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2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第九回「AWSを活用したパートナーソリューション紹介 / Inter BEEの歩き方」

2021/10/20 にメディア業界のお客様向けに第九回目となる AWS 勉強会を開催いたしました。この勉強会は二部構成となっており、前半の「Inter BEEの歩き方」では、Inter BEE出展概要について、主催者セミナーセッションの見どころとElementalライブエンコーダーの展示について紹介しました。後半の「AWSを活用したパートナーソリューション紹介」では、 AWSのパートナー企業様2社より、AWSを活用したソリューションについて説明していただきました。

資料のダウンロード及び動画の視聴リンク

それではここから当日のセッション内容について簡単にご紹介させていただきます。

「Inter BEEの歩き方」

AWS出展概要

今年、AWSはオンラインにてInter BEE 2021に参加し、11月18日の出展者セミナー枠で5つのセミナーをお送りします。本勉強会では、以下のような各セミナーのハイライトを紹介しました。
視聴には、Inter BEE 2021公式サイトより入場事前登録が必要になりますのでご注意ください。

◆11月18日 Inter BEE出展者セミナー概要

10:00-11:00 『AWS を活用したライブ映像の収録およびスポーツイベントでの活用事例』 TBSテレビ様

昨今、スポーツイベントや音楽イベントなどの制作や配信、放送などの用途でもクラウドの活用が加速しています。そのようなワークロードでクラウドを活用するには、安定的にクラウド上に素材を保存していく仕組みが必要となります。本セッションでは、AWS上にライブ映像を素材として収録するための方法論をご紹介した上で、今夏の大規模スポーツイベントにおける活用事例をご紹介します。

11:30-12:30 『AWS を活用したコンテンツ価値を最大化するABEMAのクラウド戦略』 Abema TV様

動画配信サービスでは、映像素材の搬入から、配信、アーカイブといったコンテンツサプライチェーン管理においてクラウド利用が進んできました。本セッションではABEMA様でのクラウドメディアワークフローについて紹介いただきます。映像コンテンツのトランスコード、アーカイブ保存、運用のDX化などこれまでの取り組みと今後の展開についてお話いただきます。

13:00-14:00 『AWS を活用した朝日放送テレビ株式会社のリモートプロダクションに関する取組み』 朝日放送テレビ様

メディア業界では、ライブコンテンツ制作において現地へ派遣するスタッフや機材を減らし、制作コストを下げるための「ライブプロダクション環境のクラウド化」に取り組み始めています。
特に年に数回のイベントや突発的なイベントは、クラウドのスケールメリットや従量課金制のメリットを享受しやすいことでクラウド化への期待がますます高まっています。
本セッションでは朝日放送テレビ様にご登壇いただき、これまでのリモートプロダクションに関する取り組みと今後のチャレンジについてお話しいただきます。

14:30-15:30 『AWS で実現するスポーツコンテンツ管理と機械学習の活用』 NTTぷらら様

スポーツコンテンツにメタデータ付けを行うことで、素材の検索性の向上し、ハイライト生成などのワークフローの効率化やコンテンツのマネタイズ促進へ繋げていくことができるようになります。本セッションでは、NTTぷらら様とソニー様で実現された、機会学習を用いたメタデータの自動付与、シーン検出、動作解析とその結果を活用した自動ハイライト生成についてお話いただきます。

16:00-17:00 『AWS のマネージドサービスをフルに活用したマルチチャンネル対応ライブ配信の実現』 U-NEXT様

動画、ドラマ、アニメ、電子書籍など 24万本以上、68万冊以上のコンテンツを配信する株式会社U-NEXT様は2020年コロナ禍によりエンターテイメント業界のライブ興行の中止が増えたことをきっかけに、マルチアングル対応のライブ配信のプラットフォームとしてアマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用しました。さらに2021年6月にはマルチチャンネルに対応したプラットフォームをAWS環境で新たに構築し、国内女子ゴルフツアーを全7チャンネルで独占配信するなど、新たな映像体験を幅広く提供していく仕組みを着々と整えられています。本セッションではこれまでの取り組みと今後の展開についてお話いただきます。

またAWS出展ページ(11/17 Inter BEE 公式サイトにて公開)では5つのAWSコアサービスとテクノロジーを新しく制作したビデオで紹介いたします。

◆AWSオンラインブースで提供する5つのコンテンツ

  • AWS Media Servicesを活用した動画配信
  • AWS Elemental アプライアンスのご紹介
  • メディアユースケースに最適なAWS Storageサービスの活用方法
  • クラウドレンダリングをAWSではじめよう
  • AWS Edge Services Update 2021
  • AWS 機械学習ソリューション

