MNC Group が Vision+ を新たな高みに引き上げ、AWS を利用して数百万のオーディエンスにシームレスなストリーミングを提供

1989 年に設立された MNC Group は、金融サービス、エネルギー、ホスピタリティ、メディア、エンターテインメントの各業界で事業を展開するインドネシアのコングロマリットです。同社のメディアおよびエンターテインメント部門である MNC Media は、東南アジアで最大級かつ極めて統合された組織です。同社は、Indonesian Idol、Master Chef Indonesia、X Factor Indonesia など、インドネシア最大級の番組のいくつかを制作し、動画ストリーミングサービスである Vision+を運営しています。

Vision+ はインドネシアで月間 4,000 万人以上のアクティブユーザーを抱えています。これらのユーザーは、100 を超えるチャンネルとビデオオンデマンド (VOD) で、映画、ドラマ、コメディ、リアリティ番組を視聴しています。最近、MNC Group は、主要なサッカートーナメントなどのスポーツイベントのライブストリームを追加することで、さらに数百万人のアクティブユーザーを引き付けることを目指しました。さらに、世界中に大規模なインドネシア人コミュニティが存在することに目を付けたグループは、Vision+ の世界的な成長を促進したいと考えています。

拡大への道を切り拓くために、MNC Group は、急増するライブスポーツイベントの需要に合わせたスケーリングと対応という課題に直面していた Vision+ のオンプレミスの OTT (Over The Top) プラットフォームを刷新する必要がありました。さらに、既存のプラットフォームには、予定されているスポーツイベント中の不正アクセスの試みに対処するための十分なセキュリティ対策が講じられていませんでした。

レガシーインフラストラクチャのスケーラビリティの問題に対処するため、MNC Group は OTT プラットフォームをクラウドに移行することを決定しました。複数のクラウドプロバイダーを評価した後、グループは Amazon Web Services (AWS) を選びました。MNC OTT Network の Chief Operating Officer である Roy Debashis 氏は、「これは当社のプロジェクトであったにもかかわらず、AWS は当社の成功に強いコミットメントを示してくれたため、AWS を選択しました」と述べています。

MNC Group は、イベントをライブストリーミングし、VOD サービスを提供するために AWS 上でアーキテクチャを開発しました。VOD コンテンツ処理のために AWS Elemental MediaConvert を、ライブおよび VOD コンテンツのパッケージ化のために AWS Elemental MediaPackage をデプロイしました。また、ライブストリームでのパーソナライズされた広告挿入に AWS Elemental MediaTailor を利用することを計画しています。

ソリューションの一部として、同グループは Amazon CloudFront を利用して、Vision+ の顧客へのライブストリームを準備、保護、配信しています。また、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) を利用して、配信前に AWS Elemental MediaConvert によってトランスコードされた VOD アセットと AWS Elemental MediaPackage を利用してパッケージ化された Digital Rights Management (DRM) を取り込んでいます。 

需要の高いイベント中の急増に対処するために、アーキテクチャでは AWS Auto Scaling を利用しました。これにより、Vision+ アプリケーションをサポートするすべての AWS アベイラビリティゾーンのキャパシティが自動的に調整されます。また、このプラットフォームは、コンテンツのコピーや不正アクセスを防止するために Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンスで実行される DRM キーサーバーも利用しています。

わずか 4 か月で、Vision+ の AWS 上の新しい OTT プラットフォームの稼働を開始できました。Debashis 氏は次のように述べています。「当社にとって際立っていたのは、AWS チームのサポートでした。電話をかければいつでもすぐにつながりましたし、メッセージを送るとすぐに対応してくれました」。 迅速な開発タイムラインのおかげで、Vision+ はアジア各国の 23 歳以下の男子の代表チームが集まる AFC U23 Asian Cup の試合をライブストリーミングする準備を整えることができました。 

Debashis 氏は次のようにコメントしています。「このトーナメント中のライブストリーミングトラフィックは、当社のそれまでの記録を超えるものでした。AWS 上の OTT プラットフォームは、平均して 1 試合あたり 200 万超の同時ストリーミングを処理しました」。 ある試合中、Amazon CloudFront は 4 PB を超えるストリーミングデータをシームレスに配信しました。これは、通常の 1 日の量の 10 倍に相当します。

効率的にスケールして質の高いサービスをサッカーファンに提供するだけでなく、AWS ベースの OTT プラットフォームは、動画の開始時間を 60% 高速化し、再生の問題を 40% 超削減しました。「動画の開始時間はライブイベントにとって非常に重要です」と Debashis 氏は説明します。「AWS を利用すると、開始時間は 1.8 秒未満になるため、お客様はほぼすぐに試合を視聴できます」