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アプリケーション監視における Amazon CloudWatch Application Signals の新しい機能強化

2025年10月7日、大規模分散アプリケーションの監視を簡素化する Amazon CloudWatch Application Signals の強化機能を新たに発表できることを嬉しく思います。CloudWatch Application Signals のアプリケーションマップの改善により、サービスの検出、及びグループ化をサービスの関係性を元に自動的に行える様になりました。また、ビジネスの観点に合わせたカスタムグループもサポートします。最新のサービスデプロイ時間を確認し、サービスレベル指標(SLI)違反等の問題に関する自動監査結果を評価できるようになりました。

主な機能と特徴

CloudWatch Application Signals のアプリケーションマップは、サービスレベル目標(SLO)や健全性指標などの運用シグナルを表示します。コンテキストに応じたトラブルシューティングドロワーにより、標準メトリクス、最新のデプロイステータス、実用的なインサイトに即座にアクセスできます。より詳細な分析のために、包括的なトラブルシューティング用にカスタマイズされたアプリケーション固有のダッシュボードにシームレスに移行できます。この統合された体験により、チームは根本原因をより迅速に特定し、平均解決時間を短縮できます。

即座に利用可能

AWSアカウントで Application Signals がすでに有効になっている場合、これらの新機能を使い始めるために追加の設定は必要ありません。Application Signals を有効にするには、アカウントで Application Signals を有効にする を参照して、Application Signals がサービスを検出するために必要な権限を付与する必要があります。ご自身のアプリケーションに実装する前にサンプルアプリで CloudWatch Application Signals を試す際には、この AWS ドキュメント の手順に従ってください。

根本原因分析

DevOps エンジニアは、アプリケーションマップを使用してインシデント発生時に根本原因を迅速に特定できます。サービスが高いエラー率を示している場合、影響を受けたノードをクリックすると、トラブルシューティングドロワーにメトリクス、最近のデプロイ、依存関係の健全性が表示されます。エンジニアは、メトリクス、最新のデプロイ、SLI違反などの問題に関する監査結果を確認できます。

Services

図1. サービス

このトラブルシューティングプロセスをさらに効率化するために、生成AI搭載アシスタントである CloudWatch Investigations がシステムのテレメトリをスキャンし、問題に関連する関連データと提案を即座に表示します。Application Signals は CloudWatch Investigations と統合されており、サービスダッシュボードから調査を開始できます。

Investigate

図2. 調査

CloudWatch Application Signals のアプリケーションマップは、標準グループ化を通じてサービスの探索とトラブルシューティングを簡素化します。デフォルトでは、サービスはダウンストリームの依存関係に基づいて自動的にグループ化されます。グループの管理を使用して、ビジネス要件と運用上の優先順位に基づいてサービスを整理するための独自のカスタムグループを定義できます。フィルターは、デプロイの変更、SLI違反、または Amazon Elastic Kubernetes Service(Amazon EKS)、Amazon Elastic Container Service(Amazon ECS)、AWS Lambda などのコンピューティングプラットフォームに焦点を当てるのに役立ちます。「View insights」機能は、サービスの健全性、変更履歴、メトリクスを表示します。ダッシュボードには、リソース分析と属性フィルタリングのビューが含まれており、根本原因分析を複数の観点から開始することができます。

Application Map

図3. アプリケーションマップ

まとめ

このリリースにより、AWS上の大規模分散アプリケーションを監視およびトラブルシューティングできるようになります。サービスとアプリケーションの依存関係を自動的にグループ化し、コンテキストに応じた運用インサイトを提供することで、カスタムダッシュボードの維持負担を排除し、運用メンテナンス時間を削減します。アプリケーションの複雑さが増し続ける中、AWSのアプリケーション中心のオブザーバビリティアプローチは、チームが大規模で信頼性が高くパフォーマンスの高いサービスを維持するために必要な可視性とツールを提供します。

それでは、探索を始めましょう。

  • バーチャルツアー:Application Signals がアプリケーションをどのように可視化し、トラブルシューティングを改善し、監視を変革するかを直接体験したいですか? 独自の環境をセットアップすることなく、このインタラクティブなバーチャルツアーをご利用ください。
  • デモのスケジュール:AWSアカウントチームに連絡して、アプリケーション監視体験をどのように変革できるかをご確認ください。
  • AWSオブザーバビリティを始める:包括的な監視を実装してオブザーバビリティの基盤を強化し、効果的な分析に必要なデータを確実にキャプチャできるようにします。
  • オブザーバビリティワークショップ:AWSがアプリケーションのオブザーバビリティを実現するために提供する幅広いツールセットのハンズオン体験を探索してください。
Arun Chandapillai

Arun Chandapillai

Arun Chandapillaiは、ダイバーシティ&インクルージョンのチャンピオンであるシニアクラウドアーキテクトです。彼は、ビジネスファーストのクラウド導入戦略を通じてお客様のIT近代化を加速し、クラウドでアプリケーションとインフラストラクチャを成功裏に構築、デプロイ、管理することを支援することに情熱を注いでいます。Arunは自動車愛好家であり、熱心なスピーカーであり、「与えたものが(返って)得られる」と信じる慈善家です。

Siva Guruvareddiar

Siva Guruvareddiar

Siva Guruvareddiarは、AWSのシニアソリューションアーキテクトであり、お客様が高可用性システムを設計することを支援することに情熱を注いでいます。彼は、マイクロサービス、コンテナ化、可観測性、サービスメッシュ領域、およびクラウド移行を使用してプラットフォームインフラストラクチャと内部アーキテクチャをモダナイズすることにより、クラウドネイティブ導入の取り組みを加速することを支援しています。LinkedIn: linkedin.com/in/sguruvar

Mitun Lahiri

Mitun Lahiri

CloudWatch Application Signals のソフトウェア開発マネージャー

本記事は、Amazon CloudWatch Application Signals new enhancements for application monitoring を翻訳したものです。翻訳は Technical Account Manager の 日平 が担当しました。