Amazon Web Services ブログ
Amazon EC2 生誕 15 周年
15 年前の 8 月 23 日、私は Amazon EC2 ベータ版のリリースについてのブログ記事を書きました。思い起こせば、特徴セット、料金モデル、その他の無数の詳細を詰めるべく取り組んでいたため、かなり長い間、リリースできるかどうかの瀬戸際にありました。リリース日が最終的に決まりました。それは、私が長い間をかけて計画していたメキシコのサンルーカス岬への家族旅行の期間中の日となりました。くじけることなく、私は休暇にノートパソコンを持参しました。文字を入力する際に画面が見えるように、ノートパソコンをタオルで覆わなければなりませんでした。確信は持てませんが、[Publish] (公開) をクリックしたのはプールの近くのラウンジチェアに座っていたときだったと記憶しています! その週の残りの期間はオフラインで過ごしたため、このリリースによってどのくらいの興奮が生まれたのかをまったく知りませんでした。
リリースに向けた準備
アンディー ジャシーが AWS グループを結成し、新たな旅を開始したとき、彼は、Amazon Execution Service と呼ばれるものの構想を記載した文書を私に見せてくれました。そして、デベロッパーにとって有益なものとなるかどうか、そしてデベロッパーがお金を払ってまでそのサービスを利用するかどうかを私に尋ねました。私は大きな関心を持って文書を読み、これらの両方の質問に熱意をもって「そう思います」と答えました。私は、キャリアの早い段階で、さまざまなコロケーションサイトでホストされているいくつかのプロジェクトを構築および実行してきており、柔軟性のない長期的なコミットメントとオンデマンドでのスケーリングの問題についてよく知っていました。提案されたサービスは、これらの基本的な問題の両方に対処し、私のようなデベロッパーが大きく変動する需要の変化に簡単に対処できるようにし得るものでした。
EC2 チームは、デベロッパー、起業家、大規模組織のニーズを満たすサービスを構築するために、多くの決定を下さなければなりませんでした。私は意思決定プロセスの一部ではありませんでしたが、チームは、特徴、料金、詳細レベルの 3 つの主要分野において意思決定をしなければならなかったようです。
特徴 – まず、EC2 でリリースした特徴を見ていきましょう。1 つのインスタンスタイプと、1 つのリージョン (米国東部 (バージニア北部)) があり、アベイラビリティーゾーンの概念はまだ公開されていませんでした。構築済みの Linux カーネルの選択肢は少なく、インスタンスの起動時に IP アドレスが割り当てられました。すべてのストレージは一時的で、ライフタイムはインスタンスと同じでした。ブロックストレージがなく、ルートディスクイメージ (AMI) が S3 バンドルに格納されていました。これらの特徴の一部または全部がリリースに必須であるとするのは簡単なことでしたが、いずれも必須のものとはしませんでした。そして、お客様は、EC2 をすぐに使用し始めました。長年にわたって、最小限でありながら有用なサービスを生み出すというこの戦略により、短期間でリリースし、お客様からのフィードバックに応じて、迅速にイテレーション (および新機能を追加) することが可能である状況を目にしてきました。
料金 – EC2 の使用の料金を請求することは考えるまでもありませんでしたが、請求する単位を決定する必要がありました。そして、最終的にはインスタンス時間を単位とすることに決めました。これは、サーバーを完全に購入し、3 年または 5 年間にわたってサーバーを減価償却するか、年間コミットメントの一環として毎月支払うという古いモデルと比較すると、大きな前進でした。それでも、お客様のユースケースでは、よりきめ細かい請求からメリットを得ることができるものもありました。そこで、当社は、2017 年に EC2 と EBS の 1 秒あたりの請求をリリースしました。その裏では、AWS チームはお客様の使用量を測定、追跡、集計、および請求するためのインフラストラクチャを構築する必要もありました。
詳細レベル – これは最初の 2 つほど明白ではないかもしれませんが、私が記事を書くときに定期的に考えるものです。リリース時に、私は、EC2インスタンス (後に m1.small と呼ぶようになりました) が 1.7 GHz のインテル Xeon プロセッサと同等の処理能力を提供したという事実を共有しましたが、実際のモデル番号やその他の詳細を共有しませんでした。Xen で EC2 を構築したという事実は共有しました。長年にわたって、お客様からは特殊なプロセッサ機能を利用したいというご要望をいただいていました。そこで、当社はその情報を共有し始めました。
記憶に残っている EC2 のリリースの数々
過去 15 年を振り返れば、当社は多くのことを正しく実行してきたと思いますし、サービスが成長するための多くの余地も残してきました。お気に入りのリリースを 1 つに絞ることはできませんが、記憶に残っているリリースをいくつか挙げたいと思います。
