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新規 – Apple シリコン M2 Pro Mac Mini コンピュータ上に構築された Amazon EC2 M2 Pro Mac インスタンス

9月19日、Amazon EC2 M2 Pro Mac インスタンスの一般提供が開始されたことを発表します。これらのインスタンスは、Apple プラットフォーム用のアプリケーションを構築およびテストする際に、既存の M1 Mac インスタンスよりも最大 35% 高速なパフォーマンスを実現します。

新しい EC2 M2 Pro Mac インスタンスは、12 コア CPU、19 コア GPU、32 GiB のメモリ、16 コア Apple Neural Engine を搭載し、高速 Thunderbolt 接続を通じて AWS Nitro System によって独自に強化されている Apple M2 Pro Mac Mini コンピュータを使用します。これらの Mac mini コンピュータは、最大 10 Gbps の Amazon VPC ネットワーク帯域幅と最大 8 Gbps の Amazon EBS ストレージ帯域幅を備えた、完全に統合されたマネージドコンピューティングインスタンスとして提供されます。EC2 M2 Pro Mac インスタンスは、macOS Ventura (バージョン 13.2 以降) を AMI としてサポートします。

EC2 Mac インスタンスの物語
Jeff Barr が 2020 年に初めて Amazon EC2 Mac インスタンスをリリースしたとき、お客様は、Amazon EC2 上で macOS を実行して、macOS、iOS、iPadOS、tvOS、watchOS などの Apple プラットフォーム用に、Xcode アプリケーションを使用して開発されたアプリケーションを構築、テスト、パッケージ化、署名できることに驚きました。

AWS re:Invent 2020 の基調講演で、Peter DeSantis は、AWS Nitro System を利用した EC2 Mac インスタンスの構築に関する秘密を明かしました。これにより、Apple Mac mini コンピュータを、他の EC2 インスタンスと同様に、Amazon VPC ネットワーキングと Amazon EBS ストレージを備えた、完全に統合されたマネージドコンピューティングインスタンスとして提供できるようになります。

「Mac ハードウェアに変更を加える必要はありませんでした。必要だったのは、Mac の Thunderbolt 接続を介して Nitro コントローラーを接続することだけです。Mac インスタンスを起動すると、Mac 互換の Amazon マシンイメージ (AMI) がハイパーバイザーなしで Mac Mini 上で直接実行されます。Nitro コントローラーはインスタンスを設定し、ネットワークおよびアタッチされているストレージへの安全なアクセスを提供します。そして、Mac Mini はあらゆる AWS サービスをネイティブに利用できるようになりました」

2022 年 7 月、Apple が設計した M1 システムオンチップ (SoC) を中心に構築された Amazon EC2 M1 Mac インスタンスをリリースしました。iPhone、iPad、Apple Watch、Apple TV アプリケーションを構築するデベロッパーは、x86 ベースの EC2 Mac インスタンスまたは Arm ベースの EC2 M1 インスタンスのいずれかを選択できます。EC2 M1 インスタンスを使用して Apple シリコンを搭載した Mac をネイティブにサポートするようにアプリを再設計したい場合は、AWS のすべてのメリットを活用しながら、iPhone および Mac のアプリの構築ワークロードのために、EC2 Mac インスタンスよりも最大 60% 優れた料金パフォーマンスを実現するアプリを構築してテストできます。

多くのお客様は EC2 Mac インスタンスを利用して、AWS において、macOS 上の完全なエンドツーエンドの構築パイプラインを提供しています。EC2 Mac インスタンスを使用すると、iOS ビルドフリートをスケールし、AMI を使用してカスタム macOS 環境を簡単に使用できるほか、完全に再現可能な macOS 環境でビルドまたはテストの失敗をデバッグできます。

お客様からは、構築時間の最大 4 倍の短縮、並列ビルドの最大 3 倍の増加、マシン関連のビルド障害の最大 80 % の削減、およびフリートサイズの最大 50 % の削減が報告されています。オンプレミスの macOS インフラストラクチャの管理に必要となる退屈な作業を軽減しながら、製品や機能の革新のために優先的に時間を割き続けることができます。

このイノベーションを加速するために、EC2 Mac インスタンスは最近、実行中の EC2 Mac インスタンス上のルートボリュームの置き換えのサポートを開始しました。これにより、EC2 Mac インスタンスのルートボリュームを、インスタンスを停止または終了することなく、初期の起動状態または特定のスナップショットに復元できるようになります。

また、インスタンスを Apple Developer Program に登録することで、EC2 M1 Mac インスタンスのゲスト環境内から、特定のまたは最新の macOS バージョン (ベータ版を含む) へのオペレーティングシステムのインプレースアップデートを使用することもできます。デベロッパーは、macOS のパブリックリリース前に、最新の macOS 機能をアプリケーションに統合し、既存のアプリケーションの互換性をテストできるようになりました。

EC2 M2 Pro インスタンスの開始方法
他の EC2 Mac インスタンスと同様に、EC2 M2 Pro Mac インスタンスも、macOS ライセンスに合わせて、最小ホスト割り当て期間が 24 時間の専有ホストテナンシーをサポートしています。

使用を開始するには、Mac 専有ホスト、つまり AWS アカウントにおける完全に自分専用の物理サーバーを割り当てる必要があります。ホストが割り当てられた後は、1 つの専有ホストとなるように、そのホスト上の 1 つのインスタンスとして独自の macOS 環境を起動、停止、開始できます。

ホストが割り当てられたら、そのホスト上で EC2 Mac インスタンスを起動できます。この手順は、あらゆる EC2 インスタンスタイプを開始する場合と変わりません。macOS AMI バージョンを選択し、[アプリケーションと OS イメージ] セクションで mac2-m2pro.metal インスタンスタイプを選択します。

[高度な詳細] セクションの [テナンシー][専有ホスト] を選択し、[テナンシーホスト ID] で作成したばかりの専有ホストを選択します。

EC2 Mac インスタンスを初めて使用するときは、SSH を使用して通常どおり新しく起動したインスタンスに接続するか、EC2 インスタンスに対して Apple Remote Desktop を有効にして VNC セッションを開始できます。詳細については、Sebastien の一連の記事を読み、Mac インスタンスを起動して接続してください。

Mac 専有ホストが必要なくなった場合は、実行中の Mac インスタンスを終了し、基盤となるホストを解放できます。Mac 専有ホストは、割り当て後、Apple の macOS ライセンスに合わせて、24 時間が経過しなければリリースできないことにご留意ください。

今すぐご利用いただけます
Amazon EC2 M2 Pro Mac インスタンスは、米国西部 (オレゴン) と米国東部 (オハイオ) の AWS リージョンでご利用いただけます。また、追加のリージョンも近日中に追加される予定です。

詳細を確認したり、使用を開始したりするには、「Amazon EC2 Mac インスタンス」をご覧いただくか、または EC2 Mac ドキュメントにアクセスしてください。 フィードバックは、AWS re:Post for EC2 に送信するか、または AWS サポートの通常の担当者を通じてお寄せください。

Channy

原文はこちらです。