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AJE グループは AWS Solutions を活用しデジタルトランスフォーメーションを加速する

日進月歩の世界において、世界 20 カ国以上で事業を展開する多国籍消費財( CPG )企業は、どのようにしてイノベーションの最先端を走り続けているのでしょうか。

それが、世界最大級の飲料会社であるペルーの CPG 多国籍企業 AJE Group ( AJE ) が、本格的なデジタル変革に乗り出すことを決めたときに直面した課題でした。 2019 年まで、同社はタスクごとに分断されたオンプレミスのインフラ環境を使用しており、世界の多くの地域に分散していました。

AJE は、目標を達成するためには、プロセスを合理化し、リソースをより効率的に管理するために、一元化されたクラウドベースの企業データプラットフォームを構築する必要があると判断しました。 1 万人以上の従業員を抱え、グローバルに事業を展開する同社は、組織全体でデータドリブンな意思決定を強化するため、データソリューションのモダナイズも必要としていました。

「デジタルトランスフォーメーション戦略の一環として、より多くのイノベーションにつながるデータドリブンな文化を社内にもたらしたいと考えていました」と、AJE グループのグローバルデータ&アナリティクス責任者である Wilmer Rodriguez Ruiz 氏は言います。

AJE は、Amazon Web Services ( AWS )がこの 2 つの分野で最も適した候補であると判断しました。 「 AWS のソリューションを使うことで、ビジネスの成長戦略を促進し、組織内のパラダイムを変えることができます」と Rodriguez Ruiz 氏は言います。

Amazon Redshift を利用した企業データプラットフォームの構築

AJE は、組織全体のデータを保存、処理、分析するためのデータ分析ソリューションを AWS 上に構築しました。 同社は、 AWS Database Migration Service ( AWS DMS )を使用して、複数の SQL データベースを AWS に移行しました。
DMS はデータ移行とレプリケーションのためのマネージドサービスで、これを使うことでデータベースと分析ワークロードを素早く安全に、かつ最小限のダウンタイムで、そして実質データロスなしに AWS に移行することができます。

同社はデータウェアハウスとして、Amazon Redshift を使用しており、 SQL を使用してデータウェアハウス、オペレーショナルデータベース、データレイク全体の構造化データおよび半構造化データを分析しています。 Amazon Redshift は現在、同社のデータの単一かつ真のデータソースとなっています。

さらに、 Amazon Redshift はマネージドサービスであるため、AJE は SQL サーバーのために行わなければならなかった差別化につながらない重労働を減らすことができました。 「私たちのチームは、一般的なデータセンターを管理する必要がなくなり、生産性が向上しました。 当社のソリューションは、キャパシティニーズを満たすために、機能を拡張したり、新しいインスタンスを作成したりするだけです。」

AJE Group は、データ抽出のために AWS Glue を使用しています。これは、複数のソースからデータの発見、準備、移動、統合を簡単にするサーバーレスデータ統合サービスです。 AWS Glue は、業界をリードするスケーラビリティ、データの可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスである Amazon Simple Storage Service ( Amazon S3 ) からデータを取得し、Amazon Redshift での分析のためにデータを変換します。 AWS 上に新しい企業データプラットフォームを実装して以来、同社は抽出、変換、ロード( ETL )にかかる時間を 35% 短縮しました。

イノベーションのためのデータ可視性の拡大

AJE グループは現在、データレイクを構築するために AWS を利用しており、データソリューションとアナリティクスの両方の拡張を支えています。 グローバル市場に広がる多くの膨大な従業員を抱える組織にとって、中央データソースは職場文化におけるデータ中心の考え方を促進するために不可欠です。「私たちは、データドリブンの戦略を社内に定着させたいと考えています。 データレイクは、すべての意思決定がデータに基づいて行われるように、すべての組織のすべてのレベルに到達するのに役立ちます。」 と Rodriguez Ruiz 氏は言います。

使えるデータがあったとしても、そのデータから洞察や分析を引き出せる従業員がいて初めて生産性に繋がります。 AJE は、AWS を使ってデータプラットフォームを構築すると同時に、従業員にデータリテラシーを身につけさせ、定量的なツールをビジネス戦略に適用できるようにすることにも注力してきました。

「現在、データの分析と取扱に精通した 600 人以上の従業員の育成に成功しています。今後 1 年半のうちに、この数を 3 倍に増やし、組織内のあらゆる階層に行き渡らせたいと考えています」と Rodriguez Ruiz 氏は言います。

AJE のデジタルトランスフォーメーションは、日常業務、特に全部門にわたるデータの可視化において、すでに成果を上げています。 以前は、社内チームが必要なデータにアクセスするのに 4 ~ 5 時間待たなければなりませんでした。 今では、そのデータがほぼリアルタイムで届くため、社内チームはデータに基づいた迅速な意思決定を行えるようになりました。 また、AJE のビジネスアナリストは、コンサルテーションや費用対効果分析をより迅速に完了できるようになりました。

「私たちは、組織全体が自立するために必要なデータの可用性を実現しました。すべての部門が、会社のビジョンを達成するために最適な意思決定をするための情報を持っています。」と Rodriguez Ruiz 氏は言います。

AWS を使うことで、AJE は新しい市場に進出するためのスケーラビリティも向上しました。「クラウドを利用することで、プロセスの拡張が格段に速くなりました。これにより、ビジネスニーズに応じて他の国でも成長できるチャンスが広がりました。」と Rodriguez Ruiz 氏は言います。

データドリブンな未来への投資

デジタルトランスフォーメーションが進む中、AJE グループはビジネスを拡大するための革新的な方法を模索し続けています。 同社は現在も、従業員にデータ中心の文化を浸透させ、新たな機会を探るための分析ツールの使用を推進しています。

AI / ML の普及に伴い、AJE グループは独自のアナリティクスサービスソリューションの構築を計画しています。 「AWS を利用することで、データ分析における従業員の能力を向上させることができました。セルフサービスで予測分析や情報を提供できるようになるチャンスがあります。」と Rodriguez Ruiz 氏は言います。

詳しくは、AJE グループのお客様事例をご覧ください。

Kate Wiley

Kate Wiley は、AWS の小売業界マーケティング責任者。 AWS 入社以前は、Dick’s Sporting Goods 、 Reebok 、 Drybar 、 Jenny Craig などの小売企業でマーケティングを担当。
Kate は、小売業界のマーケティング責任者として、クラウドを活用してブランドと消費者の緊密な関係を築き、オペレーションを最適化し、AWS を活用してデジタルトランスフォーメーションを加速させる方法について、小売業者のサポートと教育を担当しています。

翻訳は Solutions Architect 圓山が担当しました。原文はこちらです。