Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2026/6/1週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの古屋です。今週も 週刊AWS をお届けします。
いよいよ AWS Summit Japan 2026 が今月の6 月 25 日(木)・26 日(金)の 2 日間に幕張メッセで開催されますね!日本最大級の「AWS を学ぶイベント」として、基調講演に加え、エージェント型 AI や機械学習、セキュリティ、アプリケーションモダナイゼーションまで、260 を超えるセッションや事例が揃います。
今回の AWS Summit では、私も Windows 依存のレガシーなアプリケーションを、生成 AI を活用していかに効率よくモダナイズするかをテーマにしたセッション (セッション MAM331) で登壇します。AWS Transform for .NET を起点に、SQL Server から Amazon Aurora PostgreSQL へのデータベース移行、Linux コンテナ化、さらに Kiro を活用した加速アプローチまで、実際の事例とデモを交えてご紹介します。移行の「先送り」に悩んでいる方は、ぜひお越しください!
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2026年6月1日週の主要なアップデート
- 6/1(月)
- Amazon Bedrock で OpenAI の GPT-5.5、GPT-5.4、Codex が一般提供開始
Amazon Bedrock で OpenAI の最先端モデルである GPT-5.5 および GPT-5.4 が一般提供 (GA) を開始しました。GPT-5.5 は OpenAI の最も高性能なモデルで、自律的なコーディング、データ分析、複数ステップのタスク実行に優れています。同時に、AI コーディングエージェント Codex も Bedrock 経由で利用可能になり、Visual Studio Code、JetBrains、Xcode との統合を通じてソフトウェア開発を支援します。料金は OpenAI の直接提供と同額で、AWS の既存コミットメントにカウントされます。なお、本記事執筆時点では、これらのモデルは Bedrock マネジメントコンソールのモデルカタログにはまだ表示されておらず、OpenAI Responses API 経由 (bedrock-mantle エンドポイント) で利用可能です。GPT-5.5 は US East (オハイオ)、GPT-5.4 は US East (オハイオ) と US West (オレゴン) の 2 リージョンからの提供開始となっています。 - Amazon Bedrock AgentCore Identity で AWS Secrets Manager の既存シークレットを利用可能に
Amazon Bedrock AgentCore Identity で、AWS Secrets Manager に保存された既存のシークレット ARN を Credential Provider から直接参照できるようになりました。従来のサービス管理型シークレットでは、作成時にリソースタグを適用したり、カスタマーマネージドキー (CMK) で暗号化したりすることができませんでした。この機能により、組織のガバナンスポリシーに従ってシークレットを作成・管理し、CMK、タグ戦略、自動ローテーション、リソースポリシーを適用した上で、AgentCore Identity から参照できます。東京リージョンを含む、14 のリージョンで一般提供が開始されています。 - Amazon Quick が MCP 接続で VPC 接続をサポート
Amazon Quick が、プライベートネットワーク上でホストされた Model Context Protocol (MCP) サーバーに Amazon Virtual Private Cloud (VPC) 経由で接続できるようになりました。これまで MCP サポートはパブリックインターネット経由でアクセス可能なサードパーティホストサーバーに限定されていましたが、今回のアップデートにより、企業は Amazon EC2、AWS Fargate、Amazon Bedrock AgentCore などのプライベートネットワーク上で動作する MCP サーバーを、インターネットに公開することなく Quick に接続できます。この機能は Enterprise エディションにて利用可能です。
- Amazon Bedrock で OpenAI の GPT-5.5、GPT-5.4、Codex が一般提供開始
- 6/2(火)
- Amazon RDS for SQL Server が Bring Your Own Media をサポート
Amazon RDS for SQL Server が Bring Your Own Media (BYOM) のサポートを開始しました。BYOM により、Microsoft の License Mobility プログラムを通じて既存の SQL Server ライセンスと Software Assurance を RDS で再利用できます。ユーザーは SQL Server の RTM (Release To Manufacturing) インストールメディアを S3 にアップロードし、AWS は SQL Server ライセンス費用を請求せず、インフラストラクチャ費用 (コンピュート、ストレージ、I/O、データ転送) と Windows OS 費用のみを課金します。これにより、オンプレミスや EC2 で SQL Server を運用している企業が、追加ライセンス費用なしでマネージドサービスへ移行できます。 - Amazon ElastiCache for Valkey の 耐久性機能のサポートを発表
