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AWS Summit Japan 2026 : Physical AI – Spatial Computing 関連展示の紹介

こんにちは。AWS プロフェッショナルサービスの Spatial Computing (空間コンピューティング) 領域の担当チームです。普段主に企業様向けのゲーム、シミュレーション、トレーニング等の用途で利用する 3D 空間の AWS 上への導入・企画支援を行っています。

AWS Summit Japan 2026 の AWS Village にて展示ブースを出展予定です。本ブログではそちらの展示内容をご紹介します。

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ブース A160:SDMA で繋ぐ現実世界とAIシミュレーション

Physical AIを支える3Dアセット管理基盤を体験

SDMA (Spatial Data Management on AWS) から取得した 3D パーツで障害物コースを自動生成し、仮想ロボットが AI で走り方を学ぶ様子をリアルタイムで体験できます。大量のロボットが同時に試行錯誤する学習の様子や、学習済み AI の自律走行の体験など、シミュレーションからロボット制御へつなぐ AI 開発の流れを体感いただけます。

こんな方におすすめ

来場者像 ブースで得られること
ロボットエンジニア   ロボットモデルの学習向けシミュレーション環境の効率的な構築方法
デジタルツイン推進担当   デジタルツイン環境の構築と AI シミュレーションへの活用例

展示内容

以下の 2 つの AI ロボットデバイスを題材に、仮想空間上でのデモをご紹介します。

  1. 自律走行車両
  2. 自律飛行ドローン

各デバイスは仮想空間上に構築されたシミュレーション環境で強化学習が行われています。その仕組みについて説明しながら、Spatial Data Management on AWS (SDMA) を活用したシミュレーション環境の効率的な構築方法についてご紹介します。

補足 : Spatial Data Management on AWS (SDMA) とは

Spatial Data Management on AWS (SDMA) は、2025 年 12 月にリリースされた、3D アセットなどの空間データ (Spatial Data) 管理基盤を構成するための AWS ソリューションです。OBJ、GLB、USD、PLY といった空間を表現する多様なフォーマットのデータを AWS のベストプラクティス構成で一元管理でき、AWS サービスとシームレスに連携したパイプライン実行が可能です。

下の図が SDMA のアーキテクチャ図です。公式サイトで提供されている CloudFormation ベースのテンプレートから AWS サービス群をデプロイできます。他の AWS サービスとの違いとして、専用のデスクトップアプリケーションが用意されており、PC から簡単な操作でAWS 上に構成されたデータ管理基盤にアクセス可能です。

デモ 1. 自律走行車両

概要

障害物が散在する不整地環境を、AI が自律的にゴールまで走行するデモです。Aalborg 大学が開発したオープンソースの強化学習フレームワーク RLRoverLab をベースに構築しています。

強化学習の仕組み

車両は強化学習により、障害物を避けながらゴールに到達するポリシー(状況に応じた自律的な行動の決定ルール)を獲得しています。NVIDIA の Isaac Sim を活用し、報酬を設定した上でパラメータを変化させながら、数百の車両が同時並列で強化学習を行います。

学習に関係する要素 説明
観測空間   車両周囲の地形の凹凸(LiDAR スキャン)、ゴールまでの方向と距離
行動空間   車両の側面についている 6 つの車輪の操舵角および角速度
報酬設計   ゴールに近づくほど高評価、到達でボーナス(加点)、障害物に衝突するとペナルティ(減点)

シミュレーション環境の構成

車両が走行するシミュレーション環境は、地面 と 障害物 の 2 つの要素で構成されています。地面は起伏のある 3D 地形、障害物は 3D モデルで作成された岩で、地面に無数に配置されています。

SDMA によるシミュレーション環境の自動生成

本デモでは、地面と障害物の組み合わせを変化させ、別のパターンのシミュレーション環境を構築します。地面と障害物に対応する画像から 3D データを生成するパイプラインを構築し、SDMA 経由で実行させる例をご紹介します。

