Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2025/10/27週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの西村です。
今週も 週刊AWS をお届けします。
いきなりですが、「お祭り」のご案内です!11月5日(水)にコスト最適化の最新アップデートや生成AIを活用したメソッドを学ぶ「AWS 秋のCost Optimization祭り 2025」が、そして 11月6日(木) は生成 AI を使ったAWS オブザーバビリティの最新動向を学ぶ「AWS 秋のオブザーバビリティ祭り 2025」が開催されます。両日とも AWS Startup Loft Tokyo で 19:00 から開始予定です。 だんだん寒くなってきましたが、秋夜にアツい2日間を過ごしてみるのはいかがでしょうか? AWS のコスト最適化や可観測性に課題をお持ちの方も、ただただ興味があるという方も、ぜひ参加してみてください!
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2025年10月27日週の主要なアップデート
- 10/27(月)
- Amazon SageMaker が検索結果に追加の検索コンテキストを追加
Amazon SageMaker Unified Studio の検索機能が大幅に改善されました。これまで検索結果がなぜ表示されるのか分からず、関連性を判断するのに時間がかかっていましたが、今回のアップデートでメタデータのどの部分がクエリにマッチしたかが視覚的に分かるようになりました。名前、説明、用語集、スキーマなどの各フィールドでマッチした箇所がハイライト表示され、説明パネルで詳細も確認できます。これにより、データ発見の効率が向上し、不要なアセットを開かずに関連性を素早く判断できるようになります。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Redshift Serverless が AWS アジアパシフィック (大阪) およびアジアパシフィック (マレーシア) リージョンで利用可能になりました
Amazon Redshift Serverless が大阪リージョンとマレーシアリージョンで利用可能になりました。データウェアハウスクラスターの管理が不要で、データ分析を数秒で開始できます。従来は事前にノードタイプやクラスター設定を決める必要がありましたが、今回のサービスでは自動的にキャパシティを調整し、使った分だけの従量課金となります。Query Editor V2 ですぐにクエリを実行でき、データアナリストや開発者が手軽に分析環境を構築できるようになりました。詳細はこちらの機能ページをご参照ください。 - Amazon ECS マネージドインスタンス が全ての商用 AWS リージョンで利用可能になりました
Amazon ECS マネージドインスタンスが全商用リージョンで利用可能になりました。このサービスは ECS において EC2 を利用時に、EC2 のインフラストラクチャ管理を AWS に任せつつ、全機能へのアクセスを提供するよう設計された、新しいフルマネージドのオプションです。これまで東京リージョンを含む6つのリージョンで利用可能でしたが、今回のアップデートで大阪リージョンを含むすべての商用リージョンで利用することできるようになりました。Amazon ECS マネージドインスタンスの詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。
- Amazon SageMaker が検索結果に追加の検索コンテキストを追加
- 10/28(火)
- AWS Resource Explorer が 47 の追加リソースタイプをサポート
AWS Resource Explorer が 47 の新しいリソースタイプに対応し、Amazon Bedrock や AWS Shield、AWS Glue などのリソースも検索できるようになりました。これまで個別のサービスコンソールでしか確認できなかったリソースを、Resource Explorer で一括検索できるため、複数のサービスを利用している環境でのリソース管理が大幅に効率化されます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Nova マルチモーダル埋め込みの発表
Amazon Nova Multimodal Embeddings が一般提供開始されました。これまではテキスト、画像、動画、音声それぞれに専用のモデルが必要でしたが、今回の新モデルでは単一モデルですべてのコンテンツタイプを処理できます。動画アーカイブから複雑な検索クエリでコンテンツを探したり、顧客の質問に基づいて関連商品画像を見つけるなど、クロスモーダルな検索が可能になります。バージニア北部リージョンの Amazon Bedrock で利用できます。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - Amazon Kinesis Data Streams が 10 倍大きなレコードサイズをサポート
Amazon Kinesis Data Streams のレコードサイズ上限が従来の 1 MiB から 10 MiB に 10 倍拡大されました。これまで大きなデータを扱う際は別の処理パイプラインが必要でしたが、今回のアップデートにより IoT データ分析や AI ワークロードなどで間欠的に発生する大容量データも単一のストリームで処理できるようになり、運用負荷が大幅に軽減されます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- AWS Resource Explorer が 47 の追加リソースタイプをサポート
- 10/29(水)
- Web Grounding: Amazon Nova モデルで正確な AI アプリケーションを構築
Amazon Nova モデルの新機能 Web Grounding が一般提供開始されました。この機能により、Amazon Nova モデルが Web 上の最新情報を自動で取得し、その情報を引用付きで回答に活用するAIアプリケーションの構築が可能となります。従来の AI モデルでは古い学習データに基づく回答や不正確な内容 (ハルシネーション) が課題でしたが、Web Grounding を使うことでリアルタイムの正確な情報に基づいた回答が可能になります。現在 Nova Premier で利用でき、バージニア北部、オハイオ、オレゴンリージョンで提供中です。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - Amazon S3 がコピー操作に条件付き書き込み機能を追加