Amazon ElastiCache for Valkey が耐久性 (durability) 機能をサポートしました。この機能により、マイクロ秒の読み取りレイテンシを維持しながら、データ損失を許容できないワークロードに ElastiCache を利用できます。Multi-AZ transactional log を使用してデータを複数のアベイラビリティゾーン (AZ) に永続化し、障害時の高速フェイルオーバー、データベースリカバリ、ノード再起動を実現します。Synchronous writes (同期書き込み) と Asynchronous writes (非同期書き込み) の 2 つのオプションから選択でき、データ保護とパフォーマンスのバランスを調整できます。Valkey 9.0 以降で利用可能で、すべての AWS 商用リージョン、AWS 中国リージョン、AWS GovCloud (US) リージョンで提供されます。詳細は こちらのブログ をご参照ください。 - AWS Config が internal service linked rules をサポート開始
AWS Config は internal service linked rules のサポートを開始しました。この機能により、AWS サービス(AWS Security Hub CSPM など)が AWS Config managed rules を使用して AWS リソースの設定を評価できるようになります。Internal service linked rules は既存の service linked recorder 機能を拡張し、AWS サービスがサービス固有の機能として AWS Config のルール評価を展開・管理できるようにします。評価結果はルールを展開した AWS サービスに直接配信され、AWS Config から顧客への課金は発生しません。これらのルールは既存の顧客管理 AWS Config レコーダーおよびルールとは独立して動作するため、顧客は引き続き AWS Config をインベントリ、ガバナンス、コンプライアンス、監査のユースケースに使用できます。
- Amazon RDS for SQL Server が Bring Your Own Media をサポート
- 6/3(水)
- AWS Config が 9 つの新しいリソースタイプに対応
AWS Config が Amazon Bedrock、Amazon Bedrock AgentCore、Amazon SageMaker の 3 つのサービスにわたって 9 つの新しいリソースタイプに対応しました。これにより、生成 AI ワークフロー (Bedrock Flows)、エージェント評価機能 (Amazon Bedrock AgentCore)、大規模 ML インフラ (SageMaker HyperPod) などの設定を継続的に記録・監査できるようになります。すべてのリソースタイプの記録を有効にしている場合、これらは自動的に追跡対象に含まれます。新しいリソースタイプは Config Rules と Config Aggregator でも利用可能です。 - Amazon SageMaker Unified Studio が 12 言語でのローカライズ体験をサポート
Amazon SageMaker Unified Studio のユーザーインターフェースが日本語を含む 12 言語に対応しました。グローバルチームのデータエンジニア、アナリスト、データサイエンティストが、最も使いやすい言語でナビゲート、構築、コラボレーションできるようになり、生産性が向上します。ブラウザの言語設定から自動検出されるほか、プロフィール設定で手動変更も可能です。 - AWS Step Functions が AgentCore を活用したエージェント推論ステップに対応
AWS Step Functions が Amazon Bedrock AgentCore のマネージドハーネスと統合され、ワークフロー内に AI エージェントの推論ステップを追加できるようになりました。Workflow Studio からハーネスを直接作成でき、ドキュメント分類や非構造化フォームの要素抽出など、推論タスクをワークフローに組み込めます。複数のエージェントを並列または順次実行でき、重要なアクションの前に承認ステップを追加できます。実行履歴にはエージェントの入出力、トークン使用量、実行時間が記録され、CloudWatch にターンごとの推論詳細へのリンクが表示されます。
- AWS Config が 9 つの新しいリソースタイプに対応
- 6/4(木)
- Amazon Bedrock が OpenAI および Anthropic 互換 API に最適化されたコンソールを発表
