Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2025/10/20週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの古屋です。今週から週刊AWS を皆様にお届けする新たなメンバーとして活動させていただきます。どうぞよろしくお願いします!
では早速、今週も 週刊AWS をお届けします。
2025年12月11日(木)に、The Linux Foundation 主催、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社からも登壇予定の「OpenSearchCon JAPAN」 が開催されます。本イベントでは、OpenSearchに関する最新情報や先端技術事例、ユースケースや今後のロードマップなどが紹介される予定です。OpenSearchを利用したデータ分析やリアルタイム検索基盤の最新トレンドを学びたい方、バージョン移行での課題解決事例に関心がある方に特におすすめとなっております。ぜひご参加ください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2025年10月20日週の主要なアップデート
- 10/20(月)
- Amazon ECS が API アクティビティの洞察のために AWS CloudTrail データイベントを公開開始
Amazon ECS で AWS CloudTrail データイベントがサポートされ、ECS Agent の API アクティビティを詳細に監視できるようになりました。従来では見えなかった ECS エージェントの動作 (タスクのポーリングやテレメトリセッション開始など) が記録され、セキュリティ監査やトラブルシューティングが格段に効率化されます。運用チームはコンテナインスタンスの問題を迅速に特定でき、コンプライアンス要件も満たしやすくなります。詳細はこちらの Developer Guide をご参照ください。
- Amazon ECS が API アクティビティの洞察のために AWS CloudTrail データイベントを公開開始
- 10/21(火)
- Amazon CloudWatch Database Insights が RDS for SQL Server のオンデマンド分析を提供開始
Amazon CloudWatch Database Insights が RDS for SQL Server のオンデマンド分析に対応しました。従来は数時間かかっていたデータベースの性能問題の特定が、機械学習による自動分析で数分に短縮されます。性能のボトルネックを自動検出し、具体的な改善提案も提供されるため、データベース管理者の負担が大幅に軽減されます。RDS コンソール、AWS API、AWS SDK、または AWS CloudFormation を使用して、RDS for SQL Server データベースで Advanced モードを有効にすることで利用開始できます。 - Amazon Bedrock Data Automation が動画の追加フォーマットと画像の高速処理をサポート
Amazon Bedrock Data Automation で新しい動画フォーマット AVI、MKV、WEBM と新コーデックをサポート開始しました。これまで対応していなかった古いアーカイブ映像や Web 動画も分析可能となりました。さらに画像処理が最大 50% 高速化し、大量の画像データをより短時間で処理できます。企業の動画アーカイブ活用や AI アプリケーションの処理速度向上に役立ちます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - AWS、Nitro Enclaves が全ての AWS リージョンで利用可能になったことを発表
AWS Nitro Enclaves が全リージョンで利用可能になりました。これは EC2 インスタンス内で機密データを安全に処理するための隔離された環境 (エンクレーブ) を作成できる機能です。従来は一部リージョンでしか使えませんでしたが、今回ニュージーランド、タイ、ジャカルタ、スペイン、チューリッヒなど多数のリージョンに拡大されました。金融データや個人情報など高度な機密性が求められるアプリケーションで、攻撃対象領域を大幅に削減できます。なお、Nitro Enclaves の利用料金は、通常の EC2 の利用料金の中に含まれており、追加のコストは不要です。詳細はこちらをご参照ください。
- Amazon CloudWatch Database Insights が RDS for SQL Server のオンデマンド分析を提供開始
- 10/22(水)
- AWS の Customer Carbon Footprint Tool に Scope 3 排出量データが追加されました
AWS Customer Carbon Footprint Tool (CCFT) が Scope 3 排出データに対応し、クラウド利用による CO2 排出量をより包括的に把握できるようになった。従来は直接的な排出のみの計測でしたが、今回のアップデートでサーバーの製造、AWS 施設への電力供給、データセンター設備輸送まで含むライフサイクル全体の排出量を可視化できます。2022年1月からの履歴データも確認できます。これにより、企業の持続可能性目標達成に向けた意思決定に活用可能です。詳細はこちらをご参照ください。 - Amazon S3 メタデータが 3 つの追加 AWS リージョンで利用可能になりました
Amazon S3 Metadata がフランクフルト、アイルランド、東京リージョンで新たに利用可能になりました。S3 Metadata は、S3 バケット内のオブジェクトメタデータを自動的に収集し、ほぼリアルタイムで更新される Apache Iceberg テーブルとして提供する完全マネージドサービスです。バケット内のオブジェクトが追加・更新・削除されると、メタデータテーブルも自動的に同期されるため、常に最新の状態を保ちます。これまで手動で管理していたメタデータの整理が自動化され、ビジネス分析や機械学習の推論処理でデータを効率的に活用できるようになります。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - Amazon CloudWatch がインタラクティブなインシデントレポート機能を導入
