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ソシオネクスト、AWS でリアルタイム AV1 エンコーディングを実現

NFL の試合をストリーミングで観戦することや、ミステリースリラー番組「ストレンジャー・シングス」の新シーズンを好きなだけ見たりする事から、消費者はストリーミングビデオ体験に対し、高い映像品質を期待するようになってきています。また、コンテンツ制作者や配給事業者にとって、低遅延且つ高品質のビデオを作成することが不可欠となっています。ただし、拡大するデバイスへの配信や多様なネットワーク接続環境を考慮に入れると、映像品質について高い水準を維持することは困難になっています。

日本の SoC( System-on-Chip )テクノロジープロバイダーである株式会社ソシオネクスト(以下、ソシオネクスト社)では、映像伝送にAWS Elemental MediaConnect、AV1エンコード処理にAmazon Elastic Compute Cloud( EC2 )F1 インスタンス、コンテンツ配信に Amazon CloudFront を使用しクラウドベースの AV1 リアルタイムエンコードを可能にするソリューションを構築することで、処理時間を大幅に短縮しながら一貫した高い映像品質を実現しました。

その仕組みは次のとおりです。
エンコーダを内蔵し Zixi プロトコルに対応した JVCのCONNECTED CAMカメラで撮影をします。JVC カメラは 前方誤り訂正(FEC)および自動再送要求(ARQ)パケット損失回復を使用するメカニズムであるZixiプロトコルに対応した唯一のプロフェッショナル用カメラです。JVC カメラから出力された信号は MediaConnect に送信されます。その後、信号は EC2 F1 インスタンスに入力され、リアルタイムで次世代の圧縮コーデック AV1 にエンコードされ、CloudFront を介して視聴者に送信されます。

適切に実装された場合、AV1 エンコーディングは H.264 および H.265 コーデックよりも小さいファイルサイズでより高品質の画像を生成しますが、エンコーディングのための高いコンピューター処理装置( CPU )要件によって、広く採用されていません。MediaConnect と EC2 F1 インスタンスがサポートするフィールドプログラマブルゲートアレイ( FPGA )を組み合わせることで、ソシオネクスト社のソリューションはリアルタイムの AV1 エンコードを可能にし、専用 CPU のハードウェアコストを削減します。また、不安定なネットワーク環境でも、エンドユーザーエクスペリエンスとストリームの品質を向上させながら、ストレージとコンテンツ配信ネットワーク( CDN )のコストを削減します。

以下はH.264とAV1でエンコードされた映像から切り抜いた画像です。AV1はH.264の4割のビットレートであるにも関わらず、画質が良い事が分かります。

ソシオネクスト社はこの春に米ラスベガスで開催された NAB 2019 にて技術参考として本ソリューションを紹介しました。また蘭アムステルダムで開催された IBC 2019でも性能改善を図った AV1 エンコードのデモを行いました。イベント会場のようなネットワーク接続性が悪い場合でも、フル HD でリアルタイム伝送を実現しました。

「リアルタイム AV1 エンコーディングは、放送局や IPTV プロバイダーにとって大きな変化をもたらすでしょう。そして NAB 来場者からの圧倒的な好意的な反応は、それを証明するものです。」とソシオネクスト社の飯塚 康夫氏(映像配信ソリューションチーム チーム長)は述べます。 「低ビットレートで高品質のビデオストリームをサポートすることで、業界の一般的なボトルネックを解決し、オンプレミスのツールでは解決できなかった問題を解決します。AWS ソリューションと従量課金制は、このソリューションを作成する上で非常に貴重です。また、今後とも彼らのチームとのコラボレーションを期待しています。」

(この記事は SA 金目が翻訳しました。原文はこちら)

 

本システムソリューションについての詳細は、ソシオネクスト社のウェブサイトをご覧ください。またソシオネクスト社は、11月に日本で開催される国際放送機器展 Inter BEE 2019 にて AV1 エンコードをご紹介する予定です。

株式会社ソシオネクスト

InterBEE 2019 出展
InterBEE2019 出展情報(AWSブースにてリアルタイム AV1 ソリューションを展示予定)
InterBEE2019 特別講演:メディア業界におけるクラウド活用最新事例2019