Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2023/5/22週
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの小林です。
先日、とある方にご質問をいただいたのでこの場を借りて回答してみようと思います。週刊AWSのOGP画像ですが、AWSの東京オフィスにて同僚のカメラマン氏に撮影してもらっています。10-20パターンくらいまとめて撮影していますので数ヶ月間は一度使った写真を使い回すことなく、ローテーションすることができる仕組みです。今回の写真たちは3月頭に撮影したので下佐粉も私もいくらか厚着していますね。
それでは、5月22日週のアップデートを振り返ってみましょう。
2023 年 5 月 22 日週の主要なアップデート
- 5/22(月)
- Amazon Aurora MySQLでbinlog有効時のパフォーマンスとリカバリ時間を改善
Amazon Aurora MySQLではデータ変更のキャプチャなどを目的としてバイナリログ(binlog)を出力することが可能です。今回、Aurora MySQLのEnhanced binlog機能を発表し、binlog出力を有効に設定している場合のパフォーマンスオーバーヘッドを最大50%削減するとともに、フェールオーバーが発生した後のデータベースのリカバリ時間を最大99%削減することが可能になりました。この機能はMySQL 8互換のAurora MySQL 3でご利用いただけます。詳細についてはブログ記事をご確認ください。
- Amazon Aurora MySQLでbinlog有効時のパフォーマンスとリカバリ時間を改善
- 5/23(火)
- Amazon RDS for PostgreSQLのユーザ定義関数の開発にRustを利用可能に
Amazon RDS for PostgreSQLでは、Trusted Language Extensions for PostgreSQLによってユーザ定義関数を開発し、利用することが可能です。今回Amazon RDS for PostgreSQLで、Rust言語によるユーザ定義関数の開発が可能になりました。コンピューティング負荷の高い処理を記述する際にパフォーマンス的に有効な選択肢となります。
- Amazon RDS for PostgreSQLのユーザ定義関数の開発にRustを利用可能に
- 5/24(水)
- Amazon Connect Contact Lensが顧客問い合わせのテーマ識別に対応
Amazon Connect Contact Lensで、顧客問い合わせのテーマを解析しグループ化する機能が利用できるようになりました。これは機械学習の技術が応用されており、顧客からの問い合わせを分類することでコンタクトセンターのオペレーション改善や音声自動応答の最適化に活用することができます。 - AWS KMSで利用するHSMがFIPS 140-2 Security Level 3の認定を取得
AWS KMS(Key Management Service)で、サービス内部で使用するHSM(ハードウェアセキュリティモジュール)が、NISTのFIPS 140-2 Security Level 3の認定を取得したことを発表しました。これによって、AWS KMSで管理する鍵についての全ての暗号化処理がFIPS 140-2 Security Level 3で認定されたHSMで実行されることが保証されます。この認定により、業界標準や規制基準に対応する際にKMSで対応することができる範囲が広がりました。 - AWS Elemental MediaPackageがLow-Latency HLSをサポート
コンテンツをパッケージ化し、動画再生デバイスに配布することを容易にするAWS Elemental MediaPackageがLow-Latency HLS(LL-HLS)に対応しました。LL-HLSを利用すると遅延時間を最短5秒に短縮することが可能で、Amazon CloudFrontをはじめとするCDNと組み合わせることで低遅延のライブ配信を大規模に展開できます。 - Amazon EKSとAmazon EKS DistroがKubernetes 1.27に対応
Amazon EKSとAmazon EKS DistroでKubernetes 1.27をご利用いただけるようになりました。詳細についてはブログ記事をどうぞ。 - AWS AmplifyでSwiftとAndroid向けのAuthenticator UI Libraryを発表
Web/モバイルアプリのデベロッパーが容易にアプリケーションを開発することを可能にするのがAWS Amplifyです。今回、Swift/Android向けにAuthenticator UI componentが発表されました。これを利用すると、ユーザの朗吟・登録ワークフローを簡単に構築することが可能です。こちらも詳細についてはブログにまとまっています。
- Amazon Connect Contact Lensが顧客問い合わせのテーマ識別に対応
- 5/25(木)
- Amazon SageMaker JumpStartでドメイン適応による基盤モデルの最適化が可能に
Amazon SageMaker JumpStartは生成系AIで利用される基盤モデルを素早く起動することを可能にします。今回、ユーザのデータセットを利用してモデルをファインチューニングできるようになりました。例えばGPT-J 6BやGPT-J 6B FP16といった基盤モデルを、用途に合わせて微調整することができます。 - Amazon Athenaのデータソースコネクタが更新され性能向上とコスト削減を実現
Amazon Athenaでデータソースコネクタの新バージョンがリリースされました。データソース側により多くの処理をプッシュダウンすることで、クエリ処理時間の短縮・スキャンされるデータ量の削減が期待できます。Athena Engine version 3を利用していることを確認したうえで、データソースコネクタを最新バージョンにアップグレードすることでご利用いただけます。 - Amazon Aurora PostgreSQLでリードレプリカの可用性が向上
Amazon Aurora PostgreSQLで、Writerノードが再起動している間も、Readerノードが読み取りリクエストの処理を継続できるようになりました。Writerノードの構成変更時や、フェイルオーバー発生時であってもReaderが読み取りリクエストの処理を継続できるためクラスタ全体としての読み取り可用性向上につながります。 - Amazon RDS for PostgreSQLで新しいマイナーバージョンが利用可能に
Amazon RDS for PostgreSQLでPostgreSQL 15.3/14.8/13.11/12.15/11.20をご利用いただけるようになりました。
- Amazon SageMaker JumpStartでドメイン適応による基盤モデルの最適化が可能に
- 5/26(金)
- Amazon RDS Database Preview EnvironmentでPostgreSQL 16 Beta 1が利用可能に
リリース前の環境をテストできるAmazon RDS Database Preview Environmentで、PostgreSQL 16 Beta 1をご利用いただけるようになりました。Database Preview Environmentで起動した環境は最大60日までご利用いただくことができ、その期間が終了するとインスタンスは自動的に削除されますので注意してください。
- Amazon RDS Database Preview EnvironmentでPostgreSQL 16 Beta 1が利用可能に
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 小林 正人 (twitter – @maccho_j)