1 億 7500 万人
チャンネルおよびプラットフォームにおける 50 の地域での視聴者数
1 万時間以上
自動言語チェックソリューションを使用して監視した 19 のさまざまな言語の音声と数百のライブイベントの時間
パフォーマンス向上
AWS Graviton プロセッサを使用して処理能力の向上とコスト削減を実現
削減
オンサイトのフットプリントと人員
概要
2020 年の東京オリンピックに向けて、Discovery (現 Warner Bros.Discovery) は、Discovery+ を含む自社の放送チャンネルとストリーミングサービスで欧州の 50 の地域に 19 か国語でイベントを放送するためのスケーラブルなソリューションを必要としていました。オリンピックの放送とストリーミングには、複数の国の視聴者への配信をサポートするために多大な労力が必要です。東京 2020 では、1 億 7500 万人の視聴者が Warner Bros.Discovery のチャンネルとプラットフォームを利用し、前回のオリンピックの 21 倍の時間に相当する 13 億分のコンテンツをストリーミングしました。続いて開催された 2022 年の北京冬季オリンピックでは、1 億 5,600 万人の視聴者が 10 億分のストリーミングコンテンツを視聴しました。
この規模のイベントを管理するために、Warner Bros.Discovery と Amazon Web Services (AWS) は協力して、解説言語を自動でチェックする業界初のソリューションを始めとするイノベーションを開発しました。AWS のサービスと、成果を上げてクラウドで成功するためのコンシェルジュのようなサービスを提供する AWS エンタープライズサポートを利用することで、動画の同時配信が実現し、視聴者とコメンテーターのエクスペリエンスが向上しました。
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機会 | リモート中継サポートの管理
Warner Bros.Discovery は、映画、テレビ、ストリーミングの分野で、脚本ドラマ、ドキュメンタリー、ライフスタイルに関するコンテンツを運営する世界大手のエンターテインメントおよびメディア企業です。リアルライフエンターテインメントが楽しめるストリーミングサービス Discovery+ では、デジタルサブスクライバーが番組や限定コンテンツにアクセスできます。このサービスは、2018 年の平昌オリンピックからオリンピックのストリーミングホームとしてオリンピックのあらゆる瞬間を配信し、東京 2020 では 2021 年の夏にかけて AWS との連携が始まりました。
Warner Bros.Discovery は、東京 2020 オリンピックで 2021 年の夏に向けた計画を立てるため、ビジネスクリティカルなイベントの計画と運営のサポートを提供する AWS Infrastructure Event Management (AWS IEM) を使用する前にも Discovery+ やその他のビジネス分野でさまざまな AWS サービスを利用していました。同社は、イベント前に AWS の専門家と協力して戦略を練り、イベント中は AWS IEM を使用して問題に対処しました。Warner Bros.Discovery は、ビジネスクリティカルなビデオシステムの運用の信頼性を向上させるために設計されたサポートプログラムである AWS Elemental Media Event Management (AWS Elemental MEM) を使用し、オリンピック全体を通じて AWS メディアサービスのサポートを受けました。東京 2020 と北京 2022 は、アジア、米国、欧州の大陸全土から 24 時間体制でサポートチームと専門家が協力したグローバルな取り組みでした。「このような大規模イベントでは、AWS IEM と AWS Elemental MEM のチームが私たちをサポートしてくれ、頼もしかったです」と Warner Bros.Discovery の Engineering Technology 担当、Group Vice President である Ian Cockett 氏は述べています。「必要な時は、世界中の AWS 専門家たちが、私たちが抱えていた問題を克服するために協力してくれました」。
新型コロナウイルス (COVID-19) の流行に伴う現地での制約および渡航制限の影響により、同社は、東京 2020 の技術的および人的負担を、以前のオリンピックに比べて大幅に縮小して大会に対応しました。当時の現状を踏まえ、北京 2022 では現地での活動規模をさらに縮小させました。しかし、AWS IEM や AWS Elemental MEM などのサポート、そして AWS Elemental MediaLive (ライブ映像をエンコードして、あらゆるデバイスに放送およびストリーミングする放送局レベルのライブ映像処理サービス) のような AWS サービスを利用して、これまで同様に質の高い取材や番組制作を実現しました。「パンデミックの中でリモート制作の重要性が高まるよりも前から、当社のリモートプロダクションへの取り組みは順調に進んでいました。将来を見据えると、AWS のクラウドサービスによって補完された当社の社内テクノロジーと専門知識が大きく進化を遂げたことで、オリンピックなどの主要なイベントに適切かつ必要な人材だけを派遣できるとわかっていることは大きなメリットです。これにより、当社とパートナーの双方が求める明確な人員配置、ビジネス、持続可能性の面でメリットを得られました」と Ian Cockett 氏は述べています。
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AWS IEM と AWS Elemental MEM の AWS エキスパートは、同じ部屋にいるコラボレーターのような存在です。技術チームやクラウドプロバイダーにこれ以上望むことはありません”
Ian Cockett 氏
GVP Engineering & Technology
ソリューション | スケーラビリティと柔軟性の提供