Amazon Bedrock は、OpenAI Responses API、OpenAI Chat Completions API、Anthropic Messages API に対応した新しいコンソール体験を発表しました。このコンソールは、bedrock-mantle エンドポイントでの利用に最適化されており、実験、反復、スケールという実際の開発フローに沿ったワークフローを提供します。プロジェクト単位で作業を整理し、モデルカタログの一覧比較、評価の実行、使用状況インサイトの確認を 1 つのビューで完結できます。また、プロジェクト固有のモデル ID やエンドポイント URL が自動的に埋め込まれたコードサンプルを生成するため、開発者はコンソールからコードをコピーしてそのまま実行できます。 - Amazon Cognito がマルチリージョンレプリケーションに対応
Amazon Cognito User Pool でマルチリージョンレプリケーション機能が利用可能になりました。この機能により、ユーザー認証情報や User Pool 設定をセカンダリリージョンにほぼリアルタイムで同期し、リージョン障害時にもサインイン済みユーザーが再認証なしでアプリケーションを利用できます。Essentials または Plus プランのアドオンとして提供され、東京リージョンを含む 16 リージョンで利用できます。 - Amazon SageMaker Data Agent がビジネスコンテキストを会話に統合
Amazon SageMaker Data Agent が SageMaker Catalog のビジネスコンテキストとメタデータと統合し、技術的なテーブル名ではなくビジネス用語を使用してデータセットを発見し、より正確な SQL および Python コードを生成できるようになりました。この統合により、Collibra、Atlan、Alation から同期されたものを含む、企業が数ヶ月かけて SageMaker Catalog に蓄積したビジネスコンテキストを活用できます。データ実務者は「顧客維持率を計算して」「顧客離反に関するデータは何がある?」といった質問が可能になり、初回試行時からより正確なコード生成とデータガバナンスの尊重を実現します。
- Amazon Bedrock が OpenAI および Anthropic 互換 API に最適化されたコンソールを発表
- 6/5(金)
- AWS MCP Server が cross-account および cross-role アクセスに対応
Agent Toolkit for AWS の一部である AWS Model Context Protocol (MCP) Server において、cross-account および cross-role アクセス機能を発表しました。この機能により、Kiro、Claude Code、Codex などの AI コーディングエージェントを使用する開発者は、セッションの再起動なしに単一のセッション内で複数の AWS アカウントと AWS Identity and Access Management (IAM) ロールを横断して作業できるようになります。従来はプロファイルを切り替えるたびに AI コーディングセッションを停止し、ローカルの AWS 認証情報を更新し、MCP サーバーを再起動する必要がありました。現在は、AWS MCP Server を使用する AI エージェントが各コマンドでプロファイルを指定できるため、アカウントとロールをシームレスに切り替えられます。 - Amazon ECS with AWS Fargate が 32vCPU 構成をサポート開始
Amazon ECS with AWS Fargate が 32 vCPU の新しいコンピュート構成をサポートしました。従来の最大構成である 16 vCPU から倍増し、60 GiB、120 GiB、244 GiB の 3 つのメモリオプションを提供します。x86 と ARM の両アーキテクチャに対応し、Linux 環境で利用できます。この拡張により、AI 推論、大規模データ処理、ハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) などの高負荷ワークロードを、サーバー管理なしで実行できるようになりました。Fargate と Fargate Spot の両方のキャパシティプロバイダーで利用可能で、既存の Compute Savings Plans が自動適用されます。 - Amazon Bedrock AgentCore Runtime に対話型シェル (インタラクティブターミナル) 機能を導入
Amazon Bedrock AgentCore Runtime に新しい InvokeAgentRuntimeCommandShell API が追加され、WebSocket 経由で実行中のエージェントセッションに対話型シェルアクセスが可能になりました。この API は PTY-backed terminal (疑似端末) を提供し、カラー出力、タブ補完、Ctrl+C 処理、ターミナルリサイズ、ネットワーク切断時の自動再接続に対応します。既存の InvokeAgentRuntimeCommand API (ワンショット実行) と異なり、シェルセッションは環境変数、作業ディレクトリ、コマンド履歴を永続的に保持します。Claude Code、OpenAI Codex、Amazon Kiro などのコーディングエージェントをホスティングする開発者にとって、ローカルターミナルと同様の操作感でエージェント環境を操作・デバッグできるようになります。
- AWS MCP Server が cross-account および cross-role アクセスに対応
それでは、また来週お会いしましょう!