EC2 リリース (2006 年) – これがすべての始まりとなるリリースでした。当社のより注目すべき初期のスケーリングの成功の 1 つは 2008 年初頭まで遡ります。このとき、Animoto が 1 週間で 100 インスタンス未満から 3400 まで使用量をスケールしたのです (詳細については、Animoto – Scaling Through Viral Growth for the full story をお読みください)。
Amazon Elastic Block Store (2008 年) – このリリースにより、お客様は EC2 で永続ブロックストレージを使用できるようになりました。この記事では、かつて普及した Firefox 用の ElasticFox 拡張機能の歴史的なスクリーンショットをご覧いただけます。
Elastic Load Balancing / Auto Scaling / CloudWatch (2009 年) – このリリースにより、お客様はスケーラブルで可用性の高いアプリケーションを簡単に構築できるようになりました。私自身の言葉を引用すると、「Amazon CloudWatch は Amazon EC2 の容量をモニタリングし、Auto Scaling は需要に基づいて動的にスケールし、Elastic Load Balancing は 1 つ以上のアベイラビリティーゾーン内で複数のインスタンスにロードを分散します」。
仮想プライベートクラウド / VPC (2009 年) – このリリースにより、お客様は論理的に分離された EC2 インスタンスのセットを作成し、IPsec VPN 接続を介して既存のネットワークに接続できるようになりました。このソリューションにより、お客様はネットワークのアドレス指定とルーティングをさらに制御できるようになり、この後の数年間における多くの追加のネットワーク機能への扉が開かれました。
Nitro System (2017 年) – このリリースは、より高いパフォーマンスとセキュリティの強化の追求を目的とした、長年にわたる仮想化インフラストラクチャの再考および再構築の集大成となりました (続きはこちら)。
Graviton (2018 年) – このリリースは、コスト重視のスケールアウトワークロード向けに設計された Amazon ビルドのカスタム CPU のリリースをマークしました。そのリリース以降、当社ではこのラインを進化させ続け、Graviton2 プロセッサを搭載した汎用、コンピューティング最適化、メモリ最適化、バースタブルインスタンスをリリースしてきました。
インスタンスタイプ (2006 年~現在) – 1 つのインスタンスタイプをリリースしてから、現在では 400 種類以上のインスタンスタイプを生み出してきました。これらの各インスタンスは、お客様が特定のユースケースに対応する際に役立つように設計されています。
一緒にお祝いしましょう
過去 15 年間にわたって、当社が目にしてきたお客様による驚異的なイノベーションを記念して、当社では 8 月 23 日と 24 日に 2 日間のライブイベントを開催します。本日午前 9 時 (PDT)、Amazon EC2 のバイスプレジデントである Dave Brown による基調講演「Lessons from 15 Years of Innovation」からイベントを開始します。
イベントのアジェンダ
8 月 23 日 | 8 月 24 日 |
Lessons from 15 Years of Innovation | AWS Everywhere: A Fireside Chat on Hybrid Cloud |
15 Years of AWS Silicon Innovation | Deep Dive on Real-World AWS Hybrid Examples |
Choose the Right Instance for the Right Workload | AWS Outposts: Extending AWS On-Premises for a Truly Consistent Hybrid Experience |
Optimize Compute for Cost and Capacity | Connect Your Network to AWS with Hybrid Connectivity Solutions |
The Evolution of Amazon Virtual Private Cloud | Accelerating ADAS and Autonomous Vehicle Development on AWS |
Accelerating AI/ML Innovation with AWS ML Infrastructure Services | Accelerate AI/ML Adoption with AWS ML Silicon |
Using Machine Learning and HPC to Accelerate Product Design | Digital Twins: Connecting the Physical to the Digital World |
ここで登録し、午前 9 時 (PT) から参加して、EC2 についてより詳しく知り、ともに祝いましょう!
— Jeff;
原文はこちらです。