多数のビデオフィードを同時にストリーミングできるソリューションを必要としていた Warner Bros. Discovery にとって、オリンピックを配信するためにスケーラビリティは不可欠でした。この規模を管理するために、同社は事実上あらゆるワークロードに対し、安全でサイズ変更可能なコンピューティング容量を提供する Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) を採用しました。さらに、スポーツ中継では天候による遅延や、予定よりも長引く場合があるため、スケジュールに縛られるのではなく、その時々のニーズに応じて拡張できる柔軟性が必要でした。同社は、Amazon EC2 で実行されるクラウドワークロードに最高のコストパフォーマンスを提供するよう設計された AWS Graviton プロセッサを使用することで、運用コストの削減と処理能力の向上を実現しました。
また、同社は、AWS のサービスを利用して望ましいビジネス成果を達成するためのサポートを提供する AWS プロフェッショナルサービスとも協力して、サーバーレスマイクロサービスアーキテクチャを使用し、適切な言語が適切な国に配信されていることを確認する革新的なデジタルオーディオコメンタリーチェッカーを設計および実装しました。これにより、手動による介入なしにソリューションをスケールできるようになりました。「欧州全域のマルチマーケット放送局として、このような多様性と数多くの言語を管理することは、私たちに課された最も難易度の高いプロジェクトの 1 つです」と Ian Cockett 氏は言います。「各スポーツで適切なコメントを適切なタイミングで提供することは、間違いなく重要かつ複雑です。特に、多くのコメンテーターがリモートで役割を果たす必要があったパンデミック時にはなおさらでした」。この業界初のソリューションは、自動音声認識機械学習と、音声をテキストに自動的に変換する Amazon Transcribe を使用して、ライブ解説の言語を識別し、音声の問題をほぼリアルタイムで運用チームに自動的に通知することで、スポーツイベントのライブ中継における重大な課題に対処します。Warner Bros.Discovery は平均して 61 のライブイベントを最大 19 の異なる言語で同時放送しているため、手動での確認は時間がかかり、また困難です。自動化されたソリューションでは、手動チェックを補い、潜在的な問題をより迅速に検知できるため、時間を節約できます。東京 2020 のソリューションを導入した後、同社はテニスのグランドスラムトーナメントや自転車競技のグランドツアーなど、すべての主要なライブイベントの監視にこのソリューションを使用してきました。
同社は、コメンテーター向けにAmazon WorkSpaces (場所を問わず永続デスクトップへの安全で、信頼性の高い、スケーラブルなアクセスを実現する、フルマネージド型デスクトップ仮想化サービス) を使用して、アスリートに関する背景データを備えたシステムを作成しました。コメンテーターは世界中からこのシステムにアクセスできます。これはパンデミック時のリモート要件を満たすために必要な追加のリモートサポートを提供する上で不可欠なものでした。
成果 | 今後のオリンピックに向けたイノベーション
Warner Bros.Discovery は、2024 年のパリオリンピックに向けて順調に準備を進めていて、引き続き視聴体験の向上と観客のオリンピックへの関わり方を革新していく予定です。同社は他の多くの主要イベントと同様に、AWS IEM と AWS Elemental MEM を採用した経験を活かし、この開発とイノベーションのサポートにおいて AWS との連携を続けていく予定です。「AWS IEM と AWS Elemental MEM の『AWS』チームは、当社のチームに見事に溶け込み、当社の技術チームやクラウドプロバイダーの要件をはるかに上回る働きを見せてくれました」と Ian Cockett 氏は述べています。「必要な時にサポートが受けられるだけではなく、AWS チームは発生する可能性のある問題を事前に特定し、対処してくれるのです」。
Warner Bros.Discovery について
Warner Bros.Discovery は、テレビ、映画、ストリーミングにおいて、世界で最も差別化された完全なコンテンツとブランドのラインナップを制作および配信する、世界大手のグローバルメディアおよびエンターテインメント企業です。220 以上の国と地域、50 か国語でサービスを提供している Warner Bros.Discovery は、その象徴的なブランドや作品を通じて、世界中の視聴者にインスピレーションを与え、情報を提供し、楽しませています。欧州向けのオリンピックのストリーミングホームとしても機能する同社の Discovery+ ストリーミングサービスでは、デジタルサブスクライバーはリアルライフエンターテイメントやスポーツ番組にアクセスできます。
利用している AWS のサービス
AWS Elemental MediaLive
AWS Elemental MediaLive は、TV 放送やインターネット接続機器に配信するための高品質なストリームを作成する放送局レベルのライブビデオ処理サービスです。
AWS Graviton プロセッサ
AWS Graviton は、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) で実行されるクラウドワークロードに最高のコストパフォーマンスを提供するように設計されたプロセッサファミリーです。
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Amazon Transcribe
音声をテキストに自動的に変換します。
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Amazon WorkSpaces
あらゆるワークロードに対応する、安全で信頼性の高いフルマネージド型仮想デスクトップ。
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