Amazon CloudWatch で、インシデント発生後の分析レポートを自動生成する機能が追加されました。従来は手動でデータを収集して報告書を作成する必要がありましたが、新機能ではテレメトリデータ、お客様の入力、調査中に実行されたアクションを自動的に収集・関連付けし数分で包括的なレポートが完成します。レポートには、エグゼクティブサマリー、イベントのタイムライン、影響評価、実行可能な推奨事項まで含まれるため、インシデント後分析を通じた運用体制の継続的改善に役立ちます。東京リージョンを含む 12 リージョンで利用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- AWS の Customer Carbon Footprint Tool に Scope 3 排出量データが追加されました
- 10/23(木)
- 一般提供開始: リアルタイム入札ワークロード向け AWS RTB Fabric
AWS RTB Fabric がリアルタイム広告向けのフルマネージドサービスとして一般提供開始されました。広告技術 (AdTech) パートナーとの接続を 3 ステップで実現し、プライベートで高性能なネットワーク環境を通じて 1 桁ミリ秒の超低遅延を実現するフルマネージドサービスです。従来の標準的なクラウドネットワーキングコストを最大 80 % 削減でき、前払いも不要です。内蔵モジュールによりトラフィックの最適化、入札効率の向上、入札レスポンス率の向上が可能です。AdTech 企業とより迅速に接続してターゲットオーディエンスにリーチし、キャンペーン規模を拡大、広告費用対効果を高めるためのパフォーマンスを向上させることができます。東京リージョンを含む 6 リージョンで利用できます。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - Amazon Quick Sight が新しいデータ準備エクスペリエンスの一般提供を発表
Amazon Quick Sight で新しいビジュアルデータ準備機能が正式提供開始されました。これまでプログラミングや SQL が必要だった高度なデータ変換が、コードを書かずに実行できるようになります。データのクリーニングや結合作業を直感的な操作で行え、データセットの参照レベルも 3 から 10 に拡張されました。また、異なるデータソース間の結合処理能力が 1GB から 20GB へと 20 倍向上したことで、より大規模なデータ処理が可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Connect アウトバウンドキャンペーンがプレビューダイヤリングをサポートし、エージェントの制御を強化
Amazon Connect のアウトバウンドキャンペーンで preview dialing (プレビューダイヤル) モードが追加されました。今回のアップデートでエージェントは顧客の名前や残高、過去のやり取り履歴を事前に確認してから最適なタイミングで電話をかけられるようになりました。これにより顧客エンゲージメントの向上とコンプライアンス要件への対応が可能になります。東京リージョンを含む 10 のリージョンで利用できます。詳細はこちらの Web ページをご参照ください。
- 一般提供開始: リアルタイム入札ワークロード向け AWS RTB Fabric
- 10/24(金)
- AWS Lambda が非同期呼び出しの最大ペイロードサイズを 256 KB から 1 MB に増加
AWS Lambda の非同期呼び出しで送信できるデータサイズが 256 KB から 1 MB に拡大されました。これまで大きなデータを扱う際は分割や圧縮が必要でしたが、今回のアップデートにより機械学習の出力データや詳細なユーザープロファイルなど、より複雑で大容量のデータを一度に処理できるようになります。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - AWS Transfer Family でサーバーの ID プロバイダータイプの変更がサポートされました
AWS Transfer Family で、サービス停止なしに認証プロバイダー (IdP) タイプを変更できるようになりました。従来は認証方式を変更する際にサーバーを停止する必要がありましたが、今回のアップデートにより SFTP や FTPS サーバーの運用中に、サービス管理認証、Active Directory、カスタム IdP 間でシームレスに切り替え可能です。これにより企業の認証システム統合やセキュリティ要件変更時も、ファイル転送サービスを継続しながら対応できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Aurora DSQL がリソースベースポリシーをサポート開始
Amazon Aurora DSQL でリソースベースポリシーがサポート開始されました。このアップデートにより、特定の IAM プリンシパルに対して実行可能なアクションを直接リソースレベルで指定できるようになりました。さらに Block Public Access (BPA) 機能も利用でき、パブリックエンドポイントや VPC エンドポイントへのアクセスをより厳密に制限可能です。バージニア北部、オハイオ、オレゴン、大阪、東京、ソウル、アイルランド、ロンドン、パリ、フランクフルトリージョンで利用できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- AWS Lambda が非同期呼び出しの最大ペイロードサイズを 256 KB から 1 MB に増加
それでは、また来週お会いしましょう!