SDMA のデスクトップアプリを使用し、地面と障害物に対応する画像をそれぞれ SDMA にアップロードします。

すると、事前定義した AWS Step Functions のワークフローが自動実行されます。

  1. 地面の画像から 3D Gaussian Splatting(写真や動画から高精細な 3D 空間を構築する技術 / 点群データで構成され、3次元ガウシアン分布で広がりのあるデータを持つ)形式で 3D 地形点群データを生成する(Image to 3DGS API を利用 – 例:Marble)
  2. 障害物の画像から 3D メッシュモデルを生成する(Image to 3D API を利用 – 例:Meshy AI)
  3. 生成した 3D 地形点群データから物理判定用のコリジョンメッシュ(車両が重力下の地面を走行し凹凸を認識するために必要)を生成する
  4.  3D 地形点群データとコリジョンメッシュを重ね、その表面に障害物の 3D メッシュモデルをランダムに配置し、シーンデータとして合成(USD 形式)した上で、 SDMA に登録する

その後、EC2 インスタンス上から SDMA を経由して生成されたシーンデータがダウンロードされ利用されます。

新しいシミュレーション環境の利用

生成した新しいシミュレーション環境上で、学習済みモデルが自律走行する様子を確認できます。地形と障害物が異なる環境でどのように走行するかを見ることで、汎化性能(学習時と異なる環境でも適切に動作する能力)を評価できます。必要に応じて、そのシミュレーション環境で追加学習を行うことも可能です。

デモ 2. 自律飛行ドローン

概要

複数のゲート(通過ポイント)で構成されたコースを、AI ドローンが飛行しながらゲートを順番に通過するレースデモです。オープンソースの isaac_drone_racer をベースに構築しています。来場者はコントローラーでドローンを操縦し、AI とレースで対決できます。

強化学習の仕組み

ドローンは強化学習により、ゲートを順番に通過しながらコースを完走するポリシー(状況に応じた行動の決定ルール)を獲得しています。最大 4096 機が並列にシミュレーションされ、大量の試行錯誤を短時間で行うことで高速に学習が進みます。

学習に関係する要素 説明
観測空間   機体の速度・角速度・姿勢、次ゲートへの相対位置・方向
行動空間   4 つのプロペラを駆動する各ローターの角速度(=推力)
報酬設計   ゲート通過で加点、ゲートへの接近・後退で進捗評価、衝突・コース逸脱で減点

シミュレーション環境の構成

ドローンが飛行するシミュレーション環境は、ゲート 障害物 の 2 つの要素で構成されます。ゲートはコースの経路を定義する通過ポイントで、障害物はゲート間の飛行経路上に配置されることで回避行動を要求します。

SDMA による障害物の配置

障害物の 3D モデルは SDMA で管理されています。SDMA のデスクトップアプリから障害物に対応した 3D モデル(GLB 形式)をアップロードすると、AWS Lambda によるフォーマット変換(GLB → USD:NVIDIA Isaac Sim で利用される3Dフォーマット)が自動実行されます。

変換された 3D モデルは、ブラウザ上の Web UI から SDMA 経由でダウンロードできるようになり、シミュレーション環境上での障害物の種類や配置を自由にカスタマイズできるようになります。

新しいシミュレーション環境の利用

カスタマイズした新しいシミュレーション環境上で、学習済みのモデルでドローンがどのように飛行するかを確認できます。ゲート配置や障害物の有無の影響を見ながら、AI の汎化性能を評価することができます。必要に応じて、そのコースで追加学習を行うことも可能です。

システムアーキテクチャ

利用している AWS サービス・ソリューション

その他技術要素

活用ユースケース

本デモで紹介した 3D のシミュレーション環境の構築パイプラインは、以下のようなユースケースでの活用が考えられます。

分野 ユースケース
物流・倉庫   AGV/AMR におけるパスプランニング、レイアウト変更時の再学習
建設・インフラ   ドローン点検の飛行経路最適化、現場 3D スキャンデータの活用
製造   工場フロアでの自律搬送ロボット導入シミュレーション
エンターテインメント・スポーツ   カメラドローン自律飛行、スタジアム運営シミュレーション

ブース情報

ブース ID   A160
エリア   AWS Village(AWS Expo エリア内)
日程   2026 年 6 月 25 日 (木)・26 日 (金)
会場   幕張メッセ

まとめ

AWS Summit Japan 2026 の AWS Village(ブース A160)にて、2026年6月25日(水)・26日(木)の両日展示します。

デモを通して AI シミュレーションの概要をご覧いただきながら、AWS を活用したシミュレーション環境構築をお気軽にお立ち寄りください。

AWS Summit Japan 2026 公式サイト