から、ライブの視聴体験を向上させる為に解決すべき課題と、CDN サービスである Amazon CloudFront の担う役割についてお話ししました。CDN の性能・可用性・拡張性全てに関わるキャパシティについて、CloudFront の接続ポイントである、エッジロケーションの拡張スピードが更に上がってきていることや、キャッシュの中間層であるリージョナルエッジキャッシュの貢献、Amazon の管理する安定したバックボーンネットワークを経由して、オリジンのあるAWSリージョンを接続していることなど、今までの強化の様子について説明させていただきました。
また 8月に実施した機能拡張 TCP BBR 輻輳制御による Amazon CloudFront のパフォーマンス向上 にていくつかのネットワークおよびリージョンにおける総スループットが22%向上したことを報告しました。
AWS SA 森、廣瀬、安司