「AWS Elemental ライブエンコーダーの紹介」

AWS Elemental Liveは、AWSが提供する IP 動画ワークロードで高い信頼性と豊富な機能を提供するソフトウェアベースのオンプレミスエンコーダーです。高品質、耐障害性が求められるプレミアムチャンネルでのリニア配信、大規模ライブ配信などで活用いただいています。またクラウドサービスとして提供するAWS Media Servicesと組み合わせることで、お客様の様々なニーズに合わせた配信環境の構築が可能になります。

elemental live overview

今回の展示でのハイライトとして、AWS Elemental JPEG XS サポート、SMPTE2110 伝送、MediaConnect を使った CDI ワークフロー、SRT サポートなど最新機能があります。是非、Inter BEE 会場でご確認ください。

AWS Elemental ライブエンコーダーは、以下のパートナーブースにて展示しております。

  • 伊藤忠ケーブルシステム株式会社: ホール6 | 小間番号 6211
  • 株式会社インターネットイニシアティブ: ホール6 | 小間番号 6507
  • CTCエスピー株式会社: ホール6 | 小間番号 6410

「 AWS を活用したソリューション紹介」

後半セッションでは、株式会社フォトロン様、澪標アナリティクス株式会社様より、メディア業界向けのソリューションとその事例についてお話いただきました。

「TRASC 活用オンラインセミナー」

TRASC(トラスク)はフォトロン様から提供されている「自動文字起こしサービス」です。高い日本語認識率と高速処理を特徴としており、番組制作の文字起こし、テロップ・字幕作成の初期データ生成、記事執筆の効率化、会議の議事録作成など幅広い用途でご利用いただいています。

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多言語翻訳、ユーザー辞書のカスタマイズ、時間(タイムコード)表示のオン・オフなどにこれまで多くの対応追加を実現されて来ています。今回2021年9月21日の大型アップデートでは、多くのお客様から要望いただいていた以下のような新機能を追加し、より文字起こし精度を上げることのできる推奨マイクの紹介も行っていただきました。

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「澪標アナリティクスについて」

ビジネス課題への解決を実現するデータ分析と機会学習の活用を専門とされる澪標アナリティクス株式会社様より、メディア&エンターテインメント業界向けのソリューションと事例紹介をいただきました。

セッションでは、90日後のLTVを7日間のデータから予測し、広告効果を最適化した「サブスクリプションサービスでの広告配信でのデータ分析活用」、旅行予約サイトでのクーポン配布の最適化を実現した「クーポン配信でのデータ活用分析」、お客様を機械的に分類してそれぞれのクラスタでキャンペーン効果を分析した「キャンペーン効果測定」、テレビ視聴データとスマートフォンIDを活用し、テレビUU比率とゲームタイトルのUU比率の相関性からデータの信頼性を検討した「サードパーティデータを組み合わせた分析」の4つの事例をご紹介いただきました。

また、分析基盤の構築の進め方として、最初からすべてを網羅するソリューションを構築するよりも、スモールサクセスを目的に小さくスタートする。そして事業貢献を実現することで、事業部門とともにアイデア出しながら拡張していくいくということを推奨されました。このような利用方法とクラウドサービスの拡張性は相性が良いことも説明いただきました。

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分析の進め方としては、「モデルの作成」と「モデルの実運用」からスタートするよりも、まずはデータを活用することでどんなビジネス課題を解決できるかというところからスタートしたほうが成功への近道という経験をお話いただきました。

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まとめ

メディア業界のお客様向けAWS勉強会の第九回の開催概要をご紹介させていただきました。内容について詳しく知りたい方はこちらより資料のダウンロード及び動画を視聴いただけますので、ご確認ください。今回ご紹介させていただいたパートナーソリューションにご興味お持ちでしたら、AWSのメディアチームまでお気軽にご連絡ください。メディア業界のお客様向け勉強会は月に2回のペース(原則、第 1 ・第 3 水曜日の午後を予定)で開催しており、AWS 活用に当たって有益だと思われる情報を提供しておりますので奮ってご参加ください。第1水曜日の枠では 11 月 ~ 12 月までの残り2 回のシリーズで、クラウドプラクティショナーの試験範囲を網羅するためのセッションを引き続き実施していく予定となっておりますので、クラウドプラクティショナー取得にご興味をお持ちの方は是非継続してご参加ください。また皆様のInter BEE 2021へのご参加お待ちしております。

過去に実施した勉強会についてもブログを公開しておりますので、合わせてご覧ください。

2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第一回「AWS入門」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第二回「AWS を活用したリモートワーク入門」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第三回「メディア系 AWS 活用事例紹介 ~ 新聞・出版 ~」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第四回「メディア系 AWS 活用事例紹介 ~ 放送・配信 ~」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第五回「目指せ ! クラウドプラクティショナー」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第六回「目指せ ! クラウドプラクティショナー コンピューティング・ネットワーク編」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第七回「アベイラビリティーゾーンを 使用した静的安定性 / AWS におけるマルチリージョン構成の考え方」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第八回「目指せ ! クラウドプラクティショナー」

このブログはBD山口 が担当しました。