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新発表 – 映像伝送の安定性を向上し機能拡張するAWS Elemental MediaConnect

AWS入社前、私はスポーツテレビチャンネルを所有し配信していた会社に勤めていました。数十箇所の拠点からのスポーツフィードを1つのチャンネルに集約して24時間配信をしておりました。 この規模の放送グレードのネットワークを運用するためのインフラストラクチャとロジスティクスは膨大であり、運用保守が困難であり高コストでした。

これは一部の地域や組織の問題ではなく、メディア企業は独自のネットワークインフラストラクチャで同様の課題に直面しています。 非都市部からの映像フィードを衛星通信経由で統合し、信頼性と放送機能を維持しながら映像信号を複数の地域や国に配信する事は難しい課題であり設備投資も必要でした。

 

Introducing AWS Elemental MediaConnect

AWS Elemental MediaConnectはメディア企業がライブビデオをクラウドに確実に取り込む事ができ、AWSグローバルネットワークを通じて複数の宛先へ安全に送信できる新しいAWS Elementalサービスです。 AWS Elemental MediaConnectは衛星伝送で慣れ親しんだ信頼性、セキュリティ、可視性をお客様に提供します。柔軟性とコスト最適化はインターネットベースの伝送でのみ可能です。ローカルのスポーツイベントを扱う小規模のビデオ制作者から、複数の24時間365日のテレビチャンネルを持つ全国放送のテレビネットワーク、AWSクラウド以外のソース(スポーツ施設やテレビスタジオなど)からコンテンツを確実に取り込むことができます。放送局グレードの信頼性と運用上の可視性を備え複数の宛先へ安全に映像信号を伝送します。これらの目的地は、お客様独自のAWSベースのビデオ処理システムまたはインターネット上のサービスを指定することができます。

 

What you need to know:

Broadcast Reliability – AWS Elemental MediaConnectは信頼性の高い放送局グレードの基準を満たすように設計されており、ジッタとバッファリングを削減するように最適化されています。そしてビデオプロフェッショナルが使用するビデオ伝送プロトコル(RTP、FEC付きRTP、Zixiプロトコルなど)に対応することで、信頼性を確保します。AWS Elemental MediaConnectは低レイテンシ、高帯域幅のAWSグローバルネットワークを使用して、AWSリージョン間で映像信号を伝送および複製します。

Industry-Grade Security – AWS Elemental MediaConnectはメディア企業のセキュリティ要件をサポートします。 AES-256暗号化を使用してストリームを暗号化するオプションを提供し、AWS Secrets Managerを用いて鍵を安全に保管します。 併せて複製機能を用いて、お客様はAWS内外の複数の関係会社様へコンテンツを安全に伝送できます。

Visibility & Operations  – 最後にAWS Elemental MediaConnectはお客様に映像信号の健全性を可視化します。サービス品質(QoS)アラーム、及びリアルタイム信号チェックを組み合わせミッションクリティカルな映像信号の健全性を 追加設定なしで確認できます。さらにAWS Elemental MediaConnectは他のAWS Media ServicesやCloudWatchと統合されており、ダッシュボードの作成やアラームの作成が容易です。

AWS Elemental MediaConnect in Action

既存のメディア企業で行っている事と同様に拠点にあるエンコーダからのビデオフィードをAWSに取り込んで複数の地域へ伝送したいとします。まず 始めに新しいビデオフィードを作成し、AWS Elemental MediaConnectに接続します。

マネジメントコンソールを用いて新しいフローを作成し、取り込みオプションを定義します。今回は拠点のエンコーダからビデオフィードを提供しています。標準ソースと入力プロトコルを選択します。 Zixiプロトコルはメディア業界で広く使用されている商用ビデオ配信プロトコルです。ホワイトリストに登録されたCIDRブロックを設定するとAWS Elemental MediaConnectの取り込みポイントへのアクセスを制限できます。

ここでは映像信号の暗号解読キーを提供することを選ぶことができます。今回、映像信号は暗号化されておりませんので、フローを作成し続けます。

次のステップでは、フローをオンにしてビデオの受信を開始します。今回、2つの設定をしたいと思います。1つ目はAWS Elemental MediaConnectフローをAWS Elemental MediaLiveに接続します。これは、取り込んだビデオフィードを配信するためです。2つ目はヨーロッパ(ダブリン)から米国(オレゴン州)にビデオを伝送するフローを作ります。つまりグローバルで配信できるようになります!

資格情報を付与するとMediaConnectエンドポイントと同じリージョンの他AWSアカウントのサービスと通信するためのARN(AWSリソース番号)を生成できます。 今回、同じAWSアカウントを使用しているので、資格情報のあるソースオプションを使用して新しいフローを構築します。

 

ARNが生成された事で、フローをライブ配信して米国で見たり、他のAWS Media Servicesに配信することができます。また、映像信号をインジェストポイントに送信すると、AWS Elemental MediaConnectは指定された各宛先に自動的にそれを複製して伝送します。インジェストポイントのリアルタイムメトリックスにアクセスできるため、コンソールやAPIから即座にフローを別のインジェストポイントに変更する事が容易です。ビデオを多くの地域、拠点、またはサードパーティのAWSアカウントに配布することができました。他のAWS Media Servicesを使用してビデオオンデマンドプラットフォーム全体を構築することもできます。残念ながら、ブログを書くスペースは限られておりAWS re:lnventも進行中ですので、ここからあなた自身で試してみて下さい。

 

Availability and Pricin

初期投資は必要ありません。各フローにおいてAWS Elemental MediaConnectサービスに取り込まれたデータ量と各実行フロー毎の時間単位での請求になります。AWS Elemental MediaConnectは米国東部(米国バージニア州)、米国西部(米国カリフォルニア州)、米国西部(オレゴン州)、アジア太平洋(シンガポール)、アジア太平洋(シドニー)、アジア太平洋(東京)、EU(フランクフルト、 EU(アイルランド)のリージョンにおいて2018/11/27から利用できます。

(この記事は SA 金目が翻訳しました。原文はこちら)

 

詳細についてはこちらの情報もご確認下さい。

AWS Elemental MediaConnect