Amazon S3 のコピー操作で条件付き書き込み機能が利用できるようになりました。複数のユーザーが同じオブジェクトに同時アクセスする際、意図しない上書きを防げます。if-match や if-none-match ヘッダーを使用することで、コピー先にオブジェクトが存在するかや内容が変更されているかを事前チェック可能です。全リージョンで追加料金なしで利用でき、従来必要だったクライアント側の調整処理が不要になります。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon EBS が EBS ボリュームの追加パフォーマンス監視メトリクスを導入
Amazon EBS で新しい CloudWatch メトリクス VolumeAvgIOPS と VolumeAvgThroughput が追加されました。これにより EBS ボリュームの平均 IOPS と平均スループットを 1 分間隔で監視できるようになり、パフォーマンスのトレンド分析やボトルネックの特定が簡単になります。従来は詳細なパフォーマンス監視が困難でしたが、これらのメトリクスを使ってダッシュボード作成やアラーム設定も可能です。EC2 Nitro インスタンスに接続された全ての EBS ボリュームで無料利用できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Web Grounding: Amazon Nova モデルで正確な AI アプリケーションを構築
- 10/30(木)
- Amazon Managed Service for Prometheus が異常検知機能を追加
Amazon Managed Service for Prometheus にアノマリー検知機能が追加されました。機械学習により時系列データの異常を自動検知し、従来は手動で監視していた異常値を自動で発見できるようになります。システムの性能低下やエラー急増などを早期発見でき、運用負荷を大幅に軽減します。検知結果は Grafana で可視化でき、アラート設定も可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Bedrock AgentCore Browser が Web Bot Auth (プレビュー) で CAPTCHA を削減
Amazon Bedrock AgentCore Browser で Web Bot Auth (プレビュー) が利用可能になりました。この機能により、AI エージェントがウェブサイトを自動操作する際の CAPTCHA による中断を大幅に減らせます。従来は AI エージェントが人間による手動介入を必要とする場面が多くありましたが、Web Bot Auth により AI エージェントが信頼できる存在として認識され、スムーズな自動化ワークフローを実現できます。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - AWS Backup が AWS リージョンとアカウント間でのデータベーススナップショットの単一アクションコピー機能を追加
AWS Backup で、データベースのスナップショットを異なるリージョンやアカウントに 1 回の操作でコピーできるようになりました。従来は 2 段階の手順が必要でしたが、この機能により RDS、Aurora、Neptune、DocumentDB のスナップショットを直接コピー可能です。ランサムウェア攻撃やリージョン障害から保護でき、中間コピーのコストも削減されます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon ECS で Linear デプロイメントとCanary デプロイメントの組み込みサポートを開始
Amazon ECS で Linear(線形)と Canary デプロイメント戦略が利用できるようになりました。従来の Blue/Green デプロイメントに加えて、より柔軟なデプロイメント方法が選択可能です。Linear(線形) デプロイメントでは段階的にトラフィックをシフト (例: 10% ずつ) し、各段階で動作確認できます。Canary デプロイメントでは少量のトラフィックを新バージョンに向けて検証後、残りのトラフィックを移行します。CloudWatch アラームと連携した自動ロールバック機能により、問題発生時の迅速な対応が可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon Managed Service for Prometheus が異常検知機能を追加
- 10/31(金)
- Amazon VPC IPAM がプレフィックスリストの更新を自動化
Amazon VPC IPAM で、プレフィックスリストの更新を自動化する prefix list resolver (PLR) 機能が追加されました。これまで VPC や サブネット の IP アドレス範囲が変更されるたびに、手動でプレフィックスリストを更新する必要がありましたが、PLR により自動同期が可能になります。ルートテーブルやセキュリティグループで参照するプレフィックスリストが、ビジネスルールに基づいて自動更新されるため、運用負荷が大幅に軽減されます。全リージョンで利用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - AWS 向け Model Context Protocol (MCP) Proxy が一般提供開始
AWS が Model Context Protocol (MCP) Proxy for AWS の一般提供を開始しました。これにより、AI 開発ツール (Amazon Q Developer CLI や Cursor など) から AWS SigV4 認証を使って AWS のリソースに安全にアクセスできるようになります。例えば S3 バケットや RDS テーブルなどの AWS サービスを AI エージェントから直接操作可能です。読み取り専用モードやリトライ機能などの安全機能も搭載しており、開発者は安心して AI ワークフローに AWS サービスを組み込めます。詳細はこちらの GitHub リポジトリをご参照ください。 - AWS PrivateLink が AWS サービスのクロスリージョン接続をサポート
AWS PrivateLink がクロスリージョン接続に対応しました。これまで Interface VPC エンドポイントは同一リージョン内の AWS サービスにしか接続できませんでしたが、今回のアップデートにより他リージョンの Amazon S3 や Route 53、ECR などに VPC ピアリングやパブリックインターネットを経由せずプライベート接続が可能になります。データレジデンシー要件を満たしつつ、グローバルなプライベートネットワーク構築に活用できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon VPC IPAM がプレフィックスリストの更新を自動化
今年の AWS re:Invent まであと約1ヶ月と迫ってきました。おそらく開催前の 11 月も多くのサービスアップデートが発表されると思いますので、情報の準備体操をお願いします!
それでは、また来週!